ダッチオーブンは万能鍋とも言われていて、アウトドアシーンのみならず家庭でも使用する人が増えている、人気のアイテムです。
ihで使えるタイプも売っています。
しかし、使用前のシーズニングや、使用後のメンテナンスなどで、ひと手間かかってしまうことから、購入するのを躊躇してしまう人もいるかもしれません。
そこで今回は、ダッチオーブンのシーズニング方法やオススメのダッチオーブンなどをご紹介していきます。
シーズニングさえ終えてしまえば、ダッチオーブンは様々な料理を楽しむことができます。
購入しようか迷っている人や、持っているけれど使っていないという人は、ぜひダッチオーブンでいつもと違う料理を堪能してみて下さい!
ihやガスコンロでも使える『ダッチオーブン』とは?
ダッチオーブンは、「焼く・煮る・蒸す・炒める・揚げる」といった5通りの料理ができて、ihで使えるタイプもある、まさに万能の鍋です。
そして、蓋つきで炭火を上に乗せることができるので、上下から加熱することで食材にじっくり火を通すことができます。
さらに、一般的な鍋と比べても水蒸気を逃しにくく、食材がもつ水分で調理ができるので、素材の旨味をそのまま活かせるのも特徴です。
キャンプをはじめとしたアウトドアで本格的な料理を楽しめる、人気のアウトドアアイテムの1つです。
種類によっては使用前に「シーズニング」という作業が必要な物もありますが、アウトドアのみならず、ihやガスコンロなど家庭でも本格的な料理を堪能することができます。
シーズニングが必要なダッチオーブンはihでも使える?
キャンプなどのアウトドアで大活躍のダッチオーブンですが、もちろん家庭の調理器具でも使うことができます。
しかし、ihで使用する際は、購入前にihにも対応しているか、しっかりと確認してから購入するようにして下さい。
そして、「脚が無いダッチオーブン」を選ぶこともポイントです。
さらに、ダッチオーブンの種類にもよりますが、シーズニングなどで空焼きをする際に「クリアラッカーが流れてレンジが汚れてしまう場合」があります。
ihでシーズニングするには、時間もかなりかかってしまいますし、シーズニングや使用後のメンテナンスなどは家庭用のカセットコンロなどを使用した方がいいかもしれません。
また、ih自体もほとんどが空焚き禁止ですので、その点も踏まえて、ダッチオーブンを使用していきましょう。
ダッチオーブンのシーズニング方法
多くのアウトドアブランドからも、たくさんのダッチオーブンが販売されていますが、種類によっては使用前にシーズニングをしなければならない物もあります。
シーズニングとは、出荷前に塗られている「さび止めのワックス」を落として、鋳物の表面に油を染み込ませてコーティングする作業のことを言います。
ワックスを落として代わりのオイルを染み込ませることで、においや焦げが付きにくくなります。
そして、この作業が繰り返されていくことで、『ブラックポット』と呼ばれる黒く味のあるダッチオーブンになっていきます。
そこで、次に「ダッチオーブンのシーズニング方法」をご紹介していきます。
【ダッチオーブンのシーズニング方法】
[用意する物]
・油(オリーブオイルがおすすめです。)
・食器洗剤
・たわし(金属たわしは×)またはスポンジ
・キッチンペーパー
・野菜くず
・菜箸
・トング(あれば)
[シーズニングの手順]
屋内で作業する場合は、ダッチオーブンがかなり熱くなり煙も出るため、必ず換気をして作業しましょう。
また、家庭用のガスコンロやihを使用する際は事前に対応しているかどうか、確かめてからシーズニングを始めてください。
1.ワックスを落とす
まずはダッチオーブンのワックスを落とす作業です。
洗剤を使ってたわしで丁寧にこすりましょう。
この時、内側だけでなく、外側や取っ手・蓋も忘れずに洗って下さい。
そして、洗剤をお湯で洗い流し、ダッチオーブンに水を張って火にかけます。
