バックカントリーは、ただ滑るだけではなく山を登らなくてはなりません。
ですから、ゲレンデを滑るスキーやスノーボードと違って、多くの装備を持って行く必要があります。
ここでは、バックカントリーに必要な装備をご紹介するとともに、登るのに重要なポールについてもお話ししていきます。
自分に合った長さのポールを選ぶことが大切ですので、ぜひこの記事を参考にしてくださいね。
バックカントリーは普通のスキーやスノボではない!
「バックカントリーって聞いたことはあるけど、実際どんなものなのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
はじめに、バックカントリーについてお話をしていきます。
バックカントリーはバックカントリースキーを指しますが、バックカントリースノーボードなどもあります。
以前は、山岳スキーやスキー登山などとも呼ばれていました。
バックカントリーはスキーで滑る前に山を登ることからはじまります。
スキー場の場合はリフトで上まで登り滑りはじめますが、バックカントリーの場合は自力で雪山を登らなくてはいけません。
なぜなら、スキー場とは違い、整備されていない自然な状態の雪山を滑ることをバックカントリーというからです。
ですから、リフトで登りたくてもリフトがないのです。
そのため、雪山を登山してからスキーで滑りはじめることで、山岳スキーなどと呼ばれていたというわけです。
わざわざ自分で雪山を登山して何が良いのか疑問に感じる方もいるでしょうが、バックカントリーの魅力は人の手を加えられていないパウダースノーの浮遊感を楽しめることです。
自然の中だからこそ味わえる感覚や感動が、滑った人の心に刻まれます。
しかし、その魅力を味わう一方で、大きなリスクを伴うのがバックカントリーです。
そのリスクとは、整備されていない雪山ですから、ゲレンデとは違って岩や枝などの障害物があることです。
また、いつ起きるか分からない雪崩などの自然災害もあります。
こういったリスクが潜んでいるので、バックカントリーを行う場合は装備をして臨むことが重要になります。
つぎから、バックカントリーに必要といえる装備や、そのなかの1つであるポールの長さの重要性などについてお話をしていきます。
バックカントリーの3大装備とは?
バックカントリーには感動するくらいの魅力がある反面で、大きなリスクもついてきます。
バックカントリーにおける最大のリスクとは、山を登っているときや滑走中に雪崩に巻き込まれることです。
しかし、このような事態に陥っても、きちんと装備していけば助かる可能性が高まります。
ここではまず、バックカントリーにおける3大装備といわれているアイテムたちをご紹介しましょう。
1つめは、ビーコンです。
これは無線信号を受発信することで、雪崩に巻き込まれた場所の特定が可能となるアイテムです。
2つめは、プローブです。
これはビーコンで雪崩に巻き込まれた場所を特定したら、その地点をより鮮明に特定するためのポールのようなものです。
別名では探り棒ともいい、雪面に刺して埋まってしまった人を探します。
3つめは、ショベルです。
プローブで埋まってしまった人を発見できたら、呼吸できるようにしなくてはいけませんから、すぐにショベルで雪を掘り出します。
重労働になりますから、長さや素材など使いやすいショベルを選ぶと良いですね。
普段はザックのなかに収納しておくので、組み立て式のものが良いでしょう。
この3つが3大装備といわれていますが、ほかにも大切なアイテムがあります。
次の項でみてみましょう。
ポールなど!ほかに必要といえる装備は?
先ほどは、バックカントリーにおける3大装備といわれているアイテムをご紹介しましたが、ほかにも重要なアイテムがありますのでここでご紹介していきます。
●スノーシュー
雪の上を歩きやすくするためのアイテムで、ブーツをはいた上に装着するものです。
これを身に付けることで、雪に埋まらずに歩くことが可能となります。
これがないと、山に登れないと言う人もいるくらい重要なアイテムです。
●ポール
登山や滑るときに使います。
スキーの場合、登山用と滑走用を兼用で使えるものを選ぶと荷物が少なく済んで良いですね。
スノーボードの場合は、長さの調節が可能で折りたためるものがオススメです。
●防寒着
標高が高くなれば、気温も低下していきます。
最悪の場合、生死の危険にもつながりますので、フリースなどの防寒着を持って行きましょう。
●ゴーグル・グローブ
身に付けているものとは別にスペアを持っておくと、いざというときに助かります。
●ファーストエイド
ケガした際の応急措置として使うものです。
デーピングやガーゼ、鎮痛剤などがあると尚良いですね。
●飲食物
登る山によっては、本格的な登山になります。
水分補給なども必要になりますから、常備しておくようにしましょう。
いざというときの非常食も忘れずに持っていくようにしてください。
●ザック
上記のもののほか、必要な荷物を1つにまとめるために重要なアイテムです。
できれば、20~30L容量で自分の身体にフィットするザックを選ぶのが良いですね。
ポールは正しい長さを選ばなくてはいけない?
