イカと聞くと、「煌々と電飾を光らせた漁船におびきよせて漁をする」というイメージを思い浮かべる方も多いでしょう。
そのため、釣りの経験が浅い人にとっては釣りのターゲットとしての印象は薄いかもしれません。
しかし、ヤリイカは冬になると堤防までやってくるため、船で海に出なくても陸っぱりで狙えるものなのです。
この記事では、堤防でヤリイカ釣りを始めたい方に向けて役立つ情報をお伝えします。
堤防からイカ釣り!沖に出なくても釣れる!
釣りといえばもちろん、魚を釣るアクティビティーのことです。
趣味として毎週末水辺で竿を垂らしている方もいらっしゃると思いますし、昔ちょっとだけしたことがあるという方や、経験はないけれど興味はある方など、一般的に周知されているものですよね。
しかし、釣りの中には魚と言うには不思議な形をしているイカやタコを釣るものもあります。
こういった生き物はなんとなく沖に出ないと釣れないようなイメージがありますよね。
実は、ヤリイカは堤防のような人の手が入った海辺でも釣ることができるものなのです。
そのうえ、比較的シンプルな仕掛けで挑戦することができます。
ヤリイカはイカの中でもおいしい品種です。
釣れれば、イカそうめんやいかの塩辛といった新鮮なイカでなければ楽しめない調理法で食べてもいいですし、オーソドックスに焼いたりフライにしてもスーパーで買うものとは一味違いますよ。
この機会に、ヤリイカ釣りに挑戦してみてはいかがでしょうか。
ヤリイカ釣りのために生態を知っておこう!
ヤリイカ釣りの方法について詳しくお伝えする前に、まずはヤリイカについて知っておきましょう。
ヤリイカは北海道から九州まで、日本の広い範囲に生息しているため、日本の食文化に深く根付いています。
例えば、イカ刺しやお寿司のように生で食べる他にも、焼いたり揚げたりしてごはんのおかずにもされていますし、イカの干物や塩辛はおつまみとしても馴染み深いですよね。
以上のようにヤリイカは食用でおなじみのイカですが、どのような生態をしているかは知らない人のほうが多いと思います。
まずはイカがどのような生き物かについてです。
イカは、タコとともに軟体動物に分類されるため、脊椎動物である魚よりは貝やウミウシに近い仲間なんですよ。
そんなヤリイカの寿命は、意外にもたった1年です。
そのため、釣りをする時期によって釣れるイカのサイズは概ね予想することができます。
例えば、堤防からヤリイカ釣りができる冬から春の時期には産卵を控えた大きいヤリイカが釣れますし、子持ちのヤリイカが釣れることもあります。
また、夏から秋にかけては卵からかえった子イカがたくさん釣れます。
サイズは違えど、どちらも旬で美味しい時期なので、このタイミングを狙わない手はありませんよね。
イカ釣りの道具は?堤防からヤリイカを狙う構成
堤防からヤリイカを狙って釣りをする場合、どういった釣具を用意すればいいのでしょうか。
イカ釣りのなかでもオーソドックスな方法は『エギング』というものです。
これは非常にシンプルな仕掛けで釣りをすることができますので、初心者にもおすすめですよ。
ここでは、エギングをするために必要となるものをご紹介します。
【エギングの道具】
・ロッド
・スピニングリール
・エギ
・シンカー
・PEライン(メインライン用)
・フロロカーボンライン(リーダーライン用)
これらを見てみると、ほとんど竿とリールとエギだけで構成されていることがわかりますね。
このシンプルさもあって、近年イカ釣りの人気が高まっているのです。
ちなみにエギとは日本で昔から使われていた漁具で、現代で言うルアーのようなものです。
エギングでは、ヤリイカがエギに抱きつく習性を利用して釣り上げます。
堤防でヤリイカ釣りを行う場合の釣具選びのコツ
先程の項ではヤリイカを狙う仕掛けについてご紹介しました。
ロッドとリールに加えて、エギが重要になるということがおわかりになったと思います。
この項では、これらの釣具の選び方について詳しくお伝えしていきます。
■ロッドの選び方
堤防からヤリイカを狙ってエギングをする場には、3m~5mくらいの長さで硬調のロッドを使うことをおすすめします。
柔らかいロッドを使うと、エギをシャクったときやイカを引き上げるときにロッドが折れてしまう可能性があるためです。
しかし、柔らかい竿にはイカを引き上げるときに身がちぎれにくいというメリットがあります。
おすすめは硬調ですが、釣りを重ねる中で好みの柔らかさを見つけてみてください。
■リールの選び方
堤防からエギングをする場合には、スピニングリールがおすすめです。
2500番くらいがちょうどいいでしょう。
資金に余裕があれば、ダブルハンドルタイプを選ぶとエギの操縦性が向上します。
■エギの選び方
エギングにおいて、エギは非常に重要な要素となります。
天気や時間帯、海のにごり方に応じて色を変えたり、潮の流れや深さに応じて重さを変えないと、大漁は望めません。
入手しておきたい色のエギは、グリーン系・ピンク系・オレンジ系の三種類です。
グリーンは晴れた日や澄んだ海で使います。
ピンクは曇っている日や、少し濁った海で使います。
オレンジは、雨の日や海が濁っている日に使ってください。
続いて、入手したいエギの号数は、2.5号・3号・3.5号です。
深いほど大きい号数のエギを使ってください。
ヤリイカを釣る手順とコツをご紹介!
