アウトドアで燃料と言えば、OD缶に詰まったLPガスかホワイトガソリンがポピュラーと言えるでしょう。
しかし、ケロシンとも呼ばれる灯油を燃料とするランタンがコールマンから発売されています。
入手にも手入れにも手がかかり、点火時にも念入りなポンピングが必要と手間がかかる一品ですが、使い込めば愛着が湧くこと間違いなしですよ。
他の人と違う道具を使いたいというあなたに、コールマンのケロシンランタンをご紹介します。
道具にこだわる方におすすめ!コールマンのケロシンランタン!
アウトドアではLPガスやホワイトガソリンを燃料とするランタンが使われることがポピュラーです。
一方で、灯油を燃料とするケロシンランタンというものもあります。
この記事では、コールマンから販売されている『639C700』というケロシンランタンをご紹介していきます。
まず、ケロシンランタンを使うことで得られるメリットについてご説明していきます。
ケロシンランタンは燃料として灯油を使いますが、灯油はLPガスやホワイトガソリンと比較すると非常に安価であるため、ランニングコストを非常に安価に抑えられるというメリットがあります。
また、灯油を燃やして得られる暖色の炎は非常に雰囲気のある光で周囲を照らしますし、光量もかなりあって非常に明るいです。
さらに、寒い時期には補助暖房としても使えるというメリットもあります。
しかし、そのようなメリットがある一方でケロシンランタンがマイナーであるのは、いくつかのデメリットもあるからです。
まず、着火の際にはジェネレーターを予備加熱するプレヒートと呼ばれる操作をすることが必要になるため、プレヒート用燃料として、灯油の他に別途アルコールを持っていく必要があるという事が挙げられます。
また、燃料がスムーズにいきわたるようにポンピングをする必要があるため、着火時には一苦労するかもしれません。
そのうえ、灯油はガソリンなどと比べると煤が出やすいので、頻繁なクリーニングが必要となります。
以上のデメリットがあることで、ケロシンタンタンは国内であまり普及していないのかもしれません。
しかし、以上のデメリットよりメリットの方が大きいと感じたり、単純に他の人がもっていない道具を使いたいという方は、ぜひケロシンランタンに挑戦してみてくださいね。
コールマンのケロシンランタンは国内販売無し!
前項でご紹介したコールマンのケロシンランタンですが、実は日本国内向けに販売を行っていません。
ではどうやって入手すればいいのかというと、ネットショップなどで並行輸入品を購入することとなります。
並行輸入はメーカーによる流通ではなく、第三者の手によって海を渡ってくるものなので、配送の途中で傷などがついたとしてもコールマン側に保証を求めることはできません。
そういったトラブルのリスクがあることもケロシンランタンがマイナーな理由なのかもしれませんね。
ある程度リスクを覚悟したうえで購入を決めましょう。
覚悟さえできてしまえば、今の世の中は便利なもので、注文を入れればすぐに購入出来てしまいますよ。
次の項では、ポンピングやプレヒートなど、ケロシンランタンを扱う上で押さえておきたい注意点についてご紹介していきます。
ケロシンランタンの使い方!ポンピングからプレヒートまで
コールマンに限らず、灯油を燃料とするケロシンランタンは、着火や消火の方法にクセがあります。
もしガスランタンやガソリンランタンのつもりで扱ってしまうと、最悪の場合火が上がってしまう事もありますよ。
ケロシンランタンをキャンプ先で使う前に、しっかりとランタンの仕様や使用方法、使用上の注意点を押さえておきましょう。
そこでまず、ケロシンランタンの着火方法についてご紹介します。
①まず、ランタンのホヤを外して、マントルを取り付けます。
マントルは、コールマンの#11がぴったりですよ。
マントルを取り付けたら、マントルの形を整えてからホヤを付けなおします。
②燃料タンクに灯油を注ぎ入れます。
満タンにはせずに、7~8割くらいを目安に注ぐのをおすすめします。
③燃料が入ったらポンピングをします。
ピストンは左に回すことで引き出すことができるようになりますので、穴を指でふさぎながら、30~50回を目安に、十分に圧がかかるまでポンピングしてください。
④ホヤの下の隙間から、細くてカーブしたノズルのボトルなどを利用して、マントルの下のお皿に一杯になるまでアルコールを注ぎます。
そこに火をつけることで、プレヒートとマントルの灰化を行うことができます。
⑤注ぎ入れたアルコールが無くなりそうになったら、十分にプレヒートが終わっていることがほとんどです。
ゆるやかにバルブを開くことで、気化した灯油がマントルに流れ込み、ランタンが点灯します。
以上、ケロシンランタンの点け方でした。
なお、火を消す時には燃料タンクの蓋を少しずつ開けて、タンク内の圧力を抜いてあげましょう。
勢いよく開ける事は避けてくださいね。
ケロシンランタンの注意点!ポンピングは念入りに行おう!
