グリベルのアイゼンにアコーディオンは必要?使い方は?

最終更新日:2019/01/15

様々なメーカーからアイゼンが発売されていますが、その中でも有名な老舗メーカーの「グリベル」が販売するアイゼンには、「アコーディオン」という部品が付属されています。

他のメーカーのアイゼンには付いていない「アコーディオン」は必要なのでしょうか?

アコーディオンを使う上でのメリットとデメリット、装着方法について知っておきましょう。

グリベルのアイゼンってどうなの?まずは人気の秘密を知る!

初めてアイゼンを選ぶときは、何を基準に選んだらよいのかと、悩むことが多いと思います。

実際は自分の靴にあったものを選びますが、よくあるのが店員さんに勧められるがままに購入してしまっていることです。

確かに経験豊富な店員さんに勧められると、大丈夫だろうと思ってしまいますが、登山に関する装備については、登山者のあいだで古くからの固定観念が強くあるように思います。

実際には、その人の歩き方や癖もあるので、「実際に使ってみなければわからない」というのが正解だと思いますが、全てのアイゼンを試すわけにはいきません。

そんな中、グリベルのアイゼンは100年以上の歴史があり、常に新しいものへ変化し続けています。

アイゼンの種類も豊富で、様々な靴にあうアイゼンや、付属品のプレート、アコーディオンなどの部品がバラ売りされていることも人気の一つです。

アイゼン以外にも「ピッケル」「ヘルメット」「アイススクリュー」など、雪山登山やアイスクライミングに必要な製品を数多く取り揃えていますので、セットで揃える人も少なくありません。

また、プロの登山家も愛用していることから、それだけ信頼できるメーカーであるともいえます。

アイスクライミングと、登山と、雪歩きでのアイゼンの選び方

グリベルのアイゼンは登る山の傾斜によって推奨されているアイゼンがあります。

グリベルのホームページではアイゼンの一覧と、そのアイゼンに対応した傾斜レベルが公開されています。

日本語には対応していませんが、わかりやすいイラストが載っていますので、購入前に一度見てみてください。

グリベルのアイゼンは種類が多いので、全ての種類を揃えているお店は多くありません。

店頭にはなくても取り寄せしてもらうこともできると思いますので、前もって欲しいアイゼンを調べておくのもおすすめです。

グリベルのアイゼンはA~Hまでのランクでわけられています。

・A

スノーボードやスキー靴につけることができるアイゼンです。

・BC

簡単な雪道とトラバース向きのアイゼンです。

・CD

きつめの傾斜に対応したアイゼンです。

・EF

きつめの傾斜や、90度までの氷の壁を登るアイスクライミング向きのアイゼンです。

・GH

90度以上の傾斜があるアイスクライミング向きのアイゼンです。

A~Fまでのアイゼンは主に雪道を歩きますので、付属品のアコーディオンも一緒に使うことをおすすめします。

アコーディオンについては以降でご案内します。

グリベルのアコーディオンとは?アイゼンへの装着方法

グリベルのアイゼンに付属している「アコーディオン」という部品は、その名前の通り、アコーディオン状になった黒いゴム製品です。

アイゼンの土踏まずの部分にあるジョイントプレートに装着するものです。

アコーディオンは歩行中に付着した雪が固まって、団子状になるのを防ぐためのもので、グリベルのアイゼンにだけついている装備品です。

アコーディオンは簡単に取り付けることができますので、取り付け方法を覚えておきましょう。

まずはアイゼンのかかと部分を外します。

アコーディオンのでっぱった部分が、つま先側にくるようにプレートにセットします。

アコーディオンがセットできたら、かかとの部品をはめてこれで完成です。

アイゼンと登山靴をちょうどよいサイズでセットしたときに、アコーディオンが1cmぐらい縮む長さに調節します。

長い場合はハサミでカットして調節しましょう。

アコーディオンをつけることのメリットとデメリットを検証!

アコーディオンをつけたときのメリットは、アイゼンの裏に雪が団子状になって固まるのを防いでくれることです。

雪の中を歩いていると、土踏まずの部分に雪が固まってきて団子状になってしまうことがあります。

それを防いでくれる部品ですが、人によって好みがあり「無くても困らない」という人もいれば、「あると便利」という人もいます。

中には「あると不便」という人もいます。

不便な理由は、アコーディオンをつけると、アイゼンを短くして収納することができず、荷物の邪魔になる場合があります。

雪山の登山は荷物が多くなりやすく、少しでも荷物をコンパクトに収納したいという気持ちもわかります。

しかし、アイゼンの裏側に雪が固まってしまった場合、アイゼンの爪が氷に刺さりにくくなり、結果的に事故にもつながりやすくなってしまいます。

そのため、できればグリベルも推奨しているアコーディオンを使用することをおすすめします。

アコーディオンを紛失!このまま使っていても問題はない?

グリベルのアコーディオンを紛失してしまった場合、そのまま使用していても特に問題はありません。

そもそもグリベル以外のメーカーのアイゼンには、アコーディオンがついていませんので、アコーディオンをつけていなくても、アイゼンとして使うことはできます。

裏側の土踏まずの箇所に雪が固まりやすくなり、その都度、固まった雪を振り払わなければいけないので手間は増えますが、そのまま使用していても問題はありません。

長く使用していると、アコーディオンが劣化し、「いつのまにか破損していて外れて紛失した」なんてこともあります。

そのためグリベルでは、アコーディオンだけの単品で販売もしています。

価格も抑えめで、1,500円ほどで購入できますので、紛失してしまった場合は、安全のためにも再度アコーディオンを装着することをおすすめします。

グリベルのアイゼンを長く使おう!メンテナンスと保管方法

雪山を降りたあとは、アイゼンを外してそのまま持ち帰る、という人がほとんどだと思います。

下山後は、疲労とやっと下山したというほっとした気持ちで、すぐにアイゼンの手入れなんてできないですよね。

しかしアイゼンを長く使うためには、最低限のメンテナンスをおすすめします。

まず使い終わったあとは、アイゼンについている砂や塩分を水で洗い流すことがベストですが、それができなくても、せめて水滴だけはふき取っておきます。

交通機関で帰宅する場合は袋へ収納しなければいけませんが、自家用車で帰宅する場合は、できれば袋に収納せず、アイゼンはむきだしのまま持ち帰るようにしましょう。

なるべく風通しのよい場所へおいておきます。

自然乾燥でもよいので、なるべく水分を乾かすように袋へ収納せずに持ち帰ることをおすすめします。

特にアコーディオンの中や隙間には水滴や砂などがたまりやすく、そのままにしておくと樹脂の劣化にもつながります。

できればアコーディオンも外しておけるとよいでしょう。

帰宅後は水できれいに洗い流し、タオルで水滴を拭いたあとは、完全に乾くまで広げておきます。

もしアイゼンの爪に錆びがある場合は、錆び止めや錆び落としで処理します。

濡れたまましまっておくと、カビや錆びの原因となりますので、長く使用するためには、使用後のメンテナンスはしっかりしておきましょう。

収納するときは、グリベルの専用ケースは通気性のよいメッシュ素材が使用されているのでおすすめです。

念には念をいれて、装備を万全にして雪山へ挑みましょう!

グリベルのアコーディオンは、必要だという人もいれば、アイゼンが小さく収納できないので、不要だという人もいます。

雪が固まってアイゼンの効きが悪くなったり、その雪を振り払おうとした際に滑って転んでしまうなど、事故へつながる可能性もあります。

100年以上の歴史をもったグリベルが作りだした商品には意味があります。

念には念をいれた装備で、安全な雪山登山を楽しみましょう。

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