新しくなったプロモンテのソロテントVL16でテント泊デビュー

最終更新日:2019/01/15

トレッキングデビューをして、次に山小屋泊を経験すれば、いよいよテント泊デビューでしょう。

しかし、「どんなテントを選べば良いのかわからない」という人も多いはずです。

そこで、軽量でかつコンパクトな使い勝手の良いプロモンテのソロテントVL16がおすすめになるわけです。

今回は、このおすすめするプロモンテのソロテントVL16が、先代と比べてどのように変更されたのかも踏まえてその性能をご紹介します。

プロモンテはどんなブランド?

プロモンテとは、ダンロップの山岳テントを販売する株式会社HCSが手がけている、日本生まれ日本育ちの登山ギアブランドです。

テントのみ販売のダンロップに対し、プロモンテからはテントだけでなく、シュラフやシュラフカバー、ゴアテックスのシェルジャケット等の製品が展開されています。

さて、そのプロモンテのテントですが、見た目の姿形はダンロップのテントと瓜二つです。

それは、製造元が同じだから、というだけではありません。

実はプロモンテのテントは、ダンロップのテントをベースに、より軽量でコンパクトなテントを目指して作られたものなのです。

そのため、プロモンテのテントとダンロップのテントは、見た目や骨格がそっくりでも、使用する素材に違いがあり、重量の差に繋がっています。

プロモンテのテントが生まれたのは1988年のことです。

それから改良を重ねて、2017年に発売されたVL16で7代目になります。

プロモンテについてわかったところで、次はプロモンテのソロテントVL16について、各種仕様を見ていきましょう。

プロモンテのソロテントVL16はどんなテントなの?

プロモンテのソロテントVL16は、先ほどご紹介した株式会社HCSが手がける山岳用オールシーズンソロテントです。

プロモンテのVL16は、本体とフライシートの二重構造の「ダブルウォール」という構造のテントで、防寒性が高く、結露がしにくくなっています。

X字にクロスしたポールから本体がぶら下がった形の「吊り下げ式」という構造を採用しており、設営、徹営が非常に容易であることが大きな特徴です。

安心、安全の国内生産であることも魅力の一つと言えるでしょう。

なお、VL16の「1」は一人用(ソロテント)であることを表しており、VL26、VL36はそれぞれ二人用、三人用ということを表しています。

VL16の「6」は0から始まった世代数を表しており、VL10なら初代、VL11なら2代目、そしてVL16で7代目ということがわかるようになっています。

VL16の設営時の各種寸法は、間口205cm、奥行90cm、高さ100cm、前室が60cmと平均的なソロテントのサイズで、先代のVL15からの変更はありません。

プロモンテのVL16の仕舞い寸法は25×25cm、ポール37×5.4cmと、こちらも先代のVL15と全く同じです。

しかし、プロモンテのVL16の重量は1.21kgで、1.35kgだった先代のVL15と比べると、100g以上軽いことがわかります。

1.5kg以上あった初代と比べても、およそ20%の軽量化に成功していることが伺えます。

この軽量化の裏には、長い改良の歴史がありました。

次の項からは、先代のVL15からの変更点を見ていきます。

プロモンテ ソロテントVL16の先代との変更点①「本体パネル」

一つ前の項でもご紹介しましたが、プロモンテのソロテントVL16は度重なる改良の末、現在は7代目になります。

一つ前のVL15と比べて何がどう改良されたのか、詳しく見ていきます。

まず一つ目は本体パネルの変更です。

プロモンテのVL16では、それまで使用していた20デニールのポリエステル生地から、10デニールのナイロン生地へ変更しました。

20デニールから10デニールへ生地の厚みが変わったことで、100g以上の軽量化を実現しています。

当然、生地が薄くなることで強度が落ちてしまいますが、それはポリエステルからナイロンへ素材を変更したことでカバーしました。

本体パネルをポリエステルからナイロンへ変更することで、速乾性能や対紫外線性は低下してしまいましたが、本地パネルは常にフライシートに覆われた状態なので心配はいりません。

