プリムスといえば、「黄色のガス缶に赤文字」で有名ですね。
プリムスはスウェーデン発の会社で、のちに日本の岩谷産業と合弁会社を設立し「イワタニプリムス」という会社が生まれました。
プリムスは燃焼器具メーカーで、プリムスのガスバーナーにはたくさんの歴史があります。
今回はその中でも、ランタンの2279が今でも人気の理由に注目していきます。
プリムスとイワタニプリムスって何が違う?プリムスについて
プリムス(PRIMUS)というブランドはスウェーデンの燃焼器具メーカーで、100年以上の歴史があります。
1880年代にパラフィンという有機化合物を気化させ、煤のでないストーブが発明されました。
その後、1892年に工場が開かれ、そのストーブに「PRIMUS」と名づけられ、量産されていきます。
のちに工具用品で有名なBAHCO社となる、当時B.A.Hjorth社に販売権がゆだねられ、瞬く間に世界中に広がっていきました。
そして、プリムスのストーブは、数々の歴史的な冒険家に使用されていきます。
人類が初めて南極点に到着した1911年、この時の探検家、ロアルド・アムンゼン氏が携行したのがプリムスです。
さらに、1953年にエベレストを初登頂したヒラリー氏とテンジン氏もプリムスを携行しています。
これだけ信頼されているプリムスですが、当時は日本に法人格を持たず、岩谷産業が輸入代理店として日本全国に販売していました。
のちに、プリムス側から合併の話があり、岩谷産業が承諾してイワタニプリムスが誕生したのです。
イワタニプリムスのすばらしい点は、イワタニプリムスが設立された1985年当時に販売したバーナーの修理や部品が、今でも購入できることです。
30年以上経過したアイテムの部品を購入することができ、アフターサービスにしっかりと対応している点が、どこのメーカーよりも信頼を得ています。
プリムスとイワタニプリムスは同じプリムスであることがわかりましたが、今回注目のランタン2279の初期モデルは、合併前に発売されていますので、スウェーデンのプリムス製のものとなります。
ランタンと言えばプリムス!プリムスが選ばれる理由
「ガスバーナーと言えばプリムス」というほど、多くの人に支持されているブランドですが、なぜこんなにも人気があるのでしょうか。
プリムスの魅力をご紹介します。
●使用する環境に合った豊富な燃料
プリムスのガスカートリッジには主に以下の3種類があります。
1.ノーマルガス
気温20度以上にお勧め
2.ハイパワーガス
気温0度~20度にお勧め
3.ウルトラガス
0度以下にお勧めで、高圧ガスのため、気温の高い場所ではうまく使用できない場合があります。
このように、使用する環境によって最適なガスが用意されています。
また、荷物を少なくしたい登山家向けのコンパクトなものから、キャンプやバーベキューで大量のガスを使用するのに便利な大容量まで揃っています。
これもまた人気の一つですね。
●100年以上もの歴史をもつ、信頼されるブランド
先ほどもご紹介しましたが、有名な登山家が昔から使用していることが、選ばれる理由の一つでもあります。
ガスの性能は、過酷な条件化でも安定した燃焼力をもち、ランタンだけではなく、バーナーとしても一流の力を発揮します。
今回注目のランタン、IP-2279は、ガスカートリッジ250と組み合わせると見た目のバランスがよく、デザイン性も人気の一つとなっています。
廃盤となったランタン2279が今でも人気の理由とは?
