ここ近年は石油ファンヒーターが一般的に使われてきていますが、中には昔ながらの石油ストーブを使用している人もまだまだ多くいます。
アウトドアが好きな方で山に住まいを持たれている方は、石油ストーブを利用していることもあるでしょう。
10年近く使用していて「そういえばストーブの芯って変えなくていいのかな?」「交換時期はいつだろう?」と、ふと疑問に思ったことはありませんか?
今回はストーブの芯について覚えておくと便利な知識をご紹介します!
根強い人気の石油ストーブには選ばれる理由があった!
最近では、石油ファンヒーターや電気ストーブを使用する人が多いですが、石油ストーブを使用している人もまだまだ多くいます。
古い昭和の時代に使われていたイメージが強いですが、灯油さえあれば使用することのできる石油ストーブは、野外でも使用することができるため、アウトドアでの需要も増えてきています。
また、構造が簡単なため故障も少なく、騒音がほとんどないことも人気の秘密です。
さらに、石油ストーブは電気がなくても使え、災害時でも使用することができるので、再注目されるようになってきました。
ストーブの上には、鍋やヤカンをのせてお湯を沸かすことができ、その蒸気で部屋に湿度をあたえることもできるため、乾燥する冬の時期にはおすすめしたいアイテムの一つです。
実際には昭和時代に多く流通していたストーブのため、その時代から使用されているストーブもまだまだあるのではないでしょうか。
使われている石油ストーブは、芯式のものが一般的です。
そのため、この芯を交換しなくては使えないものがあったりもします。
しかし、最近のストーブを使っている方の中には、「10年以上使っていても、芯を変えたことがない」と思うこともあるのではないでしょうか。
また、「最近ストーブの火が不安定」という症状はありませんか?
ストーブの芯は変えなくても問題がないものと、変えないと使えなくなってしまうもの、ストーブの使用方法によっては芯を駄目にしてしまうものなど、様々な種類があります。
今回はストーブの芯の種類や、交換時期について知っておくと便利な知識をご紹介していきます。
そもそもストーブの芯って何?芯にはどんな役割があるの?
昔から利用されている石油ストーブは、灯油を燃料として暖める燃焼器具です。
燃料は灯油が使用されますが、一般的には「灯油ストーブ」ではなく「石油ストーブ」と呼ばれています。
石油ストーブの燃焼は大きくわけて三種類あります。
・加圧式
・ポット式
・芯式
一般家庭に多く出回っているのは、この芯式ストーブです。
芯式ストーブは、中心にある燃焼筒の下にガラス繊維や綿でできた芯があり、芯の下部が灯油に浸っています。
その灯油が芯に染み渡り、芯の上部まで浸透した灯油を燃焼させます。
炎は燃焼筒の中で燃え、筒の上部の金網を熱し、その金網と燃焼筒から赤外線が放出され、周囲を暖めていきます。
強さの調節は、ストーブについている調節レバーやダイヤルで、芯を昇降させて炎の強さを調節していきます。
石油ストーブにおいて重要な役割をもつ「芯」ですが、変えたことがあるという人は少ないのではないでしょうか。
長年使用していると、炎のつきが悪くなることがあり、つかなくなったりした場合、ほとんどの人がストーブの買い替えをしていると思います。
実は、この芯を交換することによって、火のつき方を新しいストーブ同様の状態に戻すことができるのです。
それでは次に、芯の交換時期についてご紹介します。
芯に交換時期の目安
石油ストーブに使用されている芯は、「ガラス芯」と「綿芯」があります。
ガラス芯の場合は、正しい使い方をしていれば、半永久的に使用できますが、誤った使用をしてしまうと、物理的に芯が劣化し交換しなければいけません。
綿芯の場合は、芯が消耗していきますので、暖まり方が弱くなったり、ススがでてくるようになりますので、この場合は早めに交換するようにしましょう。
綿芯の場合、使い方によって寿命は左右されますが、一般的には3年~5年といわれています。
もちろんそれ以上使える場合もありますが、気づかないうちに暖房の威力が弱まっていたり、火が不安定になっている場合があります。
・燃焼中のにおいがきつくなってきた
・火力が弱くなってきた
上記の症状が出てきた場合は、交換時期の目安となりますが、毎日使用していると気がつきにくい場合がほとんどです。
5年以上使用している場合は、試しに芯を変えてみるのもおすすめです。
替えの芯は、販売店やメーカーから直接購入することができます。
