魚釣りに出かける際に必需品である「クーラーボックス」ですが、正しい使い方を知っている方は案外少ないのかもしれません。
せっかく釣った魚は、なるべく鮮度を落とさずに持ち帰りたいですよね。
また、クーラーボックスは釣った魚の保管だけではありません。
それでは、クーラーボックスの上手な使い方をご紹介します。
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魚釣りはクーラーボックスを活用しよう!
釣った魚は鮮度抜群ですから、その鮮度を落とさないためにも、クーラーボックスの正しい使い方を覚えてみましょう。
まず、クーラーボックスに直接氷だけをたくさん入れて、釣った魚をその氷の上に直接入れる方法はおすすめできません。
クーラーボックスの氷の上で魚が暴れて、傷つき血がにじんでしまい、見るも無残な状態になります。
また、釣り上げた魚をバケツに泳がせて死んだ後に、氷の入ったクーラーボックスに入れるという方法は、魚が狭いバケツ内で強いストレスを受けうまみ成分が分解されてしまうことから、冷やして持ち帰ったとしてもおいしさが落ちてしまいます。
このように、釣った後の扱い方で、魚の鮮度やおいしさは変わってきてしまいます。
つまり、ただ冷やすだけが鮮度を保持することにはつながらないのです。
魚は、強いストレスを受けることなく、即死させることでおいしさと鮮度を保つことができるのです。
そこで、正しく締めて持ち帰る方法をおすすめします。
釣れたら、魚の大きさに合わせた締め方をして、クーラーボックスを適切に使用し、冷やしながら持ち帰る、この方法であれば鮮度を保てるので、持ち帰った後も魚をおいしくいただくことができます。
それでは、クーラーボックスを上手に使うための方法をくわしくご紹介します。
クーラーボックスの使い方【小魚】
小魚を釣るときの、クーラーボックスの使い方をご紹介します。
小魚は、冷たい海水で一気に即死させる「氷締め」をします。
●小魚を釣るときの手順
①釣り場についた時点で、クーラーボックスに海水と袋のままの板氷を入れて「氷締め」の準備をする
②魚が釣れたらすぐに、あらかじめ準備した冷たい海水が入ったクーラーボックスに魚を入れる
③釣りが終わったら、クーラーボックスから海水を流す
④魚の上に氷を置いた状態にして、クーラーボックスを持ち帰る
小魚の場合、このような手順となります。
あらかじめ冷えた海水を用意することで、はじめの魚が釣れたときに慌てないですみます。
冷たい海水で即死するため、鮮度を保持しつつ保冷ができます。
おすすめなのは、袋に入ったままの板氷です。
まず、板氷は氷の塊なのでとけにくいことが利点です。
さらに袋に入った板氷は、海水を抜いた後、魚と氷が直接接することなく、一気に袋ごと氷を上に乗せることができるので楽です。
なお、冷気は下に向かうことから、帰る前、海水を抜いた後は氷を魚の上に乗せて持ち帰るようにしましょう。
クーラーボックスの使い方【中型以上の魚】
中型魚(30センチ以上)を釣るときの、クーラーボックスの使い方をご紹介します。
前述のとおり、小魚はクーラーボックスに海水と袋のままの板氷を入れて「氷締め」をしますが、中型魚は血抜きや神経締めの後、クーラーボックスに入れます。
なぜなら、中型魚以上になると、小魚のような氷締めでは即死しにくいことから、釣った直後に血を抜いたり、神経締めをしたりすることで、死後硬直を遅らせることができるため、うまみ成分と鮮度を保持できるのです。
●中型魚を釣るときの手順
①釣る前に、バケツに海水を入れておく
②魚が釣れたら、エラの横と尾の付け根の二か所に包丁を入れて切断し、魚を締める
③尾の頭よりの部分を背骨が見えるまで切断し、背骨の上に色の違う丸い部分の神経部分に金属棒(アイスピックなど)を出し入れして神経締めをする
④エラを取って海水を入れたバケツで血を抜く
⑤神経締め、血抜きの処理後、魚をタオルで拭いてから新聞紙にくるみクーラーボックスに入れ、袋に入ったままの板氷を魚の上に置いて持ち帰る
このように中型魚の場合は、神経締めと血抜きの後にクーラーボックスを使います。
クーラーボックスに入れる前に、新聞紙でくるむことで、余分な水分やドリップを吸収させることができ、鮮度を保持することができます。
また、新聞紙の代わりに、蝋紙を使用した魚を入れる専用の袋を使えば、水漏れ、氷焼け、蒸れなどをしにくいといった特徴があり、袋ごと冷蔵庫に保管できるという魅力もあります。
あると便利!「塩水氷」の使い方とは?
