「ルクルーゼ」や「ストウブ」という名前を聞いたことはありますか?
これらは調理器具メーカーで、高品質な鋳物ホーロー鍋で有名です。
鋳物ホーロー鍋は高価ですが、プロも愛用するほど料理を美味しく仕上げられる鍋なんですよ。
「では使ってみようか」と思うと、どちらのメーカーがいいのか迷ってしまいますよね。
そこで、煮物、焼き物、炊飯と、用途ごとに比較して、ご家庭にピッタリな鍋を探しましょう。
煮込む?蒸す?炊飯?用途で比較の前に、ホーロー鍋を知ろう!
ルクルーゼもストウブも、どちらもフランスの調理器具メーカーです。
また、代表製品がホーロー鍋なのも一緒です。
しかし、両者で鍋の細部の作りが異なっています。
この細部の違いによって、それぞれの鍋によって、向く用途と向かない用途があるのです。
そこで、ご家庭での使用用途に合わせて、適したメーカーの鍋を選んでいきましょう。
そもそもホーロー鍋とは、金属の下地にガラス質のコーティングをした鍋で、耐熱性に優れています。
表面がガラス質のため、雑菌が繁殖しづらく、化学変化を起こさないので食材の味や風味を変化させにくいというメリットがあります。
さらに、耐久性にも優れており、きちんと手入れをすれば一生使えるともいわれています。
また、においの強い食材を入れても鍋ににおいがつかない、酸や塩分の高い食材に強い、中身が金属のため熱伝導率が良く、保温性、冷却性がいいという長所もあります。
ルクルーゼやストウブは鉄を鋳造した肉厚の鍋にホーロー加工を行っているため、特に熱伝導性や保温性が優れており、両方とも煮込み料理や炊飯が得意です。
ただしその製法上、いくつかの欠点もあります。
まずは、ガラス質のコーティングなので、強い衝撃を加えると欠ける可能性があるという欠点があります。
また、ガラスコーティングが薄い鍋の縁部分や、使用していく中でコートがはがれた個所が錆びてしまう場合があります。
さらに、熱には強いのですが急激な温度変化には弱いため、いきなり強火にかけるなどすると欠ける恐れがあります。
ホーロー鍋について知ったところで、次は用途別にメーカーごとの向き不向きを確認していきましょう。
デザインで比較、かわいいルクルーゼかかっこいいストウブか!
まずは、ルクルーゼとストウブの鍋の外観を比較していきましょう。
ルクルーゼの鍋の外観はカラー展開が豊富で、そのカラーもビタミンカラーのような明るい色が多く、キッチンが華やかに彩られます。
きれいな色を活かして、お鍋ごと料理を食卓に持っていっても絵になりますね。
また、鍋の内側はクリーム色のホーローになっており、スープなどが美味しそうに見えます。
ルクルーゼの特徴として、春夏・秋冬のコレクションとして年に2回新色が発表されるなど、カラーバリエーションに力を入れています。
おしゃれなキッチンツールで料理がしたい方にルクルーゼはオススメです。
対してストウブは渋い色味の製品が多く、かわいいというよりはかっこいいイメージです。
また、内側の塗装は黒いマット仕上げになっていて、触れてみるとざらざらします。
これは『マットエマイユ加工』というストウブ独自の内側の表面処理で、他社のつるつるのホーロー加工とは異なり、まるで鋳物の肌のようになっています。
この表面には細かい脂の粒子がなじみ、焦げ付くのを防ぐ効果があります。
炊飯をしてもご飯がこびりつきにくいですよ。
また、黒いため汚れが目立たないというメリットもあり、ずっと使っていける鍋と言えます。
実用性を重視されているストウブの鍋は、三ツ星シェフにも愛用されています。
煮物や蒸し料理にストウブのピコが効く!
次に、ルクルーゼとストウブの鍋を煮込み料理の面から比較していきましょう。
どちらも熱伝導性と保温性の高さから煮込み料理を得意としていますが、ストウブの蓋にはいくつかの工夫がされており、より上手に煮込むことができます。
その工夫は鍋の蓋にあります。
ストウブの蓋は密閉性が高く、裏にはピコと呼ばれる突起がついており、食材から出た水蒸気を集めて水滴に戻し、再び鍋の中に戻す機能がついています。
このことで、食材から出るうまみを含んだ水分を無駄なく使えるため、野菜の重ね煮や肉じゃが等をとても美味しく作ることができます。
また、通常は食材を煮ようと思うと、食材が頭まで浸るほどのお湯を沸かす必要がありますが、ストウブの鍋では食材が完全にお湯に浸かってなくても、蒸気でジャガイモに火が通ってしまいます。
これも鍋から水分を逃がさない蓋のおかげです。
さらに、ストウブの鍋には、完全に食材から出る水分だけで調理する『無水調理』という必殺技があります。
無水調理で作るカレーは、野菜の甘みが凝縮されていて最高ですよ。
お鍋で炊飯したおいしいごはんに合わせていただきたいですね。
ルクルーゼは対応してない!オーブン料理はストウブの独壇場!
