焚き火に必要な薪選びのポイントとおすすめ種類や組み方について

最終更新日:2024/05/11

焚き火に必要な薪選びのポイントとおすすめ種類や組み方について

焚き火をするための重要アイテム「薪」は、焚き火を楽しむために、その選び方や使い方がとても大切です。この記事では、焚き火の魅力、そして焚き火に最適な薪の種類や組み方の他、薪の持ち運び方法や保管方法など、薪についてのあらゆる情報をお伝えします。また、焚き火の着火方法などにも触れていますので、焚き火の初心者の方はぜひ1度ご覧ください。

キャンプで焚き火をする理由

キャンプの夜の醍醐味として多くのキャンパーが愛してやまない焚き火は、主に3つの役割があります。

  • あたたかくなる
  • 明るくなる
  • 調理ができる

このように、ストーブや照明、調理用の熱源としてさまざまな役割のある焚き火ですが、役割以外にも愛される理由はたくさんあります。
例えば、1/fのゆらぎともいわれる炎を見ながらゆっくりと過ごせる癒やしの効果があったり、焚き火の火を利用して焼き芋などの料理をしたり、焚き火は使うことと楽しむことが一度にできます。
また、焚き火を囲むようにテーブルなどをレイアウトすると、友人や家族とゆっくり語らう雰囲気ができ、普段は話さないような深い話ができるかもしれません。

ただし、焚き火はすべての人が癒やされるメリットばかりではありません。
薪の燃える香りをどのように感じるかは人それぞれで、その匂いを「臭い(におい・くさい)」と感じてしまう方もいます。また、焚き火には煙がつきものですが、煙たいばかりではなく、煙がテントやタープ、布製の椅子などに行き、ニオイがついてしまう可能性もあります。さらに、調理用として使う場合は温度の調整が難しいことも挙げられます。

ニオイや煙が気になるのは焚き火ばかりではありません。
多くのキャンパーがBBQなどで利用する炭(木炭)も、使用するときには焚き火のような煙が出ますし、ニオイもします。
それでも焚き火や炭でのBBQがやめられないのはそれ以上の楽しさがあるからでしょう。

焚き火に最適な薪の種類

焚き火を楽しむには、どのような木を使うのが良いのか、特に初心者の方は悩みどころだと思います。
焚き火用の薪は、その木の性質の違いから用途が異なり、上手に木を使い分けることで焚き火がとても快適で楽しくなります。
それでは焚き火に最適な薪の種類を目的別にご紹介します。

針葉樹:燃えやすく火力が強い

針葉樹の薪は、火が付きやすく良く燃えることから、焚き付け用や、火力をアップさせる時に最適な木です。
焚き火の薪として使える針葉樹の品種は、スギ、ヒノキ、マツなどが最適です。

広葉樹:火持ちが良い

長時間燃焼する広葉樹は、焚き火の他に薪ストーブなどに最適です。
焚き火の薪として使える広葉樹の品種は、ナラ、サクラ、クヌギ、ケヤキなどが最適です。

針葉樹と広葉樹のどちらを使う?

針葉樹と広葉樹には上記のような違いがありますが、焚き火の薪として選ぶなら、どちらも使うのが1番の方法です。
着火用として針葉樹を使い、火を安定させるために広葉樹を使うと、長時間焚き火が楽しめます。
薪を2種類持っていくのが面倒な方には、どちらかを持っていくのも一つの方法です。

木が固く、なかなか薪として見る機会の少ない梅は、燃やすととても良い香りがすると評判です。炎のゆらぎを香りを楽しむなら、梅の木も焚き火用の薪としておすすめです。

焚き火に重要な薪の組み方

焚き火は薪の積み方や置き方、そして並べ方で楽しみ方が変わります。難しいと思われがちな薪の組み方ですが、やり方のコツを掴めば誰でも簡単にできます。

焚き火料理用の薪の組み方

料理向きの薪の組み方は「並列型」がおすすめです。
並列型は枕木となる太い薪の上に、太い薪と細い薪を並列、または放射状に薪を置いていく方法です。この薪の置き方は火力の調節がしやすく、火持ちのする薪を使うことでストーブとしての役割もできます。

焚き火鑑賞を楽しむ薪の組み方

焚き火の1番の魅力と言えばゆっくりと眺めることです。観賞用の薪の組み方は主に3通りあります。

合掌型(ティピー型)

