キャンプで石油ストーブの使用は大丈夫?正しい灯油の入れ方

最終更新日:2019/01/15

寒い冬を乗り越える為に必要な暖房器具として、もっとも使われているのが石油ストーブです。

そして、秋キャンプともなってくると寒い日が続きます。

そこで今回は、石油ストーブの正しい使い方、灯油の購入の仕方や灯油の入れ方などを中心にご紹介します。

事故を起こさない為にも、しっかりとした知識を身に付けましょう。

ストーブの種類

まずは、灯油を燃料とする暖房器具の種類と特徴をご紹介しましょう。

石油ストーブには、開放式(ポット式)と自然気化式(芯式)の2種類に分けられます。

開放式の構造は、燃焼筒に灯油を流し込み燃焼させる方式で、燃焼したガスを送風ファンで室内に排気するタイプです。

これを、一般的に石油ファンヒーターとよび、部屋全体を早く暖める能力に優れていますが、灯油の入れ方には多少注意が必要です。

また、使用時には、一酸化炭素や臭いをなるべく出さないように、定期的な換気が必要です。

ほかに、FF式(密閉式)室外から給排気筒を通して燃焼用送風機の力で強制的に取り入れ、熱を送風ファンで室内へ送り出し、排気は筒を通り室外に出す方式のものがあります。

