スノーピークのギガパワーストーブ「地」といえば、軽量で小型のストーブの定番ですよね。
ステンレスとアルミニウムの落ち着いた輝きに、ブラス(真鍮)の黄がアクセントになっているこのギガパワーストーブ「地」にチタンでできた製品が存在していたことはご存知ですか?
スノーピークのギガパワーストーブ「地」についてご紹介すると同時に、かつてのギガパワーチタンストーブ「地」ついて見ていきます。
スノーピークのギガパワーストーブ「地」はどんなアイテム?
ギガパワーストーブとは、チタン製アウトドアギアを数多く世に送り出しているスノーピークから発売されている、軽量で小型のシングルバーナータイプのストーブです。
今でこそ、さまざまなブランドから小型で軽量なストーブが発売されていますが、1998年の発売当時では世界トップレベルの軽さと小ささを誇りました。
ギガパワーストーブ「地」は、「胸ポケットに入るストーブ」を目指して開発され、驚くほど小さな製品となっています。
その大きさは、φ106×67.5mm、重さはたったの75gです。
付属のプラスチック収納ケースへ入れても、44×35×82mmで、大きめのポケットになら、すっぽりと収まる大きさですね。
このギガパワーストーブ「地」にはオートイグナイタ(スイッチ式の自動着火装置)が搭載されていないため、着火の際にはマッチやライターが別で必要になります。
なお、90gとやや重くなりますが、オートイグナイタ搭載のギガパワーストーブ「地」オートも発売されています。
寒冷地でグローブをはめたままライターやマッチを使って着火するのは、非常に困難かつ危険が伴うので、オートイグナイタ搭載モデルを購入することをオススメします。
また、別売で後付けのオートイグナイタも¥1,900で販売しているので、すでに通常のギガパワーストーブ「地」を購入済みの方もご安心ください。
ちなみに、オートイグナイタ搭載モデルは¥5,900なので、¥4,500の通常モデルのギガパワーストーブ「地」とオートイグナイタを別々で購入するより¥500ほどお得です。
スノーピークのギガパワーストーブ「地」は小さくて軽いだけじゃない!
さて、前の項でチタン製の優れたギアを生み出しているスノーピークのギガパワーストーブ、「地」の驚きの小ささと軽さがわかりました。
しかし、軽いだけでなく、ギガパワーストーブ「地」は、その名前の通りパワー、つまりその火力も充分にあります。
ギガパワーストーブ「地」の出力は、カタログ上では2,500kcal/hです。
登山等のアウトドアシーンにおいて、小型シングルバーナータイプのストーブの用途は、せいぜいお湯を沸かすことや簡単な調理に使う程度でしょう。
このギガパワーストーブ「地」なら、カップ1杯程度のお湯であればほんの数分で沸かすことができます。
登山等のアウトドアシーンにおいて求められる小型ストーブの出力としては充分な火力がある、と言えるのではないでしょうか。
こんなに小さくて軽くてもしっかりとした火力があり、長らく定番アイテムとして定着していることも納得ですね。
また、シンプルな構造も大きな魅力のひとつでしょう。
五徳の開閉も簡単なので、すぐ使えて、サッと片付けられます。
このシンプルさが軽さの秘訣なのでしょう。
チタン製のギガパワーストーブ「地」はどんなアイテムだったの?
スノーピークのギガパワーストーブ「地」のチタン製モデルは、ギガパワーチタンストーブ「地」という名称でした。
チタン製のカップや食器、調理器具などを製造・販売するスノーピークから発売され、大きな注目を集めていたことでしょう。
しかし、近年になって惜しまれながら廃番となり、カタログや店頭から姿を消しました。
現存するギガパワーチタンストーブ「地」は、オークションサイトやフリーマーケットアプリで高値で販売され、発売当時の何倍もの価格に跳ね上がっている光景も見られます。
まさに幻のアイテムとなりつつあります。
なお、大きさ、形状、構造はギガパワーストーブ「地」と同様です。
しかし、ギガパワーストーブ「地」でステンレスを採用している箇所にチタンを採用することで、さらなる軽量化に成功しています。
その重さはたったの74gです。
ギガパワーストーブ「地」と比べてわずかに1gの差ですが、そこに軽量化に込める熱意やロマンが詰まっていたことは間違いありません。
そもそもチタンとは一体どんな素材?
