軽量・コンパクト! テント泊登山で使えるペグのおすすめとは

最終更新日:2019/10/11

テント泊登山において、軽量コンパクトなテントにこだわっている方は多いことでしょう。

では、ペグはいかかでしょうか。

登山ギアとして脇役に徹しているペグにこだわりを持っている方は少ないかもしれません。

しかし、縁の下の力持ちともいえるペグを変えるだけで、テント泊登山が少しだけ快適になります。

そこで今回は、テント泊登山で使えるおすすめのペグをご紹介します。

「アライテント」の「スティックペグ」は軽量・安価でコスパ良好

「アライテント」は、1965年創業の国産テントブランドです。

創業当時は他社のOEM生産を中心としていましたが、今日では登山用テントの定番ブランドとして、当たり前のようにテントサイトで目にします。

国産ブランドでありながら、お買い求め易い価格設定である点も魅力です。

そのアライテントから発売されている「スティックペグ」は、軽量で安価な点が高く評価されています。

アルミニウムの角柱でできたこのアイテムは、1本あたり10gしかありません。

テント1張分でも50~100g程度の重さに収まり、荷物が重くなる心配はありません。

そして、1本あたり¥200(+税)で、軽さと安さのコストパフォーマンスに優れたアイテムです。

長さは16cmで、他のペグと比べるとやや短めでしょう。

「初めてのペグ購入で、どのペグを買えば良いのかわからない」と悩んでいる方におすすめでしょう。

なお、アルミニウムのみでできたアイテムなので、強度はそれほど高くありません。

岩場や地盤が固いところへ打ち付ける際やペグを地面から引き抜く際は、曲げてしまわないように注意が必要です。

登山用テントの定番ブランド「MSR」のおすすめペグ「カーボンコアステイク」

登山やアウトドアを趣味としていれば、「MSR」というブランドをご存知の方は多いでしょう。

「MSR」は、アメリカ生まれのアウトドアブランドであり、1969年以来長い歴史を持ちます。

特に、スノーシュー・ガソリンストーブ・登山用ソロテントに定評があり、これらのアイテムをフィールドで目にする機会は多々あります。

テントに定評があるMSRは、もちろんテントアクセサリであるペグにも良いアイテムがそろっています。

数あるMSRのペグの中から、まずは「カーボンコアステイク」をご紹介します。

このペグは円柱形のペグで、その名の通りカーボンコアを持つアイテムです。

軽くしなやかなカーボンファイバーを芯材として用い、外身をアルミニウムで覆うことで、強度と軽さを両立しました。

それにより、5.6gという驚異の軽さを実現しました。

最初にご紹介した「アライテント スティックペグ」の半分程度の重さに抑えることができます。

UL登山など、荷物重量をとにかく軽くしたい方には強くおすすめするアイテムです。

なお、先端は芯までアルミニウムでできており、耐久性も高く作られています。

繰り返し使用しても、カーボン材がむき出しになって消耗してしまう心配もありません。

長さは15cmなので、強い固着力が求められる場面には不向きでしょう。

なお、価格は¥1,000(+税)とやや高価です。

登山をする場所は土とは限らない!雪面に「VARGO」の「チタニウムアッセント」

夏山登山であれば、テントを張る場所の地面は土や砂利、岩場などでしょう。

しかし、冬山の登山やアルプスなどの高山となればそうとは限りません。

雪上でテントを張る場合、土や砂利の地面のような固着力は得られません。

そのため、柔らかな雪をがっちり捉える構造のペグが必要になります。

そこでおすすめのペグが「VARGO」から発売されている「チタニウムアッセント」です。

「VARGO(=ヴァーゴ)」とは、主にチタニウム製のアウトドアアイテムを製造・販売しているアメリカのブランドです。

UL登山を実践している方なら馴染みのあるブランドではないでしょうか。

そして、今回ご紹介する「チタニウムアッセント」もチタニウム製のペグです。

