ガスボンベは、キャンプで使ったり、冬の鍋料理に使ったりと、とても便利なので、利用する人も多いでしょう。
しかし、廃棄の仕方が分からないと、使い切った後でもなかなか捨てられません。
間違った方法で廃棄して、火事になったり怪我をしたら嫌ですよね。
今回は、どのような方法でガスを抜けば安全なのか、お伝えしていきます!
キャンプなどで使われるガスボンベの種類
近年、キャンプで使い切ったガスボンベの廃棄に頭を悩ませ、なかなか捨てられないという人が多くなっているようです。
今回は、キャンプなどで使われるガスボンベの廃棄方法についてお伝えしますが、その前に、キャンプで使うガスボンベについて、おさらいしてみましょう。
キャンプなどで使われるガスボンベには、様々な種類がありますよね。
しかも、値段も1本数百円なので選ぶ際には迷ってしまいますが、キャンプなどのアウトドアに使うなら、強風に負けない、火力のあるものを選ぶのが良いですね。
そして、ガスボンベの火力の違いは、「イソブタン」というガスの含有量で決まります。
イソブタンは、冷蔵庫などにも使われている一般的なガスで、ガスボンベには必ず含まれています。
このイソブタンの含有量が高いガスボンベの方が、火力が強いため、キャンプなどでもお湯を早く沸かすことができます。
しかし、高いガスだから長持ちするということではないので、その点は、誤解しないよう注意してください。
あくまでも火力の違いです。
キャンプ以外でもガスボンベは便利!未使用ボンベの廃棄方法は?
そして、便利なガスボンベの使い道は、キャンプや鍋料理だけではありません。
世界的に見ても、日本は、地震や津波、台風や洪水、大雪による被害など、本当に自然災害の多い国です。
そうした自然災害で、ライフラインが止まってしまうことも多々あります。
電気もガスもないという場合に、キャンプやお鍋に使うコンロとガスボンベがあれば、とても役に立ちますよね。
実際に、「火が使えるかどうか(お湯が沸かせるかどうか)」が、被災した後の人間の生存率に影響するとも言われています。
このようなことから、災害時に備えて、「常に家に何本かのガスボンベ(とコンロ)を常備している!」という人もいるのではないでしょうか。
しかし、災害用に買ったまま使っていなかったガスボンベはどうすれば良いのか気になりますよね。
ガスボンベは水や食品とは違うので、古くなったからと言って、中のガスが古くなるわけではありません。
ガスボンベの底が錆びてしまっている場合は別ですが、そうでなければそのまま使っても大丈夫なことが多いようです。
しかし、底が錆びている場合は、ガス漏れによる爆発の危険があるので、使わずに廃棄しましょう。
とは言え、未使用の場合は缶の中に大量のガスが入っているので、自力でのガス抜きはおすすめしません。
資源の回収業者などに頼んで回収してもらうのが良いでしょう。
では次は、キャンプなどで使い切ったガスボンベを捨てる方法について、詳しくお伝えしていきます。
キャンプで使った使用済みのガスボンベの廃棄方法は?
ではここから、キャンプで使った、使用済みのガスボンベの廃棄方法をお伝えします。
まず、使用済みのガスボンベを廃棄する前に、残りのガスの有無を確認します。
使用済みのガスボンベを振り、何か音がしたり、液体が動くような感覚があるなら、ガスがまだ中に残っています。
それを抜くには、以下の手順で「ガス抜き」を行います。
必ず、火気のない屋外で行ってください。
①まず、ガスボンベのキャップを外します。
②ガスボンベの先端を下にして、硬い地面(コンクリートなど)に押し付け噴射します。
③ガスが出る音や出る感覚がなくなったら、もう一度ボンベを振って音がしないか確認してください。
これで、音がしたり、中身が残っている感覚がなければ、使用済みガスボンベのガス抜きは完了です。
これは、キャンプ以外のこと(冬の時季のお鍋など)で使ったガスボンベにも応用できる方法です。
そのため、ご家庭で出た使用済みガスボンベも、この方法で安全に廃棄することができます。
この方法が安全で確実なので、覚えておくと良いですね。
ガスボンベを正しく廃棄しないとどう危険?