コールマンのケロシンランタンは加圧式と呼ばれる燃料供給方式で、使用前や使用中にポンピングが必要になります。
それでは、ポンピングを何のために行うのかというと、燃料タンクの中に空気を送り込むことで、圧力を高めるという作業をしています。
タンク内部の圧力が上がると、タンクの底に開口しているパイプを伝って燃料がジェネレーターに押し出されます。
ジェネレーターはプレヒートで熱されていますから、灯油が気化し、そこではじめて火が付くのです。
つまりポンピングは、加圧式ケロシンランタンを扱う上で非常に重要な作業と言えるでしょう。
先ほどはケロシンランタンの点灯方法をお伝えしましたが、ランタンが点灯するとあらかじめ高めておいた圧力が下がっていることがあります。
無事点灯させることができても安心せず、再度ポンピングを行って火の勢いを安定させるようにご注意ください。
ポンピングができない!?ケロシンランタンの不調に対策!
灯油を燃料とするケロシンランタンは、ホワイトガソリンを燃料とするランタンと比べるとメンテナンスをまめに行う必要があります。
メンテナンスが十分でないと、これからお伝えするような症状が発生するかもしれません。
そこで、起こりやすいトラブルと、その対策をお伝えします。
輸入品ですからコールマンの日本支社ではメンテナンスを請け負ってもらえませんので、自力でメンテナンスをやり遂げましょう。
〇チェックバルブの固着
灯油は放置すると変性して粘性が高まりやすくなり、変性した灯油が逆止弁に付着するとポンピングしても圧力が上がらないという事態に陥ることがあります。
【対策】
ランタンを使用しない時にはタンクから灯油を抜いておくようにしましょう。
また、チェックバルブをパーツクリーナーで洗浄することで逆止弁の機能を取り戻すことができます。
〇ポンプカップの劣化・油切れ
ポンプの先端で気密を取る部品であるポンプカップは劣化しやすい部品です。
【対策】
定期的に油をさしてあげるようにして、もしスカスカになってしまったら新品と交換しましょう。
〇ジェネレーターの詰まり
火の付きが悪い時や突然消えてしまう場合、ジェネレーターに煤やタールが詰まっている可能性があります。
【対策】
ジェネレーターの詰まっていそうな箇所を炎で炙り、煤やタールを焼き飛ばしましょう。
ただし、クリーニングロッドの先端のニードルは火に当てないようにしてください。
最後に依然付着しているカスを落としてあげれば完了です。
コールマンのサポートは受けられない?覚悟のうえで入手しよう
ケロシンランタンは国内販売されていないため、輸入品を使うことになるとお伝えしましたが、メーカーの保証は販売国内でのみ有効であることが多いです。
コールマンのケロシンランタンも例にもれず、日本で使っていると保証がききません。
先ほどお伝えしたような、出来る限りのメンテナンスを自分で行う覚悟が無いと、ケロシンランタンを使い続けることは難しいかもしれません。
特に、ポンピングの不良やジェネレーターの詰まりなどは燃料に灯油を使っている以上避けられないトラブルと言えますから、すでに他のガソリンランタンを使っていて自分でメンテナンスできるくらいのスキルがある方以外には積極的におすすめはできません。
ランニングコストや明るさといった多くのメリットがあるケロシンランタンですが、その分デメリットもありますので、しっかりと覚悟の上でご購入ください。
手がかかるけどメリットも多い!ケロシンランタンを使ってみよう
以上、コールマンのケロシンランタンについてご説明してきました。
ガソリンやLPガスを使うランタンと比べるとデメリットがありますが、それを補うほどのメリットもあります。
プレヒートやポンピングをしっかり行えるようになって、玄人向けツールのケロシンランタンを使いこなしましょう。