断面はV字型をしていて幅広い面で雪を捉えることができ、柔らかな雪上でも高い固着力を得ることができます。

本体部分は、ところどころに楕円形の肉抜きが施されています。

これは、軽量化のための肉抜きと、ペグダウンした際に表面が土や雪に吸い付いて抜けなくなってしまわないようにしているものです。

長さは15.8cmと決して長くはありませんが、高い固着力を持ちます。

重さも10gと非常に軽量で、V字型なので高い強度もあります。

雪山テント泊登山デビューに、ぜひ使ってみてください。

「MSR タフステイク」は雪でも砂でも使えるおすすめペグ

前の項でご紹介した「VARGO チタニウムアッセント」以上に雪面で高い固着力を持つペグがあります。

それが「MSR」の「タフステイク スノー/サンド」です。

スプーンのように先端が大きく広がった幅広形状をしており、この部分が雪をしっかりと捕まえることで高い固着力を実現しました。

MSR製ペグの中で最も高い固着力を持ち、でメーカーカタログによれば一般的なペグの10倍の固着力があるそうです。

雪よりもさらにさらさらとしている砂の上でも設営ができるほど幅広面の効果があり、大変おすすめです。

材質はアルミニウムとステンレスを用い、非常に高い強度を持ちます。

S(23cm)とM(34cm)の2サイズが展開されており、Sは40g、Mは157gあります。

決して軽くはありませんが、雪面や砂上で設営するような登山の際は必須のアイテムでしょう。

気になる価格は、Sサイズで税抜き¥4,600(4本入り)、Mサイズで税抜き¥4,900(2本入り)と、非常に高価です。

「FREELIGHT ネイルペグ」は固い地面におすすめのペグ

ここまでは、雪や砂のような柔らかな地面でも高い固着力を持つペグをご紹介してきました。

ここでは、その真逆のシーンでおすすめのペグをご紹介します。

それが「FREELIGHT ネイルペグ」です。

このペグは、高い貫通力を持つことで有名なアイテムです。

このアイテムのプロモーション動画では、コンクリート製ブロックを貫通させている様子が収録されています。

石が多い高所登山でも重宝するアイテムでしょう。

形状は円柱型で、長さは15cmです。

材質はチタニウムを用い、強度だけでなく軽さも兼ね備えています。

なお、トップレベルの貫通性能を持つアイテムですので、このペグが打てないほどの地面であれば他の方法でテントを固定することを考える必要があるでしょう。

テント場の地面が不明な登山なら「ヒルバーグ Yペグ」を持参!

最後に、ハイエンドな登山用テントブランドの「ヒルバーグ」から発売されている「Yペグ」をご紹介します。

Y字型の断面形状により、柔らかい地面でも幅広く捉えることができ、高い固着力を持ちます。

加えて、硬い地面にも対応する高い貫通力も併せ持つユーティリティアイテムです。

ここまでご紹介してきたアイテム全ての良いところを少しづつ取り入れたようなバランスの取れたアイテムと言えるでしょう。

そのため、設営場所の地面がわからないような登山の際におすすめのアイテムです。

さらに、Y字型の断面は高い強度も持つため、簡単に曲がってしまうことはないでしょう。

金色のアルマイト加工が施されているため、表面が強いだけでなく、視認性も非常に高い点も魅力の一つではないでしょうか。

10本セットで¥5,400(+税)なので、極端に高価なアイテムではありません。

1セット持っていて損することはないのではないでしょうか。

いつでもどこでも使えるオールマイティーなペグは存在しない!

今日、各ブランドから発売されているペグにはあらゆる種類が存在しています。

もちろん、ひとつで全ての環境を網羅できるものなど存在しません。

数種類のペグを買いそろえておくことで、あらゆる環境への対応ができるようになります。

山行の際は設営場所の地面を想定したうえで、その中からピックアップして持参するようにしましょう。

不確定要素がある場合は、数種類のペグを持っていったほうが得策です。