スカルパの登山靴ミラージュの特徴!相性の良いアイゼンは?

最終更新日:2019/01/15

スカルパは、イタリアの老舗の登山靴メーカーです。

スカルパには各季節や目的に合わせ開発、製作された登山靴がありますが、ミラージュは夏山や残雪の残る春登山、冬の低山登山を想定した登山靴です。

残雪にも対応するということで、かかとにアイゼンがセッティングできるように作られています。

スカルパのミラージュ、そしてアイゼンについて詳しくなって、登山のスキルアップを目指しましょう!

スカルパの登山靴!ミラージュGTXの特徴

スカルパは耐久性のある登山靴を開発し、職人気質な物作りを続けてきました。

使用感をフィードバックした商品開発をして品質を管理し、クオリティの高い登山靴を製作しています。

スカルパの登山靴、冬山用の「モンブランGTX」の他、縦走に向く「トリオレプロGTX」や、「シャルモGTX」が「ミラージュGTX」とともに、人気の登山靴です。

ちなみに、ミラージュの商品名は「ミラージュGTX」です。

どの登山靴も春山や残雪、冬の低山の縦走によく選ばれる登山靴で、どれもかかとにアイゼンがセッティングできるようになっています。 

ミラージュはその中では、赤い発色がきわだって、防水性がしっかりしているので、濡れたり汚れたりしてもハッキリ見やすいと言えるでしょう。

そのため、「冬山をモンブランGTXで登山し、春以降に向けてミラージュGTXに履き替える」という人も多いようです。

ミラージュにアイゼンをセッティング!アイゼンの種類

スカルパのミラージュは春の残雪にも対応できる登山靴で、「コバ」というアイゼンを引っかける構造のくぼみが、かかとの上に作られています。

アイゼンには種類があり、登山靴によってセッティングできるアイゼンを決めなくてはなりません。

アイゼンを選ぶために、登山靴を持参して店に行くべきだと言われます。

登山靴にぴったりと合うアイゼンを付けないと、隙間ができてしまい危険です。

なぜなら、残雪の山を登山中に、その隙間に雪が詰まるなどしてアイゼンが外れたら、生死に関わります。

ところで、アイゼンには次のような種類があります。

①ワンタッチ式:登山靴のつま先とかかとの上に、コバがある登山靴に取り付けられる

・前のコバと後ろのコバにアイゼンをレバーで固定

・取り付けや取り外しがワンタッチで容易

②セミワンタッチ式:かかとの上一カ所に、コバがある登山靴に取り付ける

・コバにはレバーで、全体をベルトで固定

・ベルト式よりも取り外しが容易

③ベルト式:コバのない登山靴に取り付ける

・全体をベルトで固定

・色々な登山靴に取り付け可能だが、取り外しに手間がかかる

では、ミラージュにはどのアイゼンを取り付けるかと言いますと、ミラージュはかかとの上だけにコバがある登山靴なので、「セミワンタッチ式」を選びます。

残雪が予想される時には、必ず準備しておきましょう。

ただし、ミラージュは本来、春山の残雪や冬の低山に向く登山靴なので、スカルパの冬山用の登山靴のように、靴の内側に断熱材を張り込んでいません。

アイゼンが付けられても、冬山の登山には冷たくて向きませんので過信しないようにしましょう。

冬山には、冬山用の登山靴を選んでください。

スカルパのミラージュの履き心地は?

登山靴は長距離の縦走や岩場、砂利や砂地、湿地に残雪など過酷な場面で足をしっかりホールドしなくてはなりません。

履いていて疲れやすかったり、破損したり、水が浸みこんだりするようでは最後まで歩き通せません。

それでは、スカルパのミラージュの履き心地、それから評価はどうでしょうか。

スカルパのミラージュの履き心地がしっかりしていないと、アイゼンを使うとしても危険ですよね。

ちなみに、「ミラージュで登山をした」という人々の感想記録を見てみました。

●ソールのグリップが優れていて、階段や石道、濡れた岩場も安心して歩ける

●とても軽くて、靴内の蒸れも少ないし、防水性が高く雨に濡れても浸みこまない

●足入れがとても良く、フィットしているが足先や足首はある程度は自由に動かせて、かかとはしっかりホールドされて、履き始めでも靴ずれしにくい

●ソールが硬めで衝撃吸収が良く、急な斜面でもフラットにソールを置けるので、長時間の歩行にも疲れにくく膝にも優しい

このように、スカルパのミラージュは、「最初から履き心地が良く、疲れなかった」という感想が多く、評価はなかなか良いようです。

一方で、時々見かけた感想で「足首の部分に靴紐を止める金具が無く、靴紐を引っ張りながら結ばないといけないのを改善して欲しい」という意見がありました。

他の登山靴には、足首のあたりに金具があり、足首を固定できるものが多いです。

しかし、感想記録の中で「足首が自由に動かせて良かった」という意見も多く見られたので調べてみますと、ミラージュは、ストレスなく足首が動かせるカッティングが施されているようです。

