近年人気が高まっているキャンピングカー。
最近は色々なタイプのキャンピングカーが増え、これまで高価で手が届かなかったキャンピングカーも選択肢が増え購入しやすくなりました。
これからキャンピングカーを購入しようと考えている方も多いと思いますが、気になるのが「車検」です。
どのくらいの車検費用がかかるのか、どんなことに注意すべきなのかわからないことばかりではないでしょうか。
そこで今回は、キャンピングカーの車検について詳しくご紹介します。
キャンピングカーの車検で重要なナンバー
車検で重要なポイントになるのが、ナンバープレートに記載されている「分類番号」で、以下のように割り当てられています。
3ナンバー | 普通自動車 |
1ナンバー | 貨物用普通自動車 |
5ナンバー、7ナンバー | 軽自動車・小型乗用車 |
4ナンバー、6ナンバー | 軽の貨物用自動車 小型の貨物用自動車 |
8ナンバー | 特殊用途自動車 |
救急車や消防車、警察車両は特殊用途自動車に分類されており、キャンピングカーも8ナンバーに該当します。
8ナンバーに該当するキャンピングカーは、細かい要件をクリアしています。
最近は5ナンバーサイズのミニバンのキャンピングカーや、3ナンバーサイズのキャンピングカーなど、乗用利用を目的としたキャンピングカーが人気です。
同じキャンピングカーでも、車検内容は異なります。
車検期間もナンバーによって違う
車検期間もナンバーによって異なります。
普通自動車 | 初回3年後、以降は2年ごと |
貨物自動車 | 初回2年後、以降は1年ごと |
軽・小型の貨物自動車 | 初回2年後、以降は2年ごと |
特殊用途自動車 | 初回2年後、以降は2年ごと |
特殊用途自動車に分類されているキャンピングカーは、普通自動車と初回の車検期間から異なるため注意が必要です。
また、登録ナンバーによって自動車税や自動車重量税といった法定費用も異なりなりますが、8ナンバーのキャンピングカーは税制上で優遇されており、乗用車や貨物車を改造してキャンピングカーにするよりも税金や車検費用が安く済む傾向にあります。
注意したい8ナンバーキャンピングカーの構造要件
税制上で優遇される8ナンバーのキャンピングカーですが、8ナンバーを取得するためには、細かな要件を全て満たす必要があります。
車検の際には通常の検査の他に加え、以下の要件が厳しくチェックされます。
- 乗車定員の3分の1以上の大人用就寝設備を有すること。
- 就寝部位の上面は水平かつ平らで大人が十分に就寝できる構造であること。
- 10リットル以上の排水を貯蔵できるタンクを有すること。
- 調理台等調理に使用する場所は0.3m以上×0.2m以上の平面を有すること。
- コンロ等により炊事を行うことができること。
項目に1つでも不備があると車検に通らず、条件を満たさない場合は違法となるので注意が必要です。
キャンピングカーの車検費用
基本的には、8ナンバー車以外のバンコンや軽キャンパーといったキャンピングカーは、一般的な普通乗用車などと車検内容が同じです。
キャンピングカーの車検費用は、法定費用と整備費の合計で決まります。
法定費用は、自動車重量税、自賠責保険料、印紙代などです。
整備費は、車の状態や車検業者によって異なります。
そのため、車検費用は、車検業者によって大きく変わってきます。
8ナンバー車は自動車重量税と自動車税が普通乗用車よりも割安なので維持費は安いですが、キャンピングカーは点検箇所が多いので車検費用は割高になる傾向が強く、特に中古で購入した年式の古いキャンピングカーは整備費用の他メンテナンス料金も高額になりやすいことを覚えておくといいでしょう。
車検でチェックされる注意したい箇所
注意したいのがシートベルトです。
キャピングカーの走行中はシートベルトの着用が義務化されています。
改造でフルフラットにしようと考えている方も多いですが、車両によって乗車定員が決められており、乗車定員分のシートベルトを確保しなければなりません。
「構造変更申請手続き」を行えばフルフラットでも車検は通りますが、定員を変えたらシートベルトの確保はもちろん、それ以上の人数は乗車できないので注意しましょう。
また、生産された年月やナンバーによってはシートベルトが付いていない場合があるので確認しましょう。
さらに、コンロが固定されているかどうかもチェックされます。
使わないからとコンロを車から降ろすと、車検に通らず不合格になります。
また車検時には、乗車人員が9名の場合だと3分の1の3人が眠れる「1800mm×1500mm」の面積があるかを確認するため、持ち込む際はベッド展開にしておくことをおすすめします。
キャンピングトレーラーの車検
近年、普通免許でけん引できる小型のキャンピングトレーラーが人気を集めています。
キャンピングトレーラーも2年に1度車検が必要で、普通乗用車と同じように重量税や検査手数料、自賠責保険料がかかります。
車検費用は、交換部品代を除くと2万円程度で収まります。
そのため、維持費は安く済むでしょう。
改造したキャンピングカーの注意点
例えば軽トラキャンピングカーですが、軽トラキャンピングカーは積載物扱いのため、車検時にはシェルを下ろす必要があります。
1人でも積み下ろしできるような工夫や方法を考えておくことが大切です。
また、車中泊車として冷蔵庫や電子レンジといった電気関係を自作する方もいますが、車検の際に取り外しが必要になる場合もあるのでご注意ください。
最近は8ナンバー登録になるよう改造する方も多いですが、「車検に通らない」とならないよう先にプロの方に確認してもらうと安心でしょう。
キャンピングカーの車検をどこに出すか
先程も触れたように、車検はどこに出すかで費用も若干異なるので悩みます。
車検は普通車と同様、自動車ディーラーの他、ビルダー(メーカーから車を仕入れてキャンピングカーとして加工・販売する企業)や地元の整備工場などで行えますが、業者によっては引き受けてもらえない場合もあります。
いずれにしても車検を依頼する場合は事前に問い合わせをすることが大切ですが、一番確実なのが「ビルダー」です。
なぜなら、ディーラーや整備工場でもエンジンやブレーキ部分の点検を含め車検はできますが、シェル部分の点検は専門的な知識や技術が必要となるため、引き受けてもらえないケースが多いからです。
また、自分で陸運局に車を持ち込むユーザー車検も費用が安く済むので人気ですが、検査場によっては混雑して希望する日時に受けられなかったり、キャンピングカーは点検項目が多いので、ある程度の知識がないと車検に通らないばかりか、車検を受け直すとなると二度手間になり逆にお金がかかる可能性も出てきますのであまりおすすめしません。
キャンピングカーの車検をどこに出すか自己判断になりますが、これらのことを踏まえて決めることをおすすめします。