サイフォンは、本格的なコーヒーを淹れる喫茶店や、コーヒー専門店で使われています。
「コポコポコポ…」という独特の音は、心を落ち着かせリラックスさせてくれるでしょう。
サイフォンで淹れたコーヒーはとてもおいしいです。
今は自宅やアウトドアなどの屋外でも、サイフォンコーヒーを楽しむことができるのをご存知ですか。
サイフォンで有名なハリオには、「モカ」というベーシックで人気の高いサイフォンがあります。
今回はハリオのサイフォン・モカの特徴と、コーヒーの淹れ方などご紹介します。
サイフォン・モカで有名なハリオとは?
ハリオは1921年に耐熱ガラスメーカーとして創業しました。
国内唯一の耐熱ガラスメーカーであり、2012年に「ハリオグラス株式会社」から「HARIO株式会社」へと社名変更しています。
サイフォンをはじめ、サーバーやドリッパーなどを取り扱うコーヒーグッズのメーカーです。
世界的に評価が高く、その技術力をコーヒー器具に生かしています。
2007年にグッドデザイン賞を受賞したコーヒー用ドリッパー「HARIO V60」は、2010年のバリスタ世界チャンプが利用していました。
そのため、インターネットを通じて爆発的に購入者が増え、世界の定番となったのです。
そんなハリオのサイフォン・モカは本格的なコーヒーが楽しめます。
上と下、二つのガラスボールがあり、下から熱を加える仕組みになっています。
フラスコ内の気圧を変化させ、お湯を上下に行き来させるのです。
ガラス製の器具越しに、コーヒーが出来上がるまでの過程が目で見て楽しめるようになっています。
サイフォン・モカは業務用のガスバーナーや、アルコールランプも使用できます。
そのためアウトドアなどの屋外でも、本格的なコーヒーを楽しむことができます。
詳しく知りたい!サイフォンコーヒーって何?
サイフォンコーヒーについてもう少し詳しくご説明します。
サイフォンコーヒーは「独自の方法で抽出されたコーヒー」です。
理科の実験のようにロートやフラスコを使い、コーヒーを抽出します。
サイフォンコーヒーは水の温度をコントロールすることで、フラスコ内の気圧の変化を行います。
これによりお湯が上と下を行ったり来たりするのです。
まず、お湯を沸騰させ、蒸気圧の加圧によって上のガラス容器にお湯を移動させます。
次に火を消すことでフラスコ内の水蒸気が冷えて圧縮されます。
すると上から下へとコーヒーの液が下りてきます。
このようにお湯の温度をコントロールして、蒸気圧を上げ下げすることがサイフォンコーヒーの原理になります。
では、サイフォンで淹れるコーヒーのメリットとは何でしょうか。
サイフォンコーヒーは準備するのが理科の実験のように大変です。
見かけも大げさで、手間がかかります。
しかし、サイフォンコーヒーは抽出によるブレがあまりありません。
お湯の温度などを統一することで、毎回同じような味のコーヒーを抽出することができるのです。
また、サイフォンコーヒーを抽出すると、コーヒーの良い香りが周囲に広がります。
ロート上部から立ち上がる香りに気分を高揚されることも、メリットの一つではないでしょうか。
続いてハリオのサイフォン・モカのコーヒーの抽出方法をご紹介します。
ハリオのサイフォン・モカ「おいしいコーヒーの淹れ方」
ハリオのサイフォン・モカでコーヒーを淹れる手順をご紹介します。
使用する前に、下ボールをスタンドにネジでしっかりと固定し、ろ過器にペーパーフィルターをセットしておきましょう。
一杯分のコーヒーはスプーン山盛り一杯(約10g)とします。
①杯数分の水を下ボールに入れ、アルコールランプに火をつけます。
炎は下ボールの底から外へ出ないように注意しましょう。
②ろ過器を上ボールにセットします。
フックは足管の先端に引っ掛けます。
③杯数分のコーヒーを上ボールに入れます。
④お湯が沸騰したら上ボールを差し込みます。
⑤下ボールのお湯が上へ全部上がったら、スプーンで粉をほぐす程度にかき混ぜます。
そのまま1分程度加熱を続けます。
⑥アルコールランプを下ボールからはずし、片付けます。
上ボールから下ボールへと、コーヒーが自然に下がりきるまで待ちます。
⑦コーヒーが下ボールに下がったら、上ボールを静かにはずし、上ボール立てにかけましょう。
⑧カップにコーヒーを注いだらできあがりです。
最初の段階で、水でなくお湯で始めると早くコーヒーが出来上がります。
手順を覚えてしまえば簡単そうですね。
カップはあらかじめ温めておくと、コーヒーが冷めずらくなるので、おすすめです。
ハリオのサイフォンのラインナップ
ハリオには、数種類のサイフォンがラインナップされています。
上記で淹れ方をご案内したモカは、一番ベーシックなタイプです。
他にどのようなタイプがあるかご紹介します。
・ミニフォン
1杯のみのコーヒーを抽出できます。
たった1杯を淹れるためだけに作られた、世界最小のサイフォンです。
