キャンプでおいしいご飯を簡単に炊くことができるトランギアのメスティン。
シンプルな形は様々な調理に利用できる優れものです。
便利なメスティンですが、使用前にシーズニングが必要なことをご存知ですか?
金属でできた器具であるメスティンをシーズニングすることで、金属臭が料理に移るのを防ぐことができます
使用後の手入れ法もお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
トランギアのメスティンは何でできている?
アウトドアクッカーの中では定番の、トランギア製メスティン。
メスティンで炊いたご飯を食べると、炊飯器のご飯が食べられないほどおいしいというユーザーもいるほど、優秀なアウトドアアイテムです。
使用方法は炊飯に留まらず、蒸したり煮たりと様々な用途に利用できます。
ここまでシンプルなのに万能な訳は、その素材がアルミでできているためです。
アルミは熱伝導率が非常に高く、調理に使う燃料の消費が少なくて済みます。
また、シンプルな形を利用して調理器具などをしまっておくことができます。
丸い径のクッカーはスタッキングできるなど便利ですが、荷物の中では案外かさばってしまうのです。
一方で長方形のメスティンは、収納スペースにぴったりとはまる、ちょうどいい形をしています。
また、取っ手を取り外すこともできるので、できた料理を並べたりするのに邪魔になりません。
このメスティンで快適に料理するためには、使用前のシーズニングが欠かせません。
次項から詳しくご説明していきます。
メスティンを手に入れたらまずシーズニング
便利なメスティンも、手に入れてすぐに使えるわけではありません。
なにもせずに使い始めてしまうと、料理に独特のアルミの臭いが付いたり焦げ付きやすいため、シーズニングをする必要があります。
アルミにシーズニング?と驚くかもしれませんが、シーズニングをするのはダッチオーブンなどの鉄器に限ったものではありません。
シーズニングとは、金属でできた器を「慣らす」という意味合いがあります。
ですからメスティンのようなアルミ製の器具の場合も、使われている金属にあった方法で慣らしを行います。
トランギア製のメスティンのシーズニングには、米の研ぎ汁を使います。
メスティンが沈むくらいの鍋に研ぎ汁を入れて、メスティンと一緒に煮立たせます。
沸騰した状態で15分ほど加熱し続けます。
その後取り出して水で洗い乾かします。
研ぎ汁でに立たせることで、表面に薄い被膜ができ、焦げ付きを防ぎます。
これで金属臭も和らぎ、料理がしやすくなります。
シーズニングと併せてバリ取りをする
シーズニングの他にもう一つ、使用前にやっておきたいことが、メスティンの縁部分のバリ取りです。
できればシーズニンの前に済ませておきましょう。
出荷時のままだと縁に大量のバリが付着しています。
また、製造した後の切り口の研磨を行わずに出荷されますので、バリのない部分でも指で触るとざらざらした感触がします。
このまま、キャンプに持って行って使うには抵抗がありますし、調理中に怪我をしてしまうかもしれません。
トランギアのメスティンを手に入れたら、バリ取りと断面の研磨を丁寧にしておきましょう。
かなり鋭いバリなので、軍手やグローブなど、手を保護するものを付けてから作業しましょう。
メスティンのバリ取りは、スチールウールのたわしで行います。
細かい金属片が落ちますので、新聞紙や広告を敷いた上でたわしで軽く擦り落とします。
メスティン本体とフタのバリを取り除いたら、次は断面を研磨します。
耐水性のサンドペーパーで水研ぎをしましょう。
600番台のペーパーでするのがおすすめです。
バリ取りと研磨をすることで角が取れ、怪我をする心配がなくなります。
シーズニングが終わったら早速調理しよう!
