最近では、海や湖でカヤックに乗ってフィッシングを楽しむ人を見かけることが多くなってきました。
ボートを使ったフィッシングの中でもカヤックは動力が人力のみで、かつ水面にも近いため、自然を満喫しながらフィッシングができます。
このカヤックの中でも、バイキングカヤックジャパンの「忍」は、日本の釣りのために産まれた生っ粋のフィッシングカヤックです。
このフィッシング性能に特化した忍は、カヤックフィッシャーマンに大人気です。
人気の忍を通じてカヤックフィッシングと、必需品であるクーラーボックスについて考えていきます。
忍の全ては日本のカヤックフィッシングシーンのために
カヤックフィッシャーマンに、大人気のカヤックである「忍」のメーカーからお話ししていきましょう。
忍を製造販売するメーカーは、バイキングカヤックジャパンです。
このバイキングカヤックジャパンは、オーストラリアでデザインされたフィッシング向きのポリエチレン製カヤックのメーカーです。
ポリエチレン製のカヤックは、ここ20年間で急速に発展しました。
それ以前は、木製やファイバーグラスのカヤックが主流でした。
同社の代表であるアレックス・ベネット氏自身もアングラーであり、フィッシングに対する情熱と経験が製品にフィードバックされています。
そして、人気のカヤックともなる「忍」を開発しました。
この忍は、日本のフィッシングのために設計された究極のジャパンモデルとも言える位置付けであり、多くのフィシャーマンの意見やアイデアを取り入れて設計されました。
スペックは、全長3,3m、幅77㎝、船体重量23kg、最大積載量110㎏です。
同社のコンパクトタイプや既存のフィッシング特化型の長所を取り入れて、コンパクトでありながら大容量のスペースを確保し、充実した標準装備にオプションも豊富でカスタマイズが楽しめます。
広大なリアカーゴスペースは、氷を入れてタートルシェルを閉めれば、クーラーボックスの代わりにもなるほどです。
カラーも豊富なカラーチャートから選べるだけでなく、追加料金なしで、カラーチャート内のカラーを2色選んで組み合わせるカラーオーダーもできます。
さらに、お客様の声を取り入れ、細部をマイナーチェンジし、進化し続けています。
これほど充実した内容で、価格も10万円以内で購入できるとなると、人気が出ないわけがありません。
カヤック忍の登場にいたるまで
70年代から80年代前半のアウトドア雑誌を見てみると、必ず表紙や記事や広告にカヌーで釣りを楽しむ写真が出てきます。
また、釣った魚をキープするため、クーラーボックスが普及したのもこの頃です。
当時、カヌーはルアーフィッシングと共に、これまでに日本にない、新しいスマートな釣りスタイルとして認識されていました。
その後、バスフィッシングの流行で、主流はアルミボートに移り、クーラーボックスは釣った魚を活かすライブウェルとして使われていきます。
やがて、80年代末からのバストーナメントの影響で、大馬力の船外機を装備したフルリグのバスボート全盛時代を迎え現在に至りました。
しかし、大馬力のバスボートは、日本の琵琶湖と霞ヶ浦水系以外では、オーバースペックで性能を持て余すだけです。
また、海においても、以前より、リョービのボートエースなどのプラスチックの小型ボートやゴムボートが、波風の影響の少ない内湾の釣りに使われていましたが、実用性重視であまりカッコいいとは、言えませんでした。
このような状況で、原点に帰って、手軽に自然を最も身体で感じて釣りができ、さらにカッコいいカヤックが注目され、忍のような特化したカヤックが登場したのは、まさに必然かもしれません。
カヌーとフィッシングカヤックとの違い
ところで、カヌーとカヤックとは、一体何が違うのかご存知でしょうか。
一般的にカヤックは、カヌーという種類の船の中の1つのジャンルとされています。
筆者もカヤックのことに詳しくなる前は、忍のような1人乗りの小型なのが「カヤック」で、大型なのが「カヌー」だと思っていた時期がありました。
このようにカヤックとカヌーの違いを知らない方もいるかと思いますので、ここではカヤックの歴史とカヌーとの違いをご説明してきます。
カヤックは、アリューシャン列島やグリーンランド、アラスカなど北極圏に住むイヌイットやエスキモーが海で狩猟や物資の運搬に使った船が原点です。
沈没しないよう、海獣の皮など覆ったクローズドデッキで気室を持ち、機動性、高速性の優れた細身の船体が特徴です。
足を前方に座って、両側に水かきが付くダブルブレードパドルで漕ぎます。
1人乗りだけではなく、捕鯨にも使っていたので、複数の人が乗れるものまでありました。
アリューシャン列島のイ.キャックとグリーンランド周辺のカヤックの2系統があったのですが、現在の進化したタイプは、カヤックの名称で親しまれています。
一方、カヌーと言えばカナディアンカヌーのことで、カナダの先住民が木をくりぬいて作った丸木舟が原点で、オープンデッキで片側のみに水かきが付くシングルブレードパドルで漕ぎます。
そして、忍をはじめとするフィッシングカヤックは、本来の狩猟能力を現在に進化させたタイプなのです。
獲物を保存するのに寒冷な北極圏では、クーラーボックスは必要なかったかもしれませんが、日本ではそうはいかないため、必需品となります。
カヤックの多彩なターゲット!悩みはクーラーボックス
カヤックが本来狩猟の道具であったことは既に述べましたが、多くの人はカヤックと言えば、川を下ったり湖でのんびり漕いだりするイメージが多く持っています。
忍などのカヤックを使ったフィッシングというのは、新しいジャンルのフィッシングスタイルかと思いきや、実は、元の使い方に戻っただけだったのです。