今では廃盤となり入手困難の2279シリーズですが、なぜ古いタイプのランタンが今でも人気なのでしょうか。
2279シリーズは、初期モデルがスウェーデン製の「Primus2279」となり、その後、「IP-2279」として3代にわたって変化していきます。
Primus2279は、燃料ツマミを回すと同時に点火される自動点火装置がついたモデルで、自動点火装置がついていないものが、Primus2269となります。
全ての2279シリーズに、それ程大きな変化はありませんが、最終世代ではベンチレーターがシルバーの耐熱塗装になりました。
ベンチレーターとは、ランタンの上部についている屋根のようなもので、ランタンの上部を保護する役割をもちながら、内部の熱を逃がす排気の役割ももっています。
2279シリーズは1980年代に発売されたランタンですが、40年近く経った今でもランタンのパーツが販売されていることもあり、丈夫でなかなか壊れることもないことから、長年使用されています。
IP-2279はデザイン性や機能性が人気ともいえますが、頑丈で壊れず、プリムスのアフターサービスによって長く愛用できることから、ユーザーが離れていかないのも魅力の一つです。
プリムスのランタンにはどんな種類がある?ランタンの種類
プリムスのランタンは2018年11月現在、3種類のランタンが発売されています。
・IP-2245A-S 2245ランタン
本体200g、照度約370ルクス(Tガス使用時)、燃焼時間約8時間(IP-250タイプガス使用時)、ガラスホヤを使用し、マイナーチェンジを重ねながら、長年愛用されているプリムスを代表するランタンです。
吊り下げが簡単におこなえるワイヤーサスペンダーが使用されています。
ホヤ部はスリガラスを使用しているため、やさしい光が特徴です。
・P-541 541マイクロランタン
本体124g、照度約320ルクス(Tガス使用時)、燃焼時間約8時間(IP-250タイプガス使用時)、割れないメッシュホヤを使用した小型ランタンです。
115gと軽量なのが特徴で、登山に携行しやすいのが特徴です。
今では廃盤となってしまったIP-2279は中型ランタンで重量384g、現行のものと比較すると若干大きいため、持ち歩きには向かず、どちらかというとキャンプ向きであるといえます。
なお、プリムスのランタンは、ガスカートリッジは別売りですので、ランタンを購入する場合はガスカートリッジも一緒に購入しましょう。
入手困難!廃盤になったランタン2279の入手方法!
プリムスのIP-2279ランタンは、廃盤となってしまったため、新品では手に入れることができません。
どうしても手に入れたい場合は、中古品の中から探してみましょう。
インターネット上での中古の相場は、本体の劣化具合によって前後しますが、今のところ4,000円~8,000円が相場のようです。
ただし、手放したい人が少ないのか、出品数が少ない印象をうけます。
その他の購入先としての穴場は、地元のリサイクルショップも挙げられます。
アウトドア用品に強いリサイクルショップや、ヴィンテージものを扱ったリサイクルショップで販売している可能性も高いです。
リサイクルショップは物の入れ替わりが激しいため、見つけた時が買いです。
気に入った商品があったら、なるべく早めにゲットしてくださいね。
プリムスランタンIP-2279の使い方とメンテナンス方法
ガスカートリッジを接続し、ガスを燃焼させて明かりをともすプリムスのランタンは、組み立てるだけでは使用することができません。
最初にガスカートリッジとランタン本体をつないだら、ホヤを外して「マントル」という発光体をセットします。
ライターなどでマントルの数箇所に火をつけ、ガスを少し出します。
しばらくすると、マントルが丸く焼きあがりますので、マントルが白くなると焼き上がり完了です。
この状態のマントルはかなりもろいので、取り扱いには注意してください。
その後、マントルに当てないようホヤをかぶせます。
これで準備は完了です。
ランタンを長期間使用していると、最初のころよりも明かりが暗くなってくることがあります。
その場合、ガスを噴出するノズルがつまり、燃焼不良をおこしている可能性がありますので、ノズルを掃除してみましょう。
まずは、ホヤとマントルを外します。
次に中心のバーナーヘッドを外し、ばらしていきます。
力任せにバーナーヘッドを引き抜くと、壊れてしまう可能性がありますので、ゆっくりと引き、ネジがある場合はネジを緩めてゆっくり外してください。
分解できたら、ノズルの穴に細い針金を入れて汚れを除去していきましょう。
ここが詰まっていると、ランタンが暗くなり不安定な明かりとなります。
プリムスのランタンはIP-2279も含めて、このちょっとした作業で、ランタンが新品のような明かりに戻ることがあります。
もし「明かりが不安定だな」と感じたら、修理へ出す前に一度試してみてください。
古いランタンでもまだまだ現役!廃盤製品を集めてみよう!
プリムスのランタンは、劣化した部品を交換していけば、半永久的に使うことができます。
廃盤となったランタンを集めたコレクターもいるほど、ランタンの明かりには、日常で疲れた心を癒してくれるような魅力があります。
プリムスのIP-2279は、今となっては入手しにくい製品ですが、オークションなどをまめにチェックして、ぜひ手に入れてみてください!