テントとして最低限度必要な強度や性能を維持しつつ、大幅な軽量化を実現するプロモンテの技術力の高さが伺えますね。

プロモンテ ソロテントVL16の先代との変更点②「本体グランド部・倒立スリーブ」

プロモンテのソロテントVL16では、本体パネルだけでなく、本体グランド部と倒立スリーブの生地にも変更がありました。

本体グランド部とは床部分のことで、倒立スリーブとは本体パネルとポールを連結するスリーブ部のことです。

本体グランド部も倒立スリーブも、設営時には大きな負荷がかかり、擦れや破れ等のトラブルリスクが高い箇所です。

この部分を従来の30デニールポリエステルタフタの生地から、30デニールポリエステルリップストップの生地へ変更になりました。

この変更により引き裂きに対する強度が3倍にも高まり、さらにわずかながら軽量になったとのことです。

これまで、リップストップ生地表面の凹凸において、凸部のコーティングが剥離しやすいと考えられてきました。

プロモンテVL16においては、「ミニリップ」と呼ばれる凹凸の少ない生地を使用することで、コーティングの剥離も心配いりません。

本体グランド部の強度向上によりタフな環境でも使用できるため、用途の幅が広がったとも考えられるのではないでしょうか。

プロモンテ ソロテントVL16の先代との変更点③「その他の変更点」

プロモンテのソロテントVL16は、先代のVL15から他にもいくつかの変更がありました。

まず一つ目は、入口のメッシュパネルのサイズ変更です。

先代のVL15では、入口パネルのファスナーの開閉により、入口全面をメッシュにすることができました。

現行のVL16では、思い切ってメッシュパネルの大きさをこれまでの半分に変更しています。

メッシュパネルの大きさの変更により、メッシュの切り替えファスナーが短くなることや、メッシュパネルそのものが小さくなることで、さらなる軽量化に繋がっています。

なお、本体パネルの生地が20デニールポリエステルから10デニールナイロンに変更されたことで通気性が上がり、メッシュが小さくなっても問題ないとのことです。

二つ目に、フライシートとポールの接続部分の変更があります。

先代のVL15では、フライシートとポールは紐による接続でした。

現行のVL16では、紐からベルクロ(マジックテープ)に変更されました。

これにより、フライシートとポールの接続がより簡単になりました。

3つ目の変更点にフライシートの色があります。

これは性能とは直接関係ありませんが、VL16では爽やかな水色に変更されています。

プロモンテのソロテントVL16の気になるお値段は?

軽量でコンパクトなプロモンテのソロテントVL16の参考価格は、43,000円になります。

同形状のダンロップVS10の参考価格が36,000円ですから、この二つを比べると当然割高です。

ただし、他社製品まで視野を広げてみると、プロモンテのVL16は非常に安価だと言えます。

たとえば、同じくオールシーズン用テントのMSR ACCESS1の参考価格が73,000円で1.37kg、NEMOのTANI1Pが参考価格が50,000円で1.0kgと軽量です。

この二つとソロテントVL16を比較すると、ソロテントVL16の方が安価ですね。

価格と軽量のバランスのとれたテントという意味では、プロモンテのVL16はテント泊デビューに最適なソロテントではないでしょうか。

また、その他オプションとして、VL16とVS10兼用のグランドシートが参考価格3,800円で発売されています。

プロモンテのVL16の本体グランド部は前述の通り、30デニールポリエステルで作られており、テントとして最低限度の強度です。

使用する環境によっては、グランド部に穴が空いてしまうリスクもあります。

そこで、別売のグランドシートを購入し、使い分けるのが最適でしょう。

テント泊のデビューならプロモンテのソロテントVL16で決まり

さまざまなソロテントが市場に出回っていますが、これほどまで軽さにこだわって改良を重ねたアイテムはそう多くはないでしょう。

軽量さと扱いやすさ、購入しやすい価格の全てを実現しているプロモンテのVL16は、はじめてのソロテント選びにピッタリなアイテムと言えるのではないでしょうか。

新しくなったプロモンテのソロテントVL16で、快適な登山を楽しみましょう!

こちらも合わせてご覧ください。