アウトドアスポーツの中に、自然な状態の山や森の中を走るトレイルランがあります。
以前は海外で主流でしたが、最近は国内でもトレイルランを行う人が急増しています。
トレイルランをもし「始めてみたい」とお考えの方は、まずはシューズをはじめとする重要な装備を知っておきましょう。
特に、日本人の足の特徴には「幅広」という点もありますので、ここではシューズの選び方について詳しくお話をしていきます。
トレイルランに必要な装備とは?
トレイルランは、ロードランのようにアスファルトに整地された道を走るものではありません。
冒頭でも述べたように、整地されていない、つまりありのままの自然な状態の路面を走るスポーツを、トレイルランというのです。
そのため、砂利道や岩場、木の根、ぬかるみなど必ず走りやすい路面とはいえませんので、万が一の備えとして装備しておくことが重要となります。
トレイルランを始めるにあたって、装備しておくものは次のようなものです。
●トレイルランシューズ
日本人の足の特徴に「幅広」ということが挙げられるので、サイズ選びは慎重に行いましょう。
後ほど詳しくご説明します。
●ウェア
特に山を走る場合は、天気や気温が急に変わることも多いので、防寒着としてトレイルジャケットを持って行くと良いでしょう。
走り始めの格好としては、吸収速乾性のあるTシャツにランニングショーツを合わせ、さらにソックスも通気性やクッション性のあるものがオススメです。
●バックパック
今はトレイルラン用のバックパックもありますので、ご紹介した装備を収納できるサイズのものを選びましょう。
●地図もしくはGPS搭載の腕時計
万が一遭難した場合を考えて、荷物にはなりますが持って行くことがオススメです。
地図は、事前に走るコースを確認することにも役立ちます。
●食糧
長距離になる場合は、少し多めに持って行くと良いですね。
スポーツドリンクなどの飲料も忘れずに用意しておきましょう。
●ヘッドライト
太陽が落ちてくると、自然な山などでは街灯もほぼありませんので、辺りは暗くなってきます。
このとき、ヘッドライトがあれば足元や進む先を照らすことができるので、あると安心ですよ。
●エイドキット
靴擦れや擦り傷などのケガをした際に、応急措置することができるので持っておくようにしましょう。
以上のように、トレイルランはただ走るだけではなく、装備を万全なうえで行うことが重要です。
なかでも、シューズは最も重要といえるものですので、ここから詳しくお話をしていきます。
シューズはいつも履いているものでも良いの?
トレイルランを行うにあたって、いくつも用意しておくべきものがありますね。
その中で最も重要といえるのがシューズです。
走るだけなら、いつも履いている一般的なスニーカーでも良いのではないかと思う方もいるでしょうが、そんなことはありません。
先ほどもお話をしたとおり、トレイルランはありのままの自然な状態の路面を走るスポーツです。
そのため、走る路面がぬかるみのこともあれば、砂利や岩などが多いこともあります。
これらのような不整地な路面を走る場合、一般的なスニーカーでは耐久性が劣ってしまうのです。
グリップ力のあるアウトソールのシューズでないと、ボコボコした岩場をスムーズに登ることもできませんし、岩に足を掛けた際シューズにトゥガードがないと、ケガにつながる恐れもあります。
一般的なスニーカーにはこのような機能が備わっていないこともあり、トレイルランで履くことはオススメできません。
それでは、「どのようなシューズを履くべきなのか」と思うでしょうが、トレイルランには専用のシューズがあるのです。
ですから、トレイルラン専用のシューズを選ぶことが1番オススメといえます。
選ぶ際には、幅広などといった自分の足のサイズに合っているかが重要になりますので、次からサイズ選びについてみていきましょう。
日本人の足は幅広が多いって本当?
