ダナーに代表されるハイクブーツの靴紐の結び方・履き方とは

最終更新日:2019/01/15

最近のアウトドアブームに影響されて、休日にハイキングを楽しむという方が増えています。

ハイキングで重要になるのは長い時間歩く足を守ってくれる靴です。

ハイキングブーツの中でも、代表的なメーカー・ダナーを選ぶという方が多いですね。

靴選びも重要ですが、快適なハイキングをするには正しい履き方ができるかがカギとなります。

ここではハイカーに人気のダナーブーツに注目し、履き方や解けにくい靴紐の結び方をご紹介します。

ダナーを履いて山歩き

ダナーとは、アメリカ発のブーツメーカーで1932年の大恐慌期に創立しました。

当時は世相もあり、安くて良いブーツを提供することを目指し、高品質のブーツを4ドルという破格の値段で売り出していました。

近年ではブーツにゴアテックスを採用した、防水ブーツの先駆けとなったメーカーでもあります。

ダナーブーツの中でもダナーライトは、軽くて通気性と防水性に優れたハイキングブーツで、ゴアテックスをソックス状にすることで縫い目をなくし、完全な防水透湿ライナーを実現しました。

さらに防水レザーとコーデュラナイロンを使ったアッパーデザインは、現在までほとんど変更されず、長く採用されてロングセールスを続けています。

デザインと機能に優れたダナーブーツは、多くのハイカーの憧れの一足となっており、その良さは履き心地にも表れています。

ダナーライトは本格的な登山には向かない点がありますが、散策や2,000m以下の低山での山歩きにはちょうど良い作りになっています。

次項からは、ハイキングブーツの種類や履き方、靴紐の結び方についてご紹介していきます。

ダナーはハイカットタイプ!ハイクブーツのタイプについて

ハイキングや登山に履いていくブーツには、その目的に合わせて3つの種類があります。

一つ目はハイカットタイプのブーツです。

くるぶしまでをしっかりホールドするタイプで、足場の悪い登山道や重い装備を担いでの登山や縦走登山に向いています。

ソールも固いものが多く、不安定な足場や急傾斜、ガレ山を行く際にトラブルになりにくいことがメリットです。

二つ目はミドルカットで、ハイカットよりは短いのでこのように呼ばれます。

足首のホールドもほどよく、可動域が広く動かしやすい形をしており、整備された里山や低山を歩くのに向いています。

履き口付近には靴紐を掛けるフックがあるため、調整がしやすいのと結び方の工夫がしやすい構造になっています。

三つ目はローカットです。

くるぶしが出るくらいの高さでスニーカーに近い形をしています。

起伏が少ない低地での散策やロングトレイルに向いていますが、足首の保護がないのでトレイルランニングに使用するときは捻挫などのトラブルに注意が必要です。

前項で触れたダナーライトはこのタイプのブーツになります。

ダナーに代表されるハイキングブーツの選び方と履き方

ダナーのような山歩き用のブーツを選ぶときは、できるだけ試着をします。

足のヌードサイズだけでは、ピッタリのものが見つからないからです。

試着をする時は、トレッキング用の靴下を履いた状態で測ったサイズを元に靴を選びます。

0.5~1㎝程度大きなものをいくつか試してみましょう。

試着をする時は、いきなり足を入れるのではなく、まず中敷きを取り出して足をのせ、つま先に余裕があるのかを確認します。

よさそうなものが見つかったら中敷きを戻し、靴紐を緩めて足を入れてみましょう。

つま先が靴の先端に当たるまで足を入れたら、かかと側に指を差し込んで指一本分がスムーズに入るか確かめてみます。

この指一本分の隙間が、履いて歩いた時のつま先側のスペースとなり、つま先を守ることになります。

靴を手に入れたら実際に履くときのポイントも身に付けておきましょう。

ブーツを履くときは、つま先を挙げた状態をキープしておきます。

そして、実際に履くときも、試着時と同じように靴紐を緩め、ベロを広げてから足を入れましょう。

こうすることでベロの癖が取れ、より良い状態で足の甲にフィットさせることができます。

足を入れたらかかとを地面など固いところに打ち付けて、しっかりとおさめます。

試着で確認したつま先の余裕があることを確かめて、靴紐を締めていきます。

常にかかとがしっかりはまり、つま先に余裕がある状態で歩くためには、履くときに靴紐を締め終わるまで足を靴の中でずらさないことが重要です。

次は靴紐の締め方、結び方をおぼえましょう。

ハイキングブーツの靴紐の基本の締め方・結び方

登山靴の靴紐が通るところは、甲の部分がリングで履き口に近いところはフックになっているものがほとんどです。