薪を円すい状に組み、その中に細い薪を入れます。組んだ薪の頂点から火柱が立ち上がるので、その炎の形を楽しめます。

井桁型

キャンプファイヤーなどで用いる「井」の型に薪を積み上げる方法です。「井」の真ん中が煙突の役割を担い、そこに細い薪を入れることで着火がしやすくなります。

傘型

開き傘やインディアン型などと呼ばれる並べ方です。上からみて薪が放射状になるように置き、中心に細い薪をセットします。炎の勢いはあまりないですが、火持ちがするので、じっくりと焚き火を楽しみたい方にはおすすめの方法です。

焚き火用の薪を使うには

焚き火用の薪は市販のものを購入する、もしくは拾ってきた木を使ったり、間伐材を扱う団体から譲り受ける方法などがあります。

焚き火用の薪はそのまま使う事も場合によっては可能ですが、焚き火をする場所や焚き火台のサイズによっては薪割りが必要なケースもあります。
大きい薪や、長さをそろえる処理をするのために必要な道具はのこぎりやなた、斧の他にナイフがおすすめです。
特にナイフを使った薪割りはバトニングと呼ばれ、薪にナイフを入れ、他の薪や丸太などを使って薪を割る方法です。バトニングはあまり太い薪には向いていないので小さい薪を割る時におすすめです。

薪の太さ

薪割りをする時は、大・中・小の太さの薪を用意すると便利です。また、太さの違う薪はそのサイズごとに用途が異なります。

  • 太い薪:直径10cm前後
    長時間焚き火を燃焼させたい時に使います。
  • 中太の薪:直径5cm前後
    焚き付けをした後に太い薪を投入する前のつなぎとして使います。
  • 細い薪:直径2cm前後
    焚き付け用の薪として使います。

薪の選び方

焚き火用の薪を選ぶ時の1番のポイントは「良く乾燥した薪」を選ぶことです。水分をたくさん含んでいたり、未乾燥の薪は火が付きにくいだけではなく火力も弱く、煙ばかり出ます。店頭に並んでいる薪を購入する時は、乾燥期間をチェックしたり、持ち上げた時に軽いか、もしくは指で叩いたときに高い音がするものを選びましょう。

薪の持ち運び方

薪は現地調達やキャンプ場の売店を利用すると、そのままキャプサイトに持ち運べますが、事前に購入して持ち運ぶ場合は、その方法が気になるところです。
できるだけ乾燥状態を保ったままキャンプ場へ持ちこむためには通気性の良い袋や、カゴなどの入れ物を使う方法も良いのですが、アウトドアブランドなどから発売されている薪を運ぶ専用のケースやバッグを使うのもキャンプの雰囲気を盛り上げるためのアイテムとしておすすめです。
薪用のケースは、トートバッグのような形のものから、包むタイプのものなどさまざまな種類があります。本格的に焚き火を始める方は、このようなアイテムを取り入れてみてはいかがでしょうか。

薪の保管場所

キャンプへ行く前に購入した薪や、余った薪を自宅で保管するには、保管場所がとても重要です。
薪の保管場所としておすすめの環境は、風が通りやすく、日当たりの良い場所が最適です。また、屋根付きの屋外があればさらに好条件です。
薪を保管する時は、薪専用のラックを用意しておくと便利です。
アウトドアメーカーで販売されている薪ラックは、薪の保管の他に、天板が付属しているものあり、テーブルとして使うことができるタイプもあります。

焚き火に必要な薪の量

キャンプで焚き火をする時に気になることの一つが一晩過ごすのに必要にな薪の量です。
薪は使う品種によって燃焼時間が変わるので、長く燃える木ほど薪の消費量は少なくなります。また、焚き火は自然の中で行うので、風や気温の影響もあり、明確に薪が何キロ必要かはその日のキャンプ場の天候によります。

焚き火の簡単な着火方法

焚き火の火付けの方法は人によってさまざまです。しかし、初心者の方には、薪に火が付かない、なかなか燃えないなど不安もあるかと思います。そこで、1番簡単な着火の方法をお伝えします。
ポイントは細い木から順番に燃やすことです。

  1. 焚き火台にお好きなスタイルで薪を組みます
  2. 細い枝の上、または真ん中に着火剤を置き着火します
  3. 火種を消さないように細い枝を追加し炎を育てていきます
  4. 火力が安定したら、火持ちの良い広葉樹などを追加します

燃えた薪は時間がたつと炭化し、安定した火を保てるので、料理などをする時に最適です。
着火剤を忘れてしまった時は、キャンプ場内に落ちている乾燥した松ぼっくり(開いている状態)を使ったり、小枝を利用したフェザースティックを使う方法もおすすめです。フェザースティックの作り方はとても簡単で、ナイフを使い、小枝を薄く羽のように何枚も削るだけで出来上がります。

