キャンプをする時に、必ず必要になるのが飲みものや食材です。
クーラーボックスに保冷剤などを入れて、飲みものや食材を冷やしている方も多いと思います。
そのような場合に、キャンピングカーに冷蔵庫があると非常に便利です。
いつでも冷たい飲みものを飲めるだけでなく、お刺身やケーキなどの生ものを保管することができるので、食事のバラエティも広がります。
今回は、そんなキャンピングカーの冷蔵庫の使い方についてまとめました。
使い方を知る前に!キャンピングカーの冷蔵庫は2種類ある!
一般的に、キャンピングカーで使用されている冷蔵庫は2種類あります。
まず1つ目は、気化圧縮型(別名コンプレッサー方式)と呼ばれるタイプの冷蔵庫です。
気化圧縮型は、家庭用冷蔵庫で多く利用されています。
電気でモーターを動かし、圧縮機であるコンプレッサーを駆動し、冷蔵庫内にある冷媒を圧縮します。
それから、圧縮した冷媒を冷蔵庫内で循環させることによって庫内を冷やしていきます。
このタイプの冷蔵庫は、立ち上がりが早いため、庫内が冷えるまで比較的短時間で済むのが特徴です。
しかしながら、圧縮機の音が大きいので、冷蔵庫の運転音が気になる方もいるかもしれません。
2つ目は、気化吸収型でアンモニアと水を利用するタイプの冷蔵庫です。
気化圧縮型のようにモーターを使うことがないので、構造が少し複雑ですが、使い方はそこまで複雑ではありません。
気化吸収型の冷蔵庫は、アンモニアが気体に変化する時の熱を利用して庫内を冷やしていきます。
これは、液体が気化する時に周りの物質の熱を奪う作用を利用した冷却方法です。
液体アンモニアと水が入ったパイプに熱を加えたり冷やしたりすることで、気化熱を庫内に送り、庫内の温度が保たれるようになっています。
気化吸収型は、このようにモーターを使用しないので、作業音がしないのが特徴的で、病院などの静音が求められる場所でよく利用されます。
もう少し細かく!キャンピングカーの冷蔵庫は2wayと3wayタイプもある!
キャンピングカーの冷蔵庫は、先ほどの説明のように基本的には気化圧縮型と気化吸収型の2種類があります。
また、さらに細かく分けると2wayと3wayというタイプの冷蔵庫に分類することができます。
この2つの違いは、動力源です。
2wayタイプの冷蔵庫は、動力源として使用できるのが、交流式のAC100Vと直流式のDC12Vの2種類になります。
交流式のAC電源は、一般家庭のコンセントで供給されているものになります。
一方で直流式のDC電源は、消費電力の少ないものに使われることが多く、車のシガーソケットなどに利用されています。
2wayタイプは、ガスよりも電気を主に動力源とする気化圧縮型の冷蔵庫で主に利用されています。
基本的にはAC100Vから優先的に電力を供給するようになっていますが、AC100Vは電力が大きく、外部電源から電力を供給しないといけません、
そのため、キャンピングカーに搭載されているバッテリーから供給する場合、DC12Vからの供給となります。
電力が小さいため、冷却できる温度に限りがありますが、使い方次第では自宅の冷蔵庫となんら変わりなく使うことができます。
一方で、3wayタイプの冷蔵庫の動力源はAC100V、DC12Vとガスの3種類です。
こちらも、基本的にはAC100Vへ優先的に繋がれますが、コンセントがない場合、ガスのみを動力源として利用できます。
3wayタイプは、モーターを使用しないゆえに、電気が必要ない気化吸収型の冷蔵庫で使われることが多いです。
電力に限りがあるキャンプ生活で、電気を使わずに冷蔵庫を使用できるので、キャンプ向きの方法ともいえます。
キャンピングカーの冷蔵庫の使い方!メインスイッチは出発前日にオン!
