カヌースラロームなどの競技の練習にはどんな知識が必要!?

最終更新日:2019/01/15

カヌーは、オリンピック競技としても注目されています。

スラロームをはじめとしたカヌー競技は、激しい激流のなかで行われるものも多いです。

そのため、安全面の考慮はもちろん練習も不可欠です。

カヌーには様々な競技がありますが、その内容をご存知ない方も多いのではないでしょうか。

今回はカヌー競技に関してまとめるとともに、カヌーを行う際の注意点などにも焦点を当てていきます。

カヌースラロームとは!?

ここでは、カヌースラロームについての基礎知識をお伝えしましょう。

カヌースラロームは、カヌー競技のなかの一つです。

競技エリアは、全長250m~400mのコースです。

ゲートは、ダウンゲートとアップゲートの2種類です。

ちなみにダウンゲートは上流から下流、アップゲートは下流から上流の通過方向をいいます。

水中で立っていられないほどの激流の中で行わるため、カヌー競技のなかでも難易度が高いです。

競技中は、運動性や回転性を駆使した高度なテクニックが求められます。

持久力はもちろん、総合的なバランスが重要です。

それぞれ2本のポールで構成されていて、スタートからゴールまでのタイムを競います。

また各ゲートを通過する際は、ペナルティータイムによっても勝敗が左右されます。

ゲートを通過していない場合、特に大きなペナルティータイムが科せられます。

既定の方向以外のゲート通過も、通過していないものとみなされます。

50秒ほどのペナルティータイムが科せられますので、注意が必要です。

カヌースラロームは、練習はもちろん、ルールの理解も重要となります。

カヌースラローム以外のカヌー競技

カヌースラローム以外にも、様々なカヌー競技があります。

主なものを以下にまとめました。

【カヌースプリント】

1人~4人乗りの艇で、一斉に走り出し、早くゴールに着いた順を競います。

レーンの中央を漕ぐように注意することが重要です。

もしレーンからはみ出した場合は、失格の対象となります。

【カヌーワイルドウォーター】

激しい流れの河川を下る競技です。

岩などの障害物にいち早く対応することが求められます。

レースは、短距離のクラシック、長距離のスプリントがあります。

【カヌーポロ】

近年、日本でも人気が高い競技です。

団体戦のため、練習のときから複数で協力してできるのも魅力です。

川以外の海などでも競技が可能で、場所を選ばず行えます。

【ドラゴンカヌー】

カヌー競技の中で、最も歴史のある競技です。

日本はもちろん、主に東南アジア諸国で広まってきました。

【カヌーフリースタイル】

競技内容の激しさから、「水上のロデオ」とも呼ばれます。

激流の中で艇を自在に操作しなければならず、高度なテクニックを要します。

カヌースラロームなどの練習場所

カヌースラロームをはじめとしたカヌー競技は、普段の練習がポイントとなります。

ここでは、練習に適した場所をご紹介します。

【那珂川】

関東内では3番目に大きな川です。

水のきれいさが目を引き、清流としても知られています。

初夏には鮎つりも盛んに行われ、観光客の集客に役立っています。

ですが混み合う時期でもありますので、練習する時期には適していません。

普段は穏やかな川ですが、雨などで増水しているときは危険です。

天候の確認も大切です。

【長瀞渓谷】

埼玉県の秩父にある渓谷です。

岩畳が有名で、国の名勝・天然記念物に指定されています。

キャンプにもおすすめの渓谷ですが、急流の場所もあります。

各所ある急流の場所は、カヌーの練習に最適です。

【御岳渓谷】

御岳渓谷を流れる多摩川は、日本名水百景にも選ばれた水質のよさが特徴です。

ラフティングなどを楽しむ人も多くみられます。

それと同時に、多摩川はカヌー競技の有数な場所なのです。

川の流れも変化が多く、難易度が高いカヌースラロームなどの練習にもおすすめです。

カヌーの練習をする際の注意点

カヌー人口に比例して、カヌーでの事故も増えています。

特にカヌースラロームなどの激流のなかで行う競技での事故は、命に係わることもあります。

ここでは、カヌーをより安全に行うための重要なポイントをご紹介します。

まず、練習の際もライフジャケットの着用を徹底しましょう。

