キャンプは寝袋なしでも大丈夫-代わりのアイテムと過ごし方の工夫

最終更新日:2022/02/07

キャンプには、絶対に寝袋が必要だと思っていませんか?実はキャンプに寝袋は必須ではありません。寒い冬キャンプでも、工夫すれば寝袋の代用品で暖かく眠ることも可能です。
この記事では寝袋なしでも、キャンプで快適に眠る方法をお伝えします。合わせて、寝心地の良いおすすめの寝袋の選び方や、寝袋の長持ちするメンテナンス方法などもご紹介します。

キャンプは寝袋なしでも取り敢えず大丈夫

気軽にキャンプは楽しみたいけれど、年に数回しか行かないキャンプのために高価なアウトドア用品を揃えるのは躊躇してしまうこともありますよね。
特に寝袋などは、冬用の高性能なダウンシュラフなどを家族分用意すると結構な出費になるでしょう。

そのような時は、家庭で使用している身近にあるもので代用できることをご存じでしょうか。テント泊の時に寝袋代わりとして活用できるアイテムを、以下にご紹介します。

キャンプで寝袋の代わりになる身近なアイテム

  • 毛布
  • タオルケット
  • 布団

毛布や布団、タオルケットなどにしっかりとくるまっていれば、キャンプでは寝袋がなくても眠ることができます。
家庭にあるものを持って行くだけなので、手軽に用意できますよね。

ご紹介した3つの中で、最もおすすめなのは毛布です。その理由は、用途が幅広いこと。敷き布団や掛け布団にもなり、カーペット代わりにもなったりといろいろ便利に使えます。毛布は寝袋ほどコンパクトにはなりませんが、ロープなどで縛ると持ち運びが簡単です。キャンプ用に、汚れても良い毛布を用意しておくのも良いかもしれません。

ただ、毛布だけだと地面からの影響が直に伝わってきて、あまり快適ではない場合もあるでしょう。そのような時、プラスアルファでより快適に工夫できるアイテムがあります。

寝袋なしでも快適な寝心地にできるプラスアルファアイテム

テントの床面や寝袋の下に敷くものをプラスして工夫すると、寝袋がなくても睡眠時の快適性を高めることができます。重ねるとさらにクッション性や保温性が増すアイテムなどもありますので、以下にご紹介します。

グランドシート

テントを設営する前に、テントの下にグランドシートを敷きましょう。グランドシートはテントと地面の間に敷くシートで、地面からの湿気や冷気を遮断し、テントの底を汚れから守ることができます。

銀マット

銀マットは、テント内の一番下に敷くアルミシートのことです。地面からの底冷えを防ぎ、床のクッション性を高めることができます。価格もリーズナブルで軽くて持ち運びも簡単なので、寝袋なしのキャンプにはぜひ持参したいアイテムです。
アルミの銀面は、暖かいほうに向けます。寒い時期は上向き、暑い時期には下向きに使うと良いでしょう。
寒い時には、この銀マットで体を包んで防寒対策にも使えます。

断熱シート

断熱シートは、防寒シートやエマージェンシーシートなどとも呼ばれる、広げるだけでいろいろに使える非常時用のシートです。防災用品なので軽くて携帯性に優れており、リーズナブルで入手しやすいアイテムです。この断熱シートを広げてくるまっても暖かいでしょう。断熱シートにはクッション性などはないため、下にマットなどを敷くと快適です。

インナーマット

インナーマットは、テントの床に敷いて地面の凸凹を緩和したり、断熱効果を得るために敷くものです。発泡式と空気注入式のマットがあるので、機能性や携行性を考慮して選ぶと良いでしょう。本来は寝袋の下に敷いて、保温など快適な寝心地をキープするためのものになります。

コット

コットとは、持ち運びができるキャンプ用の簡易ベッドのことです。
床から距離がある高さに寝床を設置できるため、地面からの冷気や熱を直に受けることがありません。マットと比べると大きくて重さもあり、組み立ての手間が必要なコットですが、包み込まれるベッドのような快適な寝心地を追求するなら、毛布などとの併用でおすすめしたいアイテムです。

ヨガマット

自宅にヨガマットがある方も多いでしょう。ヨガマットはしっかりしたゴムの造りで、厚みもそこそこありますので、寝袋がない時にテントに敷くとクッション代わりになります。丸めるとコンパクトになり、持ち運びに便利です。

ホットカーペット・電気毛布など

電源が使用できるキャンプ場なら、冬キャンプではホットカーペットや電気毛布なども活用すると良いでしょう。

そのほか、就寝時には服を重ね着したり、アウターを掛布団代わりにするなどもおすすめです。

便利でおしゃれな、寝袋になる毛布

毛布の中には、便利な寝袋になる毛布があるのをご存じでしょうか。
こちらは、一見普通の毛布なのですが、ファスナーがついていて寝袋に早変わりする便利なアイテムです。デザインもクラシカルチェックなど、おしゃれなものもあるので普段使いや来客用としても使うことができます。
寒い時期のキャンプで使用したい場合は、この毛布で作った寝袋の中に湯たんぽやカイロを入れれば、より暖かく過ごすことができるでしょう。

