安全にカヤックに乗って事故を防ごう!吉野川の事故から学ぶ

カヤックはレジャースポーツとして、愛好家から根強い人気があります。

特に川下りは、激流に身をゆだねることで、他のスポーツでは味わえないスリルを味わえます。

一方で、水の力を侮ると、容易く命を落としてしまうという恐ろしい側面もあります。

実際に、川下りのベテランが命を落とす事故も数件発生しています。

この記事では、四国の吉野川で発生した事故を例に挙げて、カヤックに乗る際に気を付けたいことをご紹介していきます。

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カヤック事故が発生した吉野川の穏やかな顔・険しい顔

この記事では、吉野川で発生した事故についてお伝えしていきますが、まずは現場となった吉野川について知っておきましょう。

吉野川は、四国で一番流域面積の大きい川で、カヤックでのツーリングや、ゴムボートで川を下るラフティングのような、ボートでのレジャーが盛んな川です。

そのルーツは古く、日本で一番最初にラフティングのツアーが行われたのは吉野川だと言われており、そこから日本全国へ普及していったという歴史もあります。

吉野川はレジャーの名所として親しまれている一方、「四国三郎」の異名をもち、坂東太郎(利根川)・筑紫二郎(筑後川)とともに「日本三大暴れ川」の1つに数えられているような、水害が多い川でもあるのです。

ベテランのカヤック乗りの方が命を落としたのは、そんな吉野川にある名勝、大歩危小歩危(おおぼけこぼけ)近辺でした。

大歩危小歩危は「日本一の激流」と呼ばれており、世界有数の「ラフティング」の名所とされています。

吉野川で発生したカヤック事故①

吉野川の大歩危小歩危は、ラフティングの名所ということもあって、水面にはたくさんの岩が突出していて流れが大きくうねっている区間です。

特に小歩危区間の流れは激しく、カヤックで下るには難易度が高いため、腕に覚えのあるベテラン以外は自主的に立ち入らないコースでもあります。

カヤック乗りの方がお亡くなりになった事故は、この区間にある「曲がり戸の瀬」で発生しました。

川は日によって流れの姿を変えるものですが、事故が発生した日は、例年の同じ時期より川の流量が多かったそうです。

そのせいか、普段から逆巻いている箇所の流れも強まっており、一度転覆して流れに飲み込まれてしまったら、容易には抜け出せない状態になっていたようです。

事故に合われたカヤック乗りの方は、その流れに飲み込まれ、5分近く拘束されてしまい、カヤックから脱出することもできずにお亡くなりになられたとのことです。

亡くなられた方は、カヤック内部に水が入らないようにカヤック開口部と身体との間を埋める「スプレースカート」が外れていない状態で発見されました。

そのことから、あくまで状況からの憶測ですが、脱出しようとしたが体力が残されていなかったか、流れに飲まれているうちに、何らかの要因で意識を失ってしまっていた可能性が考えられます。

その日は、同行した十数名のうち、4名も同じ流れに巻き込まれたのですが、カヤックから抜け出ることで難を逃れたとのことでした。

以上のように、流れに捕まったらカヤックから抜け出ないと、脱出不能な状況だったようです。

吉野川で発生したカヤック事故②

前項では吉野川の小歩危にある「曲がり戸の瀬」で発生した死亡事故についてお話ししましたが、それ以前にも小歩危にある「大滝の瀬」で死亡事故が発生しています。

こちらは、二人のベテランが川下りをしている最中の事故でした。

二人が順番に小歩危を下っていると、後を追っていた方が川のコースを外れ、姿を消してしまいました。

先行していた方が下流で待っていると、後続の方が意識を失った状態で流れ着き、そのまま病院へと搬送されましたが、病院での治療空しく、お亡くなりになられたとのことです。

先行していた方は、後続の方に何が起きたのかの詳細を見ることができなかったようです。
後続の方がコースを外れた際に転覆してしまい、そのまま水流によって岩に張り付けられて、溺れてしまったのではないかと推測されています。

