最近はスマホなどのGPS機能により、北などの方角を簡単に知ることができますよね。
しかし、登山などのアウトドアシーンにおいてはいかがでしょう。
急な天候の変化などで通信障害が起きたら、正確な位置をつかむことは難しいですよね。
そのようなときにコンパスがあれば、現在地や目的地までの方角を知ることが可能になります。
この記事で、コンパスの赤い針の見方や使い方をご説明しますので、登山前の参考にしてみてはいかがでしょうか。
北などの方角を把握することは重要?コンパスを使う目的
登山やトレッキングなどのアウトドアシーンにおいて、ナビゲーションツールは欠かせないアイテムといえるでしょう。
ナビゲーションツールの代表例といえば、カーナビが挙げられます。
今は多くの車にカーナビが付いていますよね。
ドライブするうえでのナビゲーションツールとして、非常に活躍しているのはカーナビを利用している方でしたらおわかりになるかと思います。
しかし、登山などでは、カーナビとはまた別のナビゲーションツールを身に付けなくてはなりません。
そこで活躍が期待できるのが、コンパスなのです。
山のなかでは目印が少ないでしょうから、今自分は北に進んでいるのか東に進んでいるのかなどわからなくなってしまうこともあります。
あてもなく彷徨い続けていると、どんなに進んでも目的地から遠のいてしまうかもしれません。
そんなときにコンパスを使えば、自分が進んでいる方角や目的地までの方角などを知ることができ、目的地まで着実に進むことが可能になるのです。
地形図などがあれば、コンパスの赤い針が正確な方角を示してくれるので、登山やトレッキングなど安全に楽しむことができるでしょう。
「迷子になったらGPSで位置情報を教えてもらえばいいじゃん」と思っている方もいると思いますが、電池がなくなってしまったら意味がありません。
また、通信環境が悪くなってしまうことだって考えられます。
こういった万が一のときの備えという意味でも、登山などのアウトドアではコンパスを使ったほうが良いといえるのです。
コンパスの見方!赤い針が指しているのは北?
コンパスが登山などのアウトドアシーンで欠かせないアイテムの1つになり得るのですが、その使い方を知らなくては、ただただ持ち腐れになってしまいます。
まずは、コンパスの見方について知っておきましょう。
コンパスの中央には、赤い磁針という針が付いています。
この赤い磁針は、常に北を示しています。
赤ではなく青や緑の磁針の場合もありますが、指す方向は同じです。
コンパスの地盤には、東西南北の方角が書かれているので、赤い針が指す方向に地盤を北に合わせます。
北に合わせたら、向かって右が東で、左が西になります。
そして、下が南となりますね。
正確な方位を知りたいときは、コンパスを平らな場所に置くようにしましょう。
たまに、漢字ではなくローマ字で「N」と書かれているコンパスもあります。
NはNorthの略で、北という意味です。
また、それぞれのローマ字の指す方向は次のとおりです。
・S(South)…南
・E(East)…東
・W(West)…西
コンパスの見方を知らなくては、正確な方角を知るどころか返って迷子になってしまうこともあり得ます。
登山などでコンパスを活用したい場合は、見方や使い方を覚えておくようにしましょう。
北を示す赤い針の動きなど!コンパスを選ぶときのポイント
コンパスの見方についてお話をしました。
見方ももちろん大事なことですが、どのようなコンパスを選ぶかが重要になってきます。
ここで、登山などに持って行くコンパスを選ぶポイントについてお話をしていきます。
ポイントは全部で4つで、以下のとおりです。
1、先端が赤い磁針の動きがスムーズであること
磁針とは、北と南を示す針のことをいいます。
2、コンパスの大きさが、ご自身にとって見やすいサイズであること
野外では室内と違い、いつも見やすい環境ではないため、薄暗くても見やすい大きさのものをオススメします。
3、基本的な機能が備わったものであること
機能満載のコンパスに惹かれてしまうかもしれませんが、実際にアウトドアシーンで使うことを考えたときに、そんなに使わない機能なこともあります。
値段においても、機能を絞ったコンパスのほうが安い場合が多いですので、こちらのほうがオススメといえますね。
4、スケールがついていること
コンパスにプレートが付いているものがあるのですが、これにスケール、つまり目盛りがついているものがオススメです。
正確に近い長さをはかることもできますので、あるとかなり便利です。
できれば、地図の尺に合ったスケールだとなお良いですね。
登山用も!専用のコンパスをご紹介
コンパスを選ぶときのポイントについてお話をしましたので、ここでは登山などにオススメのコンパスをご紹介していきます。
登山用にコンパスには大きく2つのものがあります。
1つめは、マップ用コンパス(別名:ベースプレートコンパス)です。
このコンパスは、様々な線や目盛り、そして文字が書いてある透明なプレートの上にコンパスが備わっているものです。