ダナーのブーツもこのような構造になっています。

履き口のフックは紐の掛け方で、簡単に締めたり緩めたりすることができます。

靴に足を入れ、かかとがしっかりはまったら靴紐を締めていきます。

このときに、紐の先端を引いて締めてはいけません。

靴紐の長さが左右で変わらないよう注意しながら、靴紐を通す穴近くを引きます。

長く快適に歩くためには、甲と足首をホールドして靴の中で足が動かないことが重要になりますので、しっかりと締めていきましょう。

甲と足首のホールドを感じることが出来たら、それより上は緩めにしてもかまいません。

靴紐は、リングの下から上へと紐を通していきます。

簡単に調節ができる一般的な掛け方ですが、長く歩いていると緩みやすいものでもあるので、こまめに調節する必要があります。

この掛け方よりも緩みにくいのはリングの上から下へと通し、フックの部分は引っ掛けるのではなく上から下へと回しかける方法です。

こちらの掛け方だと、結び目がほどけた時でも緩みが靴全体に及ぶことが少ないため便利です。

ある程度の慣れが必要な方法ですので出かける前に何度か練習しておきましょう。

靴紐の結び方は基本的にイアンノット(蝶結び)と呼ばれる形になるようにします。

靴紐をほどけにくくするためには、紐の両側をループにして交差させた輪の中に先端を差し込み締める「ダブルスリップノット」がおすすめです。

このほか、結び方にはさまざまな方法がありますが、固く結べてほどきやすいものを選択しましょう。

足の動きに合わせた靴紐の調整・結び方

整備された平坦な散策コースを歩くのであれば、歩いている途中に靴紐の調整をすることはほとんどないでしょう。

しかし低山への登山など、起伏のあるコースを歩く場合には靴紐がきちんと締められているか確認が必要です。

ダナーを始め、山用のブーツは履き口の方がフックになっているものが多いので、緩めたり締めたりする調整がしやすくなっています。

この構造を利用し道の状態や足の動かし方に合わせて調整しながら歩きましょう。

登りの道中では上り坂で足を踏ん張るときに靴の中の足がズレていないか注意します。

もし少しでもズレがあったり違和感を感じるときは、靴を脱いで履き直し、靴紐を締め直しましょう。

ズレているのを放っておくと靴擦れを起こしてしまいます。

下り坂に差し掛かる前には必ず靴紐を締め直します。

結び方は同じですが、締め直し、結び直しをすることで下山するときに起こりがちな怪我やトラブルを防ぐことができます。

靴の履き直しは、山頂での休憩時に済ませましょう。

登ってきた時よりもきつめに締めて結び、足がズレてしまうのを防ぎます。

靴の履き口の方までしっかりと締め、足首をホールドすることで、下り坂で太ももへかかる負担が軽減されます。

また、途中で休憩したときにもこまめに靴紐や靴の中の足の状態を確認しましょう。

登山で歩いている最中は、しゃがんで靴紐を整えるという動きが意外と体の負担になります。

歩くペースや他のメンバーにも影響がでますので、休憩中に靴や足をチェックする習慣を付けましょう。

ハイキングを安全にするために…靴紐の結び方を工夫する

ダナーのブーツでも他のメーカー品であっても、履き方や扱い方を間違えればトラブルを引き起こします。

ここまでご紹介してきたポイントを押さえて、安全な登山やハイキングを目指しましょう。

最後に靴紐について、補足しておきます。

慣れないうちは、靴紐の結び方をいろいろと試してみるのもいいですが、ほどきにくく自分で結びやすいものが決まったら余分な靴紐は切ってしまいます。

長すぎる紐が木の根に引っ掛かって転倒したり、歩いていて踏んだりすると危険です。

また、ほどけないからといって、きつく結びすぎるのも考えものです。

前項でもご紹介した通り、道中でこまめに調節するので、あまりにも固く結んでしまうと靴を脱ぐのが大変になってしまいます。

ほどけることは無いけれど、解きやすい結び方をしておきましょう。

さらに、靴紐は歩いているうちに摩耗したり岩などで擦れたりして切れてしまうことがあります。

こういった時のために予備のものを持ち歩くようにしましょう。

足に合う靴を履いて山歩きを楽しもう

ハイキングでも登山でも、自分の足で歩くことが大前提です。

より快適に長く歩くためには、自分の足に合った靴を見つけることが大切です。

また、正しい靴の履き方、靴紐の結び方を覚えることも、安全に山を楽しむために必要なことです。

はじめて山歩きに挑戦するときにはザックやウェアに目が行きがちですが、靴選びで足元の安全確保から始めてみましょう。