アウトドアブランドで有名なモンベルのダウンジャケットは、高品質で普段でも着用したくなるアイテムですが、自宅で簡単に洗濯できるものなのでしょうか?
メンテナンスや日々の洗濯に手間がかかるようだと、購入するときについ躊躇してしまいがちです。
しかし、ダウンジャケットは日頃のメンテナンスが面倒だと思われがちですが、覚えてしまえば、それほど手間がかかるものではありません。
正しいメンテナンス方法を覚えて、長く愛用できるようにしましょう。
モンベルというブランドは一体どんなアウトドアブランド?
モンベル(mont-bell)とは、登山用品やアウトドアウェア、アウトドアギアの製造、販売をおこなっている会社です。
創業者の辰野勇氏は、アパレルの商社出身であることもあり、繊維の特性を知ることができたのはもちろんのこと、防弾チョッキや消防服に使われている高機能繊維を開発した、米国のデュポン社との繋がりもあります。
アウトドアで使用される製品となると、素材の品質が重要で、どんな状況下でも耐えることのできる品質が重要になってきます。
一歩間違えると命に関わる状況にもなるようなアイテムもあることから、利用者のニーズに応えることも重要です。
そんなモンベルが製造する製品は、創業者の辰野氏が創業3年目の1977年に西ドイツへ売り込みにいっています。
このときは日本の市場でもあまりメジャーではありませんでしたが、創業時「30年後、年商100億円の市場の可能性」をイメージしていました。
しかし、「日本の登山用品にそれだけの市場があるのだろうか」という心配ももっていました。
そんな考えもあり、辰野氏はいきなり海外への売り込みへいったわけですが、「このような挑戦をおこなうモンベルが作りだすアイテムは、一体どのようなものなのだろう?」と気になるばかりです。
今回は、そんなモンベルがつくりだす、ダウンジャケットに注目していきます。
ダウンジャケットの歴史から、日頃のメンテナンスや洗濯方法までご紹介していきましょう。
ダウンジャケットはどれも同じじゃないの?ダウンの秘密
ダウンジャケットには鳥の羽が使われますが、鳥には水鳥と陸鳥の2種類います。
陸鳥からはダウンがとれませんので、水鳥のダウンを使用するわけですが、水鳥の中でも、ガチョウ(グース)や、アヒル(ダック)からダウンを採取します
また、同じ水鳥でも生息地や条件によってダウンの品質が変わります。
十分に成長する前にとられたダウンは、品質があまりよくないとされています。
しかし、アヒルは食肉にすることが目的となりやすく、成長する前に食用にされてしまうことが多いです。
それから、グースとダック以外には、「アイダーダウン」という、ダウンの中でも最高級のダウンといわれる種類があります。
これは北極圏に生息する「アイダーダック」という野生のカモから採取できるダウンですが、極寒の寒さから身を守るためにあるダウンですので、高い保温性をもっています。
しかし、アイダーダックは保護鳥のため、カモから直接採取することができません。
アイダーダックは巣を作るときに、自らの羽を使って巣を作るため、この巣からダウンを採取します。
そのため、量が少なく、希少価値が高いため、最高級とされています。
ただし、希少価値が高いといっても、ダウンジャケットに使われるダウンの量によっては保温性も変わってしまうため、ダウンの品質単位を「フィルパワーFP」という単位で表しています。
フィルパワーとは、ダウンのかさを表す単位となりますが、数字が高いほど空気を多く含み、空気の断熱効果によって保温性に優れ、暖かく良質なダウンであるといえます。
一般的には500フィルパワー以下は低品質、600~700が良質、700以上は高品質といわれていますが、モンベルのダウンは最高品質のもので1000フィルパワーのものが存在しています。
まさに究極の一着ですが、「そんな高級なダウンジャケットは洗濯や取り扱い方法が難しいのでは?」と思われがちです。
ですが、モンベルでは製品の取り扱い方法をしっかりと公開しており、万が一のときも、モンベルが修理や保障をしてくれます。
以降では、それらをご案内していきます。
ダウンにみえるけど、実はダウンジャケットではない?!