ここで洗剤では落としきれなっかたワックスなどが、浮いて剥がれ落ちてきます。
※この時、とても熱くなりますので火傷には十分注意して下さい。
2.乾燥させる
お湯を捨てて、自然乾燥させます。
3.オイルを塗る
乾いたらダッチオーブンにオイルを塗っていきます。
キッチンペーパーなどで、内側・外側・取っ手・蓋にまんべんなく塗っていきましょう。
4.素焼きする
オイルを塗り終わったら、ダッチオーブンを火にかけて素焼きしていきます。
煙が出てくるまでは中火、その後弱火にして煙が出てこなくなるまで焼き続けます。
※黒く光る綺麗な仕上がりを目指して3~4の行程を4~5回程、繰り返しましょう。
5.野菜くずを炒める
煙がおさまったら、野菜くずを入れて炒めます。
野菜を炒めることで、ダッチオーブンの鉄臭さがとれます。
鍋と蓋の両方で炒めるようにして下さい。
6.オイルを塗る
ダッチオーブンが完全に冷めたら野菜くずを捨て、仕上げにもう一度オイルを塗ります。
ここでも外側や取っ手など、忘れずに塗っていきましょう。
後は自然に熱を冷ませば、シーズニングの作業は終了です。
シーズニング後のダッチオーブンの取り扱いの注意点
ダッチオーブンのシーズニングが無事終われば、後はダッチオーブンを思う存分使い込むのみです。
そこで、ダッチオーブンの取り扱いの注意点をご紹介していきます。
【ダッチオーブンの取り扱いの注意点】
▼熱いうちに水をかけるのはNG
ダッチオーブンが高温の状態で水をかけてしまうのは、厳禁です。
温度差で割れてしまうことがありますので、十分注意しましょう。
▼洗剤を使って洗うのはNG
せっかくシーズニングで出来たオイルの被膜が取れてしまいまい、錆の原因になってしまいます。
▼作り置きはNG
水を張ったまま放置したり、作り置きするのは避けましょう。
こちらも、すぐに錆びてしまう原因となります。
▼湿気の多いところでの保管はNG
湿気の多いところでの保管も、錆びの原因になります。
錆び予防のためにも、定期的に使うのがオススメです。
普段、家庭で使っている鍋などとは、少し取り扱いが違ってくるかもしれませんね。
それでも、そこまで取り扱いが難しいわけでもないですので、キャンプだけではなくご家庭のコンロやihでも、ぜひダッチオーブンで美味しい料理を作ってみて下さい。
ダッチオーブンのお手入れ方法
シーズニングが無事終わると、キャンプ以外でもご家庭のコンロやihなどの普段使いに、ダッチオーブンを使う機会が増えてくるかと思います。
そこで、ダッチオーブン使用後のお手入れ方法をご紹介していきます。
【ダッチオーブンのお手入れ方法】
①お湯を入れて沸騰させる
料理の残りや汚れをキッチンペーパーなどで拭き取り、熱湯を注ぎます。
(※冷水は鍋のダッチオーブン破損の原因になってくるので、必ず熱湯を注いで下さい。)
②汚れを落とす
鍋底の汚れを、へらでなでるようにそぎ落とします。
(※木製のヘラや専用のヘラなどを使って下さい。金属ヘラはNGです)
③水気をとばす
再びお湯を注いで、汚れを流しましょう。
お湯を流したら水気を軽く拭いて、鍋と蓋を火にかけて全体の水気をとばします。
④オイルを塗る
シーズニングの時のように、オイルを薄く全体に塗りましょう。
⑤オイルを拭き取る
余分なオイルを拭き取ったら、煙が出るまで火にかけます。
煙が落ち着いたら、火からおろして自然乾燥させます。
これで、ダッチオーブンの使用後のお手入れは完了です。
この作業をしっかりやることで、錆びも防げて「ブラックポット」と言われる、深く綺麗な黒色のダッチオーブンになっていきます。
ダッチオーブンの選び方
ダッチオーブンの材質には主に2種類あります。
・鋳鉄製
鋳鉄は、スキレットや鉄鍋に使われているお馴染みの素材です。
きっと、ダッチオーブンといえば、鋳鉄製をイメージする方が多いと思います。
