アウトドアやキャンプなどで大活躍するダッチオーブン。
焼く・煮る・蒸すなど様々な調理方法が可能で、最近では家庭用で使用するダッチオーブンも開発されており非常に人気です。
そして、上記でご紹介した調理方法以外にも、ダッチオーブンを使って燻製をすることも可能なのです。
チーズやベーコン、サーモンが定番の食材なのですが、特に美味しいのが卵です。
今回は、そんなダッチオーブンを使った燻製卵の作り方をご紹介します。
様々な燻製の方法
燻製とは、食材に煙をあてながら熱する方法のことで、その食材に独特の風味を与える調理法です。
また、食材の保存性も高まるため、古くからも保存食を作る際に用いられていました。
最近ではスモークと呼ばれ、酒のおつまみとしても非常に人気があります。
そんな燻製ですが、燻製には調理する温度によって3種類の方法があります。
1つ目は熱燻法と呼ばれる燻製の方法です。
熱燻法とは80度以上の高温で、短時間燻製する方法です。
いぶした状態で食材を燻製器に入れるだけで、お手軽に燻製料理を楽しむことが出来ます。
チーズやウインナー、卵など、様々な食材で調理可能です。
2つ目は温燻法です。
スーパーやコンビニなどで売られている燻製商品は、大体この方法を用いています。
50~80度の温度で、数日間燻製する方法です。
食材の水分も失われるため、味が凝縮され、燻製の風味も熱燻法よりもしっかりとつきます。
3つ目は冷燻法です。
冷燻法は、食品の保存性を高めるのに適した燻製方法です。
25度以下で、数週間から2か月間もの間燻製にかける必要があります。
食材の水分は、ほぼ抜けきっており、スモークサーモンやビーフジャーキーなどがこの製法で作られています。
味は濃厚で、お酒のおつまみにはぴったりです。
3つの燻製の仕方をご紹介しましたが、キャンプに向いているの熱燻法です。
短時間で調理ができ、ダッチオーブンを利用してもお手軽に燻製を楽しむことができるのでおすすめです。
ダッチオーブンを使った燻製の仕方
燻製卵を作る前に、基本的なダッチオーブンを使った燻製の仕方をご紹介します。
まず、アルミホイルを準備しましょう。
ダッチオーブンで燻製する際、アルミホイルは必須なので絶対に忘れないでください。
【燻製方法】
1.スモークチップが鍋底に焦げつかないよう、ダッチオーブンの底にアルミホイルを敷きます。
少しくしゃくしゃとして凹凸をつけるといいでしょう。
2.その上にスモークチップを置き、さらにふわりとアルミホイルを被せます。
これは、食材にもよるのですが、加熱の際に食材の汁がチップに垂れると風味が損なわれるので、それを防ぐためです。
3.そしてその上に、焼き網を乗せます。
焼き網をチップの上に直置きすると焦げてしまうので、アルミホイルを3つか4つほど丸め、足代わりにして高さを出しましょう。
4.火にかけ、煙が出始めてから食材を置き、燻製を始めましょう。
注意点としては、鍋の蓋を完全に閉めないようにしましょう。
完全に閉め切ってしまうと、中に空気が入らず火が消えてしまう場合があります。
鍋と蓋の間に割りばしなどをはさみ、少し隙間を開けるようにしてください。
燻製卵の作り方
燻製卵とは燻製したゆで卵のことですが、淡白なゆで卵が燻製をするだけでぐっと美味しく深い味わいなります。
それでは作り方をご紹介します。
1.ゆで卵を作りましょう。
沸騰したお湯に、7~8分程度ゆでれば完成です。
2.ゆで終わったら、冷水で一気に冷やして殻をむきましょう。
ゆでる前に軽くヒビを入れておくと、綺麗にむきやすいです。
3.ゆで卵の水気をふき取り、燻製セットをしたダッチオーブンに並べます。
4.煙が出始めてから蓋をして、15分~20分程度加熱して完成です。
ゆで卵を直接燻製にするだけでも香りがよく、美味しい燻製卵に仕上がります。
また、ゆで卵を燻製する前にめんつゆなどのつけ汁につけて、下味をつけてから燻製にするとまた違った味に仕上がります。
さらに、ゆで卵のゆで加減を調整することによって、半熟の燻製卵を作ることもできます。
