昨今のアウトドアシーンではガスやガソリンを使うストーブが主流ですが、あえてアルコールストーブを使ってみてはいかがでしょうか。
アルコールストーブは、軽量でシンプルな機能美がウリです。
それでいて、ソロキャンプには十分な火力も持ち合わせているので、使う場面を間違えなければ大活躍してくれること間違いなしのアイテムです。
この記事では、アルコールストーブの使い方や、気になる燃費についてご紹介していきます。
コンパクトで静か!アルコールストーブの魅力!
アウトドアに、ガスやガソリンが燃料のストーブを持っていく方は多いと思います。
火おこしが簡単ですし、燃料もそれほどかさばりませんから頼りになりますよね。
しかし、皆さんはアルコールストーブというものをご存知でしょうか。
名前の通り、エタノールやメタノールといったアルコールを燃料として使うタイプのストーブです。
ガスやガソリンを使うタイプのストーブと比べるとマイナーですが、あえてこれを使うという方も多いアイテムです。
アルコールストーブの特徴といえば、手のひらサイズでコンパクトなことや、非常にシンプルな構造であることが挙げられるでしょう。
また軽量で、100gを切るような製品が多い事も特徴です。
燃費もそれほど悪くありません。
以上のメリットから、沢の悪路を登っていくためになるべく荷物を減らしたい源流釣行や、積載量に限りがあるバイクや自転車でのキャンプツーリングをする場合などに用いられることが多いアイテムです。
アルコールストーブの良さはそれだけではありません。
他のストーブと違って、火を点けると青い炎が音もなく燃えるため、非常に風情のあるキャンプを楽しめる事も愛好家が多い理由です。
アルコールストーブの使い方や注意点
ここまで、アルコールストーブの魅力をご紹介してきました。
それでは、実際にアルコールストーブを使う方法や注意点についてご紹介していきます。
まず、アルコールストーブを使う時には、ストーブの中央にアルコールを注ぎ入れましょう。
後は、点火するだけで使い始めることができます。
火をつけたアルコールストーブは風に弱く、立ち消えてしまう事もあります。
なるべく風防を持参したり、障害物の陰で使うようにしましょう。
無風の中で使う方が、燃費も良くなりますよ。
また、コンパクトなアルコールストーブは、少人数分の炊事用途にぴったりです。
それなりの火力があるとはいえど、大きな鍋をかけたり長時間使い続ける用途には向いていませんから、大勢の食べ物を煮炊きする用途では使わない方が賢明でしょう。
屋外で使う場合には風が強いことを想定して、風防を持っていくことをおすすめします。
アルコールストーブの燃費は?①ガソリンストーブと燃費を比較!
それでは、アルコールストーブの燃費について調べていきたいと思います。
まずは、アルコールストーブとガソリンストーブで、どちらがランニングコストが高いかを比較していきましょう。
燃料はそれぞれ、アルコールとホワイトガソリンです。
アルコールの相場は、1Lで500円~600円くらい、ホワイトガソリンは1Lで700円~800円くらいなので、燃料自体は、アルコールの方が安価に入手できると言えます。
一方、それぞれの燃料の熱量を比較してみると、燃料用アルコールは1Lあたり21MJ(メガジュール)、ホワイトガソリンは33MJですから、同じ量当たりの発熱量は、ホワイトガソリンの方が上回っているという事になります。
これらを総合して考えると、ホワイトガソリンの方が僅差で得という事になりそうです。
とはいえ僅差ですから、そこまでシビアに考える必要はない範囲といえるでしょう。
アルコールストーブの燃費は?②お水を沸かすのにどれくらいかかる?