寝袋になる毛布はアウトドアシーンではもちろん、車中泊や防災グッズとしても役立つ便利なアイテムです。よくキャンプに行く方は、一枚は持っていても良い便利アイテムでしょう。

寝袋なしのキャンプの注意点2つ

  1. マットを敷くなど、テントの床面の対策をしっかりする
  2. 寒さが厳しい場合は、寝袋を用意する

寝袋なしでもキャンプはできるとご紹介してきましたが、やはり機能性や携帯性などを追求すると、寝袋ありのほうに軍配が上がるのは否めません。

寝袋なしのキャンプでは、家にあるものを持っていくだけなので費用が安く済みますが、マットなどを敷かないと体が痛くなったり、地面の硬さや冷たさなどを感じることもあるようです。

寒さで何度も目が覚めるなど快適な睡眠ができず、体調を崩しては楽しいキャンプが台無しですよね。
寒がりの方や快眠したい方、体調を崩したくない方は、夜間の気温が20度を下回る場合は、寝袋を用意したほうが賢明かもしれません。

また、冬キャンプでは朝晩の気温が0度以下になることもあります。
極寒期のキャンプでは、やはり防寒性に優れた寝袋を利用したほうがベストな対応と言えるでしょう。

しかしながら、一口に寝袋といっても、その性能や種類はいろいろです。
以下に、シーズンごとの寝心地の良い快適な寝袋や、選び方、暖かくする工夫などについてご紹介します。

春・秋キャンプにおすすめの快適な寝袋の選び方

5月や10月はキャンプのベストシーズンとも言えますが、気候や標高などによってはまだまだ寒く感じる場合もあります。寒くて眠れなかったということを避けるためにも、この時期の寝袋は対応温度に注目しましょう。

寝袋には、対応温度が設定されていることをご存じでしょうか。対応温度は、メーカーによって「快適睡眠温度域」や「下限温度」、「コンフォート温度」など表示が異なる場合がありますが、テントを設営する標高の最低気温からマイナス5度を選ぶことがおすすめです。

キャンプを行う地域名で、過去の天気の最低気温をインターネットなどで調べておくと安心ですね。

夏キャンプにおすすめの寝心地の良い寝袋

厚く寝苦しい夏のキャンプには、丸洗いできる化繊素材の夏用寝袋を使用すると良いでしょう。夏用寝袋は、快適に使用できる対応温度が10度以上になっていることが多いので、真夏のキャンプ泊に適しています。暑い盛りには快適に寝心地良く過ごせる夏用寝袋ですが、夜の気温が10度以下になるような時期には向いていないでしょう。真夏にしかキャンプに行かないという方におすすめと言えます。

ほかの季節にもキャンプに行くという方なら、春や秋も暖かく過ごせる3シーズン対応できる寝袋がおすすめです。多くの3シーズン用の寝袋は、快適に使用できる温度が0〜10度になっていて、暖かく通気性に優れています。封筒型のものが多く、ジッパーの開閉で寝袋になったり掛け敷き布団になったりと柔軟に対応でき、温度調節がしやすいタイプですので、汎用性が高くいろいろなシーンで活躍できるでしょう。

夏用寝袋を暖かくする方法

手持ちの寝袋が夏用しかないので、春や秋、初冬のキャンプを諦めている方は、暖かく工夫してみるのはいかがでしょうか。
以下に、夏用寝袋を暖かくする工夫についてご紹介します。

マットを重ねる

テント内に敷くインナーマットを重ねることで、マットが厚くなり底冷えが軽減され、保温性が高まります。

寝袋イン寝袋

寝袋の中に寝袋を入れて眠る、ダブル寝袋です。レンタルが可能なキャンプ場なら、もう一つ寝袋を追加レンタルしてダブル寝袋にすることもできるでしょう。

湯たんぽやカイロを使う

寝袋の中に、湯たんぽやカイロを入れて暖かくします。湯たんぽやカイロは複数使って、体を効率よく温めることがおすすめです。

保温靴下を履く

テントシューズとも呼ばれる中綿やダウンが入っている靴下だと、さらに保温効果が高くなります。

寝袋を断熱シートで包む

断熱シートは軽くてかさばらないので、非常時用以外にも一枚あると寒い時期のキャンプにも重宝します。

寝袋の中に毛布を入れる

ひざ掛けなどでも良いので、寝袋の中になるべく隙間をつくらず毛布を入れます。毛布がたくさんある場合は、寝袋の上にも毛布を掛けても良いでしょう。

アウターを着て眠る

フリースやダウンジャケット、スキーウェアの上下などを着ると暖かく眠れます。寝袋の中で着て寝心地が良いのは、フリースだという感想が多いようです。

冬キャンプにおすすめの暖かい寝袋の選び方

冬キャンプでは、就寝時に体温をいかに逃さないかが快適性を保つ鍵になります。
寝袋の形・素材・快適温度などに考慮して、寒い冬キャンプでも暖かい寝袋で快眠しましょう。

