高山病の症状とは?なぜなるの?下山後も治らない場合の対策

標高の高い山に登ると高山病になることがあります。

高山病には色々な症状があり、高山病になりやすい状況もあります。

大抵は標高を下げていくと自然と治っていくことが多いのですが、下山後も症状が続き、なかなか治らないこともあります。

高山病はひどくなると死の危険性もありますので、なるべく高山病にならないように下準備をして万全な状態で高い山に挑みましょう。

高山病になるとどうなるの?下山後は治ると聞くけど本当?

高山病とは、低圧、かつ酸素が少ない状況に置かれた際に発症してしまう病気です。

以下に高山病の代表的な症状をあげてみます。

・頭痛
・吐き気
・嘔吐
・めまい
・倦怠感
・むくみ

などがありますが、他にも

・錯乱
・無気力
・むくみ
・呼吸困難
・視力、聴力の低下
・バランス感覚がなくなる
・思考回路がおかしくなく
・正しい判断ができなくなる
・言語障害、ろれつがまわりにくくなる
・まっすぐ歩けずフラフラと蛇行してしまう

このような症状が出てきた場合は、高山病にかかっている可能性があります。

通常は下山していくと、正常に酸素が取れるようになりますので症状は緩和してきますが、まれに下山後も症状が治らない時もあります。

また、登山中は高山病の症状がなくても、下山後にこのような症状が出る場合もあることから、下山後のアフターケアにも十分注意が必要です。

これらの症状は「山岳病」や「山酔い」と言われることもあります。

高山病の危険性!命にかかわる場合もあることを知っておく

高山病は3つの種類に分けられます。

・急性高山病(AMS)

標高3000mあたりから発症することが多いですが、2000mでも発症した事例もあります。

国内でもっとも多いのは、日本一標高の高い「富士山」です。

ここで多く見られるのが「急性高山病」です。

一般的には、標高をあげてから6~10時間以内に高山病の症状が現れてきます。

頭痛がもっとも多く、その他にも嘔吐、疲労、脱力感などが見られます。

高度を下げていくと徐々に回復が見られますが、下山後も症状が続く場合もあります。

・高地肺水腫(HAPE)

標高3000mあたりから発症し、特に急激に高度をあげた時に起きやすくなります。

高山病による死亡は高地肺水腫によるものが多く、若年男性がかかることが多くあります。

急性高山病が重症化すると、呼吸困難や意識がもうろうとなり、高地肺水腫となります。

高山病による死亡の原因は、この高地肺水腫が大半を占め、急性高山病の兆候が見られたら、すぐに高度を下げることが必要です。

・高地脳浮腫(HACE)

標高4000m以上から発症することが多く、脳が浮腫み、運動障害、思考回路の低下、そして昏睡状態に陥ります。

国内の山では稀な症状ですが、高山病が悪化すると発症する可能性ありますので、注意が必要です。

こんな時になりやすい!高山病にならないための準備とは

高山病のきっかけは低酸素、酸欠状態によるものです。

普段から酸素の少ない場所でトレーニングができれば良いのですが、一般的にはなかなかできません。

高山病にならないためにも、高度2000mあたりから徐々にスピードを緩め、2500m過ぎたあたりからその場所で滞在し、体を低酸素に慣れさせることも良いとされています。

また、寝不足や体調不良も影響しますので、弾丸登山は避け、できれば途中の山小屋で一泊してから、高度をあげていくことがお勧めです。

標高の高い山に登る時は、酸素缶を利用することも一時的には有効です。

ただし、酸素を吸っている間は症状は和らぎますが、一旦高山病の症状がでてしまうと酸素を吸っただけでは気休め程度にしかならず、高度を下げない限り治ることは難しくなります。