続いて、アルコールストーブでお湯を沸かすのには、どれくらいの燃料が必要なのかを調べていきましょう。
一般的なアルコールストーブの場合、カップラーメンに必要となる300ccくらいのお湯ならば、だいたい5分くらいで湧かせられる製品が多いです。
また、この時燃料は30ccほどあれば、十分にお湯を沸かせるでしょう。
同じくらいの燃料で、2合の飯盒炊爨も可能です。
注意しなければならないのは、アルコールストーブは風に弱いという点です。
もし風の中でアルコールストーブを使うと、かなり燃費が悪くなってしまいますし、最悪の場合、火が立ち消えてしまう事もあります。
なるべく効率よく熱を利用するためにも、アルコールストーブを使用する際には風防を持参することをおすすめします。
また、他の燃料を使うストーブに比べて火の勢いが弱いため、あえてテントの中で使うのもおすすめですよ。
ただし、換気には気を付けてください。
アルコールストーブを手に入れよう!おすすめ製品の紹介
以上、アルコールストーブのメリットやデメリット・燃費についてお話をしてきました。
ここまでのお話で、アルコールストーブに興味がわいた方のために、この項では、おすすめのアルコールストーブをご紹介していきます。
■トランギア:アルコールバーナー TRB25
「アルコールストーブといえばこの製品」というくらい定番のものです。
純正の五徳はしっかりしているのですが、その一方でかさばってしまうため、荷物を減らしたいユーザーからはあまり評判が良くありません。
なるべく荷物を減らしたい方は、折りたためる軽量でコンパクトな五徳を別途購入すると便利ですよ。
■バーゴ:チタニウムトライアドマルチフューエルストーブ T-305
五徳を内蔵しているため、荷物がコンパクトに収まって便利です。
また、裏返すことで固形燃料用のトレイに早変わりするので、いくつかの燃料を併用する方におすすめです。
本体はチタン製なので、使用していくうちに変わっていく焼き色を楽しむことができるのも嬉しいですよね。
■RSR:RSR STOVE
ボディーがアルミ合金の削りだしで作られており、非常にスタイリッシュです。
また、炎が渦を巻くように燃焼するように作られているため、熱効率が良く、他のアルコールストーブと比較して、より早くお湯を沸かすようなことが可能です。
シンプル構造のアルコールストーブは自作も可能!
前項では、おすすめのアルコールストーブをご紹介しました。
ご紹介したアルコールストーブを見ていただければわかるかもしれませんが、実は、アルコールストーブは構造が非常に単純であるため、ご家庭で自作することも出来るのです。
そこで、自作に興味がある方のために、簡単な自作方法についてご紹介したいと思います。
自作のアルコールストーブは、慣れれば火の勢いや燃焼方式、燃費も狙って作ることができますから、ぜひ挑戦してみてください。
【必要な道具】
・アルミ缶(350ml)
・アルミテープ
・ラジオペンチ
・缶切り
・金切りばさみ
・キリや押しピンなどの細くとがったもの
・ホチキス
【作り方】
①アルミ缶の上面を缶切りで外します。
その後、上面のふちの斜めの面に、ピンを使って10mm間隔で穴をあけていきます。
②アルミ缶を、上から4cmのところと下から3cmのところで切って、3つのパーツに分解します。
ここからはこれらのパーツを上から順にA、B、Cと呼びます。
③Bに切れ目を入れて帯状にし、Aの内側の溝に合わせて巻き、ホチキスで留めて一回り小さい円筒にします。
④Bの片側にハサミで長さ5mmくらいの切り込みを10mmおきに入れていき、内側に軽く曲げます。
⑤CをAにはめこめるように、底側10mmを残して蛇腹状に曲げて径を絞っていきます。
⑥Cの中にBを入れて、そこにAはめ込んで蓋をします。
力に偏りが出ないように、垂直に突き当たるまで押し込みましょう。
この時Cが変形してしまうと、燃料が漏れてしまうので失敗になりますから、慎重に行いましょう。
⑦最後に、AとCのつなぎ目にアルミテープを巻いて密閉します。
以上で完成です。
マイナーだけど奥が深くて楽しめるアルコールストーブ
以上、アルコールストーブのメリットやデメリットに加え、おすすめ製品の紹介や自作方法のご紹介をしてきました。
軽量で荷物にならないアルコールストーブは、荷物を減らしたいキャンパーにおすすめですし、静かに燃える様子は非常にムーディーですから、アウトドアの雰囲気を楽しみたい方にもおすすめできます。
興味がわいた方は、ぜひアルコールストーブを手に入れてみてくださいね。