シーズニングが必要となりますが、使い込めば使い込むほど黒錆びが起きて、強火や空焚きをしてもテフロンのようにくっつきにくくなります。
価格もどちらかと言えば安価です。
しかし、基本的にはihクッキングヒーターは使用不可となります。
中には、シーズニング不要でihクッキングヒーター対応可能なものもあります。
・ステンレス製
最近では手入れの簡単なステンレス製のダッチオーブンも販売されています。
シーズニングも不要でメンテナンスが鋳鉄製に比べて圧倒的に簡単です。
高価格ではありますが、ihクッキングヒーターも使用可能です。
・他の素材
メインの鋳鉄製とステンレス製に比べると種類は少なくなりますが、他の素材のものもあります。
シーズニングは不要でも、洗剤使用とihクッキングヒーターに対応可能な「黒皮鉄板製」、遠赤外線効果でムラなく仕上がる「カーボン製」、鋳鉄よりも強度が増した「ダクタイル鋳鉄製」があります。
上記のように、様々な素材のものがありますので、使用頻度や使用環境によって選ぶようにしましょう。
ダッチオーブンのシーズニング!ihの場合の注意点
一般的なダッチオーブンのシーズニングについて説明したところで、ihクッキングヒーターの場合の注意点について、ご説明します。
まず、脚付きのダッチオーブンはihクッキングヒーターでは使用不可となります。
ダッチオーブンを購入する際は、脚の付いていない底が平らなもので、ihクッキングヒーター対応可能なものを選ぶようにしましょう。
ただし、自宅で使用しない場合や、シーズニングもアウトドアで行う場合は例外です。
アウトドアでシーズニングを行う場合の熱源は、バーナーやBBQコンロ、焚火台を利用して行うため、脚付きでも大丈夫です。
しかし、自宅にihクッキングヒーターしかない場合は、脚付きは使用できないため、購入する際はお気をつけ下さい。
また、ihでシーズニングをする際は、かなりの時間がかかります。
そのため、できることならカセットコンロの方が良いでしょう。
しかし、カセットコンロでも時間がかかるため、ダッチオーブン対応可能なツーバーナーなどを利用するのが望ましいです。
しかし、バーナーでシーズニングを行う場合、通常の使用よりも長時間の利用となるため、多くの燃料が必要となります。
この点を考慮して、シーズニングに使用する場合際のコンロを考えると良いでしょう。
ihでも使える!オススメのダッチオーブン
せっかくのダッチオーブンですから、アウトドアだけでなく家庭でも使えると便利ですよね。
そこで、ihにも対応しているダッチオーブンをご紹介していきます。
【ih対応のダッチオーブン】
[ソト(SOTO)ステンレスダッチオーブン ST-910]
本体サイズ:幅35×奥行28×高さ16cm
重量:5.2㎏
材質:ステンレス(底網:ステンレス)
満水容量:5.2L
サイズ:内径25.9×深さ11.5cm
こちらのダッチオーブンは、鋳鉄製の物と違いシーズニングが不要なため、手軽に使えるというのが魅力の1つです。
また、鍋自体も4mmと肉厚で、耐衝撃性と蓄熱性が高くアウトドアのみならず普段使いにもオススメです。
さらに、最大容量が5.2Lあるので、大人数の料理でも安心です。
【SOTO(ソト):ステンレスダッチオーブン10インチ ST-910】
参考価格:20,000円(税別)
総重量:約4.9kg
サイズ:幅36.5×奥行28×高さ16cm
内寸:直径25.9×深さ11.5cm
主素材:ステンレス(底網:ステンレス)
シーズニング不要、洗剤使用OK、ihクッキングヒーター対応可能です。
衝撃や錆にも強く、ステンレス製のメリットを詰め込んだ一品です。
【UNIFLAME(ユニフレーム):ダッチオーブンスーパーディープ10インチ】
参考価格:14,600円(税込)
総重量:約5.8kg
サイズ:約26×11cm
主素材:黒皮鉄板
