ツェルトの張り方ってどうやるの?モンベル製品の活用術!

最終更新日:2019/01/15

「ツェルトってテントと違うの?」

そういった疑問もあるかと思いますが、本来ツェルトは不慮の事態に備えたシェルターのことです。

緊急時の装備として持っておられる方も多いかと思います。

そんなツェルトですが、張り方には工夫がいります。

様々な張り方がありますので、環境に合わせて変えましょう。

ここではモンベルのツェルトを前提にお話ししますが、ほかのメーカーのツェルトでも基本は同じなので覚えてくださいね。

モンベルのツェルトポールセットを利用した張り方

まずはベーシックな、モンベルのツェルトと別売りのポールセットを併用した張り方からご紹介していきます。
ベーシックな張り方なので、覚えておいて損はありません。

【ライトツェルト】

参考価格:11,700円+税
重量:約430g
収容人数:1~2人

ツェルトポールセットは張り網用のロープもついているので便利ですよ。

【ツェルトポールセット】

参考価格:3,429円+税
重量:約250g
サイズ:全長105cm(折り畳み時45cm)

まず設営の前に、ツェルトのループにロープを通しておきます。

持っていくまでにご自宅であらかじめつけておくのがベターです。

張り網をすることで、ツェルトが突風にあおられることを防げます。

また、別売りのペグをご用意ください。

ツェルトの四隅をペグで地面に固定します。

このとき、ツェルトが緩みなく張れるよう注意してください。

ツェルト上部のループに通したロープの片方を、立てたポールの上端に引っ掛けます。

モンベルのツェルトには、エンドチップ用ループが地面側についているためポールを立てかけやすくなっています。

次にロープの端を地面にペグダウンします。

このときは、ロープを引っ張って張りすぎないことがポイントです。

反対側を固定するときに、調整します。

逆側も同様に、ポールに引っ掛けてからロープをペグで固定します。

この方法は、比較的広く安定した平らな場所での設営に向いています。

また、出入り口は風下になるように設営しましょう。

ストックを利用した張り方

別売りのポールセットがない場合は、お手持ちのトレッキング用のストックを使った張り方もあります。

あらかじめツェルトにセットした張り網を、ポールのときと同じようにストックの先に引っ掛けます。

あとは、基本的にはポールでの張り方と同じ手順で、設営していきます。

ちなみに地面に固定するアンカーは、ペグ以外のものも使えます。

例えば石や雪、ピッケル、スコップなどです。

モンベルでは、これらのものを利用できるアンカーも別売りされています。

【メッシュアンカー】

石などをまとめて入れられるアンカー

参考価格:1,143円+税
重量:約90g

【スノーアンカー】

雪の重みで固定するアンカー

参考価格:900円+税
重量:約50g

体力が奪われがちな登山では、使えるものは何でも使って、荷物を節約する工夫をしましょう。

また、非自立式のツェルトの場合、人によっては最初のペグダウンをしない方もいます。

場所によって、装備によってはペグで固定できないこともあるからです。

風にあおられないことが大切ですので、今持っている装備でできることを考えましょう。

モンベルのインナーポールを使用した張り方

ポールやストックを使ったツェルトの張り方に加え、モンベル別売りのツェルトインナーポールを使った設営方法もあります。

このインナーポールを使用することで、ツェルトが風でへこむことがなくなり内部の空間が広くなります。

【ツェルトインナーポール】

参考価格:2,667円+税
重量:約133g
サイズ:全長213cm(折り畳み時47cm)

しかし、ここで注意点があります。

ポールを使った設営の際に張り網を使用しましたが、このとき適切に張られていないと、風が吹いたときや雪が降ったときなど、インナーポールが折れてしまう可能性があります。

