コンパクトで軽量、そしてなんと言ってもキャンプなどのアウトドアに特化した形状のクッカーは、ソロキャンプ、ファミリーキャンプなどのキャンプ飯にはかかせない調理器具です。
こちらの記事ではクッカーを初めて購入する方に便利なクッカーの種類や選び方、おすすめのクッカーなどを多数ご紹介します。
また、クッカーで作れるおすすめのレシピなどもお伝えしますので、ぜひご覧ください。
キャンプで使うクッカーとは?
クッカーは、家庭で使うものよりも小さなサイズで、焚き火やバーナーなどの直火で使うことのできる携帯用の小型調理器具です。
また、アウトドア用に作られているので、持ち運びに便利で、調理をした後はそのままお皿の役割まで果たしてくれるところがクッカーの魅力です。
家庭の調理器に例えると、お湯を沸かしたり煮物をする「鍋」、焼物や揚げ物をする「フライパン」、お米を炊く「炊飯器」の役割を担えるのがクッカーです。
それでは、キャンプでクッカーは必ず必要になるのでしょうか。
結論から言うと、必要になるか、ならないかはどのようなキャンプスタイルを目指しているかによります。
炭火で豪快にバーベキューをするだけのデイキャンプならば、クッカーはそれほど必要になりませんが、ご飯を炊く、インスタントラーメンを食べる、少し凝った料理がしたいのならば、クッカーは必ず使いたくなるアイテムであることは間違いありません。
キャンプ飯に欠かせないクッカーの選び方
先述の通り、クッカーは種類を選ぶことによって鍋やフライパンの役割をするので、どのような料理を作るかによって使い分けをするととても便利です。
クッカーの素材
クッカーは主に以下の3種類の素材で作られています。
アルミ
アルミ製のクッカーは、軽量で熱伝導率が高く、値段も安いので、比較的初心者におすすめです。
ただし、保温性や耐久性は他の素材と比べると低いです。
ステンレス
家庭用の調理器具としても多く使われる素材のステンレスは、サビや汚れに強く、保温性や耐久性が高く、壊れにくい特徴があります。
ただし、熱伝導率はアルミ製に比べると低く、重さがあります。
チタン
軽量ながらも強度があり、保温性や耐久性の高いチタン製のクッカーは、サビや傷が付きにくいので、登山でキャンプをする時などにおすすめです。
他の素材に比べると熱伝導率が低く、焦げやすいので注意が必要です。
クッカーの深さ・形状
クッカーはその深さや形状によって得意な料理が変わります。
深型
深型は、筒状で高さのあるクッカーです。
お湯を沸かしたり、麺類やスープを作るのに適しています。
深さがあるので、クッカーの中にバーナーやガス缶を収納して持ち運べるところが魅力です。
浅型
浅型は筒状で、広い底面のクッカーです。
焼物や、炒め物、天ぷらなどの揚げ物、煮物などに適していて、調理後にそのままテーブルの上に置いて使えるところが魅力です。
角型
角型はスタッキングがしやすく、角を利用してお湯などを注ぎやすい形状のクッカーです。
インスタントラーメンなどを調理する時に便利です。
クッカーのタイプ
クッカーはタイプによっていろいろと特徴があります。
その特徴を活かしたクッカーを選ぶことでキャンプ飯のバラエティは増えていきます。
タイプ別のクッカーにおすすめのレシピも合わせてご紹介します。
鍋クッカー
クッカーの定番のタイプが鍋クッカーです。
鍋クッカーは先ほどご紹介した深型や浅型によって得意な料理が違いますが、どちらか1つを持っていれば使い勝手や調理時間は変わりますが、大きな問題はありません。
鍋クッカーを使った料理初心者の方にもおすすめなレシピをご紹介します。
【材料を入れて煮込むだけのトマトスープ】
(材料)
- トマト缶
- コンソメ
- ベーコンか粗挽きソーセージ
- キャベツ
- たまねぎ
- にんじん
- 水
(作り方)
- ベーコンまたは粗挽きソーセージ、野菜類を一口大に切りクッカーに入れる
