キャンプでの油処理に便利な3つの方法とおすすめの揚げ物料理

最終更新日:2022/01/21

自宅での揚げ物は、油の飛び散った後の片付けや、家の中に充満するにおいが気になるものです。このような揚げ物の悩み、実は、キャンプで調理することで解消されます。
なぜなら、キャンプでの揚げ物は、基本的に外で調理をするので、においがこもらずに、油の飛び散りも自宅ほど気にならないからです。
しかし、「揚げ物は、油の処理が面倒」。このように思っている方が多いことは事実です。
そこで、油の処理が面倒と思っている方にぜひ試してほしい、3つの簡単な油処理の方法をご紹介します。ちょっとしたアイテムを使って処理ができるので、キャンプ場で揚げ物を楽しむ時のお役に立てると思います。
また、キャンプにおすすめの揚げ物の料理や、便利な調理器具、油の再利用方法、油の持ち運び方のアイデアなども併せてお伝えしますので、キャンプでの油にまつわる悩みがある方は、ぜひご覧ください。

キャンプで揚げ物をした後に油を処理する3つの方法

キャンプに限らず、自宅においても油を使った揚げ物調理をする時の一番の悩みは「油処理」です。
その他にも、油が飛び散ったり、においが残ったりなど、後片付けが大変で面倒なイメージがあり、敬遠されがちです。
そこで、以下の3つの方法で、油の処理や捨て方のコツを掴み、キャンプ飯のレパートリーを増やしてみませんか?

●油処理剤で固める

油処理剤は油の処理に一番のおすすめの方法です。
油処理剤で固める方法は、使い終わった後の油に油処理剤を入れて、固めて捨てるだけです。
油処理剤は、油の温度が高いうちに使うタイプが多く、油を使う量によって調節できるものや、一回分として使える個包装のものなどがあります。
固めた後の油は、新聞紙などにくるみ、一般的には「可燃ごみ」として捨てることができますが、地域によってゴミの分別は異なりますので、捨てる場合には、分別方法を確認しておきましょう。

●吸わせる

油を吸わせる方法は以下の2つのアイテムが便利です。

油吸着マット(シート)

冷めた油をパッドやシートなどに吸わせて処理ができます。
油を吸わせた後は、ビニール袋などに入れて捨てます。
ソロキャンプや揚げ焼きなどで油を使う量が少ない場合は、油吸着マットやシートを利用すると良いでしょう。

新聞紙・キッチンペーパー

キャンプで何かと便利な新聞紙やキッチンペーパーは、油の処理にも役に立ちます。
冷めた油を新聞紙やキッチンペーパーに吸わせる、または、ビニール袋の中にくしゃくしゃに丸めた新聞紙やキッチンペーパーを入れておき、油を注ぐ方法で、油処理ができます。
ただし、ビニール袋内での油の自然発火を防ぐため、ビニール袋の中には水を吸わせた新聞紙やキッチンペーパーを一緒に入れておきましょう。

●燃やす

先ほどの新聞紙やキッチンペーパーに吸わせた油は、たき火で燃やすことができます。
また、着火剤として利用することも一つの方法です。
しかし、風向きやその日の状況によって、たき火の火が強くなる可能性があるので、小さなお子様連れのキャンプや、初心者の方などにはおすすめしません。

【たき火で燃やす場合の注意点】
・油を吸わせた新聞紙やキッチンペーパーは、直接手で触らずに、火バサミなどを使う
 :手についた油に、たき火が引火する可能性がある
・着火剤として使う場合は、少量ずつ入れる
 :火のコントロールがしやすくなる
・引火の可能性があるものをそばにおかない
 :引火性が強いので、燃えやすいもが近くにあると危険

【油の処理にあると便利なもの】

以上が油の処理の3つの方法ですが、これらの方法で処理する場合に、持って行くとさらに便利なものをご紹介します。
・トング
 処理後の油を捨てる際、トングを使うと、素手に油が付きにくくなります。
・牛乳パック
 処理後の油を捨てるゴミ箱として使えます。
・ペットボトル
 牛乳パックと同様に、処理後の油を捨てるゴミ箱として使えます。

キャンプ場で絶対にやってはいけない油の処理方法

キャンプ場に限らず、自宅やアウトドア料理で油を使う場合、絶対にやってはいけない油の処理が、使い終わった油をそのままキッチンなどに捨てることです。
そのまま捨てた油は、残った食材と一緒に冷えて固まり、配水管などを詰まらせる原因になります。
特にたくさんの方が利用するキャンプ場の水場では、このような行為は絶対に避けましょう。
また、下水処理が整っていないキャンプ場の場合、流した油が川や海へ流れ着き、環境へ悪影響を与えます。