形:フィットするもの

保温性を重視したい冬キャンプ用の寝袋の形は、マミー型がおすすめです。マミー型の名前の由来はミイラです。マミー型はその名前の由来のように、頭から脚まで全身をすっぽりと覆う形をしています。寝袋がぴったりフィットして体に密着するため、熱が逃げにくく暖かく眠れることがメリットです。
マミー型は全身をカバーでき防寒性に優れますが、入口が狭く慣れるまでは圧迫感を感じる場合もあります。

中綿:素材は主に2種類

寝袋の中綿の素材は、主に化繊とダウン素材があります。使用シーンに合わせて選ぶと良いでしょう。

化繊

湿気や水濡れにも強く、丸洗いも可能でメンテナンスがしやすいことがメリットです。一方で、ダウンよりも重たく、収納時はややかさばる傾向があります。

ダウン素材

軽く暖かいことがメリットです。天然素材で高い保温性を誇りますが、水に濡れてしまうと保温性が下がります。化繊のものよりも、価格が高めです。

対応温度:最低気温を調べる

冬のキャンプでは、テント泊する地域の最低温度に着目することが大切です。キャンプを行う場所の最低気温からマイナス5度くらいの快適使用温度のものを選ぶと良いでしょう。

ファミリーキャンプにおすすめの寝袋

ファミリーキャンプには、ゆったりした封筒型の寝袋がおすすめです。長方形で入り口が広く、寝返りができるくらい大きさに余裕があるため、布団感覚でお子様と一緒に入ることもできます。家族の人数分の寝袋を持っていく必要がないので、荷物もコンパクトになるでしょう。同じタイプの寝袋なら、連結して使用することもできるのでダブルサイズの寝袋としても使えます。

2人用寝袋で経済的に

一つの寝袋で2人で使用できる2人用寝袋は、カップルやご夫婦、お子様と添い寝がしたい時などにおすすめの寝袋です。
長方形のものが多い2人用寝袋は、大きめのものなら3人入る場合もあります。2人以上で使うのであれば、人数分の寝袋を用意するよりも経済的です。

お子様が寝袋から飛び出ない寝袋の入り方

ファミリーキャンプでは、小さなお子様は寝袋の中で大人しく寝ていられないという話はよく聞くことです。実際、お子様が小さい場合、最初は寝袋にきちんと入っていても、寝入った後はなぜか寝袋から出て来てしまい、最終的にテントの隅のほうへ移動していたということはよくあるようですよ。

これを防ぐには、親が寝袋の端に寝て、その間にお子様を挟むようにして寝ると良いでしょう。寝袋は中に入ってこそ保温効果を発揮します。お子様が風邪をひいたりすることのないようにしたいですね。

寝袋の洗濯方法

寝袋を長く使うには、正しいメンテナンスが必要です。寝袋を使った後の基本メンテナンスは、干すことです。風通しの良い場所で陰干ししてから保管します。

頻繁に洗いすぎると中の素材が痛むため、寝袋を洗う頻度は一般的に30回から50回に一度位で良いと言われていますが、汚れや匂いが目立つ場合は洗っても良いでしょう。洗う場合は、必ず洗濯表示を確認してそれに従います。
中綿が化繊とダウンでは使用する洗剤が異なりますので、注意しましょう。

化繊素材

自宅で洗濯機を使用して洗濯することが可能です。
ジッパーを全部閉じドローコードもゆるめて、柔軟剤が入っていない中性洗剤で洗濯表示に従って洗います。濁りがなくなるまですすいだら、バスタオルなどで挟んで水分を吸い取ります。

ダウン素材

クリーニングに出すか、自宅で洗濯することが可能です。
自宅で洗濯する場合は、ジッパーを全部閉じドローコードをゆるめて、ダウン専用洗剤をぬるま湯に溶かし優しく押し洗いします。濁りがなくなるまですすいだら、バスタオルなどで挟んで水分を吸い取ります。中綿が痛むので、絞らないようにしましょう。

もっと簡単にしたい方は、ダウン専用洗剤を溶かしたぬるま湯をタオルなどに染み込ませ、汚れを拭き取って乾燥させるという方法もあります。

洗濯した寝袋の乾燥方法

ダウン素材の寝袋は、乾燥機の使用がOKなものもあります。
その場合は、ジッパーを開いて温度を30℃以下の低温にして乾燥させます。
化繊の場合は繊維を傷める恐れがあるので、乾燥機の使用は避けたほうが良いでしょう。

自然乾燥の場合は、コットやすのこなど平らなものの上に形を整えて広げ、1週間ほど陰干しで中まで完全に乾かします。

まとめ

キャンプでテント泊する際は、寝袋がなくても夜を過ごすことはできますが、極寒期などはやはり寝袋を使用することがおすすめでした。寝袋なしで眠る時は毛布などを上手に活用し、マットを重ねるなど工夫すると快適です。
また、寝袋は形や中綿の素材、対応温度などを考慮することが選び方のポイントでした。寝袋を使ったあとは、干してから保管しましょう。
これらの情報が、充実したキャンプライフのご参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。