焚き火の後始末・片付け方

焚き火は後始末をしっかりしてこそ楽しめます。後始末はマナーだけではなく、安全面からもとても重要な作業です。
就寝時に急に焚き火を消火しようと思っても、焚き火の火が完全に鎮火するには約2~3時間かかると言われています。そのため、就寝時間や帰る時間はある程度計算しておきましょう。
しかし、どうしても鎮火まで待てない、もしくは焚き火をすぐに片付けてしまいたい場合は火消し壷を使う方法もおすすめです。
火消し壷で処理した薪は場合によっては再利用することも可能です。
また、キャンプ場によっては、使い終わった薪を捨てる場所が設置されているので、そのまま放置したりしないよう捨て方には十分に注意をしましょう。

焚き火用の薪の購入場所

焚き火用の薪は、Amazonや楽天などのインターネット通販や、コメリ、カインズ、ホーマック、コーナンなどの全国各地のホームセンターで購入できます。他の入手方法としては、森林組合や薪専門の販売所、道の駅などもあり、100均でも購入が可能です。また、人気アウトドアブランド「ロゴス」からも使いきりにべんりな3kgの薪が販売されています。
薪の値段の相場は、ホームセンターなどでは1kgで約100~120円前後、森林組合や、薪専門の販売所などでは1kg約40~70円前後で購入ができます。価格だけを見ると森林組合などの木を専門としているところで買うととてもお得に思えますが、販売数量が多すぎたり、近くにこのような販売所がないなど、住んでいる場所によっては通販やホームセンターの方が便利な場合もあります。安い薪を買いに行く苦労と、高いけれど近くて便利なお店のどちらを選ぶかは、時間とお財布に相談が必要ですね。

薪以外の素材で焚き火を楽しむ

たくさんの荷物を持ち運ばないソロキャンパーやツーリングキャンプでは、薪の代わりになる素材を現地で調達する方法がおすすめです。
キャンプ場内の落ちている小枝を拾い集めて、ある程度の本数があれば、小規模の焚き火ができ、節約にもなります。ただし、キャンプ場によっては小枝を拾うことを禁止している場所もあるので、事前に確認をしましょう。
小枝を自由に拾って使えるキャンプ場を利用する時は、ユニフレームのエコストーブ「ネイチャーストーブ」がおすすめです。
このアイテムは小枝や落ち葉が使える小型ストーブで、コンパクトなサイズながら調理もできる優れものです。小枝を使って焚き火をするなら、このようなアイテムを一つ持っていると便利です。

また、焚き火のできるキャンプ場では薪の販売をしているところもあるので、焚き火台だけを持っていけば、荷物を増やす必要がなくなります。

薪が無料または定額使い放題のキャンプ場

全国には焚き火などに使える薪が無料もしくは定額で使い放題のキャンプ場が多数あります。
良いキャンプ場がそろっていると名高い埼玉県のCAZUキャンプ場では焚き火台1台につき定額で薪が使い放題です。また北海道由仁町にある古山貯水池自然公園オートキャンプ場は札幌から車で約1時間とアクセスの良い場所にあるキャンプ場で、薪割り体験ができる他、サイト内で使用する薪は無料で使えます。
このように、キャンプ場を決める時には、焚き火が楽しめる他、無料や定額で薪が使える施設を探してみるのも良いでしょう。

ソロキャンパーが注目する焚き火グリル

持ち運びに便利で小さなな焚き火グリルがあったらと良いなと思ったことはありませんか?実は、手のひらサイズの焚き火グリルがコンパクトと注目を浴びています。
その商品とは、焚き火好きの社長がプロデュースを手掛けた笑’sブランドの「コンパクト焚き火グリル B-6君」です。
名前の通りB-6サイズで、重さが約500gと軽量でコンパクトな焚き火グリルです。
別売りのグリルプレートなどを追加すると1人BBQも楽しめる便利な商品です。キャンプ場への移動が自転車やバイクの方はポケットサイズのこの様な焚き火商品はいかがでしょうか。

焚き火を薪なしで楽しむ方法

焚き火が出来ないキャンプ場、もしくは小さなお子様がいて焚き火ができないような時は、焚き火の雰囲気だけを味わう方法がおすすめです。
その方法とはスマホやタブレットで焚き火の動画を見る、もしくは2021年に日本おもちゃ大賞ハイターゲット・トイ部門の優秀賞を受賞した焚き火ガジェットを使う方法いかがでしょうか。
焚き火ガジェットは、タカラトミーアーツで販売されている「FireWoodHome」という商品で、焚き火の炎や音が再現されているガジェットです。火を使わないので、テーブルの上や家の中でも使えます。また、音を消して照明としても楽しめます。
このような方法は、おうちキャンプをする時に庭で焚き火が出来ない時などにもこのような方法はおすすめです。

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