アウトドアで、どうしても必要となるのは「火」です。
木炭やガスコンロで火を起こすのもいいですが、もっとお手軽に携帯バーナーを使用してみるのはいかがでしょうか。
携帯バーナーなら持ち運びも便利です。
その中で、特におすすめなのがオプティマス社の8rです。
非常に頑丈な作りで、メンテナンスをしっかり行えば、長く愛用することができます。
今回は、そんなオプティマス8rについて、ご紹介していきます。
オプティマス8rの魅力とは
オプティマス社とは、スウェーデンのポータブルストーブ製造メーカーです。
1889年の創業時は、キッチンウェアメーカーとしてスタートしました。
今ではポータブルストーブだけでなく、様々なアウトドア用品の製造販売を行っています。
オプティマスの魅力は、その頑丈で壊れにくい作りにあります。
非常に厳しく過酷な環境で使用しても壊れにくく、古くから極地探検や登山隊でも使用されています。
特に人気があるのは、ストーブの8rという商品です。
四角い形状は、「お弁当箱」と表現され、広く愛用されています。
こちらの商品も、非常に頑丈な作りとなっています。
分解清掃を繰り返し、適時メンテナンスをしっかりと行えば、一生もののアイテムとして使用することができます。
そのため、育てるという観点から、古い商品でありながら根強いファンが多いのも納得ですね。
また、この8rの魅力は、非常にコンパクトな設計であることがあげられます。
サイズは18㎝×18㎝となっており、必要なものはすべて箱の中に納まるため持ち運びにも便利でしょう。
ツーリングや登山など、荷物をできるだけ小さくまとめたいシーンでは非常にありがたいです。
燃料タンクも小さいのですが、50分ほど燃焼するので、一人分には十分の燃焼時間です。
燃料もちょうど使い切ることができるでしょう。
オプティマス8rの燃料注入方法
それでは、オプティマス8rの使用方法についてご紹介します。
まずは、燃料の注入方法です。
オプティマス8rの燃料はホワイトガソリンです。
ホワイトガソリンは、ホームセンターやアウトドアショップで購入可能です。
赤ガスと言われる、自動車用ガソリンも使用可能ですが、ススがよくでるので、できればホワイトガソリンを使用しましょう。
ススがついてしまうと不完全燃焼が起こり、火が安定しなくなりますし、メンテナンスの頻度も多くなります。
燃料の用意ができたら、さっそく注入しましょう。
本体をケースからスライドさせて取り出してください。
そして、給油口キャップを開けて燃料を注入します。
燃料はタンクの3分の2程度にしましょう。
目一杯入れてしまうと、タンク内の圧力がかかりにくくなってしまうので注意が必要です。
それでは、事項より着火についてご説明します。
オプティマス8rの予熱から点火の方法
オプティマス8rを点火させるには、予熱が必要です。
ポンピングをする代わりに予熱を行い、燃料を気化させます。
予熱に必要な時間は、気温や風の強さによって変わります。
予熱をしっかりと行わず点火すると、燃料がうまく気化されず、液体燃料に直接着火してしまう恐れがありますので、十分注意しましょう。
予熱をする際は、予熱剤を使用するのをおすすめします。
給油口キャップや燃料バルブをしっかり閉めてから、使用しましょう。
予熱の炎が消える頃を見計らって、着火を行ってください。
マルチキーをゆっくりと回すと、気化したガスが出てきます。
その際、マッチやライターを使用して着火してください。
青い炎が出れば、成功です。
次に点火後、10~20回ほどポンピングを行って、タンク内の圧力を上げてください。
マルチキーを左に回すと火力が強くなります。
逆に右に回すと火が弱まるので、上手く調整して使用しましょう。
調整が終わったら、マルチキーを引き抜いておく必要があります。
ずっとつけっぱなしだと、熱が伝わり熱くなるため火傷の危険性があります。
また、赤い炎が出る場合は、予熱がしっかりと行われていない可能性があるので、いったんバルブを閉め、もう一度予熱を行ってください。
それでも直らない場合、ススが溜まってることがあるので、メンテナンスを行いましょう。
