マントルを使ったランタンの空焼きの手順やランタンの違い

最終更新日:2019/03/10

キャンプの雰囲気を味わうためのアイテムの1つが、ランタンです。

そんなランタンも今ではLEDランタンのような手軽なものから、少しひと手間必要なガスランタンやガソリンランタンまで、種類も様々です。

今回は初心者の人は難しく感じてしまいがちなマントルの空焼きの手順や、それぞれのランタンの違いなどをご紹介していきます。

ランタンを選ぶ際のポイントもご紹介していますので、参考にしてみてください。

マントルの空焼きを知る

ガスランタンやガソリンランタンに必ず必要なのが「マントル」と呼ばれる、化学繊維で出来ている袋です。

このマントルがないと明かりを放つ役割りのものがなく、火柱が上がるだけなのでランタンの光源としては足りなくなってしまいます。

そして、そのマントルを使う際に、初めに必ずしなくてはならない作業が「空焼き」です。

マントルには塩化ナトリウムが染みこませてあるので、それに火をつけて燃焼させることで灰化させます。

このマントルを燃焼させて灰化させる作業を「空焼き」と言います。

このマントルの空焼き作業は、慣れるまでは失敗してしまったり難しく感じる人もいるかもしれませんが、マントルを使わずにランタンを使うことは危険です。

ですから、絶対に「マントルなしでの使用」はやめましょう。

コツさえつかんでしまえば、空焼きもさほど面倒な作業ではありません。

ガスランタンやガソリンランタンのような少しワンランク上のランタンを使いこなして、雰囲気のあるキャンプを楽しんでみてください。

マントルが必須なガスランタンとガソリンランタンの違い

マントルを使用して使うガスランタンやガソリンランタンは、キャンプの雰囲気を楽しめるアイテムとしてキャンパーの間でも人気のある道具の1つです。

空焼き作業は、初心者には少し難しいと感じてしまうことがありますが、慣れてしまえば簡単です。

そこで、ここでは、ガスランタンとガソリンランタンのそれぞれの特徴やメリット・デメリットなどをご紹介します。

【ガスランタンとガソリンランタンの違い】

〇ガスランタンの特徴

ガスランタンは、メンテナンスや使用の手軽さから初心者のキャンパーさんにも人気のランタンです。

本格的なランタンの雰囲気を楽しめる上に、価格も比較的お手頃な価格なのが特徴のランタンです。

〇ガスランタンのメリット

ガスランタンはLEDランタンよりも明るくガソリンランタンよりも使いやすいランタンです。

さらに、本体価格も安いことから、初心者でも使いやすく手に入れやすいということが最大のメリットです。

本格的なランタンを使ってみたいけれど、ガソリンランタンは価格も少し負担で扱いが難しそうと感じる人は、まずガスランタンから始めてみるのがオススメです。

●ガスランタンのデメリット

ガスランタンは安価で扱いやすい分、「燃費が悪い」というデメリットもあります。

また、寒さにも弱く、冬キャンプなどの寒い時期や場所では「光量が安定しない」ので、冬のキャンプには不向きです。

◎ガソリンランタンの特徴

ガソリンランタンはメンテナンスや使用の難しさから、初心者キャンパーさんには扱いが難しい(中級者~上級者向き)ランタンと言えます。

しかし、何と言っても、他のランタンと比べても光量が1番大きいというのが最大の特徴です。

◎ガソリンランタンのメリット

ガソリンランタンは光量が他のランタン比べて最も大きいことから、メインランタンとしてオススメです。

そして、ガスランタンに比べると燃費がよく、ポンピングという作業をすることで長時間安定した光量を保つことが出来るのがメリットです。

また、寒い時期でも光量が弱まることがないので、季節を問わずオールシーズン使えるところも魅力の1つです。

●ガソリンランタンのデメリット

ガソリンランタンは何と言っても他のランタンよりも価格が高いという点で、コスト面でも負担がかさんでしまいます。

そして、使用時の扱いの難しさや使用後にメンテナンスが必要と、何かと手間がかかってしまうのがデメリットと言えます。

こういった点から、初心者には手が出しにくいアイテムではありますが、使用やメンテナンス時のひと手間も、キャンプの雰囲気を味わえる醍醐味と感じる人も多いようです。

マントルの空焼き方法

マントルの空焼きは初心者の人は難しく感じてしまうかもしれませんが、「振動や風のない場所で作業をする」「炎を下から近づけて、まんべんなく燃やす」という2点に注意して、落ち着いて作業をすることで失敗を防ぐことが出来ます。