筆者自身も富士山で高山病になったことがありますが、頭痛、吐き気、震え、ろれつが回らないなどの症状が出ました。

この時は御殿場口から登り、7合目(標高3040m)あたりから頭痛が始まりました。

酸素缶を持っていきましたが、吸っている時は若干症状は和らぐものの、完全には治らず、常に吸っていないと症状は落ち着きません。

また、常に酸素を吸うには、酸素缶1本では足らず、2・3本必要となってきます。

1歩踏み出すのも大変なぐらいの体調不良に陥り、10m進むのに5分~10分はかかっていたと思います。

本当はいけませんが、意識もうろうとしながらも、この状況で無理やり頂上まで登りました。

しかし、このような体調不良では全く楽しめず、ただぐったりするだけで感動的な登頂を迎えることができませんでした。

下山後は嘘のように体調が戻りましたが、富士山で人気のお鉢めぐりもできずに、残念な登山となってしまった記憶があります。

この時は睡眠不足で登り、途中の山小屋で泊まることもせず、危険とされている弾丸登山です。

後日登った時には、途中の山小屋で1泊し、体を慣らしてから頂上へ向かいましたので、高山病にかかることもなく、改めて無事に登頂することができました。

このことから、富士山へ登る時には、途中の山小屋で一泊することをお勧めします。

高山病の症状が現れた!そんな時にするべき対処方法とは?

登山中に高山病の症状が出始めたら、それ以上登らず、しばらくその場所で休憩します。

酸素不足を改善しなければいけませんので、深呼吸をし、水分を摂り血流を良くします。

酸素缶を持っていたら、酸素を吸い、頭痛がひどい場合は鎮痛剤を利用します。

しばらくして症状が改善されれば登山を続けても良いですが、改善されない場合は、高地肺水腫などに悪化する危険性がありますので、それ以上登ることは危険です。

一度高山病の症状がでてしまうと、少し休憩したぐらいでは完治せず、一旦症状が和らいでも一歩踏み出すごとに症状が出始め、高度をあげるたびに苦しくなってきます。

この場合は、無理に登らず下山するようにしましょう。

下山中や下山後は驚くぐらい症状が改善されていることが多く、「あの時登っていれば登れたかもしれない」と、がっかりすることもあります。

しかし、だからと言って登り続けても症状が改善されることは、ほとんどありません。

後日体調を整えて、改めて登ることをお勧めします。

下山後も高山病の症状が続く時や下山後に高山病の症状がでた時

高山病の多くは、下山中もしくは下山後には症状が和らぐ人が多いですが、中には下山後も頭痛や息苦しさが続く場合もあります。

この場合、高山病がまだ治っていない場合も考えられますが、原因は高山病だけではない可能性もあります。

・緊張性頭痛

長時間重たい荷物を持って歩いていたため、肩の血流が悪くなり頭痛が起こることがあります。

一般的な肩こりの症状です。

・脱水症状

脱水症状には、頭痛や吐き気などの高山病と似た症状があります。

トイレを気にして登山中の水分を控えめにする人もいますが、それが脱水症状に繋がっている可能性があります。

また、十分に水分を取っていたつもりでも、体には足りていないことも考えれます。

下山後も体調不良が続く場合は、医療機関へ行くことをお勧めします。

山を降りると徐々に症状が緩和したら下山後は何もしなくていい?

高山病の症状は、下山後には嘘のように治っていることがほとんどです。

この場合、気分はすっきりしているため、気持ちは元気ですが、体は相当疲れきっています。

まずは体をゆっくり休めましょう。

そして、ここで安心してはいけません。

この後やってくるのが、「浮腫み」です。

・トイレを気にして水分を十分に取っていなかったことによる脱水症状

・筋肉の硬化で血液やリンパの流れが悪くなっている

・登山靴やタイツの締め付けで血液やリンパの流れが悪くなっている

以上のことが原因で、下山後にひどい浮腫みがあらわれ、ひどい時には足が1.5倍ぐらいに膨らんでいることもあります。

3・4日で自然と治っていきますが、予防するためにも、下山後のストレッチや体を温めるためにゆっくりお風呂に浸かるなどをすることをお勧めします。

高山病にならないように注意して安全に登山を楽しもう!

2005年8月には、北アルプスの蝶ヶ岳で高校生が高山病にかかり、肺水腫で死亡する事故が起こっています。

若くて体力があってもこのような事故も起きているのが事実です。

もし、体に異変を感じたら、決して無理をせず、引き返すことも考えてください。

標高の高い山に登る時には「万が一」に備えて、ゆっくりとマイペースに歩きながら、無理な計画は立てないようにしましょう。