ダナーのマウンテンライトはアウトドアで長年愛用されているトレッキングシューズですが、「普段ブーツとして履いても遜色ない」と評判です。
素材は「フルグレイン撥水レザー」とダナーは表示しています。
フルグレインというのは原形に近い状態の上質な皮のことですので、風合いが最も楽しめる、ということでしょう。
しかし、加工をあまりしていないので「お手入れ」は欠かせません。
お手入れに詳しくなって、長く愛用しましょう!
ダナーの歴史の中のマウンテンライトを知ろう!
ダナーは1932年にアメリカのオレゴン州ポートランドで創業した、アウトドアブーツなどのブランドメーカーです。
最初はワークブーツとして森林伐採や造船所の作業靴を製造し、知られていたようです。
その後、アウトドアブームが起きるとアウトドアブーツなどを製造し、優秀な登山靴メーカーとしての評価を得ました。
とりわけ1961年に製造された「マウンテントレイル」という登山靴が評判になりました。
そして、1979年にはゴアテックスを採用した「ダナーライト」というブーツを製造していますが、このゴアテックスはマウンテンライトにも搭載しています。
「防水で蒸れないシューズ」という、登山やキャンプなど汗や水にさらされやすい環境で履く靴としてどうしても欲しい機能を、ゴアテックス搭載で実現しています。
また、マウンテンライトをはじめ、いくつもの名作といわれる靴が、ダナーの長い歴史の中でほとんど形を変えずに製造されているのです。
それは「人気があるから」、「ゴアテックスを取り入れたりソールの素材にこだわっているから」など、色々と理由はありますが、「デザインがコーディネートを選ばない」という理由が大きいようです。
ダナーの靴はデザインがシンプルで男性も女性も履ける上に、アウトドアだけでなくカジュアルにもトラッドにも、さまざまなシーンで履ける便利な1足になるのです。
その中のひとつ、マウンテンライトも幅広いシーンで履けるブーツです。
街の中でも履けるブーツということなら、ダナーのマウンテンライトのお手入れはますます怠れません。
ダナーのマウンテンライトの特徴を知ってお手入れの参考に!
ダナーのマウンテンライトにはどういう特徴があり、お手入れするときは、何をすればよいのでしょうか。
まず、マウンテンライトというブーツの特徴から挙げてみましょう。
マウンテンライトは、街中でも履けるくらいのデザイン性も兼ねそなえた、トレッキングやワーキング用のブーツとして知られています。
しかし、「マウンテン」という程には登山に向いていないようです。
「登山に履いて行けば、靴がボロボロになるだろう」という意見が多く見られます。
ハイキングや低山向きのブーツと思って使用した方がよいようです。
そして、ダナーのマウンテンライトを評価する声の中で、「長靴代わりになる」という感想がありました。
大雨に遭ってびしょ濡れになっても、マウンテンライトは濡れない、つまり非常に防水・放水性に優れているというのです。
撥水レザーをアッパーに使用しているだけでなく、ライニング(靴の内部の生地)にはゴアテックスが使われていて、防水だけでなく湿気を逃がす通気性もあるのです。
雨の日も雪の日も、濡れにくく蒸れにくいのが特徴です。
なにしろ、元々作業靴を製作していただけに燃えにくく裂けにくく普通のスニーカーよりは丈夫ですし、「ステッチダウン製法」という、水が浸入しにくい構造を採用しています。
そして、マウンテンライトのソールですが、色々な登山靴などに使われているソール専門の会社ビブラム(Vibram)のソールが使われています。
ビブラムのソールは「軽くてクッション性があり摩擦に強い」という耐久性の他、滑りにくいグリップ力を持っているようです。
雨などのために濡れた場所で、ビブラムのソールは本領を発揮します。
こういった特徴のあるダナーのマウンテンライトには、どういうお手入れが適切でしょうか。
ダナーのマウンテンライトをお手入れしてみよう!
