意外と知られていない!キャンピングカーでのトイレ処理方法

最終更新日:2019/01/15

アウトドア趣味がどんどん加速していくと、欲しいものの中にキャンピングカーが挙がることがあります。

しかし、キャンピングカーには「トイレ」をどう設置するのか、という問題も出てきますよね。

そして、どの種類のトイレがどんな方法で処理されているのか、までを知っている人は少ないのではないでしょうか。

今回は、キャンピングカーによく使われるトイレの処理方法についてご紹介します。

キャンピングカーで使えるトイレの種類

キャンピングカーといっても、自分でカスタムして作ったりキャンピングカーとして売り出されている車を購入したりと様々なタイプがあります。

そして、キャンピングカーの車種によっても設置するトイレの種類は変わります。

例えば、ハイエースやキャラバンなどをカスタムしてキャンピングカーとして使うバンコンタイプの場合は、内部のスペースが限られています。

そのため、トイレは1番後ろの方に設置することになるので、設置できるトイレの種類としては「ポータブル式トイレ」に限られます。

一方、トラックをベースとしたキャブコンタイプの大きさからは、車内に固定して使うことのできる「カセット式トイレ」を設置することができます。

このカセット式トイレは、バンコンタイプのキャンピングカーには取り付けるスペースが足りないため、バンコンタイプでは扱っている例をあまり見かけません。

日本国内のキャブコンタイプのキャンピングカーでは、カセット式トイレを利用していることが多いので、このタイプは見慣れているかもしれませんね。

あとは、海外で多く利用されている「マリン式トイレ」があります。

なぜ「マリン」という名前が付いているかというと、船舶で使用されているトイレの仕組みと処理方法が一緒だからです。

このトイレの様式は、あまり日本では見かけませんが、アメリカで製造されているキャンピングカーには、ほとんどの場合このタイプが設置されています。

ポータブル式トイレの処理方法

先ほどお伝えした、トイレの種類の中でポータブル式トイレの特徴についてご紹介します。

ポータブルトイレの特徴は何といっても、「手軽」だということです。

他のキャンピングカー用のトイレは、トイレ自体が固定式になっているため、設置したら取り外すことはできません。

しかし、ポータブル式トイレなら設置しても好きな時に取り外すことができるので、スペースが比較的限られているバンコンタイプにはピッタリのトイレです。

さて、この持ち運びが便利なポータブル式トイレの使い方としては、水洗で流すことができるようにあらかじめポンピング(加圧)をします。

その後、汚水タンクのレバーを引き、汚水タンクを開けて用を足した後は水洗レバーを引いて流すだけです。

使い続けると、汚水タンクに排泄物が溜まっていくのですが、処理の方法としてはその汚水タンクの部分を取り外して、トイレなどに捨てに行くだけです。

【ポータブル式トイレの処理方法】

①ポータブル式トイレから、汚水タンクを外す

②トイレや浄化槽に持っていき、中身を捨てる

③何度か水ですすぎ、キャンピングカーのトイレ用の薬剤を適量入れて、ポータブル式トイレに戻す

これだけで、次回使用可能となります。

ちなみに、この専用の薬剤は排泄物の消臭・分解の役割を果たすのでポータブル式トイレには必要不可欠です。

カセット式トイレの処理方法

キャンピングカーの中でも、キャブコンタイプから設置可能となるカセット式トイレですが、ポータブル式よりも通常のトイレの使用感と似ていて、とても使いやすいです。

基本的には水洗式で、使い方はポータブル式と同じで流す前にポンピングをして、加圧してから水流で流します。

ちなみに、汚水タンクがいっぱいになってくると、ランプやゲージで知らせてくれるので分かりやすいですね。

処理の仕方を以下にまとめました。

【カセット式トイレの処理方法】

①キャンピングカーの外部にある、汚水タンク取り出し口から汚水タンクを取り出す

②汚水タンクをトイレや浄化槽に持っていき、中身を捨てる

③何度か水ですすぎ、キャンピングカーのトイレ専用の薬剤を適量入れて、設置し直す

このカセット式トイレの処理方法は、基本的にはポータブルと変わらないですが、ポータブル式と違う点は汚水タンクが外部にあることです。

これは、車内で汚水タンクの移動をしたくない方や、臭いが気になる方にとっては大きなメリットですね。

しかも、ポータブル式トイレよりも汚水・清水(水洗用)のタンクの容量も大きくなっているので、長時間の旅行やトイレの使用頻度が高いと予想される場合はカセット式トイレがおすすめです。