【マントルの空焼き方法】

➀空焼きをする前に、十分加圧しておきましょう。

そうすることで、空焼き直後のもろくなったマントルの破れを防ぐことが出来ます。

➁用意したマントルのシワを、指で軽く伸ばしていきます。

➂マントルのを上下・左右にゆがみがないか確認しながら取り付けます。

紐を結ぶタイプのものは、結んで余った部分の紐はハサミで切っておきましょう。

そうすることで、余分な紐の部分がマントルに触れて破れてしまうのを防ぐことが出来ます。

そして、結んだ紐の周りのシワも、出来るだけ均等に伸ばしておくのがポイントです。

➃燃料バルブは閉じたままで、ライターやチャッカマンで下からまんべんなく燃やしていきます。

➄結び目まで全体が白く灰状になったら、空焼きは成功です。

この時点でのマントルはとてももろいですので、振動や風邪で破れてしまわないように十分注意してください。

コツさえつかんでしまえば、マントルの空焼きも失敗せずに出来るようになります。

空焼きさえ出来てしまえば、あとはランタンを使ってキャンプの雰囲気を存分に楽しんでみてください。

マントルを空焼きしたらランタンを効果的に使いこなそう

マントルの空焼きが無事に終わったら、あとはキャンプでランタンを使いこなすだけです。

ランタンにはいくつか種類がありますが、キャンプ場では「全体を照らす光量が大きなランタン」と「手元を照らすランタンやライト」で使い分けるのがオススメです。

もちろん、サイトを明るく照らしておく意味もありますが、明かりには必ずと言っていいほど虫が寄ってきてしまいます。

自分が持っているライトや近くにあるランタンに虫が集まってくるのは、あまり好ましくありませんよね。

ですから、テントサイト全体を光量の大きなランタンで照らしておけば、ある程度はそちらに虫も誘導出来るので、虫よけとしても役立ちます。

その際、タープにあるフックにランタンを吊るしてもいいですが、ランタンスタンドを持参しておけば、好きな場所にランタンを設置出来るので便利です。

そして、テント内や足元を照らすのにはLEDランタンやヘッドライト、ペンライトなどがオススメです。

テント内は火気が使用出来ないため、ガスランタンやガソリンランタンは使えませんので、光量は劣りますが手軽なLED(電気)ランタンをサブとして持参しておくと便利です。

大光量のメインランタンと、テント内や足元を照らしてくれるサブランタンを使い分けると、雰囲気のあるキャンプも味わえて快適に過ごすことが出来ます。

ガスランタン選びのポイント

手軽に使えるガスランタンは、キャンプサイト全体を照らしてくれる大きめサイズのものから、手元を照らすのに便利な小さめサイズのものまでサイズも様々です。

そんな、お手軽価格で本格的な雰囲気も味わえるガスランタンを選ぶ時のポイントをご紹介します。

【ガスランタン選びのポイント】

〇タイプは用途に合わせたものを選ぶ

ガスランタンはキャンプサイト全体を照らす「メインランタン」と、テーブルランプなどに使用する「サブランタン」とで使い道が違ってきます。

ソロキャンプでは1つのランタンでメインとサブとして併用することも可能ですが、ファミリーキャンプなど大人数でのキャンプの場合では、「サブランタンは2~3個必要」になってきます。

