バックカントリーを皆さんご存知でしょうか。
バックカントリーとは手付かずの自然が残っている整備された区域以外のエリアで、スキーやスノーボードなどをすることを指します。
手付かずの自然は、普段味わえない圧倒的な感動を与えてくれます。
その反面、怪我や事故のリスクを伴います。
そういったリスクを回避するためにザックの中身は充実させなければなりません。
しっかりと準備を整えて、バックカントリーに挑みましょう。
バックカントリーの魅力
バックカントリーとは、手付かずの自然の雪山でスキーやスノーボードを楽しむスポーツです。
手付かずの自然なので、もちろん頂上まで連れて行ってくれるリフトはありませんので、自力で歩いて滑走ポイントまで行かないといけません。
しかし、スキー板やその他装備など重たい荷物を持っての雪山登山なので、非常に過酷です。
また、雪崩に遭う可能性もありますし、遭難する場合もあります。
しかし、そんなリスクがあるにもかかわらず、バックカントリーにチャレンジする人は後を絶ちません。
では、その魅力とはなんでしょうか。
まず1つ目に挙げられるのが、手付かずの大自然を味わえることです。
自分たち以外の人間もおらず、人工物の全くない大自然のくりなす光景は非常に幻想的です。
2つ目の魅力は、良質なパウダースノーを楽しめるところです。
ふわふわのパウダースノーを巻き上げながら滑走する爽快感は、整備されたゲレンデでは味わえません。
これは、バックカントリーならではの魅力と言えます。
3つ目の魅力は、達成感です。
バックカントリーはただ滑るだけではなく、登山もしなければなりません。
装備もたくさん必要で、ザックの中身はかなり重たくなります。
そんな重たい荷物を背負って登山するのですから、滑走ポイントまで行くのに一苦労です。
だからこそ、苦労を乗り越えて滑り切った後の達成感は、他では味わえないでしょう。
バックカントリーの危険性
先ほどもお話したように、バックカントリーは大自然を相手にするスポーツです。
他では味わえない感動を味わえる反面、怪我や事故をするリスクが他のスポーツよりも高いと言えます。
きっちりと危険に関して理解し、その対策を整えてからバックカントリーに挑みましょう。
危険性の1つ目として、遭難の可能性があります。
整備された歩道などあるわけもなく、道なき道を突き進む登山です。
さらに普通の登山でなく雪山登山なので、全面真っ白で目標となる物が少なく、遭難する可能性は一段と高くなります。
ですから、単独でチャレンジするのでなく、必ず山に慣れたガイドの人と共にチャレンジしましょう。
危険性の2つ目は、雪崩です。
先ほど述べたふわふわのパウダースノーは魅力の1つですが、その反面、軽いゆえに雪崩が起こりやすいです。
事前に滑走ポイントをしっかりと確認し、雪崩の起こりやすいポイントは必ず避けて通るようにしましょう。
最後に、怪我をする可能性も非常に高いです。
危険と隣合わせなバックカントリーには、様々な装備が必要です。
そして、必要最低限の物を揃えるとなると、ザックの中身はかなり重たくなります。
その重たい荷物を背負って、雪道を登っていくわけですから、普通の登山よりも体力を消耗します。
体力を消耗すると注意力散漫になり、ちょっとしたくぼみに足をとられて転倒したり、足をくじいたりする場合もあります。
登山をよくされている方でも、雪山はまた別物です。
しっかりと体作りをしてから、臨みましょう。
バックカントリーには絶対必要!ザックの中身に入れる装備品とは
ここからは、バックカントリーに必要なザックの中身についてご紹介します。
まず、絶対持っておきたいのが、「ビーコン、ゾンデ棒(プローブ)、スコップ」の3種類です。
この3つのアイテムは、雪山に入るための3種の神器とも呼ばれています。
このアイテムは、遭難した場合や雪崩に遭遇した場合に使用する緊急用のアイテムです。
1つ1つ、ご説明します。
まず、ビーコンとは457kHzの電波を発信する機器です。
雪崩に遭遇した際、仲間に探してもらうための道具です。
一度雪崩が起きてしまうと、広範囲に及ぶ上に全面真っ白の雪面には、人を探す手がかりが一切ありません。
そんな時、ビーコンがあればそれを頼りに捜索をすることができます。
ビーコンを使うにはある程度訓練が必要なので、しっかりと事前に講習などを受けて、使えるようにしておきましょう。
次に、ゾンデ棒(プローブ)です。
これは、ビーコンで「要救助者がここだ」と特定ができたら、この棒で突っついて確かめるための道具です。
ビーコンでは、ある程度の位置までしか特定できませんから、そこからは手作業で正確な位置を見つけなければなりません。
最後に、スコップです。
これはご説明するまでもありませんが、要救助者の位置が特定できたら、スコップで掘り起こして救助します。
