アイゼンの付け方や種類について知ろう!お手入れ方法も解説

最終更新日:2023/12/13

アイゼンの付け方の違いやアイゼンの種類、お手入れ方法

冬に登山をするときは雪で滑って転んだり、滑落しないためにアイゼンの装着が必要です。アイゼンには種類があり付け方も異なります。この記事ではアイゼンの種類や付け方についてご紹介します。また、アイゼンのお手入れ方法や、おすすめのアイゼンもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

アイゼンの種類

アイゼンは金属製の爪がついたアイテムで、登山靴の裏に装着して使います。
爪の数に種類があり、使い方はシーンによって異なります。

4本爪や6本爪のアイゼンは軽アイゼン簡易アイゼンと呼ばれ、足裏の力がかかる部分に爪が集中しています。
爪の数が少ないので、本格的な雪山登山には向かず、雪が柔らかく斜面が小さい低山登山やハイキングなどに適しています。

10本爪や12本爪のアイゼンは本格的なアイゼンで、かかとからつま先まで全体的に爪が付いています。
つま先部分に2本の前爪があり、急斜面でもグリップを効かせて歩くことができるため、本格的な雪山登山に必要なアイテムです。

アイゼンの付け方

アイゼンは爪の数の違いだけでなく、付け方にも違いがあります。
付け方は大きく分けると、「ベルト式」「ワンタッチ式」「セミワンタッチ式」に分けられます。

簡単に装着できるものからコツがいるものもあるので、付け方で選ぶのもおすすめです。下記で詳しい付け方をご紹介します。

ベルト式アイゼンの付け方

ベルト式アイゼンは、爪の数が少ないアイゼンに多いタイプです。ベルト(紐)を使って靴に装着します。

付け方

  1. アイゼンを靴の裏に乗せ、かかとを合わせる。
  2. ベルトを足の甲からかかとに向かって巻き、しっかりと締める。
  3. 爪先部分も同様にベルトを巻き、しっかりと締める。

注意点

  • ベルトが緩んでいると、アイゼンが外れる可能性があるので、しっかりと締める。
  • 雪が降っている場合は、ベルトが凍って締めづらくなるので、事前にベルトを緩めておくとよい。

また、ラチェットバックルタイプもあり、ラチェットバックルを使って靴に装着します。
簡単に脱着できますが、バンドと比べるとかさばるかもしれません。

ワンタッチ式アイゼンの付け方

ワンタッチ式アイゼンは、爪の多い本格的な雪山登山に用いられるタイプです。
つま先とかかと部分にレバーがついていて、スキー靴のように固定します。

付け方

  1. アイゼンを靴の裏に乗せ、かかとを合わせる。
  2. つま先のレバーを下げる。
  3. かかとのレバーを下げる。

注意点

  • ワンタッチ式のアイゼンを使う場合は、装着するための切れ込みが入った専用の登山靴が必要。
  • 登山靴との相性が悪いと外れてしまうことがあるので、購入前に必ず試着する。
  • レバーを操作する際は、指を挟まないように注意する。

セミワンタッチ式アイゼンの付け方

セミワンタッチ式アイゼンは、ベルト式とワンタッチ式の両方のメリットを兼ね備えたタイプです。
ベルト式のように着脱が容易で、ワンタッチ式のように外れにくいのが特徴です。
そのため、本格的な雪山登山からハイキングまで、幅広いシーンで使用することができます。
つま先はベルトで固定し、かかと部分はレバーで固定します。

付け方

  1. アイゼンを靴の裏に乗せ、かかとを合わせる。
  2. つま先部分のベルトを足の甲からかかとに向かって巻き、しっかりと締める。
  3. かかと部分のレバーを下げる。

注意点

  • 登山靴との相性が悪いと外れてしまうことがあるので、購入前に必ず試着する。
  • レバーを操作する際は、指を挟まないように注意する。

ふかふか雪にはワカンを装着

雪山で歩くときに滑らないために必要なアイゼンですが、たくさん雪が降った後の深さのあるふかふかの雪の上は沈みこんでしまい、歩けなくなってしまいます。

ふかふかの雪の上を歩くときに必要なのはワカンというアイテムです。
ワカンは足の接地面積を大きくすることで、沈みこまずにふかふかの雪の上でも歩けるようになります。

アイゼンと併用して使うこともでき、沈みこまず、滑らず、雪の上を安全に歩くことができます。
また、小型なものが多く、斜度がある場所でも使いやすく、軽量です。

アイゼンのお手入れ方法

アイゼンは雪の上や氷の上だけでなく、雪混じりの路面や岩場など、さまざまな場所を歩くので、使った後はきちんとお手入れする必要があります。

基本的なお手入れ方法

  1. 洗う:泥などの汚れを水でしっかり洗い流します。
  2. 乾燥させる:水気をとって、直射日光の当たらない場所でしっかり乾燥させます。
  3. サビ止めを塗る:サビが発生しないよう、金属部分にサビ止めを塗ります。

メンテナンス方法

硬い場所を歩いていると、爪が削れて丸くなってきます。
ヤスリで削ってメンテナンスする必要があります。
自分でのメンテナンスに自信がない方は、メンテナンスサービスを行っているお店に持っていくのもおすすめです。

おすすめのアイゼン

アイゼンは雪山登山をするのに必ず必要なアイテムなので、いろいろなメーカーからさまざまな種類のアイゼンが販売されています。
最後に、おすすめのアイゼンをご紹介します。
ぜひ参考にしてください。

エバニュー

エバニューの「4本爪アイゼン」は、ゴムバンドで装着する4本爪の軽アイゼンです。
登山靴からローカットシューズまで幅広く装着でき、取り付けも簡単です。
収納袋がついているので持ち運びも簡単で、雪が残る夏山登山に向いています。

グリベル

グリベルでおすすめなのが「エアーテックオーマチック」です。
エアーテックオーマチックは12本爪のアイゼンで、爪がやや短めなので岩場などでも歩きやすいです。
ワンタッチ式のアイゼンなので取り付けが簡単で、安定感があり使いやすいです。

モンベル

モンベルのカジタックスシリーズの「LXF-12アイゼン」は12本爪のアイゼンです。
カジタックスシリーズは高い剛性を誇るアイゼンで、本格的な冬山登山に向いています。
ワンタッチ式なので脱着が簡単にできます。

また、「チェーンスパイク」もおすすめです。
チェーンスパイクは爪をチェーンで連結させた軽アイゼンで、靴の上から靴下を履くように装着できます。
爪はそこまで大きくなく低山や雪が残る夏の山を登るのに向いています。

アイゼンで雪山登山を安全に

アイゼンは雪山登山に欠かせない装備です。
種類や性能によって適したシーンが異なるため、登山の目的やレベルに合わせて選ぶことが大切です。
また、装着や使用方法を正しく理解し、安全に使用しましょう。

アイゼンの正しい知識と使い方を身につけ、雪山登山を安全に楽しんでください。

こちらも合わせてご覧ください。