自然を感じて楽しむキャンプでこそ、自然にやさしい気遣いや、心がけを大事にしましょう。

キャンプの揚げ物で使った油を再利用する

揚げ物で使った油を再利用できるのは、使った食材にもよりますが、2~4回が目安と言われています。
しかし、時間が経ってしまった油は、酸化をすることで体に悪影響を及ぼす可能性がありますので、嫌なニオイがしたり、色が濃い、泡や粘りが出た時には使用をやめましょう。
油を再利用する時には、温かいうちに油に残った食材を取り除き、やけどの心配がない温度になったら、こし器やキッチンペーパーなどで油をこしておくと、使いやすくなります。

再利用の油は、次の日の朝の調理などに使うと便利です。

時間があるならひと手間かけた油の再利用処理を

時間と材料などが準備できるなら、本格的に油をきれいに処理をして、再利用してみましょう。
【準備するもの】

  • 使用後の油
  • 片栗粉 大さじ3
  • キッチンペーパー
  • 水 200ml
  • 油を受ける容器(ステンレス製やガラス製のボウルなどがおすすめ)

【手順】

  1. 容器にキッチンペーパーを敷き、油をこします
  2. 200mlの水で溶いた片栗粉を①の容器に入れます
  3. 水溶き片栗粉が沈殿するのを待ちます
  4. 沈殿したら、水溶き片栗粉がこぼれないように、そっとキッチンペーパーを取り除きます
  5. ろ過された油には水分が残っている場合があるので、水と油が分離するのを待ってから、水分を取り除きましょう

アヒージョの残り油はパスタへ変身

食材を油で素揚げ、またはオイル煮の様なスタイルで楽しむアヒージョですが、少しだけ油が残ってしまうこともあると思います。
残った油は上記のような処理方法で簡単に片付けることができますが、アヒージョの油は、オリーブオイルにたくさん食材のうまみやニンニクの香りなどが含まれているので、それを上手に利用して、キャンプ飯の定番にしましょう。
アヒージョの油を利用した料理で一番のおすすめは、パスタです。
作り方はいたって簡単で、残ったアヒージョの油を加熱して、茹でたパスタを混ぜるだけです。
パスタの具材は、アヒージョの具材を残しておく、または、好きな野菜を新たに加えてもおいしく仕上がります。

キャンプ飯におすすめの簡単なアヒージョの作り方

少ない食材で簡単にできる、キャンプ飯にぴったりのアヒージョの作り方をご紹介します。
各材料ごとにおおまかな分量を記載してありますが、あまり気にせずに作ることをおすすめします。
【材料】

  • 冷凍シーフードミックス お好きなだけ
  • にんにく 1片
  • 唐辛子 適量
  • マッシュルーム(なくてもOK)
  • 塩 小さじ1/4程度
  • オリーブオイル 適量

【作り方】

  1. 鍋にオリーブオイルとみじん切りにしたにんにくを入れます
  2. ①にシーフードミックスとマッシュルーム、輪切りにした唐辛子を加えて弱火にかけます
  3. 具材に火が通ったら、塩で味をととのえます

具材はシーフードミックスの他にも、キャンプで残った焼き鳥の肉や、ソーセージなども使えます。
こちらの作り方では、冷凍シーフードミックスは、冷凍のまま使っています。
水分が気になる方は、冷凍シーフードミックスを一度流水解凍し、水分をキッチンペーパーで拭き取ると良いでしょう。
ちなみに、わが家では冷凍のまま、あまり分量を気にせずに作っていますが、いつも美味しく頂いています。

キャンプにおすすめの油を使った揚げ物料理4選

1.から揚げ

大人から子どもまで人気のから揚げは、味付けをしたとり肉と片栗粉(小麦粉)をポリ袋に入れて混ぜ、油で揚げるだけで完成する、シンプルな調理法ながら、おなかが大満足する料理です。
から揚げの味付けは、焼き肉のタレ、万能スパイスなどを使うと便利です。
また、市販のから揚げ粉を使うことで、味付けや片栗粉(小麦粉)を準備する必要がないので、荷物を減らしたい方におすすめです。