ダナーのマウンテンライトにはレザーとスエードがありますから、基本的なお手入れは素材によって少し違います。
どちらも魅力的な素材ですから、上手くお手入れしておきたいですよね。
レザーとスエードで違うのは、「お手入れするときに使う靴磨き用グッズ」です。
レザーはレザー用のクリーナーやオイルなどを、スエードにはスエード用を使います。
スエードにスエード用のクリーナーなどを使わないと、悲惨な結果になってしまいます。
使用するグッズを素材に合わせてそろえたら、さっそくお手入れ開始です。
【お手入れの手順】
①ブーツから紐を外したら、レザーやスエードの汚れをブラシでブラッシングして落としていき、紐を外したタン(靴紐の下の入り組んだところ)の砂などは丁寧に掻き出す。
②コバ(アッパーとソールのつなぎ目の少し出た部分)の汚れもきちんと落とす。
③ソールの横や底面の窪みなどの土や小石、汚れを掻き出して落とす。
④クリーナー剤を使用してレザーやスエードの汚れを拭い落としていくが、金具の部分は汚れも溜まりやすいので細かいところまで気をつける。
⑤デリケートクリームという栄養と保湿のクリームをレザーやスエード部分に塗るが、タンにも塗ることを忘れない。
⑥つや出しのシュークリーム(ミンクオイルを使う人も多い)を塗って全体に伸ばす。
⑦全体にブラッシングをしてツヤを出し、金具も布で拭いて輝かせる。
⑧陰干ししてから靴紐を戻して収納する。
レザーの靴はこのように、栄養や保湿を与えておかないとカサカサしてしまいます。
また、靴紐も網目に汚れや砂が入り込んでいるので、洗うなどしておきたいですね。
ちなみにダナーのマウンテンライトは「洗えないことはない」ようです。
皮部分は、サドルソープという皮製品専用の石鹸を使って布で拭き取り、内部のゴアテックスは中性洗剤で汚れを落としてふき取るか、やさしくすすぐようにします。
その後は陰干しでよく乾かし、クリームやオイルで栄養や保湿などの仕上げをしてあげます。
このように専用のもので手間をかければ、洗うことは可能です。
ダナーのマウンテンライトのフィット感も大切!インソールがおすすめ
ダナーのマウンテンライトのフィット感も、長く履くためには重要です。
マウンテンライトは、「レザーブーツにしては初めて履くときから足に馴染む」と感じる人が多いようです。
「雨などの悪天候でも通気性があって快適」という感想や、「ミッドソール(ソールの中間部分)が柔らくて、衝撃吸収性が高く、歩くには快適」という感想もあり、高く評価している人も多いです。
しかしライニングがゴアテックスなので、ごわごわしているという理由でインソールの利用をすすめているレビューも確認しました。
「紐を強く結びにくい」、「かかとが少し遊ぶ」という感想もあり、ミッドソールが柔らかいことからも、本格的な登山には向かないということなのでしょう。
もしインソールを利用するなら、お手入れにはインソールの状態を確認しつつ行う必要があるでしょうし、劣化の様子によっては、インソールを新調することを検討しなくてはなりません。
インソールを使わないとしても、お手入れのときにマウンテンライトのフィット感を確認しておくのは大切な作業です。
ダナーにはマウンテンライトとマウンテンライト2がある!
ダナーのマウンテンライトには、「マウンテンライト2」というブーツがあります。
マウンテンライトのアッパーが撥水レザーに対し、マウンテンライト2はオイルドレザー(油を染み込ませて撥水性を強力にした皮)を使用しています。
どちらもライニングにはゴアテックス、ソールにはビブラムのソールを搭載しているので、機能的に差は無いようです。
あえてマウンテンライトとマウンテンライト2の違いを挙げるとすれば、マウンテンライト2の方が履いたときの幅がやや狭い感じがするようです。
また、アッパーがオイルレザーというマウンテンライト2は、レザーに常に油分があるので汚れやすく、お手入れはこまめに乾拭きが必要です。
さらに、お手入れの最後は油を塗って染み込ませます。
ただし、つま先やかかとにミンクオイルを塗り過ぎると、レザーが柔らかくなり過ぎて型崩れを起こすので、塗り過ぎないようにしましょう。
撥水スプレーは、オイルに防水素材が入っていれば使わない方がよいようです。
マウンテンライトはお手入れや経年変化も楽しみのうち!
レザーのブーツは、経年変化を楽しむのも醍醐味です。
ダナーのマウンテンライトは、長年お手入れをしながら履きこんでいる愛用者が多く、使用する油やブラシなど、自ら工夫をしているようです。
そんなお手入れのポイントとして、よく見られるのが「汚れとともに皮の表面に残ったクリームや油をきちんと落とす」という作業です。
汚れはもちろんですが、前に塗ったクリームやオイルを残したまま新しいオイルを上から塗るのは、汚れを閉じ込めるようなもので厳禁なのです。
レザーは年月が経てばパサパサしたり、ところどころに色合いの違いが見られるようになりますが、経年変化を楽しめるのは、適切なお手入れで化粧直しをしていればこそでしょう。
経年変化がいい感じにマウンテンライトのレザーに出てくれば、アウトドアや街歩きのコーディネイトで履くときも、より楽しめそうですね。
ダナーのマウンテンライトをお手入れして末永く履きこなそう!
ダナーのマウンテンライトは耐久性や防水性、防湿性があり、衝撃吸収もよく愛用者の多いブーツです。
その機能性は、アウトドアでの使用だけでなく街歩きでも役立ちます。
悪天候にも強いのですから、あらゆる場面で助けてくれるはずです。
お手入れをしっかりして、晴れの日も雨の日もコーディネイトに取り入れて、自分だけの味のあるブーツにしていきましょう。