先ほどの章では、安全なガスボンベの廃棄方法をお伝えしました。
ですが、もしも、キャンプで使い切ったガスボンベを正しく廃棄しなかったら、どんなことが起こるでしょうか。
一緒に考えてみましょう。
まず、ガスボンベは、使い切っていてもまだ缶の中にガスが残っています。
「キャンプ場のスタッフが片づけてくれるだろう」と考えて、そのままにしてしまうという人もいるかもしれませんが、ガスを抜き切っていないと、火災につながることもあり、とても危険です。
また、「音がするからガスを抜くのが怖い」という人もいますが、だからと言って、ガスを抜かずに捨てる方が怖いことです。
そうやって間違った方法で廃棄されたガスボンベのガスが漏れて引火し、ごみ収集車が爆発する事故が相次いでいます。
静電気などのわずかな火でも漏れたガスに引火することがあるからです。
これでは、ごみ収集をする人に危険が及びます。
そうした事故を防ぐためにも、キャンプで使い切ったガスボンベは、必ずガスを抜いてから廃棄しましょう。
ガスボンベに穴を開けて廃棄する場合の注意点
先ほどは、キャンプで使った使用済みのガスボンベを廃棄するおすすめの方法をご紹介しましたが、「他の方法でやっている」という人もいることでしょう。
どんなことにも、様々なやり方があるのは当然ですし、残っているガスが抜けて引火の危険がなくなれば良いので、先ほどの方法でなくても問題はありません。
しかし、その廃棄方法によっては危険な場合があるので、注意が必要です。
そのひとつが、「ガスボンベに釘で穴を開ける」という方法です。
この廃棄の方法は、一時期推奨されていましたが、最近では、それを禁止している自治体もあります。
それは、ガスボンベによっては、「液化石油ガス(LPG)」が入っているからです。
LPGは可燃性なので、ガスボンベに中身が残っている状態で、金槌と釘で穴を開けると、小さい火花が散り、それがもとで、火事になったりやけどをする危険があります。
しかし、それを知らずに、中身が残ったまま、ガスボンベに釘で穴を開けている人もいます。
なるべく穴は開けずに廃棄するのが望ましいですが、市町村のゴミ捨ての決まりで、どうしても穴を開けてから廃棄する場合には、
・火気に注意して、ガスボンベの中身を屋外で出し切る
・釘ではなく、専用の器具を使って穴を開ける
の2点をしっかり守りましょう。
使い切ったガスボンベの廃棄で火気以外に気を付けることは?
先ほどから、「ガスボンベの廃棄の際には火気に注意」と繰り返しお伝えしています。
しかし、キャンプなどで使い切ったガスボンベの廃棄で気を付けることは、他にもあります。
最後にそれをお伝えしましょう。
まず、ガスボンベから抜いたガスについてです。
一般的に、ガス抜きの際にそのガスを吸ってしまっても、著しい体への影響はないとされています。
しかし、やはりガスなので、それを大量に吸い込んだ場合には、「酸素欠乏」などを起こす恐れがあります。
それを防ぐには、なるべくガスを吸わないように気を付けるしかありません。
風通しの良い場所で行うだけでなく、周りに人がいないか、風向きでガスが自分の方に流れて来ないかなどにも、気を配りましょう。
また、ガス抜きをしたあとのガスボンベのキャップですが、お住まいの市町村から特に指定がない場合は、閉めずに収集所へ出すのが良いようです。
万一、自分が出したガスボンベが原因でゴミ集積所やゴミ収集車が火災になっては一大事です。
そうならないように、お住まいの自治体のゴミ出しルールにそのため、ガスボンベはきちんと廃棄しましょう。
ガスボンベの正しい廃棄方法を覚えよう!
今回は、ガスボンベの正しい廃棄方法について、お伝えしました。
ガスボンベは、キャンプや冬の鍋料理には欠かせない重要なものだからこそ、その正しい廃棄方法を知り、安全を確保しましょう。
そして、ガス抜きをする際には、火気やガスの吸い込みに注意してくださいね。