それを防ぐためにも、ロープは上から見たときと同じ、延長線上に張られるようにしましょう。

次にご紹介するのは、ツェルト内部に潜り込んでインナーポールを設置し自立させるものです。

【マルチチューブシェルター】

参考価格:11,239円+税
重量:約540g
収容人数:1~2人

インナーポールを使うとカマボコ型のシェルターになりますし、張り方を変えるとツェルトにもタープにもなる優れものです。

ご自身の訪れる場所の自然環境(気候や周囲に風を遮るものがあるのかどうかなど)にあったツェルト選びをしましょう。

木の間に吊るす張り方

ここでは、ツェルトを吊るす方法をご紹介していきます。

まず、ベンチレーターにロープを通して、木と木の間にツェルトを吊るします。

もし、ビバークするところに立木があるなら、この張り方をしましょう。

木の間に吊るしたあとは、側面のループに通したロープを地面にペグダウンさせます。

このことで横からの風にも強くなり、居住空間が広がります。

モンベルのツェルトは、底が割れているデザインが多くなっています。

雨や泥も入ってきにくいですし、設営せずに被ったりするときに便利なのですが、木に吊るす際は高さも注意しましょう。

そして、服や寝袋、エマージェンシーシートで体温が奪われることのないように注意してください。

この木立の間に張る方法は、ポールの転倒の心配がなく安定しているため、一番素早く設置することができます。

さらに、ロープだけを使うので荷物も少なくて済みます。

緊急時に一番お勧めの方法です。

ツェルトは被る使い方もできる

最初にお話したように、ツェルトは緊急避難用のシェルターです。

上記のような張り方をするにはスペースがないとき、またビバークしないといけないような緊急のときはポンチョのように被ります。

モンベルのツェルトは、ベンチレーターから顔を出せるようになっているものが多いです。

十分な大きさの穴なので、周囲を見渡すこともできます。

そして、ここで注意があります。

モンベルのツェルトは高機能で防水性が高い分、気密性が高くなっています。

完全に被ってしまわず、換気は必ずできるようにしましょう。

また、気温が低いと結露などで換気が十分にできない可能性があります。

そのときは、布同士がくっつかないよう必ず顔を出すようにしましょう。

そして、ツェルトは緊急用のシェルターなので本来寝泊まりするためのものではありません。

ビバークのときのような緊急時には、防寒用の服や寝袋、エマージェンシーシートなどで体温が下がらないような工夫が必要です。

この使い方は、広い空間もなく不安定な場所でやむを得ないときにとる方法です。

モンベルのツェルトフライシートを使用して二重構造のテントにする張り方

本来ツェルトは緊急時に使うものですが、モンベルのツェルトはテントとしても使用できます。

テントとして設営するならこちらのフライシートを使わない手はありません。

【ツェルトフライシート】

参考価格:7,600円+税
重量:約269g

フライシートは設営したテントの上に張る布のことで、防風防水効果があります。

この張り方は、緊急用というより休憩やライトキャンプなどに向いてますね。

ツェルト本体の上に重ねて設営することで、空間ができるため雨風から守ることができます。

また、ツェルト本体とフライシート間の空気の層が、気温を安定させ、結露の発生を防ぎます。

そして夏は、生地の薄いツェルト内部の温度は上昇しやすくなります。

フライシートがあれば、強烈な日差しからも守ってくれますよ。

キャンプで使う場合は、少しでも快適に過ごしたいですよね。

さらに、音が直接漏れることがないので、少しくらいの会話なら周囲を気にすることがありません。

逆に外からの音、例えば雨の音なども直接ツェルトに当たらないので気にならないでしょう。

ツェルトは張り方次第でいろんなシーンで使える!

以上、モンベルのツェルトを使用した張り方でした。

コンパクトで軽いので装備にあると便利なツェルト。

しかし、ペグやロープなどで結局重くなっては意味がありません。

計画的に購入しましょう。

また、使用前にご自宅や公園などで張る練習を忘れてはいけません。

ツェルトはひとつあれば、アイディア次第でいろんな張り方があります。

緊急用のシェルターといいましたが、登山だけでなくキャンプやツーリングの休憩時にも使えます。

素敵なアウトドアライフを楽しんでください。