メンテナンス①~研磨方法
オプティマス8rのメンテナンスを行うには、まず分解が必要です。
それほど複雑な仕組みではないので、簡単に行えるでしょう。
ただし、小さい部品が多いので、部品を紛失しないように注意しましょう。
その際、部品の破損や摩耗がないかチェックしましょう。
不良の部品は交換が必要ですが、その前に分解した部品を綺麗に磨いておく必要があります。
サビやススは、ある程度は磨けば取ることができますので、研磨剤を使用して根気よく磨いてください。
磨くときはタオルに研磨剤を取り、優しく磨いてください。
研磨剤を使用してもどうしても取れない場合は、お酢を利用しましょう。
お酢は原液で使用して構いません。
歯ブラシは柔らかいものを使用し、お酢をつけてこちらも優しく磨きましょう。
汚れが落ちないからといって、強く磨いてしまうと逆に傷がついてしまいます。
お酢はタンク内のサビ落としにも使用できます。
タンク内のサビを落とす場合は、タンクの中にお酢を満たして、しばらく放置します。
そうすることで、サビが取れやすくなります。
お酢は熱するとさらに効果が上がるようですが、火傷には十分注意してください。
メンテナンス~ウィックの交換
続いて、ウィックの交換の仕方をご説明します。
ウィックとは、オプティマス8rのタンク内にあるガソリンなどの燃料を浸透させて、バーナーまで送る芯のことです。
このウィックは一番の消耗品で、定期的にメンテナンスが必要です。
長く使えばガソリンの吸収性が悪くなっていき、安定した燃焼ができなくなります。
交換の時期の目安としては、ウィックの綿がダマになっていたり、ススで黒くなっていたりしたら交換のタイミングです。
交換するときは、タンクと燃料パイプを分解してウィックを取り出しましょう。
その際、無理に手で開けようとせず、レンチを使用して分解しましょう。
もし、レンチを使用してもカチカチで動かない場合は、ガスバーナーで炙ってみてください。
古い燃料のせいで固まってしまっているので、それを溶かすことで解消できます。
分解したら、ウィックを新品に交換していきます。
新品のウィックの先端には、針金がついています。
それを半分に折るのですが、折る際は、半分より少し上で折りましょう。
折って下に伸びた部分の先端がウィックに重なると、ねじ込む部分が太くなりすぎて差し込むことができなくなります。
そして、ウィックを押し込む際は、先の細い千枚通しやピンセットを使用すると押し込みやすいです。
ウィックを取りつけたら、分解のときと同様の手順で、タンクに燃料パイプを取りつけて完了です。
メンテナンス~ニードル調整方法
オプティマス8rを使用しているときに、消火できない不具合が起こることがあります。
それは、ニードルとスピンドルの噛み合わせがずれてしまっているためです。
解消するためにはそれぞれを分解して、メンテナンスを行いましょう。
まず、ニップルという部品を外し、スピンドルを左一杯に回しクリーニングニードルを取り出します。
パーツを取りつけたスピンドルを入れ、動かなくなるで右に回します。
その後スタンフィングボックスを入れ締め込むと、パッキンが潰れる感覚がありますが、気にせず締め込みましょう。
そのままの状態でクリーニングニードルを入れ、スピンドルをゆっくりと左に回すとカチンという音が鳴り、下に落ちます。
カチンという音が、ニードルが噛み合った合図です。
この作業を3から4回行い、すべてのニードルをしっかりと噛み合わせましょう。
そして、最後にニップルを取りつけ、スピンドルを動かして、ニードルが上下に動くことを確認して完了です。
取りつけが終わったら、必ず一度燃焼テストを行いましょう。
メンテナンスする楽しみ
オプティマス8rは、非常に頑丈な作りになっています。
丁寧にメンテナンスすれば、長い間使用することができます。
また、かなり古い製品でも、部品の交換を行えば、再び使用することができることもあります。
メンテナンスは面倒ですが、何度も行っているとそれにも愛着が湧いてくることでしょう。
このような面倒なメンテナンスも楽しみながら、アウトドアを堪能してみてください。