「ペトロマックスhk500」は、その見た目や点火方法など、レトロ感が魅力的なランタンです。
しかし、点火までの手順が多いため、扱いに慣れるまでは苦労される方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では「ペトロマックhk500」の点火の手順を詳細に、なるべく分かりやすく解説します。
最初に「ペトロマックスhk500」の仕組みを知ろう!
この記事では、「ペトロマックスhk500」の点火までの手順を解説します。
「ペトロマックスhk500」は「加圧式ランタン」と呼ばれる種類のランタンです。
点火手順をスムーズに行うために、まずは「加圧式ランタン」の仕組みについて解説します。
「加圧式ランタン」の光源はバーナーの火とそれを包み込むマントルです。
マントルは火にさらされると非常に明るく輝く性質をもっています。
そのため、バーナーの小さな火でも辺りを照らす光源として利用できるようになります。
バーナーの燃料は、ポンピングによって発生させた燃料タンク内の圧力によって移送されます。
燃料タンク内の圧力によって、燃料はホヤガラス内部のジェネレーター(気化器)へと運ばれます。
ジェネレーターは予熱やマントルからの熱によって加熱されているため、その内部を通る燃料は気化します。
気化した燃料はジェネレーターのニップルから、ランタン上部のガスチャンバー内に吹き出します。
そのガスチャンバー内で、気化した燃料は空気と混合され、燃えやすいガスになります。
そのガスはマントル内のノズルから吹き出し、そこで点火されます。
そして、その火がマントルとぶつかることで強力な輝きを発生させます。
「ペトロマックスhk500」の点火の準備!マントルの取り付け!
それでは、この章から「ペトロマックスhk500」の点火までの手順を解説します。
最初に、ランタン上部のヘッドカバーとインナーチムニーを取り外します。
ヘッドカバー両側についているねじを緩めることで、ヘッドカバーとインナーチムニーが取り外せます。
この際に、ホヤガラス上下にピンクのカバーがある場合は、それを取り外します。
取り外したインナーチムニーの下部にある、ノズルおよびガスチャンバーに緩みがないかチェックします。
続いて、インナーチムニー上部の、逆U字型のチューブを固定しているねじが緩んでいないかをチェックします。
そして、ジェネレーター上部のニップルに緩みがないか、付属のスパナを使ってチェックします。
この3点に問題がなければ、マントルをノズルに取り付けます。
巾着袋状のマントルの口を、ノズルのくびれの位置に合わせます。
マントル上部の紐を引っ張りマントルの口をすぼめたら、その紐を固く2重結びします。
ノズルからマントルの提灯がぶら下がる状態になっていれば、マントルは正しくセットできています。
紐を結びマントルが固定できたら、余ったひもは切り取ります。
ヘッドカバーとインナーチムニーを戻して燃料を入れよう!
前章で「ペトロマックスhk500」の点火の手順のうち、マントルの取り付けまでが終わりました。
この章では、ヘッドカバーとインナーチムニーの取り付けから、ポンピングの準備までを解説します。
マントルの取り付けができたら、ヘッドカバーとインナーチムニーを元通り取り付けます。
このとき、インナーチムニーの窓から、ジェネレーターのニップルが見えるようにセットしてください。
また、ヘッドカバーは、上部のすき間からインナーチムニーの逆U字型のチューブが見えるようにセットしてください。
最初に緩めたねじを締め、ヘッドカバーとインナーチムニーを確実に固定します。
ヘッドカバーとインナーチムニーを取り付けたら燃料タンクに燃料を注ぎます。
燃料タンクの圧力計付給油キャップを反時計まわりに回して外します。
続いて、付属のじょうごを用いて、燃料の灯油を燃料タンクに注ぎます。
なお、燃料は燃料タンクの7分目を超えないようにします。
燃料タンクのキャップを締めたら、本体横の青色のグリップホイールの矢印を上向きにします。
同時に、予熱バーナーのレバーを閉じ、圧力計付給油キャップの圧力調整スクリューを締めます。
「ペトロマックスhk500」の点火の肝!ポンピングをしよう!