小さくてかわいらしいので、オブジェとして飾りたくなるデザインです。
・モカ
一番ベーシックなタイプのサイフォンです。
交換用のフィルターがペーパータイプなので、お手入れしやすい作りです。
約3杯のコーヒーが抽出可能です。
・ネクスト
ハンドルがラバー仕様になっているため、滑りにくく持ちやすいです。
デザインはシンプルでスタイリッシュです。
約5杯のコーヒーが抽出できます。
・ソムリエ
2013年度のグッドデザイン賞を受賞しています。
そのデザインはワインのでキャンタージュをイメージしています。
コーヒーの香りを楽しんでいただくためのサイフォンです。
約5杯のコーヒーが抽出できます。
・テクニカ
プロが使うサイフォンです。
コーヒー専門店のほとんどが、ハリオのテクニカシリーズを使っています。
フィルターがネルなので経済的です。
2杯用、3杯用、5杯用と3タイプ大きさが選べます。
ハリオで取り扱っているサイフォンは以上になります。
中でも1番人気なのはベーシックな「モカ」シリーズだと言われています。
これだけの種類があると、用途やシーンに合わせて選択できるでしょう。
ハリオの他にもおすすめのサイフォンメーカー
人気の高いサイフォン・モカは、ハリオの代表的なサイフォンです。
ではハリオ以外のメーカーのサイフォンは、どのようなものがあるのでしょうか。
国内ですと、サイフォンはハリオ、コーノ(KONO珈琲サイフォン株式会社)、BONMACなどのメーカーで販売されています。
ハリオ以外のメーカーと代表的なサイフォンをご紹介します。
・KONO珈琲サイフォン株式会社
コーノは社名にサイフォンという名前が入っており、サイフォンメーカーの中での「開拓者」と言われています。
コーノの有名な「名門円錐フィルター」は、コーヒーの抽出に理想的だと言われています。
創業者のモットーは「コーヒーの持っている味を素直に抽出すること」です。
より良い味のコーヒーを抽出できるサイフォンを目指し、日々改良され続けているのです。
代表的なサイフォンは「NEW PR型 コーヒーサイフォン」です。
NEW PR型 コーヒーサイフォンは、大きさが3タイプあり、選べるようになっています。
・BONMAC
1964年に創業したラッキーコーヒーマシンが、1982年に新しく立ち上げたメーカーです。
「高品質でリーズナブルなコーヒー機器の開発」をモットーとしています。
デザインや機能、価格にも非常にこだわった商品が豊富です。
しかし製造はハリオのため、「テクニカのゴールド版」などと言われています。
・そのほかの海外メーカー
「YAMA」「TIAMO」「Kitchen Aid」などがあります。
日本製のサイフォンと比べると、付属品がついてない商品が多くあります。
ただ、どのメーカーのサイフォンも優れたものとなっていますので、選択肢の一つとして考えてもいいでしょう。
ハリオのサイフォン・モカのお手入れと洗い方
おいしいコーヒーを味わったら、後片付けをしっかり行いましょう。
ここではハリオのサイフォン・モカのお手入れ・洗い方についてご説明します。
①ロート&フラスコを洗います
まず、コーヒーの粉が入っていたロートを丁寧に洗います。
コーヒーの粉は排水溝のつまりの原因になりますので、流さないように注意してください。
②ネルフィルターを洗います
次にネルフィルターについていたコーヒーの粉をきれいに取り除きます。
フィルターのフックをロートから外し、ネルの部分を「水洗い」します。
この時ネルをゴシゴシこすらずに、「水の勢い」でコーヒーの粉を落とすことが大事です。
その理由としては、ゴシゴシこすることでコーヒーの粉がフィルターの「目」をふさぎ、目詰まりを起こしてしまうからです。
目詰まりを起こすと、お湯がフラスコ内を移動できなくなります。
そして最悪の場合「フラスコが破裂してしまう」恐れがあるのです。
そのためネル部分は「なでるように洗う」のがポイントです。
③ネルフィルターを保管します
水洗いしたフィルターは、水に浸した状態で「冷蔵庫」で保管します。
長期間使用しない場合は「冷凍庫」で保存しましょう。
④アルコールランプを保管します
アルコールランプは、中のアルコールが蒸発しないように、キャップをしっかりしめます。
小さな子供の手が届かない場所に保管しましょう。
以上がサイフォンの洗い方・お手入れの仕方になります。
しっかりお手入れを行って、長く使用できるようにしましょう。
サイフォンで本格的なコーヒーを日常に
「コーヒーを淹れる」方法は様々です。
普段はペーパードリップや、インスタントでコーヒーを淹れる人が多いのではないでしょうか。
サイフォンは一見、大掛かりで難しそうです。
ですが手順を覚えてしまえば、どこでも誰にでも「お店の味」が出せる優れものです。
レトロで洗練されたデザインを含めて、コーヒーを待つ時間さえもおいしくしてくれるようです。
アウトドアやご家庭でも、本格的なコーヒーを楽しんでみませんか。