シーズニングは必要ですが、ihクッキングヒーター対応可能です。
お手入れ簡単で、錆びにくく、衝撃にも強い黒皮鉄板製です。
[ユニフレーム ダッチオーブンスーパーディープ 8インチ]
サイズ:鍋径20.5×9.5(深さ)cm
重量:約4.2㎏
満水容量:約2.9L
適正炊飯量:1~4合
ユニフレームのこちらのダッチオーブンは「黒皮鉄板」と呼ばれ、1枚の鉄板を鍋状にプレス成型して作られています。
その黒皮鉄板に大きな特徴があり、『洗剤で洗える・錆びにくい・衝撃や温度変化に強い』というメリットがあります。
使用前のシーズニングは必要ですが、もちろん家庭用のガスコンロやihでも使用できて、ダッチオーブン初心者の人でも、手軽に使うことができます。
ダッチオーブンはアウトドアだけでなく、家庭でも使う人が増えています。
シーズニング不要なものや使用後のお手入れが楽なものなど、初心者でも手軽に使える商品が増えていますので、ぜひダッチオーブンで色々な料理にチャレンジしてみて下さい。
【LOGOS(ロゴス):SLダッチオーブン10inch・ディープ(バッグ付き)】
参考価格:7,900円(税別)
総重量:(約)5.5kg
サイズ:(約)26×13.5cm
内寸:(約)23.7(21)×10.5cm
収納サイズ:(約)30.5×17.5cm
主素材:鋳鉄、ポリエステル
鋳鉄製だがihクッキングヒーター対応で、シーズニング不要!
すぐに使用可能です。
ihクッキングヒーターでも可能!ダッチオーブンで無水カレー!
シーズニングが終わったらダッチオーブンを使用して早速調理をしてみましょう。
ここでは自宅のihクッキングヒーターでも調理可能な無水カレーをご紹介します。
【材料】
・トマト:4個
・たまねぎ:2個
・鶏もも肉:400g
・生姜:1/3個
・にんにく:3かけ
・カレールー:適量
・クミンシード:適量
・ご飯:3合
【作り方】
①食材をカットします。
トマトは水分が出てしまわないように大きめの角切りにします。
玉ねぎは薄くスライスします。
②にんにく、生姜をすりおろします。
にんにくと生姜をすりおろします。
あらかじめすりおろしたチューブタイプのものを使用しても問題ありません。
③ダッチオーブンでクミンシードを炒めます。
ダッチオーブンを温めて油を入れ、クミンシードを弱火で炒めます。
油にクミンシードの香りを移していきます。
④にんにく、生姜、たまねぎを炒めます。
ある程度クミンシードを炒めたら、にんにくと生姜を入れて炒めます。
焦がさないように弱火で混ぜながら炒めていきましょう。
その後、あまり時間をおかずにたまねぎを入れて炒めます。
⑤鶏肉とトマトを入れて炒めます。
たまねぎがしんなりとしてきたら、鶏肉を入れて炒めます。
鶏肉の色が変わったら、トマトを入れ、ヘラでトマトをつぶしながら炒めます。
トマトをつぶすと、水分がどんどん出てきます。
⑤蓋をして煮込みます。
蓋をしてグツグツと20~30分ほど煮込みます。
ときどき蓋を開けて水分量を確認しましょう。
⑥カレールーを入れてさらに煮込みます。
味見をしながらカレールーを入れてさらに10~15分ほど、蓋をして煮込んだら完成です。
煮込み料理は上火が不要なため、自宅でも簡単にチャレンジすることが出来ます。
ぜひぜひお試しください。
ダッチオーブンはアウトドアでも家庭でも大活躍!
キャンプシーンでよく見られていて大活躍ですが、今では家庭でもダッチオーブンを使って料理する人が増えています。
1つで5役も担ってくれる魅力的な鍋ですが、シーズニングなどの手間から敬遠していた人も多いのではないでしょうか?
しかし、今ではシーズニング不要なものやお手入れが楽な商品も各メーカーからたくさん出てきています。
ちょっとしたひと手間で本格的な料理も楽しめますので、ぜひダッチオーブンを使って色んなレシピに挑戦してみて下さい。