近年、ホーロー鍋の中でも高い人気を誇るのが「ストウブ」です。
ストウブで炊いたご飯は格別に美味しいものですが、初心者が失敗してしまうのはご飯に芯が残ってしまうことですね。
ここでは、なぜ芯が残るのか、原因を追究しながら、美味しい炊飯の方法をお伝えしていきます。
ストウブで炊くご飯はなぜ美味しいの?
まずは、ストウブについて簡単にご説明していきます。
ストウブは、ルクルーゼと並んでフランスを代表とする、鋳造ホーロー鍋の世界的なブランドです。
クオリティの高い鍋として、プロも愛用している鍋の1つです。
ストウブの最大の魅力は、保温・熱伝導性に優れているということです。
ストウブの鍋裏には、いくつかの突起物(ピコ)がついていますが、この突起物により、食材から出る水蒸気を受け止め、水滴となり降り注ぐ、いわゆる「無水調理」を可能にしています。
無水調理ができるストウブは、食材の美味しさを逃がすことなく、最大限に引き出すことができます。
そのため、ストウブで炊いたご飯は、味が凝縮され普通の炊飯器で炊いたご飯よりも、格段に美味しくなります。
また、食材から出る水分で調理できるため、煮物はもちろんのこと、カレーやシチューなども少量のお水で作ることができます。
しかし、ストウブでお米を炊飯したら、「なぜか芯が残る」、「美味しく炊くことができない」、という方もいらっしゃいます。
なぜ、このように失敗してしまうのでしょうか。
その原因について、解説していきましょう。
ストウブで炊いたご飯に芯が残る原因は?①
美味しく仕上がるはずのストウブで炊いたご飯が、「なんだか美味しくない」「芯が残る」という場合は何が原因なのでしょうか。
1つ1つ、解説していきましょう。
・浸水時間が短い
炊き上がりのご飯に芯が残ってしまう原因の1つは、浸水時間が短いことが考えられます。
浸水する時間は、季節やお米によっても異なりますが、夏場で30分、冬場1時間は浸水しましょう。
・鍋のサイズがお米の量と合っていない
鍋サイズの大きいストウブで、少量のお米を炊いても美味しく仕上がりません。
やはり、炊飯にいたっては、大は小を兼ねず、サイズにあった量でお米を炊きましょう。
一般的に、20~22センチのサイズは3合炊き、26センチは5~6合炊きに適しています。
・温水で洗米、または炊いている
冬場、手が冷たいからといって、温水でお米を洗米したり、温水で炊いていませんか?
実は、お米は温水で炊くと、芯が残ることがあります。
また、温水で洗うことで、お米の表面が糖化し、甘みも流出してしまいますので、美味しいご飯に炊き上がらなくなります。
ストウブで炊いたご飯に芯が残る原因は?②
続いて、ストウブで炊いたご飯に芯が残る原因について、解明していきます。
・蒸らし時間が足りない
お米を炊飯するとき、この蒸らし時間も非常に大切です。
お米の蒸らし時間をしっかりと取らないと、お米の芯まで熱を入れることができず、芯が残ってしまったり、水分が残り、ベタベタな仕上がりになることがあります。
ですから、炊き上がったら、10~15分は蒸らすようにしてください。
ストウブは、非常に蓄熱性が高い鍋ですので、しっかりと蒸らすことで、もちもちと甘く、美味しいご飯に仕上がります。
・蓋を閉めるタイミングを間違えた
ストウブで炊飯をするときは、蓋を開けて沸騰したら、蓋を閉めて弱火で煮る、というレシピが多いです。
このとき、蓋を閉めるタイミングが遅すぎると、鍋の中の必要な水分までが飛んでしまい、お米が固くなる場合があります。
ストウブで美味しいご飯にするポイント
ストウブで炊いたご飯に芯が残る場合や、美味しく仕上がらないときは、上記で説明したことが原因かもしれません。
炊くときには、十分に注意してみましょう。
ここでは、美味しいご飯に仕上げるポイントについて、お伝えしていきます。
・冷水で洗う
先ほどもお話したように、温水で洗米や、炊飯をしてしまうと、芯が残ってしまったり、お米自体の味を損ねてしまうことがあります。
お米を洗米するときは、基本「冷水」がポイントです。
冷水でお米を洗米、炊飯すると、ストウブの中でゆっくりと温度が高くなり、ご飯の甘みと風味が高くなります。
・ミネラルウォーターを使う
お米は、水にふれた瞬間から吸収してしまいます。
ですので、お米を研ぐときも炊飯するときも、ミネラルウォーターを使うことで、より美味しいご飯に仕上がります。
また、研ぐときは、ささっと水換えも、手早く行いましょう。
いつまでも、ぬかや汚れが出た水の中にお米を入れておくと、その分お米が汚れたお水を吸収し、風味や味が落ちてしまいます。
ストウブで炊いたご飯に芯が残るのは鍋底の形状に問題?
上記以外でも、ストウブで炊いたお米に芯が残る場合があります。
それは、ストウブの鍋底の形状にあります。
ストウブの鍋底の形状を見てみると、やや角が立っているようなカーブになっています。
ふっくらお米が炊き上がる羽釜の形状を見ると分かりますが、丸く緩いカーブになっていると思います。
このカーブには、炊飯時の熱対流が発生しやすく、ムラなく炊くことができるが故の形状なのです。
ですから、ストウブの鍋底には角立っている部分があるため、熱対流の発生を上手く作ることができず、「お米に芯が残ってしまうのでは?」、と推測できます。
あくまで推測になりますが、鍋底の形状とお米の炊き上がりには、少なからず関係はありそうですね。
ただし、先ほどご紹介した、美味しいお米の炊き方のポイントを抑えておけば、十分美味しいご飯は炊くことができるはずです。
お米の時期や、種類に合わせて、ピッタリな加減を探してみてください。
炊飯用に販売されたストウブがある!?
従来のストウブの形状は、どうしても熱対流が発生しにくいため、お米に芯が残る場合があります。
これを解消し、ご飯を炊く専用鍋として発売されたのが、「ラ・ココット de GOHAN」です。
従来のストウブでも、美味しいご飯は炊くことができますが、「さらに美味しいご飯を炊くことはできないのか?」という思いから開発されました。
美味しいご飯が炊くことができるといったら羽釜ですが、こちらのラ・ココット de GOHANも、コロンとした羽釜のような丸いフォルムが特徴的です。
そのため、羽釜と同じような対流が生まれ、お米をふっくらと炊き上げることができます。
ストウブの最大の特徴といったら、蓋裏の突起物「ピコ」ですが、このラ・ココット de GOHANは、ピコをさらに改良した「システラ」を採用しています。
システラはピコよりも9倍以上もの水滴が降り注ぐため、お米に水分をまんべんなく行き渡らせることができます。
従来のストウブは、大容量のお米を炊くと、食べきれないなどの問題がありましたが、このラ・ココット de GOHANならば、1人暮らしや2人暮らしの方も、その都度必要な分だけを炊くことができますので、おすすめです。
お米の炊飯以外にも、いろいろな料理に使用することができますので、少人数のご家庭の方にピッタリな鍋ではないでしょうか。
ストウブで美味しいご飯を炊くコツ
ご飯に芯が残ってしまう原因は、さまざまです。
美味しいご飯を炊けるはずのストウブで、なぜか失敗してしまうという方は、この記事でご説明したことが原因かもしれません。
ポイントをしっかり押さえて、ストウブで美味しいご飯を炊いてみましょう。