普通の燻製卵とは違い、これもまた格別に美味しくできあがります。
好みの硬さになるまで、色々と試してみるのもいいかもしれません。
燻製に特別な卵を使ってみよう
スーパーで売られている普通の卵を使って燻製にするのもいいですが、卵自体にこだわって燻製をしてみてはいかがでしょうか。
ちょっと値段は高くなりますが、地鶏の卵はどうでしょう。
名古屋コーチンや比内地鶏など有名ですが、地方ごとに様々な種類の地鶏が生産されています。
地鶏の卵は、スーパーの卵と違い、黄身がこってりと濃厚な味わいをしています。
もちろん、鶏のエサや飼育環境にこだわっているため、安心で安全な卵を食べることができます。
そのまま食べても美味しい地鶏卵を、ダッチオーブンで丁寧に燻製をした燻製卵は絶品間違いなしです。
しかし、値段が高価なのが少しネックです。
そんな方は、ヨード卵をおすすめします。
値段は地鶏よりも安いですが、味は地鶏同様、濃厚な味わいが楽しめます。
また、地鶏以上に栄養価が高いものもあり、安心安全にこだわって生産されています。
こちらもぜひ試してみたい卵です。
また、忘れてならないのがウズラの卵です。
コンビニなどででも、お酒のおつまみとして売られているウズラの燻製。
こぶりで食べやすく、燻製の味がよりダイレクトに香ばしく味わえます。
ウズラの卵も一度試してみましょう。
ダッチオーブンって一風変わった燻製卵料理
普通の燻製卵の他にも、一風変わった燻製卵をダッチオーブンを使って調理法をご紹介します。
その一風変わった燻製卵とは、温泉卵の燻製です。
普通の燻製卵とはまた違った味わいで、非常に美味しいです。
【温泉卵の燻製のレシピ】
1.鍋に水を入れ、卵も入れて、水から熱していきます。
2.温度計を使って、水の温度が68度になるまで熱します。
3.68度になったら、温度をキープしながら10分ほど熱します。
4.冷水で冷やせば温泉卵が完成します。
5.温泉卵をココットなどの小さめの耐熱皿に乗せ、5分ほど温燻製を行います。
6.燻製温泉卵の完成です。
燻製の香りがしっかりと温泉卵に染みつきいい香りがします。
また、卵自体の水分も少し蒸発している為、黄身がとろりと濃厚に変化して非常に美味しいです。
ダッチオーブンのお手入れの仕方
最後に、ダッチオーブンのお手入れの仕方についてご紹介します。
ダッチオーブンはその材質によるのですが、普通のフライパンや鍋の様に洗剤を使ってはいけません。
ダッチオーブンを洗う際は、洗剤を使わず、お湯を使ってたわしで汚れを落としましょう。
洗う前に、大まかな汚れをキッチンペーパーなどでふき取っておくとよいでしょう。
また、ダッチオーブンを火からおろしたての、アツアツの状態で洗ってはいけません。
火傷の恐れがあるのももちろんですが、ダッチオーブン自体が急激な温度変化により曲がってしまったり、場合によっては割れてしまう可能性もあります。
そして、洗い終わった後に、乾いた布などで水分をふき取るだけでは、鍋の取っ手などの隙間の部分に残った水分から錆びてくる場合があります。
しっかり火にかけ、完全に水分を飛ばしましょう。
水分を全て飛ばしたら、キッチンペーパーに軽く油を染みこませ、油で鍋をコーティングしましょう。
内側だけでなく、鍋も蓋もしっかりと全体になじませるようにしてください。
最後に新聞紙にくるんで、保管しましょう。
新聞紙自体が湿気を吸い取ってくれますし、ほこりなどの汚れから鍋を守ってくれます。
楽しく燻製卵を作った後は、しっかりとしたお手入れをして次回も楽しめるようにしておきましょう。
燻製卵は隠れた逸品
初めは燻製卵と言われて、ピンと来なかったのではないでしょうか。
燻製の定番と言ったら、チーズやベーコン、サーモンなどをよく耳にしますが、卵も非常に燻製にもってこいの食材です。
燻製の程よい香りが、ただのゆで卵を何倍にも美味しくしてくれます。
そして、ご紹介した温泉卵の燻製をぜひ試していただきたいです。
温泉卵を作るのに少し手間がかかりますが、市販の温泉卵でも非常に濃厚でとろりとした仕上がりになります。
是非、一度お試しください。