ここまでクーラーボックスに入れる氷は、袋に入ったままの板氷をおすすめしてきました。
板氷は、塊でとけにくく袋のまま使えば、氷がとけても袋から真水が流れ出ることはありません。
「板氷がとけたら、袋の封を切って海水に混ぜてしまえばいいのでは?」と思う方もいるでしょう。
しかし、海水に板氷のとけた「真水」を混ぜてしまうと、塩分濃度が下がってしまうのです。
塩分濃度が下がると、そこに浸かっている魚は浸透圧の関係上、体内に水が入り込んでしまい、水っぽくなって味が落ちてしまうのです。
そのため、釣りに行く数日前に用意しておくと便利なのが、「塩水の氷」です。
クーラーボックスに入るサイズの、フードコンテナーのようなプラスチックの保存容器を用意します。
その中に塩水を入れて冷凍庫で凍らせましょう。
塩水氷の使い方は板氷と同じですが、保存容器を直接海水に入れて使えるので、塩水氷がとけた後、海水に混ぜてしまっても塩分濃度が下がることがありません。
また、釣りに慣れている方は、海水を保存容器などに持ち帰って、そのまま凍らせて使っているようです。
とけても安心な「塩水氷」を用意しておくと便利です。
クーラーボックスを汚さない使い方
魚を直接クーラーボックスに入れてしまうと、どうしても汚れや臭いが気になってしまいます。
先述した、中型魚は蝋紙を使用した魚を入れる専用の袋を使うのもおすすめですが、小魚の氷締めをする際になるべくクーラーボックスを汚さない使い方をご紹介します。
クーラーボックスの中に入れられるくらいの水漏れしない丈夫なビニール袋を重ねて、そこに海水を入れるようにしましょう。
板氷は袋のまま、海水の入った袋の外側に置いて海水を冷やしましょう。
また、袋に入っていない氷であっても、海水の入った袋の外側から冷やすため、直接海水にさらされないことから浸透圧にも関係ありません。
なお、繰り返し使える板タイプの保冷剤や、ペットボトルに水を入れて凍らせたものなどもあいた隙間に入れて使うことができます。
さらに、魚専用のロック付きの丈夫な袋を用意できるのであれば、海水と魚を一緒に入れて密閉することができるので、クーラーボックス内に海水が流れ出ることなく持ち帰ることができます。
少々手間がかかりますが、クーラーボックス内を直接汚すことがないので使用後のお手入れは楽になるでしょう。
クーラーボックスは魚用と別にもう一つあると便利!
釣りは、年間通して楽しめますが、暑い時期は熱中症対策が必要となります。
その暑さ対策としても、クーラーボックスを活用しましょう。
魚用とは別に一つ用意して、釣りをする人の飲食用や冷感グッズの保冷として使うことをおすすめします。
やはり、熱中症予防のためにも飲み物は必需品でしょう。
そこで、クーラーボックスに飲食物を入れるときの使い方をご紹介します。
まず、入れる前にクーラーボックスを冷やしましょう。
暑い時期は、何もしていないクーラーボックスの中はかなり暑い状態になっています。
そのため、飲み物を入れる前に、あらかじめ保冷剤などで冷やしておくようにしましょう。
冷えたら下に保冷剤を敷き詰め、飲み物や食べ物などを入れ、上にも保冷剤を敷き詰めます。
そのように上下で冷やすと全体を冷やすことができます。
次に、保管時の注意ですが、保冷されるクーラーボックスとはいえ、直射日光があたってしまっては効果を下げてしまいます。
炎天下に置く場合は、クーラーボックスの上にアルミシートなどで断熱するといいでしょう。
また、開閉は必要最低限にすることで、保冷剤がとけるのを防ぐことができます。
このように、意識してクーラーボックスを使うことで、効率よく冷やし続けることができます。
なお、どうしてもクーラーボックス2個用意するのが難しいという場合は、クーラーボックスを汚さない使い方でご紹介した方法であれば、袋の外部の隙間に冷たい飲み物を入れておくこともできます。
また、飲み物だけでなく、冷やしたタオルなども常備しておくと気持ちよく釣りを楽しむことができますよ。
クーラーボックスの使い方はさまざま!
釣りにクーラーボックスは必需品です。
締めた後、直接魚を入れて持ち帰ることもできますし、なるべく汚さない方法もあります。
ご自身に合った使い方を選んでくださいね。
また、魚の鮮度保持だけではなく、楽しい釣りの最中に熱中症にならないようにするためにも、飲み物や食べ物、タオルなどの保冷として、ぜひクーラーボックスを上手に活用していきましょう。