- クッカーにトマト缶とコンソメ、水を入れる
- 煮ながら味見をして塩コショウや水などで味の調節をする
- 食材に火が通ったら完成です
- トマトの酸味がきついと感じるときには粉チーズなどを加えるとまろやかな味わいになります。
- お好きなハーブを入れてもOKです
【缶詰で簡単炊き込みご飯】
(材料)
- 米(1~2人分で1合)
- 焼き鳥やさばの味噌煮の缶詰
- 水(約200ml)
- にんじん、ごぼうなどお好きな野菜
(作り方)
- 米を研いだ後、分量外のお水で30分程浸す
- 1度水を捨て、水約200mlを入れる
- さらにカットした野菜、缶詰を入れてフタをする
- 強火で5分ほど熱して沸騰したら、弱火で15分ほど炊きます
- 最後に15分ほど蒸らしたら完成です
- お好みでゴマ、のり、大葉を散らしてもおいしいです
フライパンクッカー
フライパンクッカーの得意技は「炒める」です。
朝食用の目玉焼きやソーセージなどを作る時にもとても便利です。
それではフライパンクッカーを使ったおすすめのレシピをご紹介します。
【キャンプでも作れるパラパラ炒飯】
(材料)
- パックご飯
- たまご
- 炒飯の素(鶏がらスープでもOK)
- 油
- 好きな具材(肉、ハムなど)
- 好きな野菜(ピーマンや長ネギなど)
(作り方)
- パックご飯にたまごを落とし混ぜます(常温でOK)
- 油を入れて温めたフライパンクッカーに好きな具材や野菜を入れて炒めます
- 炒めた具材や野菜を一度お皿に取り出します
- 油を少し足してご飯をほぐしながら炒めます
- ご飯を炒めたら、先ほど取り出した具材と野菜を戻し炒飯の素で味付けをします
- 全体が混ざり合ったら完成です
湯沸かしクッカー
湯沸しクッカーはその名の通り湯沸しに便利なクッカーです。
ケトルやマグカップのような形状のものがあります。
コーヒーやお茶の他、インスタントの味噌汁やフリーズドライの食品を調理する時にとても便利です。
スタッキングができるコンパクトタイプも人気
クッカーを収納ケースとして他のアイテムをスタッキングできるタイプは、ばらばらにバーナーやボンベなどを持ち歩く必要がないので、ソロキャンプや荷物をコンパクトに運びたい方に便利です。
ソロキャンプでおすすめするコンパクトなキャンプクッカー
ソロキャンプで使うクッカーは一度に調理をする量も少ないので、小さなサイズでも良いと思われがちですが、実はあまりにも小さすぎると料理の幅を広げたい時には物足りないと感じてしまう可能性が大です。
キャンプ飯をきっかけに料理に目覚めたキャンパーもたくさんいますので、初めてクッカーを購入するのならば2人用に便利なサイズのクッカーを選ぶ事をおすすめします。
ソロキャンプで使いやすいクッカーの大きさの目安はインスタントラーメンが無理なく入る大きさや、小型のガスボンベが収納できる大きさなどがおすすめです。
フライパンクッカーならば、直径が20~24cm程度、鍋クッカーならば直径が16~20cm程度のサイズがあれば良いでしょう。
それではソロキャンパーに人気のクッカーを1つご紹介します。
コールマンのソロキャンプ用のおすすめクッカー
- パックアウエイ(TM)ソロクッカーセット
熱伝導性の良いアルミ製の1人用のクッカーセットです。
深型と浅型のクッカーがセットになっていて、メッシュの収納袋で持ち運びができます。
深型のクッカーには目盛りが付いていて水などの軽量に便利な他、注ぎ口が付いているので、お湯を注ぐ時にとても便利です。
(セット内容)
深型:直径12.5cm 高さ10cm(容量900ml)
浅型:直径12cm 高さ5cm(容量400ml)
ファミリーキャンプで活躍するおすすめのクッカー
ファミリーキャンプならば、ある程度大きさもあり、さまざまな用途、調理ができるタイプのクッカーがおすすめです。
家族の人数に合わせたサイズを見つけましょう。