万が一転覆などのトラブルがあった場合でも、ライフジャケットの浮力で溺れるリスクが減ります。

カヌーを行う前に、装着の練習をしておくとよいでしょう。

自分の身体のサイズに合ったライフジャケットを選ぶことも大切です。

また、自分がどのようなテクニックやレベルのカヌーを行うのかを把握しましょう。

カヌーは、それぞれに応じたモデルがあります。

そのモデルに合った技術や操作の仕方を学びましょう。

カヌーは自然のなかでで楽しむもののため、温度変化への対応も重要です。

ウエアなども、その日の気温や水温に合わせて選んでください。

カヌー専用のものもおすすめです。

速乾性があり、衣服が濡れることにより起こる体温の低下を防ぎます。

ちなみに体温の低下が続くと、低体温症候群に陥る可能性があります。

これは、濡れた衣服の長時間の着用などが原因で起こるものです。

症状としては、意識や心拍数の低下などがあります。

ろれつが回らないなどの言語障害も特徴の一つです。

水温や気温が比較的高い夏場などでも起こる場合もあります。

これらの症状が出ているときは、注意が必要です。

カヌーが転覆したときは

カヌー初心者の中で多いトラブルの一つとして、転覆があります。

転覆した艇から脱出することを脱艇といいます。

ここでは、この脱艇の方法をご説明します。

①転覆した際、胸や顔を大きく前傾します。

甲板の前面に付くほどの前傾が目安です。

②片手にパドルを持ち、コックピットの斜め後ろまたは横に手をつきます。

肘を伸ばし、甲板を手で押しつつ腰をコックピットから出してください。

次に、もも、膝、すねの順に外へ出していきます。

それぞれ、膝を曲げずに出すことがポイントです。

その後カヌーの横へ移動し、下から上へ持ち上げるようにカヌーを起こします。

この際、水がカヌーに入らないように行うのがポイントです。

そして、カヌーを押しながら岸まで泳ぎます。

脱艇したら、カヌーの中に入った水を抜きます。

船を一気に裏返し、急いで持ち上げて水を抜いてください。

また2人で行う場合は、まず艇首と艇尾の部分をそれぞれ持ちます。

艇を傾け、徐々に水を抜きながら裏返しましょう。

先述した通り、カヌースラロームなどは激流のなかで行われます。

そのため、転覆の際は早急な脱艇が重要となります。

転覆のトラブルに備えて、脱艇の練習を普段から行っておくとよいでしょう。

練習と筋トレの併用はカヌーのパフォーマンスアップに効果的!?

先述した通り、カヌースラロームをはじめとするカヌー競技には練習が不可欠です。

また、筋トレでカヌーを行う際に重要となる筋肉を鍛えることも大切です。

なかでも、背中の筋肉である広背筋は、重要な筋肉です。

ここでは、広背筋を鍛える方法をご紹介します。

【懸垂】

①身近にある、鉄棒を使って行いましょう。

肩幅より広い位置で鉄棒を握ります。

手の甲の部分が自分の方向にくるように握ってください。

②背筋を伸ばしたら、身体を持ち上げます。

最低でも、手の位置まで顎を上げるようにしてください。

この状態で1秒間体勢をキープし、ゆっくりと元に戻ってください。

これを、10回繰り返しましょう。

3セットが目安です。

【ワンハンドローイング】

①椅子などを用意し、ダンベルを使って行います。

右手にダンベルを持ったら、左手をまっすぐ伸ばし椅子を掴みます。

左側の膝を椅子の上に乗せます。

②視線はまっずぐ前を向き、頭からお尻までを約20度ほど傾けます。

ゆっくり息を吸ったら、脇腹のあたりまでダンベルを一気の持ち上げます。

③この状態を2秒キープし、ゆっくりと元に戻ってください。

左右10回を2セット行いましょう。

様々なカヌー競技を安全に行うために

カヌーには、カヌースラロームをはじめ様々な競技があります。

競技により難易度も分かれ、カヌー初心者から愛好家まで幅広く楽しめるのも魅力です。

水上で行うカヌーは、水の事故とも隣合わせです。

転覆などのトラブルにも対応できるよう、準備しておくとよいでしょう。

カヌーは大きなパワーを要するため、練習とともに筋トレを取り入れるのもおすすめです。

パフォーマンスアップだけでなく、怪我の予防にも繋がります。

カヌーは、楽しむことと同時に安全への配慮も求められるのです。

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