ダナーの登山靴が登場する小説「山女日記」はどんな話?

創業から数多の靴を世に送り出してきたシューズブランドのダナー(Danner)は、ご存知の方も多いことでしょう。

ダナーは、タウン向きのスニーカーから玄人好みの登山靴まで、幅広く展開しています。

そんなダナーの登山靴も登場する小説「山女日記」の、気になるストーリーをご紹介します。

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登山靴で有名な「ダナー」はどんなシューズブランド?

ダナー(Danner)がアメリカのシューズブランドであることは、ご存じの方も多いでしょう。

そのダナーの始まりは1932年、アメリカのチペワフォールズでのことです。

創業者のチャールズ・ダナーが、安い仕事用ブーツを作って売り始めたことが起源になっています。

当時作られたのは、森林伐採作業用のワークブーツでした。

その後、オレゴン州のポートランドでビジネス展開をし、徐々に大きな会社へと成長していきます。

1959年、今ではソールの定番となっている「ビブラムソール」をアメリカ国内で初めてシューズに採用したことで、一躍有名になりました。

さらに1979年には、今ではおなじみのゴアテックスを初めてシューズに使用し、今の登山靴における礎を築き上げました。

今も変わらず、こだわりの素材を用い、職人の手で1足1足を丁寧に作り上げています。

チャールズ・ダナーの靴づくりに込める想いは、今も脈々と受け継がれていることでしょう。

さて、そんなアメリカ開拓時代を起源に持つ「ダナー」は、「山女日記」においてどのように登場するのでしょうか。

ダナーの登山靴が登場する小説は全部で7篇!

「山女日記」は、他の著書で映像化作品を生み出すほど有名な作者が書いた小説です。

この「山女日記」は、2014年7月に幻冬舎から刊行され、その後の2016年8月に、幻冬舎文庫より文庫化されました。

また、ドラマ化されたこともあり、劇中ではダナーの登山靴が登場するシーンもあります。

「山女日記」のストーリーは7篇の一話完結ストーリーから成っていて各話ごとにわずかな繋がりがあり、全話を通した連作長編となっております。

各章のタイトルは、「妙高山」「火打山」「槍ヶ岳」「利尻山」「白馬岳」「金時山」とニュージーランドの「トンガリロ」と、アウトドアが好きな方なら一度は耳にする名前が連なっています。