バックカントリーにおいて必要といえる装備をご紹介してきました。
そのなかの1つポールがありましたが、ポールは長さで選ぶことが重要になります。
なぜかというと、ポールの使い方に関わってくるからです。
ポールは、スキーの滑走用としても使います。
使う目的としては、「バランスを維持すること」と「加速するためのターン作り」が挙げられます。
これを難なく行うには、自分の長さに合ったポールを選ばなくては効果を得にくくなります。
ですから、自分の長さに合ったポールを選ぶことが重要なのです。
バックカントリースキー上級者の場合、滑るスタイルごとにポールの長さを変える方もいます。
そういった方の場合は、長さを自分で調節できるポールがオススメですね。
しっかり固定されるので、滑走中に長さがずれてしまうなどの心配はありませんよ。
自分に合ったポールの長さ!バックカントリー用の場合
バックカントリーで重要な装備の1つであるポール。
そして、それは自分に合った長さであることが重要だと先ほどお伝えしました。
それでは、自分に合った長さのポールはどのように選べば良いのでしょうか。
ポールを選ぶとき、滑る場所と自分のライディングスキルによって選ぶ長さが変わってきます。
滑る場所であれば、サイドカーブがきついか緩いかなどでも、ポールの長さは変わってくるのです。
また、スキルによっては、テクニックに対応するポールの長さも変わります。
そのため、この2つを基準に、自分に合うポールの長さを決めることが大切になります。
ここでは、バックカントリー用である程度のスキルを持っている方にオススメの長さをお伝えします。
基本的には、自分の身長の2/3くらいの長さがオススメです。
例えば、身長160cmの方であれば105cmのポール、身長170cmの方であれば113cmのポールです。
あくまでもオススメの長さですので、±2cmの間で検討してみてください。
長さ以外にも選ぶポイントを押さえておこう!
バックカントリーで使うポールは、長さ以外にも重要なポイントがあります。
長さ以外のポイントは、全部で5つあります。
①素材
最近のポールは、カーボンシャフトを採用することで軽量化を実現しています。
ポールが軽いと、滑走時の操作性が高まります。
②頑丈
重装備の状態で雪山を登るので、荷重に耐えれることも求められます。
最近のポールは、軽くて頑丈なものが多くなってきています。
③石突
ほとんどのポールを比べても石突の長さに差はありませんが、極力長いものが良いでしょう。
短いとバスケットと雪面が干渉し、しっかりとポールが刺さらないこともあります。
転倒や滑落などの危険性があるので、石突の長さも忘れてはいけないポイントです。
④バスケット
バスケットの面が小さすぎてしまうと、雪面を押す力が弱くなってしまいます。
その場合、ポールが雪面に刺さったままになってしまいますので、ある程度大きいバスケットがオススメです。
⑤グリップ
グリップには、ゴム製やプラスチック製、コルク製などがあります。
人それぞれ好みが分かれると思いますので、自分が握りやすい素材のものを選ぶと良いでしょう。
お店で試す場合は、バックカントリーで身に付けるグローブを持参することを忘れないでください。
素手とグローブでは感触が変わりますから、グローブをした状態で握りやすいグリップを選びましょう。
以上のようなポイントを参考に、自分に合うポールを選び、バックカントリーに臨んでくださいね。
装備以外でバックカントリーに重要なこと!
バックカントリーで必要といえる装備やそのなかの1つのポールについてお話をしてきました。
装備をして臨むことももちろん重要ですが、バックカントリーでは装備以外でも自分のライディングスキルが重要になります。
まだスキー自体の経験が少なければ、装備以前の問題で事故などの恐れが出てきます。
ある程度のライディングスキルを身に付けたうえで、バックカントリーに臨むようにしましょう。