寒い冬、ストーブを使って暖を取っている方もいるでしょう。
ストーブは昔から使われている暖房器具で、灯油を燃料にしているものが一般的です。
アウトドアにも使えるストーブですが、臭いが気になったことがあるかもしれません。
臭いの原因にはストーブの劣化や使い方が関係していることが多いのです。
そのままにしていると、やけどや火災に繋がる可能性もあります。
そうならないためにも原因や対処法などご紹介します。
屋外で使用する際の注意点、おすすめのストーブもお教えします。
ストーブが臭い!灯油臭い原因①
ストーブが臭いと感じるのにはいくつか原因があります。
・灯油の劣化
石油ストーブと呼ばれることが多いですが、燃料は灯油を使用しています。
灯油は不純物と混ざったりすると劣化します。
灯油を入れているポリタンクが溶けだしたり、雨水や埃なども不純物になります。
また、紫外線でも灯油は劣化します。
不純物が燃えることで臭いの原因となることがあります。
前年の灯油はできるだけ使わないようにしましょう。
・不完全燃焼
臭いの大きな原因は灯油の不完全燃焼にあります。
その不完全燃焼を引き起こすのが芯の上げすぎや、下げすぎにあります。
燃焼筒の上の部分が黒くなっている場合、芯を下げすぎといえます。
逆に、燃焼筒の上に4cm以上炎が伸びている場合、芯を上げすぎているといえます。
どちらも不完全燃焼のため、臭いの原因になります。
不完全燃焼が起こると、一酸化炭素中毒の危険が増し、大変危険ですので気を付けましょう。
点火してから30分程度様子を見て芯の調節をしてください。
燃焼筒が十分赤くなり、燃焼筒の上に炎が4cm以下になるようにしましょう。
大切なのは換気です。
臭い対策にもなりますし、換気をしない部屋は二酸化炭素が充満してしまいます。
酸素が足りなくなれば燃焼不足にもなります。
1~2時間おきに換気をするよう心がけましょう。
ストーブが臭い!灯油臭い原因②
臭いの原因は他にもあります。
・芯の劣化
ストーブの芯は長く使用していると先の部分が焦げて、短くなってしまうこともあります。
これにより、きちんと燃料を燃やすことができなくなり、臭いの原因となるのです。
芯の交換は自分でもできます。
説明書に型番が書いてあるので、ホームセンターや通販などで購入できます。
使用済みの芯には灯油がしみ込んでいるので、交換の際は十分に気を付けましょう。
不完全燃焼以外にも、暖まりにくい、臭いがきついなどの場合、芯の劣化が考えられます。
定期的に芯の交換を行いましょう。
・埃やゴミ
不完全燃焼により、出火の危険もあります。
燃焼筒の下の空気を取り入れる部分に埃やゴミが溜まると、空気が十分に供給されなくなります。
そのため、不完全燃焼を起こし、そこから出火したという例がありました。
久しぶりに使用するときや、片付けるときにはしっかり掃除をして、埃やゴミを取り除いておきましょう。
・ストーブの劣化
長年使えばストーブ自体も劣化します。
5年~7年程度が寿命とされています。
灯油の減りが早い、暖まりにくいなどあれば、ストーブの寿命かもしれません。
一酸化炭素中毒も火事も命に関わることです。
使用方法を守り、正しく使いましょう。
色も臭いもない一酸化炭素は非常に危険
一酸化炭素中毒は、自覚症状がないことからサイレントキラーと呼ばれています。
中毒症状も風邪と似ていますが、最悪の場合、死に至ることもある怖いものです。
一酸化炭素中毒は血液中のヘモグロビンが、一酸化炭素を吸い込むと酸素ではなく一酸化炭素と結びついてしまい、酸素が身体に回らなくなり、脳などがダメージを受けてしまうのです。
軽い症状には、頭痛、吐き気、めまい、そして眠気などがあります。
風邪と似ているために、これに気付かず進行してしまうととても危険です。
特に、眠気は気づかないまま寝てしまうことが多いのです。
すると、そのまま一酸化炭素を吸い続けてしまいます。
重症となると意識不明、けいれん、死に至る場合もあります。
ストーブをつけたまま寝ることは絶対にやめましょう。
一酸化炭素中毒の症状が出てくる時間の目安は、約3~4時間と考えられます。
しかし、環境や個人差もあるため、過信してはいけません。
灯油を燃料とするストーブは、酸素を必要とします。
酸素不足になると、不完全燃焼が起こり、臭いだけでなく、一酸化炭素中毒を引き起こす危険があります。
部屋でストーブを使うときはもちろんですが、キャンプなど屋外で使う場合も、換気が重要です。