ヤリイカ釣りの道具の解説が終わったところで、具体的にエギングの方法をご紹介していきます。
エギングではエギを着底させてから『シャクリ』と『フォール』を組み合わせてイカにアピールします。
『シャクリ』はエギを引き上げる動作で、エギングの時には2段階に分けたシャクリをします。
堤防からエギを投げ込んで着底したら、まず竿を立てて大きく引き上げます。
そしてラインを緩めて少し間を置き、今度は小さく引き上げます。
次に『フォール』です。
フォールはエギを沈める動作で、フリーフォールとテンションフォールに別れます。
フリーフォールはその名の通り、ラインを緩めて自然に着底させることです。
一方フリーフォールは、ラインを引きながら沈める動作で、エギが手前に移動しながら着底します。
フォールの最中にエギにイカが乗りますので、集中してあたりを取りましょう。
これらの動作を繰り返すことで、イカのエサである甲殻類の動きをまねするのがエギングです。
はじめは難しいかもしれませんが、練習してうまく動かせるようになりましょう。
釣れたイカの楽しみ方
ヤリイカ釣りに成功したら、たくさんのイカをゲットできます。
ここでは、釣れたイカの楽しみ方を簡単にご紹介します。
■イカ刺し
イカを開いてから皮を剥き、好みの幅に切って頂きましょう。
注意点は、真水で洗うと味が落ちるということです。
キッチンペーパーなどで拭いて汚れを落としましょう。
また、寄生虫のアニサキスにも注意が必要です。
アニサキスは目視でわかるサイズの白くて細長い虫です。
イカの身に濁った場所があればアニサキスがいる可能性がありますので、その部位は十分に加熱してからいただきましょう。
■沖漬け
釣れたばかりのイカを、堤防で沖漬けにしてしまいましょう。
作り方は簡単で、バケツの中で墨を吐かせたイカを、生きたまま家から持参した沖漬けのタレに漬け込むだけです。
生きているイカですから当然暴れますので、手際良く行いましょう。
沖漬けのタレの作り方もシンプルです。
醤油:みりん:酒=2:1:1 となるように鍋で混ぜて、そのまま沸騰させて冷ませば出来上がりです。
ただし、沖漬けにすればアニサキスが弱るという話をよく耳にしますが、100%安全なわけではありません。
不安であれば一度冷凍してから食べることをおすすめします。
■釣りのエサ
新鮮なイカはおいしいですが、どうしても食べきれなくなってしまうこともあるかもしれませんね。
あるいは、食べようと思っていたら少し古くなってしまい、食べるのに躊躇する状態になる場面もあるかもしれません。
そういった時には、イカを釣り餌にしてしまいましょう。
短冊状にカットして冷凍しておけば、次の釣りまで保管しておけます。
針持ちがいいため、便利に使えますよ。
ヤリイカは釣れる!旬の時期には堤防でエギングしよう!
この記事ではヤリイカのエギングについてご紹介してきました。
漁船で水揚げされるイメージが強いヤリイカですが、陸っぱりからエギングで釣ることもできます。
ヤリイカ釣りに挑戦してみたい方は、ヤリイカが接岸する冬から春と、夏から秋の時期を逃さないようにしましょう。
ヤリイカをたくさん釣り上げて、素敵な夕飯にできるといいですね。