そして、小型の手漕ぎボートであっても、狙える魚は小魚だけではなく、様々なターゲットが狙えます。
まずは川から、カヤックフィッシングで狙える魚を見てみましょう。
上流の激しい流れの中では、操船だけで精一杯なので、やはりある程度流れが緩やかな中下流がメインステージです。
アンカーで固定すれば、餌釣りもできますが、やはり流しながらテンポよくできるルアーやフライフィッシングが似合います。
本州なら「バス」「ナマズ」「雷魚」、河口域では「シーバス」といったおなじみのゲームフィッシュが中心です。
また、北海道では、今や幻の「イトウ」や「アメマス」などの「トラウト類」が狙えます。
さらに、南の島々では、マングローブの林の中でまだ幼魚とは言え、「トレバリー類」や「南洋クロダイ」「フエダイ」といった、南北では夢のあるターゲットが狙えます。
また、湖のバスフィッシングでは、バスボートじゃ狙えない超シャローエリアやオーバーハングの奥の奥に潜むスーパービッグとのエキサイティングなファィトが楽しめます。
そして、ダム湖には、アマゴやヤマメが降湖型の「サツキマス」や「サクラマス」に成長して生息しています。
これらトラウトをレイクトローリングで楽しむのに、ロッドホルダーが、活躍してくれます。
海に舞台を求めれば、もう無限です。
「エギング」「シーバス」「タイラバ」「ロックフィッシュ」、「青物」や「シイラ」のキャスティングにジギング、沿岸に生息する魚で狙えないものは無いと言っても過言ではありません。
なにしろ、元々鯨さえもターゲットにしていたのですから。
さまざまなサイズがターゲットですから、最大の悩みは釣った魚を鮮度を落とさず保管するクーラーボックスをどうするか、ということになるのです。
カヤックフィッシンの必需品クーラーボックス
大人気のフィッシングカヤックである忍のリアカーゴスペースをクーラーボックス代わりにできるとは言え、やはり保冷力や容量を考えると、やはりクーラーボックスが必要になります。
ここでは、クーラーボックスについて述べていきます。
1962年に、世界で初めて全プラスチック製クーラーボックスが、アメリカのイグルー社から発売されました。
70年代には、様々なサイズのクーラーボックスがラインナップされ、全世界にひろがっていきました。
日本でも、70年代から釣りの道具として使われ始め、80年代には釣りだけでなく、様々なアウトドアライフに欠かせない道具として急速に普及しました。
プラスチックケースの周囲に断熱材を張り巡らせて外気を遮り、一定の温度を保つことを目的として、断熱材の種類や密度によって性能が違います。
一般に普及している廉価なタイプでも、断熱材に発泡スチロールを使用しており、釣りに使えなくはありませんが、やはり釣り具メーカーのモノが機能的にも保冷性能も優れています。
日本の釣り具メーカーは、断熱材に、発泡スチロール、ウレタンフォーム、それらと真空パネルの組み合わせたタイプという保冷力の違いで商品をラインナップしています。
保冷力が低いと言っても発泡スチロールには、軽さという長所があり、移動を繰り返す釣りには大きなポイントとなっています。
反対に、真空パネルを使うとどうしても重量が増え、移動の時の負担になります。
船での使用は、真空パネルタイプの重量は気になりませんが、ポイントを探して釣り歩く岸からでは軽い発泡スチロールがアングラーの機動力を妨げません。
使うフィールドやスタイルに応じて、クーラーボックスを選ぶことが重要なポイントです。
忍のリアカーゴスペースに似合うクーラーボックスを考える
それでは、フィッシングカヤック忍に適したクーラーボックスをお伝えします。
まずは、忍のリアカーゴスペースには、アメリカのイグルー社の「マックスコールド40」がジャストサイズです。
そのため、多くの忍ユーザーにも愛用されています。
イグルー社は アメリカでのシェア一位の老舗メーカーで、独自のウレタンフォームであるウルトラサーモ断熱材の保冷力も高く、コストパフォーマンスに優れた製品を送り出しています。
また、日本の釣り具メーカーが誇る、高性能クーラーボックスの中からも候補を選んでみましょう。
マックスコールド40クラスの容量は38Lです。
外寸は全長58.5cm、幅33cm,高さ44.5cmとなっており、忍のカーゴスペースに装備するのにはタイヤと大型ハンドルを外す必要があります。
蓋が縦に開くため、強風時は締めにくく、コードを付けたりしなければならず、また水抜き栓がないため、鮮度を保つための潮氷なんて上陸時のことを考えると恐ろしくてできません。
そこで、国産クーラーボックスの中から、同等サイズの全長と幅のモデルをご紹介します。
「ダイワ・プロバイザー2700」、「シマノ・フィクセル220」なら、最強の6面真空パネルモデルから軽量スチロールタイプまで予算と性能に応じて選べます。
また、「シマノ・インフィックス270」は、底面真空パネルがハイエンドですが、十分な保冷力と低価格でコストパフォーマンスに優れたモデルです。
このような国産クーラーボックスも性能が良いので、検討してみてください。
カヤックフィッシングをより深く楽しむために
人気の忍を通じて、カヤックが注目されるようになった背景や歴史、意外に知られていないカヌーとの違いなど述べてきました。
この記事が、カヤックフィッシングに対する情熱の足しになると幸いです。
また、忍と一緒に使うクーラーボックスを考えてみました。
より趣味の世界を豊かにするためにも、検討してみてはいかがでしょうか。
最後に、安全にはくれぐれも気を付けて、カヤックフィッシングを楽しんでください。