アウトドアギアやスポーツアイテムでよく名前を耳にする「チタン」は、実は金属の一種です。
このチタンという金属は、チタン鉱を原料に作られる金属で、多くは他の金属などを合成した「チタン合金」として使用されています。
そして、チタンは「軽い」「強い」「錆びない」という大きな3つの特徴を持っています。
まずはその軽さです。
スノーピークのギガパワーストーブ「地」で使用されているステンレスと比べると、同じ大きさならチタンの方が40パーセントほど軽くなります。
次にその強度です。
重さあたりの強度ではチタンの方がステンレスより15パーセントほど強いというデータがあります。
つまり、チタンは軽くて強いということですね。
最後に錆びにくさについてです。
チタンの表面は空気中では薄い膜が張っているような状態になっています。
この膜が表面を保護しているので、非常に錆びにくいという特徴があります。
アウトドアギアを使用する屋外では雨風にさらされることもあり、錆びてしまう危険性が潜んでいます。
なおかつ思いもよらぬ負荷や衝撃が加わるリスクも多く存在し、アウトドアギアの強度も求められます。
それに加え、登山のように体ひとつで全ての荷物を運ぶ必要がある場合には、荷物全体の重さを減らしたいものですよね。
そういった点を考えると、「軽い」「強い」「錆びにくい」という3つの特徴は、アウトドアギアとして欠かせない大きな特徴ではないでしょうか。
ギガパワーチタンストーブ「地」をはじめ、多くのアウトドアギアで使用されていることも納得です。
チタン製のストーブは、今もスノーピークから発売されているの?
チタン製のカップや食器も製造・販売しているスノーピークのことですから、「きっとギガパワーチタンストーブ『地』の後継品にあたるチタン製ストーブが出ているはず」と思いリサーチをしてみました。
すると、「ギガパワーマイクロマックス・ウルトラライト」というストーブが見つかりました。
このギガパワーマイクロマックス・ウルトラライトは、ギガパワーマイクロマックスというストーブをベースにして開発されたシングルバーナータイプのストーブです。
106gあるギガパワーマイクロマックスのパーツの一部をチタンに置き換えるなど、金属パーツを徹底的に見直すことで、ギガパワーマイクロマックス・ウルトラライトはさらなる軽量ストーブとして誕生しました。
その重さは、なんと56gです。
軽いだけでなく、最高火力は2,800kcal/hを実現しています。
ギガパワーマイクロマックス・ウルトラライトの価格は¥6,900ですが、軽さと性能から妥当な価格設定なのではないでしょうか。
ギガパワーチタンストーブ「地」よりも、さらなる軽量化・高出力化を成功させたギガパワーマイクロマックス・ウルトラライトには、スノーピークのモノづくりに対する熱意が感じられますね。
今、スノーピークから発売されているストーブにはどんなものがあるの?
現在スノーピークから発売されているストーブには、前項まででお伝えしたギガパワーストーブ「地」や、チタン製のギガパワーマイクロマックス・ウルトラライト以外にも様々なアイテムがあります。
●ヤエンストーブ レギ(税抜き¥8,980)
一見すると分離式のように見えるヤエンストーブ「レギ」ですが、実は正立式と同様に、ストーブ本体とガスカートリッジを直結する構造をとっています。
ヤエンストーブ「レギ」は分離式のような低重心で安定感がありつつ、正立式のようなコンパクトさを実現しました。
火力は2,900kcal/hとやや強めです。
火力、安定性、コンパクトさのバランスは抜群ですね。
●ギガパワーLIストーブ「剛炎」(税抜き¥37,000)
このギガパワーLIストーブ「剛炎」は、ここまで紹介してきた軽量・小型シングルバーナーとは比べ物にならない火力を誇るシングルバーナータイプのストーブです。
その火力はなんと、驚きの8,500kcal/hもあります。
スノーピークのカタログによれば、「キャンプでパラパラのチャーハンが作れる火力」とのことでした。
ギガパワーLIストーブ「剛炎」の重さは1.8kgもあり、お世辞にも軽いとは言えません。
しかし、キャンプでの調理や食事を楽しむアイテムとして持っておきたいひと品ですね。
今も昔も良いアイテムを販売するスノーピーク
残念なことに、ギガパワーチタンストーブ「地」は販売終了してしまっていました。
しかし、スノーピークから現在発売されているストーブも魅力的なものばかりです。
お気に入りのストーブを見つけて、素敵なアウトドアタイムを過ごしませんか?