バーベキューでの鉄板料理は、とても魅力的ですよね。
ステーキやホルモン焼き、定番の焼きそばなど、鉄板料理はバーベキューの醍醐味ではないでしょうか。
一方鉄板は、焦げ付きやすくお手入れが大変で、錆びやすいことが悩みのタネです。
そこで、鉄板を快適に使用する方法についてまとめてみました。
鉄板使用の手順やお手入れ方法を間違えなければ、バーベキューはもっと楽しくなることでしょう。
最初が肝心!新品バーベキュー鉄板のお手入れ方法
新品のバーベキュー鉄板は、中華の炒め鍋などと同様に、防錆剤でコーティングされています。
そのため、最初のお手入れとして、防錆剤を除去する作業が必要になります。
少々面倒ですが、防錆剤の食材への混入を防止し、食材の焦げ付きを予防するために実施することをおすすめします。
またこの作業は、鉄板の汚れを防止して長持ちさせる秘訣でもあります。
【防錆剤除去の手順】
①鉄板をバーベキューコンロやガスコンロに乗せ、加熱します。
②鉄板の温度が上がるとコーティングが蒸発して煙が出てきますが、そのまま加熱を続けてください。
③30分位加熱して煙が落ち着いた後に、鉄板に植物性油を入れ、ヘラなどで全体に馴染ませましょう。
④煙りが出てきたらキッチンペーパーなどで油を拭き取り、同じ作業を3回繰り返します。
⑤鉄板をコンロから外し、温度が下がったら、たわしで水洗いした後に水分を拭き取ります。
⑥天日で完全に乾燥させれば、防錆剤除去の完了です。
なお、アルミやステンレスの鉄板で、フッ素樹脂加工されている製品には上記作業は必要ありません。
フッ素樹脂加工の鉄板は、食器用洗剤で洗えばそのまま使用することができます。
お手入れを楽にする!鉄板でバーベキューを始めるときのお約束!
鉄板の保管方法については後述しますが、鉄板には植物性油が塗ってあります。
この油は酸化しているため、衛生上の問題からそのまま食材を焼くことは好ましくありません。
保管していた鉄板は、以下の手順でお手入れしてから使用すると良いでしょう。
【使用前のお手入れ方法】
①鉄板に水を入れ、たわしでこすり洗いします。
②水を捨て、キッチンペーパーや布巾などで水分を拭き取ります。
③鉄板をコンロに乗せて加熱し、水分を完全に飛ばした後に植物油を入れて、ヘラで全体に馴染ませます。
④しばらく加熱すれば、お手入れ完了です。
⑤余分な脂を拭き取った後に、新たな油を馴染ませ、バーベキューを始めましょう。
【使用前お手入れのメリット】
鉄板には微細な凹凸があり、使用することで凹凸に汚れが入り込みます。
この汚れが焦げると、食材が鉄板に焦げ付いてしまうことになります。
使用前のお手入れは、鉄板の凹凸に油をしみ込ませて被膜をつくり、食材が直接鉄板に触れることを防止するのが目的です。
また、加熱された油が熱変成し、簡単には落ちない被膜が鉄板に形成されます。
この被膜は、次回以降の使用でも活躍してくれますので、使い込む度に被膜が強固になっていきます。
鉄の中華鍋やフライパンは「育てる」と言われますが、鉄板にも同じことが言えるのです。
使用した鉄板はバーベキュー直後にお手入れすることが大切!