これは、東北や北海道の寒冷地でよく使われますが、設置工事が必要で価格も高くなるようです。

いずれも、電気が必要で、停電が起きると暖が取れなくなります。

一方で、自然気化式(芯式)ストーブには、対流式と反射式があります。

対流式は、ストーブの中心に燃焼筒があり、360°熱を放射するのが特長で、ストーブのまわりの空気が上昇して自然対流が起きることから、対流式と呼ばれます。

反射式は、ストーブ内部の燃焼筒の奥に反射板があるタイプで、ストーブの前方に熱が集中して暖められるのが特徴です。

対流式と反射式は、電気を必要としないので、停電が起きても使うことができます。

キャンプでも使える石油ストーブ

寒い地域では、メインで使う石油ストーブの他に、補助的に使うストーブを備えています。

補助的に使うストーブで多いのが、電気を使わない「対流式・反射式」石油ストーブです。

また、暖がとれるだけではなく、お湯を沸かすことや鍋を使い調理までできるという点から、とても重宝されているようです。

また、キャンプで使える石油ストーブが、いくつかあるのでご紹介します。

●トヨトミ対流式ランタン調レインボーストーブRL-25F

参考価格:24.800円
暖房出力:1.25~2.5kw
油タンク容量:4.9L
サイズ:幅388×奥行388×高さ485mm
重量:6.4kg

こちらのストーブは、対流式ストーブです。

ランタンをモチーフにしたおしゃれなデザインで、皆でストーブを囲み暖をとることができるでしょう。

油タンクが大きく、灯油の入れ方も簡単という点も嬉しいですね。

そして、火力調節幅が広いので節約燃焼ができるでしょう。

万一、転倒にしても油がこぼれにくくできている点も、おすすめできるポイントです。

また、ガラスコーティングがしてあるので、40Wほどの明るさのランタンの代わりにもなります。

●トヨトミRS-H29G

参考価格:12.380円
暖房出力:2.44~2.87kw
油タンク容量:3.6L
サイズ:幅312×奥行356×高さ460mm
重量:7.5kg

こちらのストーブは、持ち運びに便利なキャリングハンドルが付いているのでキャンプには最適ですね。

また、コンパクトなわりには暖房出力が大きく、お湯を沸かしたり、鍋でご飯を炊くこともできます。

ガソリンスタンドでの灯油の入れ方

石油ストーブを使ったことが無い人は、石油ストーブの燃料が灯油であること、灯油は何処で購入できるのか、など意外に分からないことが多いと聞きます。

そこで今回は、ガソリンスタンドでの購入の仕方をご説明しましょう。

まずは、ポリタンクを用意し、近くのガソリンスタンドに行きます。

従業員がいるガソリンスタンドでは、従業員さんにお願いするとポリタンクに灯油を詰めてもらえます。

セルフサービスの灯油の入れ方は、灯油のコーナーに行きポリタンクを置く場所が決められているので、その場所に置きます。

給油機からの音声指示に従い、給油機のタッチパネルの選択ボタンを押していきます。

この時、お金を先に投入してから給油する場合が多いので、手元にお金を準備しておきましょう。

給油ノズルを取り、ポリタンクの奥まで差し込んでから、しっかりレバーを引きます。

ノズルにはセンサーが付いているので、満タンもしくは給油機で設定した量や金額になると、自動的に給油が停止します。

満タンにするとこぼれやすいのと、とても重くなってしまうので8分目位にし、ポリタンクのキャップをしっかり締めたことを確認したら完了です。

石油ストーブに必要な道具と灯油の入れ方

灯油を持ち運び、保存するための容器として使われているのが「ポリタンク」といわれる、ポリエチレン製のタンクです。

日本で販売されているポリタンクには、18Lタイプと10Lタイプの2種類があります。

その中でも、JIS規格をパスしたものを購入しましょう。

そして、ポリタンク内の灯油をストーブに給油する時に使うポンプには、手動式と電動式があります。

灯油の入れ方としては、ポリタンクからポンプを使いストーブに灯油を入れます。

手動式のポンプは、ポンプの下に一本の管がのび、ポンプと管の付け根から横方向に蛇腹式のパイプが出ています。

まず、ポリタンクにポンプの下の管を差し入れ、蛇腹のホースをストーブのタンクに差し入れましょう。

ポンプの上部にあるネジ栓(空気弁)を締め、ポンプを操作すると、ポリタンクから灯油が吸い上げられ蛇腹のホースを通り石油タンクへ流れ込みます。

石油ストーブのゲージやメーターが満タンを示す一歩手前で、ネジ栓を緩めると、灯油の流れが止まります。

この時、慌ててこぼしてしまうことがあるので、落ち着いて作業をしましょう。

給油が終わったら、しっかりと蓋を締めましょう。

安全な灯油の入れ方

先ほどは、正しい灯油の入れ方をご紹介しました。

自分が正しい入れ方をしていると思っても、間違った入れ方をしている方が意外と多いのが現状です。

そのような間違った灯油の入れ方が原因で、火災に繋がる恐れがあることをご存知でしょうか。

例えば、石油ストーブに灯油を入れる際に、消火されていない火が灯油に引火する事故などが挙げられます。

必ず、火が消えたことを確認してから、作業を始めましょう。

また、石油ストーブに灯油を入れる際、タンクの給油口いっぱいまで入れずに、9分目ぐらいで止め、給油タンク蓋を確実に締めることが大切です。

そして、灯油を入れる際、こぼれた灯油はすぐに拭き取らないと、引火して火災に繋がる恐れがあります。

さらに、気化した灯油にも引火する可能性が考えられるので、ポリタンクのキャップは必ず締め、火気・高温・日光を避けた風通しの良い場所に置きましょう。

石油ストーブ等の暖房器具火災は、少しの注意で防げるものがほとんどなのです。

正しいストーブの使い方と灯油の取り扱い

石油ストーブや石油ファンヒーターを使用する時、しっかりと換気をしていますか?

また、キャンプで使用するときも換気を忘れてしまうこともあります。

しかし、換気はとても重要なことです。

万が一、不完全燃焼が起きてしまった場合、一酸化炭素が発生する可能性があります。

一酸化炭素を大量に吸ってしまうと、一酸化炭素中毒になり、頭痛・目まい・吐き気などの症状を起こし、場合によっては死亡することも考えられます。

一酸化炭素中毒を防ぐためには、1時間に1回は窓を開け、空気を入れ替えることが大切です。

また、石油ストーブの真上で洗濯物を干さない、カーテンや燃えやすい物の近くで使用は控えましょう。

スプレー缶や灯油タンクなどの燃えやすい物は、そばに置かないことも覚えておいてください。

その他に、昨シーズン使わなかった持ち越し灯油は、酸化や劣化しているので、使うとトラブルの原因に繋がります。

しばらく使用していなかった灯油は、もったいないですが処分し、新しい灯油を購入しましょう。

そして、灯油の保管方法を誤ると火災・漏洩などの事故に繋がる恐れがあります。

便利で快適に過ごすことができる暖房器具ですが、使用方法を一歩間違えば大事故になりかねません。

灯油の保管、入れ方、注意点をしっかりと知って、責任を持って、使用しましょう。

正しい使用で事故を防ごう!

冬の季節が近づくに連れ、ストーブを使う機会が増えてきます。

毎年、取り扱いの不注意や誤使用によって、火災の原因になり住宅を焼く事故が起き、場合によっては死亡事故につながる危険性があります。

石油ストーブ等の暖房器具火災は、少しの注意で防げるものがほとんどです。

必ず取扱説明書を読むとともに、灯油の取り扱いに十分注意してください。

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