1~2分で十分なので、ストーブを使うときは常に換気をして新鮮な空気を取り入れましょう。
アウトドアに人気の灯油ストーブ 屋外での注意点
電源が不要でキャンプなどに使う機会も多いストーブですが、室内だけではなく、屋外でも注意が必要です。
一酸化炭素中毒にならないよう、こまめな換気が重要なのは前述したとおりです。
密室での使用は避け、テント内で使用する際も、こまめに換気をしましょう。
ベンチレーション(換気)用の小窓があるタイプなら、開けたまま使用するようにしてください。
テントの素材が化学繊維の場合、距離が近いと熱で溶けたり、変形してしまう危険があります。
十分に距離をとりましょう。
灯油は臭いが強い燃料のため、移動中の車内や、給油中にこぼれたりして臭いが充満すると、気分が悪くなることもあります。
厚手のビニール袋に入れたり、トレーの上に乗せるなど、車内にこぼれないよう対策をしましょう。
給油はテントの外で行ってください。
一酸化炭素を感知して知らせてくれる便利アイテムもあります。
コンロやストーブを使う際の安全対策として用意しておくのもいいかもしれません。
冬のキャンプでは、夜中に雪が降り、ベンチレーション用の窓や隙間がふさがれてしまう可能性もあります。
眠るときには使用をやめ、電源サイトで電気毛布を使うなど工夫しましょう。
断熱効果のあるシートを敷くのもおすすめです。
換気さえ気をつければ灯油ストーブはこんなに楽しめる
キャンプで灯油のストーブを使うことの楽しみもたくさんあります。
いくつかご紹介しますので、試してみてください。
灯油ストーブは上にヤカンなどを乗せることができます。
水を入れたヤカンをかけておけば加湿ができるので、乾燥する季節にはありがたいですね。
お湯があればいつでも温かいコーヒーやココアなどを飲むことができます。
インスタントラーメンを作るのもおすすめ。
キャンプで食べるインスタントラーメンは家とはまた違ったおいしさを味わえます。
アルミホイルを敷けば、ちょっとした焼き物も簡単にできます。
ウインナーを焼いたり、スルメや餅も焼くことができて、おつまみにもなります。
上に乗せておくだけでおでんも作れます。
時間をかけてコトコト煮込んだおでんは味もしみて格別です。
鍋などの煮込み料理の他に、ストーブでデザートも作れます。
ゆっくり時間をかけて作るおしるこは身体も温まります。
焼リンゴもアルミホイルを敷いて乗せておくだけです。
焼くことによって甘みが増しておいしくなります。
料理をしていると灯油の臭いに気付きにくいかもしれません。
換気には十分に気を付けてください。
キャンプにも!おすすめ灯油ストーブ
おすすめの灯油ストーブをいくつかご紹介しましょう。
屋外で使えるタイプですので冬のキャンプに取り入れてみてはいかがでしょうか。
【フジカハイペット KSP-229-21C-J2R型(反射板付モデル)】
点火方式:ガスライター、マッチ
対震自動消火装置付
高品質でコンパクトな日本製で、倒しても燃料がこぼれにくい構造です。
標高の高い場所でも使用できます。
臭いや煙が少なめで静かなのが特徴です。
給油口が小さく、給油しにくいのが難点。
【トヨトミ レインボーストーブ RB-25F】
特殊ガラスでできた燃焼筒が7色に輝き間接照明としても人気です。
明るさはおよそ40Wとかなり明るいのが特徴です。
遠赤外線効果はなく、暖かい空気は上に向かうため、サーキュレーターとセットで使うのが効率的です。
暖かさのコントロールがしにくく、弱くすると不完全燃焼につながるのが難点。
【アラジン ブルーフレーム3911】
約80年改良を重ね、基本的なモデルチェンジがなく、完成された性能とフォルムのストーブです。
レトロな石油ストーブとして人気があります。
コンパクトで緩やかな暖かさが魅力です。
【アルパカ 石油ストーブTS-77】
サイズは標準とコンパクトがあります。
通常のストーブでは、灯油を使い切りタンクを外してからでないと、移動の際振動でオイルが漏れてしまいますが、タンク一体式のアルパカは漏れる心配がありません。
点火、消火とも手動のため使い方は簡単です。
給油口のコックが硬いのが難点。
正しく使って快適空間を作ろう
最強寒波がやってきたときのために、寒さ対策はしっかりしておきたいものです。
暖房器具も用途に合わせて様々なものがあります。
生活習慣やどこでキャンプをするかなど、自分に合ったものを見つけてください。
寒いからと換気を怠らずに、安全に快適に冬を乗り切りましょう。