バリ取りとシーズニングが済んだら早速調理してみたいところですが、どのような調理ができるのでしょう。
シーズニングをしていても、全く焦げ付かなくなるわけではないので、肉や野菜を焼く料理はあまりおすすめできません。
メスティン(Messtin)とは英語で、「食事+缶」を意味します。
日本では飯盒と訳され主に炊飯に使われますが、米を炊くほかに、主に水を使った調理法が得意なのがトランギア製メスティンの特徴です。
調理の例を挙げてみます。
●煮る
小さいながら、アルミという熱伝導率が高い素材を使っているため、時間がかかる煮込み料理も効率よく作ることができます。
野外では凝った味付けが難しいため、ベーコンやウインナーなど塩気のあるものを野菜と一緒に煮込むことで味が決まるポトフがおすすめです。
●茹でる
米が炊けるのですから、当然お湯を沸かして食材を茹でることもできます。
またレトルトを温めることもできるので、野外での食事のバリエーションも広がります。
●蒸す
ラージサイズのメスティンに底上げするための網を敷き、蒸し料理を作ることができます。
茹でるよりも使う水の量が少なくて済みますし、食材の旨味も逃げない調理法なのでぜひ試していただきたい方法です。
ここに挙げたものは一例ですので、メスティンを手に入れたらオリジナルの調理法やメニューを開発していくのもいいでしょう。
工夫次第でバリエーションが広がるのも、トランギア製メスティンの魅力ですね。
トランギア製メスティンを長持ちさせる手入れの方法
炊飯だけでなく、いろいろな料理を楽しめるトランギアのメスティンは、アウトドアでとても重宝する調理器具です。
その使いやすさから、ほかのクッカーや飯盒は使わなくなったという声も耳にします。
このような便利なメスティンを、長持ちさせるためにはメンテナンスが欠かせません。
アルミでできているメスティンは、使っていくうちに黄色く変色したり熱が加わることで白濁、または焦げ付きがでてくることもあります。
このような状態で放置すると長持ちさせることはできませんので、使うごとにしっかり洗い落とすことを徹底しましょう。
どうしても落ちない汚れが付いてしまった時はクエン酸を使うことできれいにすることができます。
メスティンの8分目あたりまで水を張り、クエン酸小さじ2杯を溶かします。
この状態で火にかけて吹き零さないよう注意しながら15分ほど煮立たせます。
煮ている間に、汚れが浮いてきます。
火からおろして水で汚れを洗い落とし、シーズニングを施してからしまいましょう。
アルミ製の器具の汚れを落とす時には、必ずクエン酸を使ってください。
クエン酸と同じく汚れ落としに使われる重曹を使ってしまうとアルミのもつ酸化皮膜を落としてしまうため黒ずみの原因になってしまいます。
焦げ付きをなくすために!トランギアのメスティンをフッ素加工する
蒸す、煮るなどの調理に向いたトランギアのメスティンですが、焦げ付きやすいのが難点です。
そのため、焼く、炒めるといった調理は得意ではありません。
シーズニングをすることで焦げ付きを解消することはできますが、本格的な「焼きもの」料理は難しいでしょう。
ステーキや焼きそばなどを焦げ付かせることなく作るために、フッ素コーティングしたメスティンを使うという方法があります。
現在、トランギアからはフッ素コーティングされたメスティンの販売をしていないので、フッ素コーティングをしたい場合には業者に依頼するか、市販されているスプレータイプのコーティング剤を使って自分で簡易コーティングする方法があります。
業者へ頼むと、加工料金や送料などがかかります。
依頼してから加工済みのメスティンが手元に届くまで、約2、3週間ほどかかりますので、しばらくメスティンが使えないことも念頭に置いて依頼しなければなりません。
手軽に試すのであれば、調理器具にも使えるフッ素コーティングスプレーがおすすめです。
まずはスプレーで試してから、業者へ依頼することを検討してもいいかもしれません。
バリ取りとシーズニングをして扱いやすくしよう
トランギアのメスティンはシンプルな作りですが、使用用途は広く、ひとつでいろいろな料理を作ることができます。
それらの調理を快適にするためにも使用前のシーズニングを欠かさず行うようにしましょう。
定期的にシーズニングやメンテナンスをすることで、より扱いやすくなっていきます。
さらに、フッ素コーティングをするとキャンプでの料理の幅も広がるので試してみてください。