ダナーライトは、靴メーカーであるダナーを象徴するともいえる代表的な靴です。
最近ではハイキングや軽登山に用いるユーザーも多く見かけます。
このダナーライトを履いて、本格的な登山は可能なのでしょうか。
本記事では、ダナーの代表的なブーツであるダナーライト向きの山歩きとはどのようなものかを、お伝えしていきます。
また、山歩きの装備、登山靴の選び方についても触れていますので今後の参考にしてみてください。
ダナーライトの特徴
ダナーライトには、1979年の販売当時のデザインが現在も変わらず受け継がれています。
それまでブーツとは、堅く重い素材で作られ、足を靴の形に合わせて履くことが主流でした。
当時、軽量で丈夫なうえ、履き心地の良い素材や製法をつかって作られたダナーライトはこれまでの常識を破る画期的なものとしてワークブーツのユーザーに大きな衝撃を与えます。
ダナーライトは、袋縫いと呼ばれる独特の縫製方法や軽く柔らかい素材を使用することで、長い道のりも疲れることなく歩き続けることができます。
また、足の形や動きに合わせるように作られているので、長距離を歩くことになっても足への負担を感じることはほとんどありません。
今でも多くのユーザーの人気を集めているダナーライトですが、ソールの柔らかさなどからハイキングやトレッキングなど、高低差があまりない、低山を往く登山に向いているとされています。
ダナーライトの標準ソールは?
ダナーブーツの軽さ、疲れにくさの秘密はソールにあります。
ダナーライトを始め、ダナーのブーツのソールには「Vibram148」というタイプのソールが使われています。
このソールは歩きやすさ、疲れにくさに特化したダナーの標準仕様のものになります。
この「Vibram148」を横から見てみると、三段構造になっているのが分かります。
上下のラバーに挟まれているのはスポンジクッション素材で、この素材が入ることで歩いた時に抜群のクッション性を実現する事ができています。
堅い履き心地の登山靴やワークブーツを多く履いてきた方は、初めてダナーライトに足を入れるととても驚くでしょう。
長く歩くことの多いユーザーにとっては、靴の履きやすさと軽さ、歩きやすさはどこへ行くにしても重要になります。
また、このソール部分は張り替えをすることが可能です。
長く使ってすり減ったりラバーが劣化したときなどは、専門の業者に預けることで新しいソールに付け替えてもらうことができます。
登山靴の役割
ダナーライトは街でもアウトドアでも履けるブーツです。
では登山へ履いていく場合はどうでしょうか。
登山靴の役割や特徴と併せて検討してみましょう。
登山靴の持つ役割には以下のようなものがあります。
・足を保護する形状であること
・長距離を歩いても疲れにくいこと
登山では日の登っている間はずっと山の中を歩くことになります。
長い時間歩いても疲れにくい靴は、体力の消耗を押さえることにも繋がります。
そして、歩く足場は決して平坦で安全な道とは言い切れません。
大きな岩がある場所もあれば、滑りやすい倒木が多くある道もあるでしょう。
そういった場所を怪我なくより安全に歩くためには、アウトソールが堅いこと、つま先がしっかりしていること、そして足首を固定するようなタイプの靴を履かなければなりません。
ダナーブーツの場合、足首まで覆う形ではありますが、くるぶしの部分を含め全体的に柔らかい造りをしているため、荒れた道や高低差の激しい山道をいくような登山ではかえって足が疲れてしまいます。
そして、足首が固定されないために何かの拍子に躓いたとき、足首を挫くなどの怪我をしてしまうこともあります。
このような点を踏まえると、ダナーブーツは登山用にしにくい靴だということがわかります。
登山には種類がある!ダナーブーツ向きの山歩きってどんなもの?
