スカルパは、イタリアの老舗アウトドアシューズメーカーとして、クライミングシューズを長年にわたって製造しています。
製造しているモデルは多岐にわたり、高品質で履きやすいと世界中のクライマーから厚い信頼を得ています。
例えば、スカルパの人気モデル「キメラ」は、サイズ感の調整がしやすいのですが、フィット感が強いため上級者向けです。
ここではスカルパのクライミングシューズについて詳しくご紹介していきます。
靴という意味のスカルパはイタリアの老舗
登山靴やクライミングシューズの名品を生み出すメーカーとして、世界的に知られているのがスカルパです。
スカルパはイタリアのシューズメーカーで、「スカルパ」という名前自体が「靴」を意味します。
登山靴、クライミングシューズ、スキーブーツ、アプローチシューズなど、山に関する靴をメインに製造しています。
創業からおよそ80年の老舗であり、長い歴史が豊富な経験や知識を蓄えて高品質な靴を生み出しています。
おしゃれなイタリアのメーカーらしく、デザインも美しく独特です。
美しいだけでなく、厳しいシーンにも耐えうる頑丈さも持ちあわせています。
もの作りにおいてコストや効率が重視される昨今、丁寧な靴作りは高品質な靴を生み出し、高い評価を得続けています。
スカルパは日本では大きな知名度はないものの、近年のクライミング、ボルダリング人気の高まりとともに認知されるようになってきました。
ボルダリングジムに行くと、スカルパのキメラやドラゴなどを履いている人を見かけることもあります。
ところで、クライミングシューズを選ぶ際に大切なのはサイズ感です。
どのようなポイントでクライミングシューズのサイズ感を考えれば良いのでしょう。
はじめてのシューズはサイズ感を攻めない
クライミングは「登る」というシンプルなスポーツなので、「シューズ」がとても大切な要素になってきます。
岩肌やホールドを足先だけでとらえる必要があるからです。
よくいわれるのが、クライミングシューズは小さめのものを選ぶ、ということです。
これは正しいのですが、はじめの一足はあまりサイズ感を攻めすぎない方が良いです。
「痛い」と感じるのであれば、サイズを変えてみたりシューズを変えてみたりしましょう。
クライミングシューズにもいろいろあり、ぎゅうぎゅうに足を詰め込まなくてもフィット感が得られるものもあります。
シューズの中で足が動いたり、脱げたりしてしまうようなことがなければOKです。
痛くなく、フィット感もあるシューズを選ぶことが大切です。
サイズ感を攻めるのは、もう少しクライミングに慣れてからでも良いでしょう。
また、クライミングシューズのサイズ感はメーカーによって異なります。
さらにシューズの形状もさまざまなバリエーションがあるため、試し履きしないでシューズを購入するのはやめた方が良いです。
スカルパはユーロサイズで表記されているため、しっかり試し履きして、確認してから購入してください。
そして同じメーカーでも、モデルによってサイズ感が異なることがあります。
同じスカルパでも、キメラのサイズとほかのモデルのサイズが同じとは限りませんので、これも注意してください。
シューズごとに試し履きが必要です。
サイズ感以外に知っておきたいクライミングシューズの特徴
サイズ感を含めて、クライミングシューズを選ぶためには、シューズの特徴を知っておかなくてはなりません。
クライミングシューズは通常のシューズとは全く違った形状をしています。
選ぶポイントは、サイズ感以外に大きく2つあります。
●着脱方式
「スリッパタイプ」
スリッパのように履きやすいタイプです。
サイズ感の調整はできません。
「ベルクロタイプ」
ベルクロにより、フィット感やサイズ感を調整できます。
柔軟性と拘束力を両立でき、初心者にもおすすめです。
「レースアップタイプ」
靴紐による繊細な調整が可能です。
フィット感が強く、上級者向けです。
●ソールの形状
「フラット」
平らなソールです。
クセが少なく履きやすいです。
「ダウントゥ」
つま先とかかとが下方向に湾曲しています。
強傾斜には力を発揮します。
「ターンイン」
親指方向にカーブしています。
「ストレート」
つま先からかかとまでまっすぐなソールです。
これらのクライミングシューズの特徴を踏まえて、キメラなどのスカルパのクライミングシューズを見てみましょう。
スカルパの特徴!ビビッドカラーが目をひくキメラ
