フリースのアイテムに関して、「ポーラテック」というワードを耳にしたことがある方もいらっしゃると思います。
ポーラテックはフリース素材などを作っている会社です。
ポーラテックのフリース素材と、その素材を使ったパタゴニアのおすすめアイテムをご紹介していきたいと思います。
パタゴニアはどんなアウトドアブランドか
パタゴニア(Patagonia)は、1957年にイヴォン・シュイナード(Yvon Chouinard)が創業した、アメリカのアウトドアブランドです。
パタゴニアは南米の地名で、当時は地図に載らないような遠方の地というイメージと、どの言語でも発音し易いことから、このブランド名になりました。
当時のアウトドア用品と言えば、緑などの暗いテイストのアイテムが主流でした。
パタゴニアは鮮やかな色のアイテムを次々と発表し、その大胆なカラーリングは人気を集めていきました。
パタゴニアは、毛玉が出来ない両面起毛のシンチラ素材を開発し、これがアウトドア業界で大ヒットとなりました。
この両面起毛のシンチラ素材が、その後のフリースとなっています。
このシンチラ素材の開発にあたった当時のモールデンミルズ社は、このフリース素材をポーラテックと呼び、現在のポーラテック社(POLARTEC)となっていきました。
フリース素材と言えばポーラテック
ポーラテック社は元々、軍の制服や家具の生地を作る会社でした。
フリース素材は1985年に、世界で初めてポーラテック社が開発しました。
パタゴニアのイヴォン・シュイナードがこの会社を訪れ、アウトドア用のフリースを作り始めたことで、アウトドア業界にフリースが浸透していきました。
当時のアウトドアのアパレルと言えば、コットンやウールが主流で、保温性はあるものの毛玉が出来やすく、水に弱いという問題がありました。
イヴォンとポーラテック社が開発したシンチラ素材のフリースは、水に濡れてもすぐに乾く化学繊維で作られ、このフリースによってパタゴニアの人気が高まっていきました。
フリースは表面・裏面ともに起毛させることで、高い通気性がありながら、保温性も兼ね備えた画期的な素材です。
ポーラテックスでは、このスタンダードなタイプのフリースを、ポーラテッククラシックと呼んでいます。
このクラシックシリーズは毛の長さによって、クラシック・マイクロ、クラシック100・200・300に分かれています。
アパレルの用途によって、このフリース素材が使い分けられています。
ポーラテックのフリースには様々な種類がある
ポーラテックの生産する生地は550種類以上あり、それらの生地の機能を組み合わせることで、より機能性の高いフリースが出来ています。
ポーラテックの生地は、次の3つのカテゴリーに分けることが出来ます。
〇ネクスト・トゥ・スキン
レイヤリングの基本になるベースレイヤーの生地で、直接肌に触れてもストレスがないことに重点を置いています。
汗を外へ蒸発させる構造になっていて、アウターの機能をより高めます。
〇インシュレーション
レイヤリングの中間層にあたり、主な素材はポリエステル・フリースです。
スタンダードなフリースのクラシックシリーズと違い、表面にポリエステルベロア、ボア、シャーリングと言った加工をしているのがポーラテック・サーマル・プロシリーズです。
このシリーズは、表面の加工により独特な質感があり、個性的なアイテムを作ることが出来ます。
〇ウェザー・プロテクション
アウターなどに使われる生地で、防風や防水と言った機能があります。
ウェザー・プロテクションの代表的な生地が、ポーラテック・ウィンドブロックです。
フリースベースの生地に透湿性がありながら、防風性・防水性に優れているポリウレタンの膜が挟み込まれています。
ここからは、ポーラテックの素材を使ったパタゴニアのアイテムには、どんなものがあるのかみていきたいと思います。
パタゴニアの定番フリースシリーズ「Rシリーズ」
Rシリーズはパタゴニアの代表的なフリースジャケットのシリーズです。