なお、カセット式トイレにもポータブル式トイレに使ったような消臭・分解のための薬剤は必要なので忘れずに入れましょう。

マリン式トイレの処理方法

マリン式トイレは、見た目と使用感はカセット式トイレと変わりません。

しかし、マリン式トイレはカセット式・ポータブル式と大きく違う点が2つあります。

それは、水洗するためにポンピングをしなくていいことと、処理の仕方です。

実はマリン式トイレの便座を見ると、下の方に足で踏むステップが付いていて、それを踏むと水が流れる仕組みになっています。

そのため、カセット式やポータブル式と比べるとポンピングの手間がなく、楽に操作することができます。

2つ目の違う点である処理の仕方ですが、今までのトイレの処理の仕方はどれも「自分で汚水タンクを取り出し、トイレなどに移動して捨てる」方法でした。

しかし、マリン式の場合は車外にある汚水タンクに専用のホースを取り付け、マンホールや浄化槽に流すだけで処理できます。

なお、キャンプ場によっては「ダンプステーション」という場所を作っている所もあり、マンホールや浄化槽の他にもここに捨てることができます。

マリン式トイレの処理方法を以下にまとめました。

【マリン式トイレの処理方法】

①キャンピングカーを、中身が捨てられる場所の近くに停める

②車外にある汚水タンクに専用のホースを取り付ける

③専用のホースをマンホールや浄化槽にセットしてから、キャンピングカーの方にある汚水タンク用のレバーを引く

④中身が全て出たのを確認したら、水を入れて何度かすすぎ、ホースを取り外して汚水タンクに専用の溶剤を入れる

この手順が日常のダンプ手順ですが、時々汚水タンクの中身を高圧洗浄機でキレイにすると、衛生環境をいい状態に保てますよ。

キャンピングカーのトイレで使える薬剤について

キャンピングカーのトイレに種類はあれど、全てのトイレに必要不可欠なのが「汚水タンク専用薬剤」です。

薬剤の例としては、ドメティックやアクアケムグリーンなどが挙げられます。

これらの薬剤をそれぞれの用法、処理方法に従って使用することによって、強力な消臭効果と汚水の腐敗防止の2つの効果を期待できます。

しかし、強い薬剤なので用法・用量を守って使用しなければなりません。

そのため、この薬剤を使用する際の注意点を以下の4つにまとめました。

・薬剤が強力な分、目や肌に付くと危険なため、薬剤を使う際には手袋をして慎重に扱いましょう。

・キャンピングカーの汚水タンクに溜まっているのが汚水(排泄物)は、薬剤が混ざっているので環境に配慮し、海や川に流すのは止めましょう。

・薬剤を入れずに汚物を溜めると、悪臭や害虫の原因になりますので、薬剤は適量使用するようにしましょう。

・寒冷地で通常の薬剤を使用すると凍結する恐れがあるため、寒冷地でキャンピングカーのトイレを使用する時は寒冷地用の薬剤を使用しましょう。

キャンピングカーのトイレ用の薬剤は、日が経つにつれ強まっていくはずの悪臭を無くすほど強い薬剤です。

しかし、入れっぱなしでずっと状態をキープすることはできません。

通常、3~4日ほどで効果が切れてしまうため、ダンプする必要がなくてもコンスタントに処理する必要があります。

キャンピングカーでのトイレの必要性とは?

キャンピングカーを持ちたいと考えている人の中には、寝泊りするだけでOKな人と、キャンピングカーに通常の生活レベルを求める人がいます。

寝泊りするだけなら車内にトイレなんてなくても、道の駅や道中にトイレを見つけて入ればいいですし、トイレの処理をしなくてもいいので楽です。

しかし、家族でのキャンプだった場合、小さな子だとトイレの間隔は短い上に突発的です。

また、寒い時期でのキャンプの場合は、いくらキャンピングカーの内部が暖かくても、トイレに行く度に着込まなければ出られない上に、体が冷えてしまいます。

そして、キャンプする場所やトイレを借りた場所が混んでいる、汚いなどのパターンを考えると、やはりトイレがあった方が安心です。

ちなみに、マリン式は電動で流れますが、ポータブル式やカセット式のトイレは電気を必要とせず、水と薬剤さえあれば手動で流れるので、とても経済的です。

しかも、全て手動で使用できて処理方法も簡単なので、イベントの時にトイレに困らずに済みますし、キャンプだけではなく急な災害時にも大いに活躍してくれることでしょう。

トイレの処理方法を知って、上手なキャンピングカー選びをしよう!

キャンピングカーには色んな種類があるので、デザインや車自体のスペックに目がいきがちです。

しかし、いざ乗って使ってみるとトイレや内部のオプションがいかに大事だったか分かるようになります。

せっかく第2の家ともいえるキャンピングカーを選ぶなら、内部のオプションなど生活に関わるところも充実させると快適な旅になりそうですね。

これを機に、ぜひキャンピングカーを検討する時のチェックリストに「トイレ」も入れてみて下さいね。

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