そのコンパスの周囲には回転リングが備わっており、リング上に360度を表す数字が書いてあります。
これらの機能を活かして距離や北などの方角を読み取ることができ、登山やトレッキングなどで最も広く使われているコンパスなのです。
価格はだいたい2,000円~10,000円以上のものまでと、幅広く取り扱われています。
2つめにご紹介するコンパスは、レンザティックコンパスというものです。
これは、コンパスに拡大レンズが付いているコンパスのことをいいます。
もともとは、アウトドアではなく軍事用として使用されていたコンパスなのです。
しかし、機能の充実さなどから、アウトドアシーンでも使われるようになっています。
ちなみにこのコンパスの磁針は、赤ではなく緑の場合もあります。
緑の場合でも、指す方向は北ですのでご安心ください。
レンザティックコンパスを使えば、より精度の高い方向を突き止めることができるので、目標とする目印までを正確に読み解くことが可能なのです。
しかし、これを使用したナビゲーションは経験が重要になってきます。
はじめてコンパスを使う方には、あまりオススメできません。
また、ほかのコンパスと比べると高価なものでもあるため、手を出しにくいと感じる方も多いでしょう。
こういった面からも、はじめはマップ用のコンパスを使うことからはじめるのがオススメですね。
コンパスの使い方~赤針で現在地を特定しよう~
それではここから、コンパスの使い方についてご説明していきます。
用意する物は、コンパスと地図の2つです。
地図の縮尺は、2万5千分の1のものがオススメです。
コンパスは、先ほどお話ししたポイントを参考に選ぶようにしてください。
まず、持ち方についてご説明します。
コンパスを片方の手で持ち、体の正面に水平にして持ちましょう。
このとき、胸の近くにくっつけるようにして持ってください。
そして、目的地への進行方向に向かって、まっすぐに立ちます。
これが、コンパスの持ち方になりますので、この状態で方角を読みましょう。
目的地に向かってコンパスを構えて、コンパスの回転リングを回します。
回転リングとは、磁針と矢印を合わせることで方角の角度をより正確に読み取ることができる、コンパスの周囲に付いているリングのことをいいます。
回転リングを回し、リング上の数値を読み取れば、方角を知ることができるのです。
ここまでできたら、現在地を確認に入ります。
辺りを見渡し、地図上にのっている地形などの目印になるものを探します。
見つけたら、今いる場所からの方位を調べましょう。
地図の上部を北に向けて、安定したスペースに地図とコンパスを置きます。
見つけた目印を地図に示していき、コンパスの方位に合わせて線を引いていきます。
現在地を特定に成功するには、北方向に置いた地図とコンパスの回転リングの北、そして赤い磁針の一致することが重要です。
目印を複数発見できれば、それぞれの方角も読み取るようにしましょう。
地図に引いた線が1つに交わった箇所が、現在地点となります。
山などでは、いきなり通信環境が悪くなってしまうこともあるので、スマホなどのGPS機能も使えなくなってしまうことが考えられます。
そういった万が一に備えて、常に現在地を地図で確認しておくことが肝心といえるでしょう。
コンパスの使い方~目的地の方角を読み取ろう~
現在地の特定がだいたいつかめたら、つぎは目的地までの方角を読み取りましょう。
地図上に目的地までの線を書きます。
目的地までの道のりのなかで、がけ崩れなど危険な場所が特定しているものには迂回ルートを設定するようにします。
迂回ルートを設定する場合は、数ヶ所に分けて線を引いてください。
北に向いている地図上の、目的地まで引いた線に合わせて、コンパスの赤い磁針と回転リングのマークが合うように調節しましょう。
磁針とリングのマークが合えば、目的地までの方角を読み取ることが可能となるのです。
目的地までの方位を読み取ることに成功したら早速、現在地から出発しましょう。
このときのコンパスは、体の正面で持つようにします。
赤い磁針とコンパスのセットした矢印が重なるように、体を回しながら調整してください。
コンパスが重なったら、まっすぐ正面を見て目標となる目印をみつけて進みます。
この目印まで進んだら、再度目標とする目印を探します。
新しい目印をみつけて進むことを繰り返し行うことで、一歩ずつ目的地に向かって進んでいくでしょう。
無事目的地に到着するよう、現在地の確認も行うようにしてくださいね。
コンパスで安心登山!
近年はスマホにGPSが搭載されていることで、徐々にコンパスは使われなくなってきています。
しかし、山などでは何が起こるかわかりません。
急な天候の変化や災害、そして通信障害なども考えられます。
そんなときでもコンパスは変わらず北の方角を示してくれるので、安心して登山をすることができます。
ただし、コンパスの使い方などを知らなくては持ち腐れになりかねないので、使い方をマスターしたうえで登山に臨んでくださいね。