「R」はレギュレータの略で、レギュレーター・インサレーション・システムを搭載したシリーズになります。
フリースの厚さによって、R1~R3までの番号が付いています。
〇R1
最も薄手のフリースで、保温よりも通気性に優れています。
アウトドアやスポーツなどの、アクティブな活動時に向いています。
〇R2
保温と通気のバランスが良く、アウトドアでもタウンユースでも使える定番モデルです。
フリースでありながら伸縮性に優れていて、着心地がいいのも特徴です。
〇R3
最も厚手のフリースで、冬の登山のミドルレイヤーとして使えます。
タウンユースでは、アウターとして十分な保温性を発揮します。
Rシリーズの中でもR2は特に人気が高く、アウトドアでもタウンユースでも使えるところが魅力です。
少しタイトな作りになっていて、インナーとしても使うことが出来ます。
ポーラテック・サーマル・プロとポーラテック・パワードライを配合しているので、とても高品質で、コンパクトなのに保温性が高いです。
脱ぎ着しなくても温度調節が出来るので、常に快適な温度で過ごすことが出来ます。
パタゴニアのおすすめポーラテックフリース①R2 ジャケット
パタゴニアのフリースで、登山用としてもタウンユースでもおすすめなのが、先ほどご紹介したRシリーズです。
ここでは、特に人気のあるR2をみていきたいと思います。
R2が人気な理由は、厚さと保温性のバランスが良く、アウトドアでもタウンユースでも使えるところにあります。
R2はポーラテック・サーマル・プロ・リサイクル・ポリエステルをメインに使っているので、軽量でありながら吸湿発散性と伸縮性に優れています。
保温性がある毛足の長いフリース素材でありながら、速乾性と通気性が良く、登山などで汗をかいても快適に過ごすことが出来ます。
R2は、超音波とステッチの縫い目で縫製されているので、毛足の長いフリース素材なのにかさばらず、コンパクトに収納出来ることも特長の一つです。
R2をバッグに入れておけばかさばらず、急に寒くなったときの体温調節にもちょうど良いですね。
また、R2のシルエットも人気の秘密です。
袖口はスパイラルシーム構造で作られていて、腕を締め付けることがなく、袖をまくる際もストレスがありません。
グランスリーブは動きやすさを追求していて、バックパックやアウターの下でも動きやすさを実感することが出来ます。
パタゴニアのおすすめポーラテックフリース②ピトン・ハイブリッド・ジャケット
次におすすめしたいのが、パタゴニアのピトンシリーズです。
ピトンシリーズには、ジャケット、フーディー、プルオーバー、ベスト、タイツなどがありますので、ご自身の用途に合わせて選びましょう。
ここでは、ピトンシリーズでも特に人気のピトン・ハイブリッド・ジャケットをご紹介します。
ピトン・ハイブリッド・ジャケットは、ポーラテック・ウインド・プロ・ポリエステルをメインに使用しています。
フリースのジャケットですが、他のフリースのようなふわふわした質感はなく、素材もデザインも細身のジャケットです。
見た目はかなり薄手ですが、裏地は毛足のあるフリースになっています。
またポーラテックのウインド・プロを使用しているので、耐風性があり、見た目の薄さに反してかなりの温かさを感じることが出来ます。
ピトン・ハイブリッド・ジャケットも、先ほどご紹介したR2も、タウンユースではこれをアウターとして使えます。
真冬や山などで使う場合は、レイヤリングの中間着として使うことをおすすめします。
ポーラテックには高性能なフリース素材がたくさんある
ポーラテックと、パタゴニアのおすすめアイテムについてご紹介しました。
今回ご紹介した以外にも、ポーラテックには高性能なフリース素材がたくさんあります。
素材によって性能が違いますので、ご自身の用途に合わせてぴったりな素材を選んでいきましょう。
パタゴニアのアイテムは、デザイン性が高いのでアウトドアだけでなく、タウンユースでも重宝すること間違いなしです。