富士山と言えば、2013年に世界文化遺産に登録され、国内からだけでなく国外からの登山者も増えてきています。
日本人なら、「一度は富士山への登山に挑戦してみたい」と思ったことがあるのではないでしょうか。
しかしながら、富士山の登山は気軽にできるものではなく、事前準備が必要です。
そのような方に向けて、富士山の登山可能な時期や、おすすめ時期、おすすめの登山ルートなど様々な視点からご紹介していきます。
富士山の登山が外国人にも人気なのは理由がある
富士山は世界文化遺産にも登録され、日本国民はさることながら、外国人旅行者も富士山への登山をする人々が後を絶ちません。
ゴミ問題やマナー問題等の、マイナスイメージのニュースも取り上げられますが、それでも富士山登頂は人気があります。
富士山登頂が好まれる要因はいくつかあるようです。
・アクセスがしやすい
日本の代表的な観光地である東京、大阪、京都の中間位置にあり、外国人にとってはツアーが組みやすい
・標高が海外の有名な山よりも比較的低め
世界の有名な山うちの1つでありながら、標高が4000m未満で比較的登山しやすい
・登山後に観光しやすい
富士山周辺には温泉や観光地などが充実しており、特に温泉では疲れを癒すのに適している
これらの理由などから、外国人をはじめ富士山の登山に挑戦してみたいと考える方が多いのでしょう。
登山のおすすめ時期である登山シーズンには、信じられないほどのたくさんの登山者で登山道が大混雑するほどの人気ぶりです。
富士山はどの時期に登山が可能なのか?
では実際に、富士山に安全に登山できるのは、いつ頃からいつ頃までなのでしょうか。
富士山の登山できる時期は大体決まっていて、登山道の開通は山梨県側は7/1からで、静岡県側は7/10からが通例です。
そして、登山できなくなる登山道の閉鎖は、山梨県側・静岡県側関係なく9/10となっています。
例外として、残雪等登山道の状況によっては、開通日と閉鎖日が変更となることもあります。
また、大雨等で登山道に危険があると判断された場合も、登山道が閉鎖されることがありますので注意しましょう。
さらに、登山道が開通していても、時期によっては救護所やトイレが一部閉鎖されていることもあります。
もしも富士山への登山を計画中であるなら、登山おすすめ時期であっても、登山前に一度富士山のオフィシャルサイトをチェックしてみることをおすすめします。
富士山の登山ルートはどの位ある?おすすめの登山ルートは?
富士山に登山するには、登山道がいくつかありますのでご紹介します。
【山梨県側】
●吉田ルート
初心者に最適のルートで、登山シーズンには主要都市から登山口までの高速バスがあり、利用しやすいのが特徴です。
売店や山小屋の数が多いので、何かあった時に安心感のあるルートです。
人気のルートのため、登山おすすめ時期には混雑しやすい傾向があります。
【静岡県側】
●富士宮ルート
吉田ルートに次いで人気のあるルートで、4つのルートの中で一番距離が短く日帰り向きです。
また、登りと下りの道が同じなので迷子のリスクがありません。
ただし、道幅が狭く、西側からの登山のため、山頂まで登らないとご来光が見ることができず、高山病のリスクが高めでもあります。
●須走ルート
比較的難易度は低いルートで、7合目付近まで森林が広がっており、日差しが避けられ体力の消耗は少なめです。
悪天候時や夜間の登山は、見通しが悪く感じるため注意が必要です。
●御殿場ルート
最も距離があり登山経験者向けのルートなので、登山者が最も少なく空いています。
また、登山口の標高が低いので高山病になる確率の少ないルートでもあります。
5合目から7合目まで山小屋やトイレがないので、不便に感じることもあるかもしれません。
また、食料や飲料など用意すべき荷物も必然的に多くなります。
富士山登頂のおすすめ時期はズバリいつ頃?
