山の靴といえばスカルパ!キメラが高評価な理由とは?

最終更新日:2019/01/15

スカルパといえば、登山・トレッキング・クライミングなど、山のアクティビティで定番のシューズブランドです。

品質が高く、愛用している人も多いのではないでしょうか。

今回は、高評価なスカルパのクライミングシューズ「キメラ」についてみていきましょう。

「キメラ」を作っているスカルパとはどんなブランドか

SCARPA(スカルパ)は1938年にイタリアのモンテベルーナで誕生した、靴のメーカーです。

「スカルパ」とはイタリア語で靴を意味します。

スカルパが誕生したイタリアのモンテベルーナ地方は、世界でも有数の靴の生産地です。

ガルモント・アゾロ・ロメールなどの有名アウトドアシューズブランドも数多くこの地方から誕生しています。

スカルパは1970年代には日本に進出し、クライミングシューズや高所登山靴の生産が始まったのもこの頃です。

スカルパでは、クライミングシューズの他にも、登山靴・スキーブーツ・アプローチシューズ・ランニングシューズ・シューアクセサリーなど、さまざまなシューズを作っています。

どのシューズも品質にこだわっていて、その安定感やフィット感が高評価を得ています。

さまざまなシューズがあるスカルパですが、代表的なアイテムといえば、クライミングシューズです。

「ドラゴ」「キメラ」「フォース」「フューリア」など、人気のクライミングシューズが多くあります。

スカルパの「キメラ」が高評価な理由①レザー

スカルパの人気クライミングシューズ「キメラ」についてみていきましょう。

スカルパのクライミングシューズの評価が高い理由として、レザーにこだわっているという点が挙げられます。

最近では、ナイロンや人工皮革を使っている登山靴などが多くありますが、スカルパでは1938年の創業以来、良質な皮を使うことにこだわりがあります。

その創業以来のこだわりが、今日の評価の高い靴を生み出しています。

スカルパの登山靴などに使われる革には「リバースド・アンフィビイオ」「ワッサー」「シェルパ」「ヌバック」「クロスタ」など、いくつか種類があります。

キメラでは、マイクロファイバー素材をメインに使用していますが、足先や足裏の部分には本革を使用しています。

本革を使うことで、クライミングシューズを履く人それぞれ足の形のなじみやすくなります。

キメラは本革を使用することで、足裏の感覚を追求しているのです。

さらに、本革の特性であるにおいがつきにくいというのも、評価出来るポイントですね。

スカルパの「キメラ」が高評価な理由②レースアップ

キメラは、スカルパのクライミングシューズ「ドラゴ」を元にしたモデルです。

ドラゴはベルクロが1本あるタイプですが、キメラはベルクロはなく、レースアップするタイプになっています。

レースアップになったことでドラゴの良さは残しつつも、ドラゴよりもフィット感が増しています。

そのフィット感が高評価で、ドラゴからキメラに乗り換えた人も多いようです。

レースアップというと足にしっかりフィットしますが、履くときに少し面倒だと感じる人もいるかと思います。

しかし、キメラのレースアップは「スピードレース機構」という機能になっています。

このスピードレース機構によって、ひもをグッと引っ張るだけで一気にひもを締めあげることが出来るのです。

キメラ以外のクライミングシューズに履き替えたい場面でも、素早く交換することが出来ますね。

また、キメラのレースアップはひもを締めあげるときに、横方向からも縦方向からも同時に締め付けてくれます。

そのため、より自分の足の形にフィットしてくれます。

スカルパの「キメラ」が高評価な理由③ソール

ダウントゥとターンインがきつくなっていることも、スカルパのキメラの特徴です。

シューズの裏側にはブルーのラバーが縦にあり、このラバーがソールとソールを繋げています。

これは「PCBテンションシステム」と呼ばれるものです。

このブルーのラバーが、土踏まずを持ち上げるように支える働きをしてくれます。

そうすることで、足全体のフィット感が増し、柔らかいシューズでありながらかっちりとした履き心地になっています。

また、PCBテンションシステムのブルーのラバーによって、きついダウントゥが保たれています。

ダウントゥとターンインの角度があることは、ヒールフックのときにかかとが浮いてしまうといったことにもなりかねません。

レースアップをしっかりと締めることで、キメラの良さであるきつい角度をしっかりと活かすことが出来ます

また、つま先のソール部分はビブラム社の「XSグリップ2」が使われています。

このソールは少し柔らかめなので、足裏の感覚に優れています。

フリクションが重視される場面などでその良さを発揮します。

XSグリップ2は従来のシリーズのソールよりも、耐久性・粘着性・エッジングの性能が向上しています。

向上したこれらの性能と、程良い柔らかさとフリクションで、小さなホールドからハリボテまで対応することが出来ます。

これらのソールとその構造が、キメラが高評価な理由の一つです。

スカルパの「キメラ」が高評価な理由④シャンク

キメラにシャンクの構造も評価されています。

キメラには、ドラゴよりも少し堅めのシャンクが入っています。

この少し硬めなシャンクは、指の付け根を持ち上げるような構造になっています。

そうすることで、指に力が入りやすくなるのです。

また、キメラの形はつま先にかけて薄くなっているので、繊細な足の感覚を妨げることがありません。

シャンクとつま先の形によってキメラの足先は、繊細な足先の感覚と高いエッジングの性能を両立しているのです。

さらに、シャンクが入っていることで、かかと部分も力が逃げにくい構造になっています。

キメラのかかと部分は、スカルパの「インスティンクトVS」を元に考えられた補強ヒールが特徴です。

インスティンクトVSのようにシンプルな形で、ドラゴよりも深い設計となっているでしょう。

シャンクがはいっていることで、かかと部分がつぶれにくく、力を入れたときにその力は逃げにくい構造を実現しています。

キメラだけじゃない!スカルパのクライミングシューズ

スカルパはクライミングシューズの代表的なブランドです。

キメラ以外にも高評価なクライミングシューズがたくさんありますので、いくつかみていきましょう。

【ドラゴ】

キメラの元になっているモデルです。

高性能でありながら、適度な履きやすさがあります。

トラーバーを長くし、ヒールカップの弾性を高めることでフックの性能を上げています。

フックを多用する立体的なクライミングにおすすめです。

【インスティンクトS】

ジムトレーナーから岩場まで、オールラウンドに使えるモデルです。

アッパーは人工皮革のロリカRとエラスチックを組み合わせ、ソフトなタイプになっています。

ヒールカップは小ぶりの設計で、ぴったりとフィットしてくれます。

【フォース】

上級向けのモデルのように、ある一部の性能に特化していないことが特徴です。

扱いのコツが必要ではない、ニュートラルなシューズとです。

さまざまなムーブが習得しやすく、オールラウンドなクライミングに適していますので、クライミングを始めたばかりの方にもおすすめのモデルです。

キメラはとても高性能なシューズ

キメラはドラゴの良いところを引き継ぎながら、改良が加えられた高性能モデルです。

特に、ドラゴとの大きな違いであるレースアップはとても魅力的ですね。

よりフィット感を求める方には、ベルクロタイプのドラゴよりも、レースアップのキメラの方がおすすめです。
より良いシューズで、クライミングの技術向上を目指したいですね。

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