スカルパのミラージュのアッパーは薄いのに強固

スカルパのミラージュのアッパー(靴本体)は薄くて軽く、内側に断熱材が貼っていないので、厳冬向きとは言えません。

しかしながら、残雪や冬の低山向けにアイゼンをセッティングするためのコバが、かかとの上にありますし、濡れた岩でも滑りにくいソール、そしてかかとから上のかなり高い位置までアッパーの補強がされています。

ミラージュのアッパーは、イタリア産の堅牢な本革を使っています。

その上で、合成皮革とナイロン生地を組み合わせて、アッパー下部にラバーバンドが巻かれていて、かかとからつま先まで強度を上げているようです。

「スカルパのミラージュが軽量で頑丈」という評価は、こういった靴づくりの結果なのでしょう。

軽い上に強靭なら、残雪の山でアイゼンに雪がついて重くなったとしても、重い登山靴よりずっと負担は少ないはずです。

スカルパのミラージュと相性の良いアイゼンを選ぼう!

アイゼンには、「軽アイゼン」という爪が4本や6本のもの(低山の冬山や春の残雪、雪渓に向く)と、爪が10本や12本あるアイゼン(厳冬の冬山縦走や登頂するときに必要)があり、どちらを選ぶかは行く山で決めます。

スカルパのミラージュは、冬の低山や残雪の山歩きに向く登山靴ですから、アイゼンを選ぶなら、軽アイゼンの方でしょう。

別のケースで、厳冬の冬山、それも積雪期に登山するときは、10本や12本爪のあるアイゼンを選びます。

要するに、季節や山の状態によって、アイゼンを使い分ける必要があります。

さきほど述べましたが、スカルパのミラージュは、セッティングの面からは、セミワンタッチ式アイゼンを選べば良い、ということです。

つまり、スカルパのミラージュには、軽アイゼンのセミワンタッチ式を選ぶわけです。

しかし、アイゼンを選ぶときには、もっと重要なことがあります。

それは、靴の形状とアイゼンの相性です。

なぜなら、靴の形状とアイゼンの相性が悪いと、アイゼンが外れやすいことがあるからです。

更に、登山靴のコバと、セッティングできるアイゼンの種類が上手くかみあっていないといけません。

アイゼンを選ぶときには必ず登山靴を持参して、お店の人など詳しい人に確認しながら、相性の良いアイゼンを選ぶことをおすすめします。

初心者は、登山靴を購入するときに、一番相性の良いアイゼンを一緒に購入しておくと良いでしょう。

スカルパのミラージュに合うアイゼンの素材!

アイゼンの素材にはクロモリ製(鉄)、チタン製、ステンレス製、アルミ製があります。

●クロモリ製:鉄に他の金属を加えた合金で、氷にも突き刺さり折れにくいが、錆びやすいのでお手入れが必要

●チタン製:クロモリ製同様に硬い上、軽いのが良い点だが、金額は高め

●ステンレス製:錆びにくくお手入れがあまり必要ないが、爪先が減りやすく、クロモリ製に比べると氷山では爪が折れる

●アルミ製:強度が弱く、岩や氷に爪が折れてしまうので、「軽い」という特徴から登山の時よりも山スキーなどに使用される

スカルパのミラージュには、アイゼンのどの素材が合うのでしょうか。

例えば、クロモリ製は鉄なのでやや重いですが、ミラージュとの相性は悪くないようです。

ステンレス製も悪いわけではないのですが、残雪の残る雪渓に行くなら、やはり「折れない減らない」というクロモリ製の方がおすすめです。

スカルパのミラージュにアイゼンをセッティングしてみよう!

スカルパのミラージュを履いて、残雪の春山や冬の低山に行くときには、準備の段階でアイゼンは必ず用意しておきましょう。

安全と考えていても、思わぬ状況が山では待っているかもしれません。

そして、準備する段階でミラージュにアイゼンを一度セッティングし、靴との間に隙間が無いかどうかなど、確認しておきましょう。

登山には、万全の準備で向かいたいですね。

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