以上、ここまでお話しした通り、カヤックはスリリングで愛好家も多いスポーツですが、その一方で命に係わる事故が発生する危険性もはらんでいるのです。

では、事故に合わないために、どのような対策をすればいいのでしょうか。

ここからは、カヤックを安全に楽しむために、気を付けるべきことをご紹介していきます。

カヤック事故を防ぐために気を付けること①

ここまで、カヤックに乗っていて発生した死亡事故についてお話ししてきました。

以上を踏まえて、安全にカヤックを楽しむためには、どんなことに気を付ければ良いのでしょうか。

ここからは、身の安全を守るために必要なポイントを、ご説明していきます。

●スキルに合ったフィールドを選ぼう。

川でも海でも、水には流れがあります。

そのため、安全にカヤックに乗るには、流れに負けないで船をコントロールできるだけの、力とテクニックが必要となります。

それとは別に、フィールド上の危険な箇所についての知識も必須です。

以上の点で、自分のスキル、そして知識がどれほどかを正確に判断したうえで、危険のないフィールドに行くようにしてください。

初心者の方はなるべく、穏やかな内海や湖で、カヤックを扱う技術や、カヤックが転覆したときの対応を身に着けてから、流れの強い場所へ行くようにするのがオススメです。

●少人数でカヤックに乗らない

水流の力は非常に強いです。

もし、カヤックが転覆してしまい、水流に飲まれてしまうと、自分一人では対処できない状況に見舞われる可能性があります。

そんな時に同行者がいなければ、助けはもちろん、レスキュー隊を呼ぶこともできません。

安全のために、必ず複数人でカヤックに乗るようにしましょう。

複数人といっても、二人では心もとなく、最悪の場合両者とも水流に飲まれる恐れがあります。

実際に、吉野川の大滝の瀬で起きた事故は、二人でカヤックに乗っている中での事故でした。

なるべく大人数で誘い合わせてカヤックに乗りたいですね。

また、初心者のうちは、なるべくベテランと同行するとより安心です。

カヤック事故を防ぐために気を付けること②

続けて、カヤックに乗るときに気を付けるところをご説明していきます。

●川のコンディションが悪い時の出艇は控える。

フィールドのコンディションは、いつ、どのタイミングで変わるかわかりません。

特に川の場合、上流部で雨が降ったり、ダムの放水などが原因で突然増水し、川の状況が変わる恐れもあります。

吉野川の曲り戸の瀬での事故も、川が増水している中で発生したものでした。

危険を感じたら無理をせず、決してフィールドには出ないようにしてください。

時には、「せっかく遠くから来たのに、来てみたら川が荒れていた」ということもあるかもしれません。

しかし、そんな時に強引にカヤックに乗って、命を落としてしまっては元も子もありませんよね。

生きていれば、また来る機会もできるでしょう。

きっぱり諦めることが大切です。

●安全に気を使って、装備を整えよう。

どんなに気を付けてカヤックに乗っていても、カヤックが転覆することはままあります。

そんな時に、生死の境目を分けるのは服装です。

きちんと服装にも気を使って、カヤックに乗りましょう。

安全にカヤックに乗るために必要な装備を、次の項ではご紹介します。

カヤック事故が起きてしまっても命を守れる服装とは?

以下、カヤックに乗るときに装着すべきな装備をご紹介していきます。

しっかり押さえて、万全の装備でカヤックに乗りましょう。

●ライフジャケット(PFD)

水回りのレジャーでは必須です。

邪魔だと感じても、必ず着用するようにしましょう。

●ヘルメット

川下りの時には、操作を誤って岩に激突する恐れも多々あります。

もし頭を打つと、意識を失ったり、とがった岩で出血する恐れがありますから、必ずヘルメットを装着するようにしましょう。

●ドライジャケット・ウェットスーツ

空気中と比べ、水の中では20~25倍の速度で体温が奪われます。

もし身体が芯まで冷えてしまうと、低体温症(ハイポサーミア)に陥り、満足に泳げなくなってしまう恐れがあります。

そんな時に、ドライジャケット・ウェットスーツを着ているだけで、体温が奪われにくくなり、生存率が上がります。

以上、命を守るために必要な装備をご紹介しました。

しかし、吉野川の事故で無くなられた方々はベテランで、万全の装備をしたうえで事故にあわれています。

装備を整えても慢心せずに、細心の注意を払ってカヤックに乗ってください。

スリルを楽しむために!万全の状態で臨もう

以上、カヤックが盛んな吉野川で発生したカヤック事故について取り上げ、カヤックに乗るうえでの注意点をご説明してまいりました。

カヤックの川下りはスリルが醍醐味のスポーツではありますが、自分の力量に合わせてコースを選び、くれぐれも事故を起こさないようにご注意して楽しんでくださいね。