ストーブが古すぎる場合、販売店での取り扱いがないこともありますので、その場合はメーカーへ直接依頼してみてください。
廃盤になってしまった型でも、代替品が用意されていることがほとんどですので、あきらめずにメーカーへ連絡してみましょう。
古いストーブこそ大切に!芯の交換時期を伸ばす掃除方法
先程もお伝えしましたが、ガラス芯の場合、しっかりとメンテナンスをすることで、半永久的に使用することができます。
メンテナンスといっても、分解して掃除する、というような手間がかかるものではなく、簡単な作業です。
シーズンが終わって、ストーブをしまう前に「空焚き」をすることです。
空焚きとは、ストーブの灯油が完全になくなるまで、燃焼させ続けることです。
空焚きをすると、ガラス芯に残っている灯油を全て燃やしきり、芯の中まで熱を通すことによって、芯に溜まった不純物を除去していきます。
また、ストーブの中に灯油が残ったまま保管してしまうと、灯油が劣化し、翌年に劣化した灯油を使用することで、芯に悪影響を及ぼします。
芯を長持ちさせるためには、空焚きしてからしまうようにしましょう。
なお、ガラス芯に付着したホコリが焦げてススとなり、芯が目詰まりしてしまう場合があります。
この場合は、ガラス芯でも交換しなければいけません。
綿芯の場合は、ガラス芯とは逆で、灯油が切れた状態で燃焼(空焚き)させ続けると、芯が燃えてしまいます。
また、空焚きしなくても芯は年々燃えて減っていきますので、定期的に芯を交換しなければいけません。
交換時期は明確には定められていませんが、前章でご紹介したように、においがきつくなったり、炎が不安定になってきたら交換するようにしましょう。
芯の交換時期がきた!交換は自分でできる?それとも修理?
芯の交換は修理に出してもよいのですが、覚えてしまえば自分でも簡単に交換することができます。
芯の交換時期がきたら、まずは替え芯の準備をしましょう。
必要な芯の種類は、ストーブ本体や取扱説明書に記載されています。
芯はストーブの購入店やメーカー、インターネットでも購入することができます。
まずは事前に、本体に残っている灯油を使い切り、本体に溜まっているホコリも掃除しておきます。
<芯の交換方法>
1.灯油タンクを抜き、中央のガラス筒を外します。
2.ストーブ本体の両側面と背面にあるネジを外し、本体を上へ持ち上げながら外します。
3.芯の周りを覆っているカバーのような調節器を外します。
ネジで止まっていますので、ドライバーなどを使って外しましょう。
4.前面に芯を上下させるハンドル軸がありますので、固定しているネジを外しましょう。
5.ハンドル軸を右へ回すと芯が上昇します。
芯の周りを覆っている筒ごと反時計回りに回して、筒ごと芯を取り外します。
6.筒から芯を取り出し、新しい芯を取りつけましょう。
7.新しい芯に取り替えたら、元の位置に戻し、ハンドル軸を左へ回して芯を下降させます。
8.あとは、外したものを元のように戻して、芯の交換が完了です。
ストーブによっては若干手順が変わる場合がありますので、ストーブの説明書も確認してみてください。
アウトドア好きにおすすめしたい!人気の石油ストーブ
最近はアウトドアが流行していることもあり、アンティークなイメージのある石油ストーブに人気が出てきました。
その中でも特に人気のストーブをご紹介します。
・アラジン 石油ストーブ
レトロなイメージのアラジンストーブは、インテリアとしても人気があります。
丸型のストーブで、ストーブの周辺360度が暖かくなります。
通常の石油ストーブと比べると、芯のメンテナンスがこまめに必要で、芯の交換時期も早く、お手入れに若干手間のかかるストーブですが、デザイン性からとても人気のあるストーブです。
・スノーピーク レインボーストーブ
こちらも見た目のデザイン性から人気のあるストーブです。
テントやタープの中では使用できませんが、外で使用することができますので、キャンプのときにはとても便利です。
上に、鍋やヤカンをのせることもできるので、外で料理をすることも可能です。
・トヨトミ レインボーストーブ
タンクが二重構造になっているため、万が一転倒してしまった場合も、灯油がこぼれにくく安心できます。
定期的に芯を交換して、心地のよい暖かさと炎で癒されよう!
古いイメージのある石油ストーブですが、最近ではデザイン性の高い石油ストーブも多く発売されています。
芯の交換は一度やってしまえば思ったよりも簡単で、しっかりとメンテナンスしていけば、半永久的に使用できます。
野外で活躍するものもありますので、寒い時期のキャンプを石油ストーブで乗り越えましょう。