ここまで登山が可能な時期や、登山コースなどについてお話してきました。
では、富士山の登山におすすめの時期は、いったいいつなのでしょうか。
富士山登頂におすすめなのは、天気の安定する梅雨明け以降です。
富士山への登山を計画する際には、梅雨明け情報がカギをにぎってきます。
2018年は梅雨明けがとても早く、7月中も登山におすすめ時期でしたが、通年なら富士山周辺は7/20前後の梅雨明けが多いです。
7月上旬は通常、梅雨の最中であることが予想され、雨降りの中の登山は初心者には特に難しいといえます。
また、富士山登頂をするにあたって、混雑は一番避けたいことであるので、可能であるなら週末やお盆は避け平日の登山がおすすめです。
さらに、閉山間際の9月上旬もマイペースな登山を楽しむことができ、意外なおすすめ時期であるといえるでしょう。
登山おすすめ時期やそれ以外に注意しておきたいこと
前項では、富士山登頂におすすめの時期の1つとして、9月上旬とお伝えしました。
9月に入ると富士山を始め、富士山周辺では気温がグッと下がります。
そのため、服装は暑さと寒さの両方に対応できるように心がけるようにしましょう。
また、山の天気は変わりやすいので、おすすめ時期でも雨具やレインコートは必須アイテムです。
予報が晴れでも、必ず雨具やレインコートは持って行きましょう。
また、ここまで富士山登頂には開山閉山があるとお伝えしてきましたが、実は7月から9月上旬以外にも登山ができないわけではありません。
しっかりとした装備と経験があれば、登山することは可能ではありますが、おすすめはできないということです。
おすすめできない理由はいくつかあります。
富士山は寒さが厳しく、開山期間中以外はほぼ雪がある山であり、万全の準備をしない登山は原則として禁止です。
くわえて、山小屋やトイレが閉鎖され、食料飲料、さらにはトイレまで自分で管理しなければなりません。
また、必ず登山計画書を作成して、最寄りの警察署へ入山日までに届くように、登山届を提出する必要があります。
開山期間以外の登山は自己責任で行う必要がでてきますので、慎重に登山の計画を立てなければなりません。
番外編!登山におすすめ時期に行われる富士山周辺のイベント
こちらでは、番外編になりますが、富士山登頂のおすすめ時期に、富士山周辺で行われている必見のイベントについてご紹介していきます。
●富士山・河口湖山開きまつり花火大会(河口湖)
7月の富士山のお山開きを記念して、花火大会が開催されます。
開催時期は7月上旬です。
●吉田の火祭り(富士吉田市)
日本三奇祭の1つで、夏の富士山の山じまいのお祭りとして、毎年8/26と27に行われる北口本宮冨士浅間神社と諏訪神社の両社のお祭りです
町中で大たいまつが焚き上げられ、迫力のある光景が広がります。
●富士五湖の花火大会
夏の富士五湖で行われる花火大会で、8/1に山中湖の報湖祭から始まり、8/5に河口湖の湖上祭で締めくくられます。
最終日の湖上祭では、打ち上げ数と集客数は大規模で、見ごたえのある花火大会です。
また、どこも標高の高い場所で行われる花火大会なので、真夏でも涼しく花火鑑賞ができます。
●富士山御神火まつり(富士宮市)
富士山本宮浅間大社で採火した御神火を、神輿に点火して市街地を練り歩きます。
最後に神輿を担いだまま、富士山の湧水を源とする神田川に担ぎ手が腰まで水に浸かり、川を昇っていく見どころのあるお祭りです。
どれも見どころや見ごたえのあるお祭りなので、予定が合うようでしたら一見の価値ありです。
富士山に登山するなら梅雨明けの開山期間中にしよう
富士山は年々登山客が増え、今後も富士山人気が衰えていくことはないでしょう。
登山に慣れていない方への登山おすすめ時期は、梅雨明け以降です。
登山コースや登山時期は、ご自分の登山レベルに合わせて計画しましょう。
また、登山シーズンには、富士山周辺でも見どころのあるイベントがあるので、ぜひ行ってみてくださいね。