厳密にいうと「登山」とは山頂を目指す場合を指します。
標高の差に関わらず、一番高い山頂が目的地であるなら、どのような山でも「登山」です。
このほかに、山を楽しむものとして「トレッキング」「ハイキング」があります。
これらは登山のように必ずしも山頂を目指すものではありません。
トレッキングとは山道を歩くこと、特に山のふもとをいくことを指します。
目的としては風景を楽しんだり、サークルなどのグループで行うレクリエーション活動のひとつとして取り入れられたりします。
歩くこと自体が目的という場合も多くあります。
整備されたコースを歩くことが多く、高低差もあまり激しくないのが特徴です。
ハイキングは、トレッキングよりもさらに歩きやすく高低差を避けた、平坦な道を歩くことを指します。
山中を歩くというよりは「里山や野山を歩く」という方が適切かもしれません。
登山やトレッキングよりもはるかに簡単な装備で、気軽にできるのがハイキングの良いところです。
ダナーライトを履いていくなら、長い距離を歩くことに向いた靴ですので、山のふもとを歩いたり里山の散策をしたりするトレッキングやハイキングがおすすめです。
登山については1,000m程度の低山であれば登ることができるかもしれませんが、前項でもお伝えした通り、高低差が激しいコースでは怪我をする危険性が高まります。
目的にあった装備で出かけることを心がけましょう。
ダナーライトを履いてトレッキング!主な装備を揃えよう
ここではダナーライトを履くのに最適な山歩き、トレッキングの基本的な装備についてご紹介します。
トレッキングコースは全国にあり、道の様相もさまざまです。
中にはスニーカーに普段着で気軽に歩くことができるコースもあります。
しかし、山歩きを徐々にレベルアップさせていきたいのであれば、機能性に富んだアイテムを揃えておくことをおすすめします。
はじめからすべてを揃えるのは大変ですので、特に重要なものから用意していきましょう。
●トレッキングシューズ(登山靴)
●ザック
●防水機能を持ったウェア
この3点は必ず準備します。
そのほかに、
・防水速乾性のアンダーウェア
・トレッキングポール
・アウトドア用の帽子
・グローブ
これらのアイテムがありますが、必要に応じて準備すれば良いでしょう。
最初に挙げた3点は、不思議なもので、身に付けてみるとすぐにでもトレッキングに出かけられるように見えてきます。
これらのアイテムは、できるだけお店に出かけて購入しましょう。
購入時にスタッフにいろいろとアドバイスをもらえることもあるので、初めて道具をそろえるときには店頭購入がおすすめです。
山へ行くなら自分の足に合う登山靴を履いて
ここまで、ダナーライトを取り上げ、登山靴やトレッキングシューズについてお伝えしてきました。
登山靴はダナーだけではなく、さまざまなメーカーから販売されています。
特に始めて購入するときには、メーカーものに拘って探すこともあるでしょう。
しかし、山歩きの時に何より大切なのは、自分の足に合った違和感のない靴を履いていくことです。
登山靴選びでは、一つのメーカーやブランドに拘らず、自分の足に合うものをじっくり試して選ぶようにしましょう。
選ぶポイントとしては、
・タイトなサイズを選ばない
・初心者や体力に自信がない人は軽い靴を選ぶ
・インソールにも気を遣う
このような点が挙げられます。
あまりぴったりした靴を履いて出かけると、歩いているうちに足がむくんできつくなり、靴擦れを起こします。
購入時に試し履きをして、ある程度余裕のあるサイズのものを選びましょう。
また、重い靴を履くと足の筋肉が疲れやすくなります。
普段の運動量が少なめだったり初めて山歩きや登山に挑戦するときには、片足600g前後(男性用の場合)の計量モデルの購入を検討してみましょう。
そして、余裕があれば、インソールについても気を遣いましょう。
歩く時の体の姿勢は、靴底の状態を庇って崩れることがあります。
履いていて違和感を感じるときには、インソールを交換してみましょう。
山歩きの目的にあった靴を選ぼう
ダナーブーツは低山登山やトレッキング向きのブーツです。
長く快適に歩くための工夫がたくさん詰まっています。
一方で登山や山歩きにもいくつも種類があり、準備する装備にも違いがあります。
登山靴は自分の足元を守るものですから、目指す山や目的、そして何より自分の足に合ったものを選んで快適な山歩きを楽しみましょう。