「ペトロマックスhk500」は、燃料タンク内の圧力によって燃料を移送します。
その圧力は、燃料タンクに取り付けられた手動のポンプによって発生させます。
ポンプのノブを回してポンプのロックを外しポンピングをします。
ポンピングは、圧力計のゲージが「1」と「2」の間の赤い線の位置に達するまで続けます。
ポンピングはランタンの点火状態を左右します。
多少時間がかかりますが、赤い線の位置に達するまで確実におこないましょう。
ポンピングをしすぎて赤い線を越えてしまった場合は、圧力調整スクリューで調整します。
もしも、ポンピングを続けていても圧力が上がらない場合は、燃料タンクが密閉されていないことが考えられます。
その場合、燃料タンクのキャップ、圧力調整スクリュー、グリップホイール、予熱バーナーの位置をチェックしましょう。
それでも圧力もれが発生する場合、ポンプロッドの革パッキンか燃料タンクのゴムパッキンの硬化が考えられます。
革パッキンの場合は取り外してパッキンを広げ必要に応じグリスを塗布し、ゴムパッキンの場合は新品に交換しましょう。
焦らないのがポイント!マントルのカラ焼きをしよう!
今回は新品のマントルを使う想定で、「ペトロマックスhk500」の点火の手順を解説してます。
新品のマントルの場合「カラ焼き」という行程が必要であるため、その手順についてもご説明します。
なお、いったん「カラ焼き」をおこなえば、次からは必要ありません。
ポンピングが済んだ状態で、燃料タンクの予熱バーナーのレバーを手前に引きます。
すると、そこからランタンのホヤガラス内部に向けてガスが噴射されます。
そのガスにマッチなどを用いて点火します。
予熱バーナーから吹き出した炎により、マントルの一部が黒く焦げたようになり燃え始めます。
マントルが燃え始めたら予熱バーナーのレバーを戻して予熱バーナーの炎を消します。
マントルが燃え始めると、黒く焦げた部分がマントル全体に広がります。
そして、燃え尽きた場所から白い灰に変化します。
マントル全体が完全に白い灰に変化すれば「カラ焼き」は完了です。
なお、マントルの燃え始めから白い灰になるまでに少々時間がかかります。
マントル全体が白い灰になるまで焦らず待つようにしてください。
また、白い灰になったマントルはもろくなっているため、扱いに注意してください。
最終ステップ!しっかり予熱をしたら点火しよう!
カラ焼きが済んだら、いよいよ最後のステップである「点火」をおこないます。
その前に、カラ焼きによって低下した燃料タンク内の圧力を戻すため、ポンピングをおこないます。
ポンピングが終わったら予熱をおこないます。
予熱バーナーのレバーを手前に引き、噴出するガスに点火します。
そして、そのまま最低90秒以上予熱をおこないます。
「ペトロマックスhk500」は、ホヤガラス内のジェネレーター内で熱によって燃料を気化させます。
そのため、この予熱によってジェネレーターを十分に熱する必要があります。
予熱中に燃料タンク内の圧力が低下したらポンピングをおこない、圧力を維持します。
十分に予熱ができたら、グリップホイールの矢印が下向きになるように回します。
すると、マントルが明るく輝き始めます。
マントルが輝き始めたら、予熱バーナーのレバーを戻しバーナーの炎を消します。
これで点火は完了です。
燃料タンク内の圧力が低下してきたら、必要に応じてポンピングをおこないます。
消火は圧力調整スクリューを反時計まわりに回すことでおこないます。
大まかな流れを覚えてスムーズに点火しよう!
「ペトロマックスhk500」の点火の手順を簡単にまとめます。
最初にマントルを取り付けます。
次に、燃料を注ぎポンピングをします。
続いてマントルをカラ焼きします。
マントルをカラ焼きしたら、予熱バーナーで予熱をします。
十分に予熱したら、炎が出ている状態でグリップホイールを回せばマントルが輝き始めます。
スムーズにできるようになるまで時間はかかるかと思いますが、実際のキャンプ時に慌てないように、練習しておきましょう。