フライパンは2~4人家族ならば24~26cm、3~6人家族ならば25~28cm程のサイズ、鍋は2~4人家族で20~24cm、4~6人家族ならば24~27cm程を目安にすると良いでしょう。
ファミリーにおすすめのクッカーセット
ファミリーでキャンプをするならば、人数分の大きさのクッカーや数も必要となります。
用途に合わせてクッカーを持っていくとなると大荷物になってしまいます。
そこでおすすめするのがクッカーセットです。
モンベルのクッカーセット
日本のアウトドアメーカーであるモンベルのクッカーセットはいくつかのサイズの鍋とフライパンがセットになっていて、使う人数に合わせた選び方ができると好評です。
- アルパインクッカー 14+16バンセット
- アルパインクッカー 16+18パンセット
- アルパインクッカー 18+20パンセット
(セット内容)
・直径が約14.8cm 高さ約8.0cmのアルパインクッカー14
・直径が約17.5cm 高さ約10.4cmのアルパインクッカー16
・直径が約17.6cm 高さ約4.1cmのアルパインフライパン16
(セット内容)
・直径が約17.5cm 高さ約10.4cmのアルパインクッカー16
・直径が約19.0cm 高さ約12.3cmのアルパインクッカー18
・直径が約19.5cm 高さ約4.5cmのアルパインフライパン18
(セット内容)
・直径が約19.0cm 高さ約12.3cmのアルパインクッカー18
・直径が約21.3cm 高さ約14.5cmのアルパインクッカー20
・直径が約21.5cm 高さ約5.6cmのアルパインフライパン20
100均でも話題のキャンプ用クッカーが続々登場
クッカーを安く手に入れるのならば、100均を利用しない手はありません。
100均大手のダイソーでは、100円ではありませんが、炊飯などに使えるメスティンが販売されています。
現在は(令和3年11月)アルミ製の1合用(税抜き500円)、1.5合用(税抜き800円)、3合用(税抜き1000円)の他、アルミにフッ素加工が施された1.5合用のメスティンが販売されていて、人数や用途に合わせたメスティンが選べます。
またメスティンを蒸し器として使うことのできる専用の網や、メスティンに収納ができるまな板や、鉄板も販売されていますので、あわせてそろえておくととても便利です。
さらに、おしゃれなアイテムのそろうセリアでは、複数のクッカーを運ぶ時に便利なシリコンバンドが販売されています。
一人分のクッカーや、マグカップなどをシリコンバンドでまとめて運ぶことができます。
ダイソーやセリアなどでは、クッカーの形状に似ているステンレス製の「手つきボウル」が販売されています。
取っ手が収納できるコンパクトサイズで、大小サイズをスタッキングして持ち運びができます。
このようなクッカーは形状がキャンプ用のクッカーに非常に似てはいますが、直火調理が禁止のものが多いので、お皿として、または雰囲気を楽しむクッカーとして使うのがベターです。
ただ、実際にはベテランキャンパーのブログやSNSを覗いてみると、100均のクッカーを直火で使ってる方も多いようです。
しかし、メーカー自体が直火禁止としているので、怪我や事故になるような使い方は絶対にしない方が良いでしょう。
使う前に知っておこう!クッカーのお手入れ方法
クッカーは、ご家庭で普段使われてる調理器具と同じお手入れ方法で、食器用洗剤とスポンジを使い汚れを落とし、洗い終わった後は布巾などで水気を拭き取るだけでOKです。
どの素材、形状のクッカーも調理後はできるだけ早い段階で洗うのが1番ですが、すぐにクッカーを洗えない時は、とりあえずキッチンペーパーで汚れを拭いておくことで、後始末が楽になります。
長くクッカーを使うのならば、空焚きや空焼きをしない、汚れなどを放置しない、傷が付くようなスポンジや金属たわしを使わないことが大切なポイントです。