トレイルランの重要な装備の一つとしてシューズが挙げられ、自分の足のサイズに合ったものを選ぶことに注意しなくてはなりません。
自分の足のサイズに合ったものを選ぶ際、「幅広」という点もポイントの一つになります。
「日本人の足は幅広で甲高だ」と、聞いたことはありませんか。
こういう噂もあり、自分の足は幅広だと思っている方もいるかと思います。
果たしてこれは本当なのでしょうか。
日本の大手メーカーのアシックス社の調査によると、日本人の足は、欧米人と比べて「幅広」であることが判明されています。
「やはりそうなのか…」と落胆する方もいるかもしれませんが、甲高という点は違うそうです。
むしろ、足の甲の高さは欧米人と比べると薄いことがわかっています。
ですから、日本人の足の特徴は「幅広で甲薄」だといえるようです。
あくまで多くの日本人の特徴ですので、必ず全員がそうということではありません。
ですから、まずは自分の足が幅広なのかどうかを知ることが大切です。
トレイルランシューズの選び方!幅広かどうか確認しよう
トレイルランシューズを選ぶうえで、自分の足が幅広なのかどうかを知ることが大切だとお伝えしました。
ちなみに幅広というのは、その名のとおり足の幅が広いということです。
足の幅とは、親指の付け根の骨の飛び出ている部分から小指の付け根の骨の飛び出ている部分までの幅を指します。
しかし、「足の幅が何cm以上だから幅広」ということではなく、足の長さや足囲のボリュームなどで幅広なのかどうか変わってくるのです。
ですから、幅広かどうか確認するためには、足の幅以外にも「足の長さ」と「足囲の長さ」をメジャーを使って測らなくてはなりません。
足の長さはご存知のとおり、かかとから1番長い指までの長さで、足囲は足幅を測った部分の周囲の寸法を指します。
これらを測定し、JIS規格の足のサイズ表で3E以上のサイズに当てはまってしまうと、幅広と判断されるようです。
通常シューズを選ぶ際は、足の長さのサイズで選んでいるかと思いますが、幅広と判断された場合は、足の長さよりも足幅にフィットするサイズを選ぶ方が良いとされているので、頭に入れておくようにしましょう。
足幅を意識せずに足の長さだけで選んでしまうと、走っている最中にシューズの締め付け感により足を痛めてしまう恐れもありますので、気を付けなくてはなりません。
トレイルランシューズの選び方!幅広以外のポイントも押さえよう
トレイルランを選ぶうえで、自分の足に合うサイズを選ぶことが大切で、幅広の場合は、足の長さよりも足幅に合ったものを選ぶことがオススメです。
お店で試着をしながら、自分の足幅にフィットするものを探し当てましょう。
幅広の方の多くは、いつものサイズよりも1~1.5cm程大きいトレイルランシューズを選ぶことが多いそうです。
サイズ以外にも気にするべきポイントがありますので、ここでご説明していきます。
まず、シューズの重量です。
トレイルランに限らず、最近のシューズは軽量化されているものが多いですよね。
軽量のシューズは走りやすくて良いのですが、何度もお伝えしたとおり、トレイルランは不整備な路面です。
どんな障害物があるかは行ってみないと分かりませんから、軽量のシューズでは耐久性が劣ってしまうこともあります。
そのため、トレイルラン初心者の場合は、軽量という点だけで選ぶのではなく、多少重さがあっても衝撃を吸収しやすいシューズを選ぶのがオススメです。
疲労も和らげてくれ、ロングランの場合にもサポートしてくれることでしょう。
つぎに、防水性があるかという点です。
最近のトレイルランシューズには、防水性のあるゴアテックスを使用しているものも多くあるのです。
トレイルランではぬかるみなどを走ることもありますから、防水性がないと湿気や水分を吸収しやすく、シューズ本来の機能を果たせないことも考えられます。
その点、防水性のあるゴアテックスのシューズであれば、例え雪道であっても軽快に走ることもできるでしょう。
これらのポイントも注視して選んでみてください。
幅広の方にオススメ!トレイルランシューズをご紹介
最後に、特に幅広の方にオススメのトレイルランシューズをご紹介していきます。
初心者の方向けのものですので、これから始めようと考えている方も、ぜひ参考にしてみてください。
【アシックス:GEL-FujiAttack 5 TJT121】
国内メーカーのアシックスのトレイルランシューズです。
305gと比較的軽量でありながらアウトソールが少し厚めのため、サポート性やクッション性といった機能も抜群といえるでしょう。
トレイルランシューズの中にはクセの強いものも多くありますが、このシューズはあまりないので、多くの人にフィットするシューズともいわれています。
初めてトレイルランを行う方には、特にオススメのシューズですね。
【アルトラ:Lone Peak2.5 Ms A1553】
アメリカ発のメーカーのシューズで、前足部分が幅広の設計で作られています。
そのため、幅広の特徴のある日本人にもフィットしやすいシューズといえるでしょう。
走っている間も自然な姿勢を維持することができるため、関節などにかかりやすい衝撃を和らげてくれることも期待できます。
重さはアシックスよりも少し重い330gではありますが、草道でも雪道でも滑ることなく走れるシューズですので、安心して使用できる一足ですよ。
幅広の場合は足幅でシューズを選ぼう!
トレイルランシューズの選び方で、特に幅広というポイントを中心にお話をしてきました。
いつもは足の長さでシューズを選んでいる方がほとんどだと思いますが、幅広の場合は、足幅にフィットするシューズ選びが大切になります。
足の長さだけで選ぶと、締め付け感により、足を痛めてしまう恐れも考えられます。
これを避けるためにも、足幅にフィットするものを探すとともに、ご紹介した「シューズの重量」や「防水性」といったポイントも注視しながら、トレイルランシューズを選んでみてくださいね。