今回は、この「山女日記」の各章を少しずつご紹介します。

「山女日記」はダナーの登山靴から始まる

「山女日記」の1・2章にそれぞれ登場する「妙高山」「火打山」といえば新潟県にある山で、どちらも「百名山」として有名です。

●「妙高山」

主人公の律子は、先輩の牧野の提案により、同期の由美と二人で「妙高山」と「火打山」の縦走へ出かけることになります。

この時、律子が履いているのがダナーの登山靴です。

律子が勤める丸福デパートで催された「アウトドアフェア」でダナーの登山靴と出合い、一目ぼれし、そのまま購入しました。

律子は、馬が合わない由美にあまり良い印象を抱いていません。

ましてや、上司と不倫する由美に対して嫌悪感を抱いている様子も伺えます。

そんな律子はこの登山で「ある悩みごと」に対する決断を下すべく、山へ挑むのでした。

●「火打山」

主人公の美津子は、婚活パーティで知り合った神埼と二人で「妙高山」「火打山」の縦走に訪れていました。

美津子は田舎の老人ホームの事務職に就き、手取り12万円で生活していましたが、職場や周囲からは「バブルから抜け出せていない」と認識されてしまいます。

彼女はバブルの最盛期に大手証券会社へと入社し、バブルという浮かれた時代に心と体をすり減らし、その中で趣味の登山を忘れていきました。

そんな当時の面影を強く残している美津子へ、神埼はダナーの登山靴をプレゼントしました。

このプレゼントをきっかけに、バブルを引きずる美津子と神崎の想いが紡ぎだされていくのでした。

ちなみに、美津子は山小屋で前章の律子と由美に遭遇し、その時に「山女日記」とは何なのかが語られています。

「山女日記」の「槍ヶ岳」・「利尻山」編

「山女日記」の3章に登場する「槍ヶ岳」といえば、飛騨山脈(=北アルプス)に位置し、日本で5番目の高さを誇ります。

4章では百名山最北端である北海道の「利尻山」が登場します。

●「槍ヶ岳」

この章の主人公である、牧野しのぶは、1、2章に登場した律子と由美の上司です。

牧野は幼いころから父に教えられて登山を始め、大学でも登山部に所属していました。

牧野は、学生時代・社会人になってからと、これまで2度に渡り槍ヶ岳の山頂へ挑んできましたが、どちらも槍ヶ岳の頂上へ辿り着くことはできませんでした。

それ以降一人で登ることにしていましたが、今回の槍ヶ岳の道中で、ひょんなことから本郷と木村の二人とともに山頂を目指すことになります。

牧野は、年配の本郷と木村とは歩くペースや道具や登山に対する感覚が合わず、イライラしながら山頂を目指していくのでした。

●「利尻山」

4章目の「利尻山」は、宮川希美が主人公です。

希美には美幸という姉がいますが、二人の姉妹仲は良くありません。

ところが突然、美幸から旅行へ誘われ、二人で利尻山を登ることとなったのです。

希美は道中、美幸から説教や今後の人生に関して説得をされるのではないかと身構えていたにも関わらず、そんな話は一切出てきません。

そうして、山頂へ歩みを進める中で、美幸が希美を誘った「本当の理由」が語られていきます。

ちなみに、この章の主人公である希美はダナーの登山靴ではなく、美幸からプレゼントされたモンベルの登山靴を履いています。

「山女日記」の「白馬岳」・「金時山」編

「山女日記」の5章に登場する「白馬岳」は、3章の「槍ヶ岳」と同様に北アルプスに位置する山です。

そして、6章の「金時山」は箱根外輪山の最高峰で、山頂の「金時茶屋」には「看板娘」がいることでも有名ですね。

●「白馬岳」

主人公は第4章「利尻山」に登場した美幸です。

利尻山の山行から2カ月後、妹の希美と娘の七花と3人で「白馬岳」の山頂を目指しました。

美幸は、登山を楽しみながらも、離婚のことで頭を悩ませていました。

この章では、離婚を決断しようと揺れ動く美幸の想いと、強く成長する娘の七花の姿が描かれています。

●「金時山」

第1章で「妙高山」「火打山」の縦走に参加しそびれた舞子が、この章の主人公です。

ダナーの登山靴との出会いをきっかけに律子が企画した妙高山・火打山の縦走に舞子は参加できませんでした。

また、舞子は今まで不仲だと思っていた律子と由美の関係が良好になったことで、二人との距離を感じるようになります。

その愚痴を聞いていた恋人の小野大輔に連れられ、舞子は「金時山」で登山デビューを果たします。

この山行を通して、舞子は数字にこだわっていた自分を大輔の言葉をきっかけに改めていくのでした。

大輔は、どのような言葉を舞子に語ったのでしょうか。

「山女日記」の最終章は「トンガリロ」

「山女日記」はついに最終章に入り、舞台はなんとニュージーランドの「トンガリロ」へ飛びます。

●「トンガリロ」

この章では、第5章「白馬岳」の主人公だった希美の友人である、立花柚月が主人公になります。

この章では、これまでの登場人物も数多く登場します。

ダナーの登山靴をプレゼントされた美津子は、神崎と新婚旅行で訪れ、牧野も学生時代の友人である太田とともに登場します。

「トンガリロ」では、柚月の制作した帽子をきっかけにストーリーが展開していきます。

そんな柚月は昔から抱え込んだ想いにどうにか決着をつけるべく、「トンガリロ」のツアーに参加していました。

ツアー参加を通して、柚月はどのように自分の気持ちと決別を果たすのでしょうか。

山に登る理由やきっかけは人それぞれ

山に登る理由やきっかけは人それぞれで、ダナーの登山靴をきっかけに山に登る人もきっといるはずです。

「山女日記」に登場する人物は皆、十人十色のきっかけから始まり、何かしらの想いを持って山頂を目指してきました。

今回は各章を本当に少しだけご紹介しましたので、気になった方はぜひ書店で「山女日記」を手に取ってみてください。