あまり勢いよく掘ると、要救助者を傷つけてしまうので、近くまで掘ったらあとは手で掘りましょう。
スコップは、工事現場で使うような重たい物でなくていいので、軽量で折りたたむことができる商品を購入しましょう。
上記の3種の神器は使わないに越したことはありませんが、もしもの場合に備えて必ず持っていきましょう。
ザックの中身に入れる装備品①
続いてザックの中身について、緊急用のアイテム以外の装備についてご紹介します。
まずは、食料です。
数時間の軽い登山である場合は、チョコレートや飴玉などかさばらず、簡単にエネルギー補給できる物がいいでしょう。
また、水分補給は、水筒に温かい飲み物を入れて持っていきましょう。
冷えた体を温めつつ、水分補給できます。
長時間の登山を予想する場合は、しっかりとした食事が必要です。
できれば火を使わない非常食のような物の方が、荷物が軽く済み便利です。
しかし、大自然の中での食事は他とは違い格別なので、調理器具や携帯バーナーなどを持って行き、雪山で調理するのもバックカントリーの楽しみ方の1つです。
お湯を沸かして、温かいコーヒーやカップラーメンだけでも、普段とは違う味わいになるでしょう。
ただ、その分装備は重くなり脚腰の負担となるので、注意しましょう。
次に必要なのは、地図とコンパスです。
何度も述べていますが、道なき道を進んでいきすので、ふとした時に、道に迷って遭難してしまう危険性があります。
そんな時に地図とコンパスがあれば、それを頼りに遭難を回避できるかもしれません。
携帯電話にも地図機能やコンパスの機能もあるのですが、山の奥の方へ行く場合、携帯の電波が通じない可能性があります。
また、気温が低すぎると携帯電話が機能しない場合もありますし、充電が切れてしまうことだってありえます。
携帯電話は便利ですが、いざという時のためにアナログの地図とコンパスは必ず持っていきましょう。
ザックの中身に入れる装備品②
続いては、万能ナイフです。
1つ持っておくと、意外と便利で使う機会が多くあります。
また、もしもの場合に備えて、ヘッドライトも持っておきましょう。
山では日が落ちだしてから、暗くなるまでが非常に早いです。
ライトなので懐中電灯でも構いませんが、ヘッドライトの方が両手が使えるので、山登の場合はヘッドライトの方がいいでしょう。
次に、替えのインナーや靴下なども用意しておきましょう。
汗をかいたり、雪で濡れてしまった時にそのままにしておくと、一気に体温を奪われ体力を消耗してしまいます。
濡れてしまった場合は、履き替えられるように予備をそれぞれ用意しておく方がよいでしょう。
最後に用意しておく物は、それら中身を収納できるザックを準備しましょう。
バックカントリーに限らず、登山においてザック選びは重要です。
軽量で通気性がよく、肩に食い込まない商品を購入しましょう。
できれば防水機能を備えているザックがおすすめですが、防水機能がなくてもザック用の防水シートなども販売されているので、それを使用してもいいかもしれません。
また、最新のザックはエアバックを兼ねそろえた商品もあるそうです。
このような商品は、転倒した際に後頭部を守ってくれます。
以上、バックカントリーに必要な装備でした。
しっかりとした装備を整えてから、バックカントリーに挑みましょう。
バックカントリーおすすめツアー
最後にバックカントリーおすすめツアーをご紹介します。
1つ目に、「蔵王えぼしバックカントリーツアー」をご紹介します。
まず、宮城県のえぼしスキー場最上部までゴンドラとリフトで上がり、そこから歩いて滑走ポイントを目指します。
1月、2月の厳冬期には、樹木に水滴が付着して氷付く「樹氷」も見ることができるのがおすすめポイントです。
また、パウダースノーの確率も高く、初心者でも滑りやすい緩やかな傾斜のコース設定となっています。
続いてご紹介するのは、「高鷲スノーパークバックカントリーツアー」です。
岐阜県にある中部・関西から近いスノーフィールドです。
遠くにアルプスを眺めながらの登山は約30分になります。
休憩を交え、ゆっくりと景色を堪能しながら、上ることができます。
滑走コースは、木々の間を抜けるツリーランコースです。
木々の間をすり抜けるスリルを味わいながら滑り抜けましょう。
これら2つのツアーは、ザックの中身を用意しなくてもツアーの中にそれらの装備が入っており、レンタルをすることもできるので、非常に便利です。
バックカントリーで大自然を味わおう
バックカントリーは、冬の大自然を堪能できるスポーツです。
雪のない普通の登山なら、多くの方が体験したことがあるかもしれませんが、雪山はまた別格です。
澄み切った白銀の静かな何もない世界は、他では味わえない感動を体験できます。
装備をしっかり整えて、チャレンジしてみてください。