小さめのサブランタンだけでは、メインとしてサイト全体を照らすには光量が足りません。

ですから、購入する際はメインランタンとサブランタンで用途に合わせて選ぶようにしましょう。

〇ガス缶の種類に合わせて選ぶ

ガスランタンの燃料となるガスは、大きく分けて「OD缶」と「CB缶」の2つのタイプがあります。

OD缶はアウトドア用のガス缶で、各メーカーから販売されています。

CB缶よりも対応しているランタンの種類も多いため、色々な種類のものからガスランタンを選びたい場合はOD缶の方がオススメです。

極寒の冬山や気温があまりにも低い場所には不向きですが、気温の低い時期や場所でも火力を維持出来るのがメリットです。

しかし、アウトドア専用ですので、CB缶に比べるとコストがかかってしまいます。

そして、手軽で低価格なのがCB缶といわれるカセットボンベ(ガスボンベ)です。

家庭で使われることも多く、コンビニやスーパーなどでも手軽に購入出来ます。

価格も安価なものが多いので、コスパ重視の人はCB缶がオススメです。

しかし、CB缶に対応しているガスランタンが少ないのが難点と言えます。

OD缶とCB缶の両方に対応しているガスランタンもありますが、購入前にCB缶が使えるかどうかは必ずチェックしておきましょう。

そして、寒い場所で使う際は火力の維持が難しく火力が弱まってしまうので、寒冷地で使用する場合は「低温用のCB缶」を準備しましょう。

もしもOD缶かCB缶で悩んでしまう場合は、「他のキャンプ道具の燃料と兼用出来るガス缶」を選ぶのがオススメです。

キャンプではシングルバーナーなど、ガス缶を使用するアイテムが沢山あります。

ですから、ガスランタンも他の燃料(ガス缶のタイプ)と合わせることで、コストも抑えられますし複数のガス缶を用意する手間も省けるので便利です。

〇燃焼時間を確認する

ガソリンランタンに比べてガスランタンは燃焼時間が短く、使用するランタンの種類にもよりますが、大体5時間前後のものがほとんどです。

1つのガス缶で長時間使用出来るかどうかで、ガス缶を複数準備するべきかも変わってきます。

ガスランタンを購入する際には、燃焼時間をチェックするのも1つのポイントです。

〇明るさで選ぶ

ガスランタンは「ルクス(Lx)・ルーメン(Lm)・ワット(W)」の3つの単位で明るさが表記されています。

ルクスは光に照らされた面の明るさを表し、ルーメンは照明器具そのものの明るさを表しています。

また、ワットは消費電力を表しています。

メーカーによる表記されている単位も違うため、比較しにくいところはあります。

しかし、メインランタンとして使う場合は、「300ルクス以上・1500ルーメン以上・150ワット以上」の明るさであれば十分な光量と言えますので、購入する際の参考にしてみてください。

ガスランタンは、マントルの空焼きさえ上手くいけば安価で手軽に使えるランタンです。

シーンや明るさなど、選ぶ際のポイントを参考にしつつお気に入りの1つを見つけてみてください。

ガソリンランタン選びのポイント

ランタンの中でも光量が最も大きいガソリンランタンは、キャンプに慣れてきた中級者~上級者の人にも人気のランタンです。

そこで、初めてガソリンランタンを購入する時のポイントをご紹介していきます。

【ガソリンランタン選びのポイント】

〇使いやすい燃料を選ぶ

ガソリンランタンの燃料は、主に「ホワイトガソリン」と「灯油」を使用するタイプの2つに分けられます。

ホワイトガソリンを使用するタイプは、寒い時期や場所でも着火しやすく、光量も他のものに比べても大きいのが特徴です。

キャンプサイトでもメインランタンとして使用されることがほとんどです。

しかし、メンテナンスに手間がかかる上に、ホワイトガソリン自体も高価なものが多いのがデメリットとしてあげられます。

一方、灯油を使用するタイプは、燃料が安価なのが魅力の1つです。

燃料とする灯油やランタン自体もガソリンランタンに比べると安いため、コスト面でも抑えることが出来ます。

しかし、明るさはガソリンタイプのものよりも劣ってしまうため、サブランタンとしてオススメです。

メンテナンスや着火などの手間はありますが、ガソリンタイプよりは扱いやすいため、初心者でガソリンランタンを使うなら灯油タイプの方がオススメです。

〇用途に合わせて選ぶ

こちらもガスランタンと同様に、メインランタンかサブランタンかで使い道が変わってきますので、用途に合わせて選ぶようにしましょう。

メインランタンとして使う場合は、「200CP」程度の明かりで少人数のキャンプで対応出来る明るさになります。(ロウソク1本分の灯りが「1CP」)

〇ポンピングが必要かどうかで選ぶ

一般的なガソリンランタンは、ほとんどが加圧式でポンピングという作業が必要になってきます。

点火前にポンピングが必要なタイプは、手早く明かりをつけたい場合には手間がかかり不向きです。

さらに、ポンピングが不足してしまうと、点火出来ないなどのトラブルの原因にもなってしまうため、初心者の人は特に注意が必要です。

ポンピングが不要な非加圧式のタイプは、灯油を芯に吸い上げるだけで使えるため、手軽に使うことが出来ます。

しかし、明るさとしては加圧式のような光量がないため、サブランタンとして使うのに向いています。

マントルの空焼きにも慣れたら、ガソリンランタンのようにひと手間かかるランタンを使用するのも味があっていいかもしれません。

好みに合ったランタンでキャンプの雰囲気を楽しもう!

マントルの空焼きは一見、面倒な作業にも思えますが、慣れてしまえばその作業もキャンプの雰囲気を楽しむ工程の1つにもなってきます。

さらに、選べるランタンの種類も増えますので、用途や好みに合ったものも探しやすくなります。

また、ガスランタンはキャンプ初心者の人でも手軽に始めやすいものも多くあります。

そして、キャンプに慣れてきた中級者~上級者の人は、ガソリンランタンでキャンプの雰囲気を一層盛り上げてみるのもいいかもしれません。

アイテム1つで変わるキャンプの雰囲気を、ランタンでもぜひ味わってみてください。

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