バーベキューの鉄板を汚れたまま持ち帰り、翌日洗うのはタブーです。
少しの手間をかければ鉄板は長持ちしてくれますし、錆びなどを防ぐことができます。
時間はそれほどかかりませんので、ぜひ試しください。
なお、油が付いていると洗剤を使用したくなりますが、鉄板には洗剤を絶対に使用しないでください。
油でできたコーティングが剥がれて、錆びと焦げ付きの原因になってしまいます。
【使用直後のお手入れ方法】
①焦げ付きがあるときは、ヘラで落とします。
②落ちにくいときはコンロに乗せたまま水を入れ、ヘラで掃除すると簡単に落とすことができます。
③汚れをキッチンペーパーなどで拭き取ります。
④鉄板が乾燥したことを確認した後に、コンロから降ろせばお手入れ完了です。
⑤完全にキレイになっていれば、鉄板に薄く植物油を塗ると完璧です。
バーベキュー直後の鉄板のお手入れはここまでで、持ち帰ってから再度お手入れが必要になります。
バーベキューで使用した鉄板の洗い方
鉄板に食材のカスやタレなどの有機物が残っていると、錆びやカビの原因になります。
このため、持ち帰った鉄板は自宅で再度洗うことが必要です。
前項のバーベキュー直後のお手入れを実施してあれば、長時間を要する作業ではありませんので、必ず実施することをおすすめします。
【鉄板の洗い方】
①道具は、たわしと研磨剤を含んでいないスポンジたわしを使用します。
②鉄板に水を入れ、たわしで全体をこすって汚れを落とします。
③焦げ付きが落ちないときは、スポンジたわしを使用すると簡単に落とすことができます。
④鉄板の表面だけでなく、横と裏もたわしで掃除しましょう。
⑤全体が洗えたら、天日で乾燥させれば完了です。
鉄板に付いた油は完全には落ちませんが、この状態がベストです。
残っている油が、次回使用するまでの間鉄板を保護してくれますので、気にする必要はありません。
鉄板の保管方法
前項で乾燥させた鉄板は、そのまま保管すると錆びることがあります。
特に、鉄板の横や裏面は錆びやすくなりますので、以下のお手入れをして保管すると良いでしょう。
【保管の手順】
①キッチンペーパーに植物性油を含ませ、鉄板全体に薄く塗ってください。
②鉄板全体を新聞紙で包み、テープで止めます。
③段ボール箱をつぶして平らにしたもので挟めば、保管準備完了です。
④雨が当たらない倉庫などで保管しますが、水濡れは厳禁です。
段ボールに挟むことで、新聞紙が破れる心配や他の荷物が汚れる心配がなくなります。
この保管方法を順守すれば、次回のバーベキューにも鉄板を快適に使用することができるでしょう。
鉄板は使い込むほどに味が出て、更に使いやすくなります。
フッ素樹脂加工されたバーベキュー鉄板の特徴とお手入れ方法
フッ素樹脂加工やテフロン加工されたバーベキュー用の鉄板は、とても便利です。
洗剤で洗うことが可能ですので、お手入れも簡単で、保管にも特段の配慮は必要ありません。
また、材質がアルミやステンレスのため、錆びることもありません。
そして何よりも、焦げ付かないことが最大の魅力です。
油の使用量が少なくて済むため、作る料理のカロリーも控えめにできます。
一見利点が多いように見えますが、以下の難点もありますので、承知のうえで使用すると良いでしょう。
【フッ素樹脂加工された鉄板の難点】
●高温で空焚きすると、樹脂コートが傷んでしまいます。
●鉄やステンレスの調理器具を使用すると、樹脂コートが傷付き、剥がれる原因になります。
●大型の鉄板は種類が少なく、高価な製品になります。
●樹脂コートに傷が付くと、その部分は必ず焦げ付き、樹脂コートの剥がれが進行してしまいます。
●樹脂コートの剥がれが進行した鉄板は使用できなくなりますので、寿命は短いと考えた方が良いでしょう。
難点はあるものの利点も大きいことから、筆者も鋳造アルミにフッ素樹脂コートされた鉄板を愛用しています。
ただし、この鉄板はガスコンロでの使用限定で、炭のコンロや焚火では使用していません。
お手入れの行き届いた鉄板はバーベキューの宝物!
バーベキュー鉄板のお手入れは、結構手間がかかります。
使用前から使用直後、持ち帰り後と保管のいずれの機会でも、お手入れが必要です。
しかし、お手入れをしていれば長く使用することができ、その分愛着も湧きます。
お手入れが面倒くさいという方は、フッ素樹脂加工された鉄板の使用を検討しても良いでしょう。
使い込まれたキレイな鉄板は、バーベキュー上級者の証ですので、上手に育ててみてはいかがでしょうか。