ホーロー鍋は熱に強いため、そのまま耐熱容器のように、オーブンに入れての調理をすることができます。
これはほかの種類の鍋ではできない、ホーロー鍋特有の調理法です。
しかし、ストウブの鍋ならよいのですが、ルクルーゼの鍋の場合は注意が必要です。
というのも、実はルクルーゼの鍋は取っ手が樹脂部品でできているからです。
取っ手が樹脂でできていると普段使いの中では非常に便利なのですが、高熱にさらされると溶けてしまうため、オーブン料理には使えないというデメリットとなります。
オーブンを使うと、煮物は味がよくしみて美味しくできますし、パーティーにオススメな鍋まるごとのグラタンやローストチキンを焼いたり、まるで飯盒炊飯をしたかのようにふっくらしたお米を炊くことも可能です。
せっかくホーロー鍋を手に入れたなら、オーブン料理を試してみたいですよね。
煮込み料理を作る予定しかない場合や、鍋が入るサイズのオーブンがない場合はルクルーゼの鍋を選択し、せっかくのホーロー鍋のメリットを生かしたい方はストウブの鍋を選ぶといいでしょう。
主食の白米、おいしく炊飯できるのはどっち?
普段電気炊飯器を使っていると、お鍋を使ってお米を炊くのは面倒なことだと感じてしまいがちですが、実は鍋炊きのお米はとても美味しく炊けるんですよ。
熱伝導の良い鋳物ホーロー鍋だと、より一層美味しくなります。
そこで、ルクルーゼとストウブの鍋を使って、それぞれのお米の炊きあがりを比較していきます。
それぞれ、鍋以外は同じ条件で炊き比べてみたところ、ルクルーゼの場合はお米がもっちりふっくらと炊けていました。
ツヤツヤのお米は舌触りもよく、お米の甘みをしっかりと感じられる炊き上がりです。
一方ストウブでは、お米が立ってしっかりとした炊きあがりです。
ルクルーゼのふっくらとした炊きあがりと比較して、しっかりめのお米は噛むたびにお米の味が伝わってきて、おかずなしでも美味しく食べられてしまいそうな炊きあがりです。
結果として、どちらもとても美味しく炊けることがわかりました。
ここは炊きあがりの好みで、柔らかめのごはんが好きならルクルーゼを、硬めのごはんが好きならストウブを選びましょう。
ルクルーゼの軽さは、日々の料理・炊飯の足取りも軽くする!
日ごろ使う鍋が重いと、だんだん使うのがおっくうになってしまい、気づけばせっかく買った鍋を棚の奥に眠らせてしまうなんてことになるかもしれません。
ですから、購入前に重さについて調べておくことはとても重要です。
そこで最後に、鍋の重さでルクルーゼとストウブを比較していきましょう。
どちらも鋳造ホーロー鍋なので、そもそもが重いつくりなのですが、比較的ルクルーゼの鍋の方が軽く作られています。
衝撃に弱いホーロー鍋なので、重いとうっかり強く置いてしまったりしそうで不安ですよね。
鍋を火にかけたときに、蓋の取っ手や鍋の持ち手が熱くなりにくい点も踏まえても、普段から気軽に使いやすいのはルクルーゼの鍋と言えます。
ですから、日常的に炊飯などで鍋を使うならば、軽くて気軽に使えるルクルーゼをオススメします。
一方、ストウブの鍋は重くはあるのですが、保温性、熱伝導性を上げたり、蓋の密閉性を向上させようとした結果の重さです。
力に自信があったり、機能面のメリットを取りたいという方はストウブを選択するといいと思います。
ライフスタイルに合わせて、使い方で鍋を選ぼう!
ここまで、それぞれの鍋を比較してまいりました。
簡単にまとめると、ストウブは機能性に優れていて、プロにも愛用されている鍋であり、ルクルーゼは華やかな
色合いで、軽さも優れているので毎日楽しく使える鍋だということがわかりました。
以上のことを踏まえて、ご家庭に合った鋳物ホーロー鍋をご購入いただければと思います。