2.天ぷら

キャンプ飯で作る天ぷらは、揚げたてアツアツを楽しめる料理としてとてもおすすめです。
キャンプ場周辺で取れた地元野菜や山菜、新鮮な魚介類を使った天ぷらは、格別のおいしさです。
残った天ぷらは、天丼などにも活用できます。

3.串カツ

串カツの魅力は、何といっても、お皿もお箸も使わずに、飲み物を片手に調理をしながら楽しめるところです。
肉の他に、ウインナーやチーズ、うずらの卵など、好きな具材を串にさしてあげるだけなので、家族や、友達とのキャンプにはもってこいです。
串カツは、バッター液(たまごと小麦粉と水を混ぜたもの)に具材をくぐらせ、パン粉をつけて揚げるだけで完成します。
紙コップなどにバッター液やパン粉を用意しておくと、串カツを食べながら、次の串カツを作るのに便利です。

4.野菜の素揚げ

野菜を切って揚げるだけで完成する、野菜の素揚げは、見た目や栄養面、そして手軽さの面において、ぜひキャンプ飯に加えてほしい料理の一つです。
【野菜の素揚げにおすすめの野菜】
・ズッキーニ
・オクラ
・ナス
・アスパラ
・かぼちゃ
・さつまいも
・きのこ
この他にも、地元の直売所で販売されている、採れたての野菜や、旬の野菜を使うと、より一層野菜の素揚げが楽しめます。

野菜の素揚げは、塩コショウやぽん酢などで味付けをする他に、野菜が熱いうちにめんつゆに浸けると、揚げ浸しが楽しめます。

冷凍食品を積極的に使う

下ごしらえから本格的に作る揚げ物料理も良いですが、キャンプで揚げ物料理を楽しむのなら、簡単で、下ごしらえの必要もなく、保冷剤としても活用できる冷凍食品を使う方法もおすすめです。
冷凍食品には、上記でおすすめしたから揚げなどはもちろん、たこやきや、フライドポテトなどたくさんの種類があります。
普段、ご自宅で作らないような揚げ物も、冷凍食品を利用すれば、手軽に楽しむことができます。

キャンプでの揚げ物におすすめの調理器具

キャンプで揚げ物をするには、いくつかの調理器具が必要ですが、その中でも使いやすいタイプの調理器具をご紹介します。

コンロ

油が飛び散る頻度の多い揚げ物は、焚火や、炭火での調理は、危険が伴うので避けたほうが良いでしょう
キャンプ場での揚げ物におすすめの調理器具はカセットガスコンロ、またはバーナーがおすすめです。

メスティン

ご飯を炊くことから、煮物、蒸し物まで万能な調理器具として人気のメスティンは、そのサイズや形が揚げ物調理にぴったりです。
少し大きめのサイズのメスティンを使うと、串カツなども簡単に調理できます。

スキレット

少量、もしくは小さなものを揚げるのならば、スキレットがおすすめです。
スキレットはアヒージョや、朝食に便利なベーコンエッグを作るときにも使えるので、一つ持っていると何かと便利です。

シェラカップ

コップやお皿として活躍するシェラカップは、直火で使えるタイプのものなら、揚げ物もできます。
ちょっとした小さな食材を揚げるときにはとても便利です。
例えば、シュウマイを1個だけ揚げる、少量のきのこを素揚げにする時などに活躍します。

揚げ物をする時に気をつけたいこと

揚げ物をする時に気をつけてほしい重要なポイントは
・安定した場所で調理をする
・調理中は目を離さない
以上の2点です。
特に、風が強い日の揚げ物は、鍋がぐらついたり、油が飛び散る可能性が高くなりますので、注意をしましょう。

キャンプに油を持って行く便利なアイデア

キャンプで油を持ち運ぶ時には、油が漏れない様に持って行くことが大切です。
そのまま油を持って行くのなら、小さいサイズの油を買う、もしくは必要な量を別容器に入れ替えて持って行く方法が便利です。
また、他の調味料も一緒に持ち運ぶのならば、小分けボトルなどを活用することも方法の一つです。
別容器や、小分けボトルを利用する場合は、液漏れを防ぐために、スクリューキャップのタイプを選ぶと持ち運びに安心です。
また、油のボトルを持ち帰る時は、ボトルについた油をキッチンペーパーなどでしっかりと拭き取り、ビニール袋などに入れると、万が一液漏れをしても、他のアイテムが油まみれになることを防ぎます。