ダウンジャケットと聞くと、「モコモコして膨らんだジャケット」というイメージがあるかと思います。
そのせいか、「モコモコして膨らんだジャケット」は全て「ダウンジャケット」といわれることがあります。
しかし、実は見た目はダウンジャケットでも、中はダウンが使用されていないジャケットが多く存在しており、インターネット通販で購入する際などには注意が必要です。
世の中には、ダウンが使用されていないにも関わらず商品名に「ダウンジャケット」と記載されているものが多く見受けられます。
これは中に入っているものがダウンではなく、ポリエステルの綿が使われており、保温性を比較するとダウンのような暖かさはありません。
見た目はダウンジャケットと同じく、見ただけでは判断がつきにくいため、商品の品質表示や洗濯表示を確認してから購入するようにしましょう。
なお、モンベルのダウンジャケットは本物のダウンが使われていますので安心です。
モンベルのダウンジャケットは自宅で洗濯できるの?
モンベルのダウンジャケットは自宅で洗濯することができますが、基本的には手洗いをするようにしましょう。
ダウンジャケットの洗濯表示を見ると、一部の商品に「ドライ」と表示されているものがありますが、手洗いしていただいても問題ありません。
汗や皮脂によってダウンが汚れると、ダウンが束になり空気を蓄えることができなくなってきます。
そうなることで、保温性が低下していきますので、正しい方法で洗濯してみましょう。
まずは「ダウンクリーナー」を準備してください。
モンベルの公式ホームページで購入することができます。
ダウンジャケットの汚れが部分的な少しのものなら、部分的に洗うだけで十分きれいになります。
保温性が低くくなってきたり、全体的に汚れている場合は、全体的に洗います。
洗いおけなどにぬるま湯とダウンクリーナーを入れ、ダウンジャケットを浸します。
押し洗いをし、水分を含んだジャケットは、おけから持ち上げないようにしてください。
水の重量でジャケットの破損につながります。
手洗いが終わったら、水を入れ替え、濁りがなくなるまで水を入れ替えててすすぎます。
すすぎが終わったら、洗濯機の脱水機能で短時間だけ脱水にかけます。
このあとは、乾燥機で乾燥させます。
このときに、O.D.メンテナンス S.R.リキッドスプレーをかけると、撥水性に効果的です。
ダウンジャケットを洗濯したらぺちゃんこに!
モンベルが推奨する洗濯方法をおこなえば、問題が発生することはほとんどありませんが、万が一、洗濯後に、ダウンジャケットがぺちゃんこになってしまったら、以下の方法をお試しください。
ダウンが偏っている可能性がありますので、まずはジャケットを手でほぐしてみてください。
ダウンの中に空気を含ませるようにします。
乾燥機がある場合は、低温で乾燥させ空気を送り込みます。
それでも戻らない場合は、洗い直しも効果的です。
洗濯や乾燥の過程でダウンの空気がなくなり、ぺちゃんこになってしまった可能性があります。
モンベルが推奨している洗濯方法を再度お試しください。
詳しい洗濯方法はモンベルの公式ページでも公開されています。
もし、それでもどうにもならない場合、モンベルでは修理やメンテナンスを受け付けていますので、モンベルへ直接相談してみましょう。
モンベルのダウンクリーナーは他のダウンも洗濯できる?
モンベルから発売されている「O.D.メンテナンス ダウンクリーナー」は万能で、ダウンジャケット以外にも、化学繊維を使用した製品にもご利用いただけます。
もちろん他のメーカーのダウンジャケットにも利用できますが、メーカーが専用の洗剤を準備している場合は、やはり推奨されているものがおすすめです。
ダウンクリーナー以外にも、ウェアやギアの汚れをしっかり落とすことができる、ベースクリーナーという洗濯洗剤もあります。
モンベルでは、洗濯後に使用する撥水剤や、破損した際に使用できるリペアシートなど、様々なメンテナンス用品が揃っています。
せっかく購入したアイテムは、末永く愛用していきたいですよね。
専用のクリーナーを使用することで、生地の劣化を防ぎ、長持ちさせることもできます。
モンベルのアイテムを購入する際には、メンテナンス用品もぜひ検討してみてください。
自分の手でメンテナンスしよう!
ダウンジャケットの洗濯方法は意外と簡単なことがわかっていただけたかと思います。
また、アウトドアブランドは海外製のブランドが多いですが、モンベルは日本製ということもあって、何かあったときのトラブルにも安心できます。
もしダウンジャケットをクリーニング店にだされているようでしたら、一度ご自身の手で洗濯してみてください。
自分自身でメンテナンスをしていくと、より愛着のもてるアイテムになります。