スカルパのクライミングシューズの特徴についてお話しします。
●フィット感
スカルパのクライミングシューズには、高品質な皮が使われています。
柔軟な皮は足にフィットし、さまざまな障害物に適応してくれます。
●サイズ感
皮が伸びることを考慮し、少しきつめといわれています。
フィット感を重視し、ピッタリと履くことを意識していると考えられます。
ただ、皮製のシューズは、履き込んでいくうちに伸びて足に馴染んできます。
少しきついシューズを選んだ方が良いといわれるのはそのためです。
●デザイン性
スタイリッシュなデザインから、ビビッドなカラーまで、イタリア製ならではの個性的なデザインが勢ぞろいしています。
キメラは、ビビッドなイエローとスカイブルー、レッドが印象的で、一度見たら忘れられないデザインになっています。
キメラに詰め込まれた技術!レースはサイズ感も調整しやすい
クライミングシューズには「スリッパタイプ」「ベルクロタイプ」「レースアップタイプ」と3つの着脱方式があり、スカルパもそれぞれのタイプのモデルをリリースしています。
現在では、着脱しやすく調整ができるベルクロタイプが主流です。
しかし、フィット感やサイズ感を繊細に調整しやすいレースアップタイプは、上級者に根強い人気を誇っています。
スカルパの定番ともいえるドラゴやフューリアはベルクロタイプですが、これらを上級者向けにレースアップタイプにしたモデルがキメラです。
しかし、ただ単にドラコ、フューリアをレースアップにしたというわけではありません。
新たな技術を詰め込んだ、革新的なクライミングシューズになっています。
●つま先
つま先部分に使われているプラスティックパネルは「TPS(Toe Power Support)」といい、人体構造学をもとにサーモ技術を用いて成型されています。
このTPSにより足へのフィット感が増し、つま先の力を岩壁にしっかりと伝えてくれます。
スメアリングの際には強いグリップ力を感じられることでしょう。
●土踏まず
ブルーの部分のラバーバンドには「PCB-Tension System」が採用されています。
このシステムが土踏まずを持ち上げるようにしっかりと支えて、フィット感とともに足裏の感覚がアップします。
●レースアップシステム
スカルパ独自の「スピードレース機構」が採用されています。
素早い調節ができ、横方向だけでなく縦方向にテンションがかかるようなレースになっています。
このように、スカルパの技術力を注ぎ込んだクライミングシューズが「キメラ」なのです。
キメラ以外のスカルパのシューズも履いてみよう
キメラはホールド感がしっかりしていて、かっちりと履きたい上級者向けのクライミングシューズです。
そのため、初心者の時点で履こうと思ってもなかなか難しいかもしれません。
スカルパのクライミングシューズは、ほかにも魅力的なものがたくさんありますので、そちらもご紹介します。
●ブースターS
軽さ、フレキシビリティ、足裏感覚を追求したのがブースターSです。
2本のベルクロにより、フィット感を高めることができます。
クセがないため、どのようなシーンでも履きやすいモデルになっています。
●インスティンクトVS
インドアから岩壁までこなせるオールラウンドモデルです。
アウトソールが前部と後部で分かれているため、柔軟で繊細な足裏感覚をつかむことができます。
●スティックス
これまでにご紹介してきたものに比べて少しクセが強いモデルです。
ターンインモデル(ソールが親指の方向にカーブしている)となっており、ダウントゥモデルでもあります。
この形状により、優れたフィット感を実現しています。
強い前傾斜壁やルーフに向いています。
同じスカルパのシューズでも、モデルによって形状やクセは相当異なります。
スカルパのクライミングシューズはモデルによってそこまでサイズ感が変わらない、という評価もありますが、やはり試し履きは必要です。
いろいろ履いてみて、ピッタリのクライミングシューズを見つけましょう。
レンタルシューズでは物足りなくなるかも?
東京オリンピックの競技種目となったことから、これからさらに注目が集まることが予想されるクライミング競技。
これから始める人も、何度かやったことがある人も挑戦しているうちに、レンタルシューズでは物足りなくなると思います。
東京などの大都市では豊富な品揃えのショップもありますので、お出かけのついでに寄ってぜひ実物を手に取ってみてください。