キャンピングカーの冷蔵庫の使い方自体は簡単です。
基本的に、冷蔵庫のメインスイッチをオンにするだけです。
2wayタイプの冷蔵庫であれば、AC100V、DC12Vのスイッチが分かれてついていることもあります。
その場合は、外部電源から電力を供給できるのであればAC100V、キャンピングカーのバッテリーのみを使用するのであればDC12Vで節電するといいでしょう。
ちなみに、両方のスイッチをオンにすると故障の原因になりかねないので、注意してください。
3wayタイプでスイッチが分かれている場合、外部電源がある時はAC100V、車で移動している時はDC12V、キャンプ場などで宿泊する時はガスを利用するということもできます。
しかしながら、どのように利用したとしても、キャンピングカーの冷蔵庫は家庭用の冷蔵庫には及びません。
その冷却能力は比較的弱く、外の気温に左右されやすくもあります。
そのため、キャンプへ出発の前日には外部電源に繋いで、メインスイッチをオンにするようにしましょう。
夏の暑い日だと、5時間稼働させてやっと庫内の温度が10℃くらいになります。
早めにスイッチを入れて、少しでも冷却機能をアップさせましょう。
使い方は簡単!ただし冷蔵庫内の冷気をしっかり循環させて!
出発前日にしっかり予冷をしたとしても、まだまだ油断はできません。
「キャンピングカーの冷蔵庫は冷えない」と、よくいわれますが、やはり家庭用と比べると冷却能力が弱いため、使い方にも工夫が必要です。
冷蔵庫の使用中、特に気をつけなければならないのが、冷蔵庫内の冷気をしっかりと循環させることです。
まず、元になる冷気ですが、出発前日に作った冷気を保つためにも冷蔵庫には、なるべく冷やしたものを入れるようにしてください。
温かいものを入れると、それを冷やすためにまた電力やガスを余分に消費してしまうことになります。
また、冷蔵庫内の温度が上がってしまい、他のものが冷えにくくなってしまう原因になります。
それから、冷蔵庫内の冷気を循環させるために、庫内にたくさんものを詰め込みすぎないように注意しましょう。
市販の小さいファンを冷蔵庫内に入れて、冷気を循環させるのもいいでしょう。
さらに、冷蔵庫の開閉時間を短くするように心がけてください。
庫内の冷気が外に出てしまうと、その分また冷却するために電力やガスを消費してしまいます。
使い方には気をつけて!冷蔵庫の排熱は常にチェック!
使い方はいたってシンプルなキャンピングカーの冷蔵庫ですが、冷蔵庫の排熱がしっかりできているか常にチェックする必要があります。
クーラーをイメージして頂ければわかりやすいと思いますが、冷気を作るということは当然排熱が発生します。
クーラーのついている部分を家の外から見てみると、熱い空気が出ていて排熱をしています。
冷蔵庫も同様で、庫内に冷気を作る過程で出た熱を外へ排出する必要があります。
キャンピングカーの冷蔵庫は、車外へ排熱するタイプと車内へ排熱するタイプの2つがあります。
そのため、使用するキャンピングカーの冷蔵庫の排熱がどちらのタイプになっているのかを出発前に確認するようにしましょう。
排熱される場所に荷物を置いたりすると、熱が蓄積し内部機器の温度がどんどん上昇して大変危険です。
それゆえに、冷蔵庫の排熱部分には一定のスペースを確保して排熱ができているかを時々確認するようにしてください。
使い終わったらスイッチをオフにして冷蔵庫を乾燥させよう!
冷蔵庫はそのまま放置すると、庫内にカビが生えたりして故障の原因にもなるので、最後の最後まで、使い方には気をつけるようにしてください。
キャンピングカーを使い終わって帰宅したら、まずは冷蔵庫の中身を全て出して庫内を空にしてください。
それから、庫内の汚れを拭き取り、扉を閉めて冷蔵庫のメインスイッチをオフにします。
メインスイッチをオフにした後すぐに扉を開けると、庫内の冷却部分が結露を起こして水滴だらけになってしまいます。
そのため、冷蔵庫内を常温に戻した後に、扉を開けて乾燥させるようにするのがいいでしょう。
キャンピングカーに搭載されているバッテリーは、充電がゼロになり過放電の状態になると故障して2度と使用できなくなってしまいます。
そのため、冷蔵庫を使用しない時は、冷蔵庫のスイッチを必ずオフにするようにしてください。
また、ガスで冷却している場合は、ガスのスイッチをオフにしているかどうかも必ず確認するようにしましょう。
キャンピングカーの冷蔵庫を正しく使用しよう!
キャンピングカーの冷蔵庫の使い方は、使用する時にメインスイッチをオンにし、使用後にメインスイッチをオフにするだけなので、とてもシンプルです。
しかしながら、家庭用の冷蔵庫と違ってスイッチを早めに入れる、庫内の冷気を循環させる、排熱ができているか確認するなどの工夫が必要です。
使い終わった後も、庫内を常温に戻してから扉を開けて乾かすなどの工夫を忘れずにしましょう。